SCP-4767の現在のロゴ。被験者の証言に基づき作成。ラテン語の銘は「ズボンをお履きください」と大まかに翻訳される。
アイテム番号: SCP-4767
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 夢に関する民間の研究は監視されます。学校に関係した夢の研究は可能であれば中止させ、あるいはSCP-4767の存在を遠ざける虚偽の情報を与えてください。
説明: SCP-4767は人口の少数に共有された無意識下に存在する異常な大学です。
SCP-4767は通常の夢のパターンに関する財団主導の研究により発見されました。学校に関連する夢や悪夢の情報を記録する際に統計的に優位な数の被験者が一貫した大きさ、教職員、周辺環境、そして建物の建築様式を詳細にわたるまで描写していました。この被験者間の描写の類似性は、偶然の一致としてはあまりにも大きいものの、これらは既知のいずれの学術機関とも一致していません。より詳細な調査により、「ドリーム・ステイト大学」または「DSU」として大学構内では知られるSCP-4767の存在が明らかになりました。
影響を受けた被験者はSCP-4767を林に囲まれた、ゴシックかつ新古典主義の建築様式である中規模の大学だと描写します。被験者は繰り返しSCP-4767の構造を「ややこしい」や「迷宮のようである」と表現し、講義室の位置を記憶、発見することが困難であると報告しています。財団の研究者は苦労の末、これらの記述に基づき実用的な地図を作成しました。これは学科の講義室が1つか2つかの建物の中ではなく、すべての建物内にランダムに配置されていると思われることを示しています。加えて、被験者は講義の日程と行き過ぎた難易度の考査に関して多大な混乱を報告しています。この2点の問題はしばしば名簿登録されていた覚えがない講義の試験を受けるよう要求されていると気付いた際に悪化します。これらの考査の内容の解析は人類が未だ知らない事実と常に関係していることを明らかにしました。以下はいくつかの例ですが、これに限りません。
- P=NPを証明せよ(過程を明らかにしなさい)。
- シェイクスピア『カルデーニオ』第二幕におけるテーマと登場人物の行動の理由を解析しなさい。
- ダークマターの正体と目的、誰によって造られたか答えなさい。
- なぜエントロピーは時間とともに増加するか。どのような状況でエントロピーはリセットされるか。
おおよそ人口の1%がSCP-4767の夢を報告しています。影響を受けた個人の大部分は精神適性の試験において基準値を著しく上回っていますが、その他に知られる共通点はありません。
補遺4767-a: インタビューログ、2018年01月21日
明晰夢の技術と睡眠導入剤の組み合わせを使用する機動部隊オミクロン・ロー"ドリーム・チーム"のメンバーはSCP-4767に潜入、調査をする任務を課されています。直接質問をすることは、SCP-4767の職員がエージェントに「学生で無き者校内に立ち入るべからず」と伝え、SCP-4767の消失につながると、失敗に終わったファーストコンタクトの試みが明らかにしました。
2018年1月21日に、機動部隊に入隊する前よりSCP-4767の夢を報告していたエージェント・サンドバルは彼女自身を学生であるとすることでSCP-4767への立ち入りを可能にしました。本部の建物を特定したのち、エージェント・サンドバルは多数の事務的な職員の間をたらい回しにされ、最終的に「大学カウンセラー ザクソン-3」と名乗る人物(以下、SCP-4767-1とする)の下にまわされました。SCP-4767-1の外見は灰色の薄い髪を持つ中年のコーカソイド男性で、その顔は彼女の7年生の時の英語教師であるとエージェント・サンドバルは報告しました。以下のインタビューの詳細はエージェント・サンドバル自身によって報告されました。
サンