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SCP-4858。
アイテム番号: SCP-4858
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 武装境界線がSCP-4858の周囲に設けられています。警備員と研究員が常時現地に駐留し、SCP-4858-A出現事象の発生可能性に対処します。全ての侵入者とSCP-4858-A個体は、望ましくは周囲の状況に反応して自殺措置を講じる前に拘留します。
説明: SCP-4858はマリのキダル州にある神殿の遺跡です。未知の構造や設計が確認されており、紀元前4千年紀に"サプエハ"Sap'e'haという正体不明の神格を崇拝する目的で建造されたと考えられています。
神殿の基部の周囲には、英語、フランス語、トゥアレグ語、正則アラビア語、未知のアラム語方言で書き記された碑文があります。これらの碑文は、紀元前4千年紀から西暦1世紀までの様々な年代に彫られています。SCP-4858の近傍から発見された幾つかのレンガは、そのような建造技術が発明される数千年前の、紀元前9千年紀の物だと確認されています。
完全にランダムな間隔で、1体のヒト型実体(以下、SCP-4858-A個体とする)がSCP-4858の内部に出現するようです。SCP-4858-A個体は典型的に、重度の火傷によって到着後間もなく死亡します。到着時に死亡しなかった4%の個体は全員、財団に拘留された直後に、口中に隠していたシアン化物の錠剤を呑んで自殺しました。しばしば、複数のSCP-4858-A個体が短期間に連続して出現することがあります — 遺伝学的検査により、通常これらの個体群は家族を形成していると明らかになりました。
火傷を負ったSCP-4858-A個体の衣服や所持品は通常焼けていますが、稀に所持品が傷ついていない場合もあります。この要因は不明です。SCP-4858-A個体は頻繁に印刷書籍や写本を持って出現しますが、これらが出現時に無傷だった事例はまだ一度もありません。
過去複数回、SCP-4858に接近し、遺跡を観察する人物たちの姿が確認されています。彼らは多くの場合、著しい精神的苦痛を感じているように見えます。これらの人物たちを捕獲する試みは通常失敗します。現在までに捕獲されたのは僅か4名であり、いずれもSCP-4858-A個体と同じ手段で自殺しました。
SCP-4858は、付近の村落による"砂漠から現れる人々"の報告に続いて、1972年12月10日に財団に発見されました。SCP-4858-A出現事象の頻度は、財団の収容に続いて大幅に低下しています。1973年に1515回報告された事象発生数は、1976年には13回まで減少し、2010年以降は僅か5回です。
碑文1: 紀元前400年頃のもの。英語で記されている。
サプエハを讃えよ! 壁は崩れ去ろうとも、それは暗闇の中を通り、我々を光へと導く! 本が燃えようとも、それは我々を救済へと導く!
サプエハ万歳! 後戻りはできなくとも、その差し伸べられた掌を通して、彼らは我々を新たなる家へと導いた!
サプエハに栄光あれ! 全ての者が投獄されようとも、ここには我らの悲哀を癒す葡萄酒と歌があるのだ!
碑文2: 紀元前1200年頃のもの。未知のアラム語方言で記されている。
私の愛しいケフュスへ
君がこれを読んでいるならば、生きてトンネルを抜けられたのだろう。何処で君を見つけられるかは分からないが、もし正しく指示に従っているなら、そう遠からず会えるはずだ。その時が待ちきれない、愛しい君よ。伝説のバビロンを見つけ出す日まで、共に馬とラクダで旅をしよう!
もし君が間違いを犯したり、何かが上手く行かなかったならば — どうか、元気に暮らしていてくれ。いつでも幸福であってほしい。何処かの丘の上に、或いは太陽が水面を照らし出す紺碧の湾を見下ろせる街を見つけてくれ。他の男を愛してくれ。そして奴らの目に注意しろ、奴らは何処にでもいる。
ダモスより。
碑文3: 紀元前1800年頃のもの。ティフィナグ文字を使って、古フランス語で記されている。
誰でもこれを読める奴へ: 64番のダイヤルをチェックしろ。人々は行方不明になるか、さもなければ1972年の分割点以降に流れ着いている。少なくともこれまでに40人消えた。
もし反対側にいるサプエハの構成員の誰かにメッセージを届けられるなら、こいつを必ず、早急に修正しろと伝えろ。このままだと向こうではあと数時間でトンネルがぶっ壊れる。
碑文4: 西暦30年頃のもの。正則アラビア語で記されている。
僕たちが姿を見せ始める前、此処には砂があり、バアルの寺院があった。それら全ての崇拝者たちは故郷から遠く離れた場所に寺院を建て、やがて僕たちが現れてそれを時間から抜き去ってしまった。それを思うと気分が悪い。正しい行いじゃない — でも少なくともここに奴らはいない。少なくともここでなら僕たちは生きていける。
僕はこれからカルタゴへ向かう。この時代はローマ全盛のはずだ。ファティマ、ヘンリー、これを読んだら僕の所へ来てくれ。今は夜で、とても静かだ。こんなに空虚な音を聞いたことが無い。暗いけれども、空の暗闇だ。檻の暗闇じゃない。
碑文5: 紀元前3800年頃のもの。英語で記されている。
この岩をホラーツィオの高貴な友、ゲンガーに捧げる。彼女に安らかな眠りあれ。
俺は本が燃えてゆく光景を決して忘れないだろう。サプエハは今日良い仕事をしてくれた。奴らがこの道を発見しないのを願う - 記録によるとたった一つしか切り抜けなかったらしいし、今から見ると何年も離れているから、きっと俺たちは無事だと思う。
記録は道半ばで焼けてしまったから、俺たちには何も残されていない。俺たちは何千もの場所に散り散りになって、存在すらしなかったかのように生きて死んでいくんだ。でもそれだけの価値はあった。人生はそれに値する。
アイテム: 4858-1.
説明: 部分的に無傷なヘッドスカーフ。1994年06月20日に出現した30代半ばの女性から回収。
注記: ヘッドスカーフは天然の染料と布地だけで造られています。シリコンの破片が幾つか、内部に巻き込まれていました。
アイテム4858-2。
アイテム: 4858-2.
説明: 1970年代半ばのパンアメリカン航空客室乗務員の制服を着た女性の写真。1980年09月19日に出現した20代半ばの女性から回収。
注記: 裏面にはフィンランド語で"アーダ叔母さん - 探す!"と記されています。アーダ・コルホネンという同一容姿の人物が、1971年01月25日、ニューヨークにあるアパートメントで焼死体として発見されています。
アイテム4858-3.
アイテム: 4858-3.
説明: 1970年頃のフィンランドの町、プオティンハリュと推定される都市型集落の写真。1980年09月19日に出現した20代半ばの女性から回収。
注記: 裏面にはフィンランド語で"浄化される前の古い家 - 20世紀後半/21世紀初頭?"と記されています。
アイテム: 4858-4.
説明: 人間の手に絡みついた蛇の小像。1985年03月01日に出現した20代前半の女性から回収。
注記: 未特定の植物に由来する未知の化合物で造られています。台座には"サプエハ"という文字が記されています。
アイテム: 4858-5.
説明: 未知の装置の操作方法を記した一連の印刷物のページ。1989年12月19日に出現した20代半ばの男性から回収。
書き起こし: クリック音が3回聞こえるまで回転させます。重要な点として、回すのは最大で95回までです — それ以上回すと着地が安全ではなくなります。この手順を順守しても安全な着地は保証されないことに留意してください。
転送が始まると、幾つも枝分かれした緑色の炎が見えるはずです。あなたがこの炎に入ることが不可欠です。これは深刻な火傷を防ぐ唯一の手段です。詳細はゲンガー(2099)を参照してください。"モロトフ・アージェンソート"Molotov Argenthoughtのコーナーにあります。
着地の際は、寺院が破壊されているか、傷付いていないかを確認してください。破壊されていたならば[火害により判読不能]
覚えておく事: "他の道"は最終手段としてのみ使用するべきです。もっと信頼できる退出ルートがあります。
アイテム: 4858-6.
説明: 手書きのメモ。2004年12月29日に出現した10代半ばの男性から回収。
書き起こし: 31にセット、31、3回カチッというまで95回回す
トンネル83
退出点: 手の寺院、絶対に1972年より前 (制御盤の精度をチェック!!)
奴らは多すぎる、これまで気付かなかった、奴らが山から降りてきたら何処にも逃げる場所が残ってない暗闇だけだ真っ暗闇だ
ポートは俺たちを追い返した、奴らは俺たちを生かしておかないしそれを"[判読不能]"と呼ぶ
メアリー マーサ すまなかった
俺は岩陰に顔を隠しに行くよ
アイテム: 4858-7.
説明: 財団のロゴが描かれた小さなバッジ。2019年11月08日に出現した、機械的増強手術の形跡がある40代前半の男性から回収。
注記: アイテムには大きく"SCP連邦"と記され、その下により小さな文字で"一つの収容。一つの総意。一つの国家。"と綴られています。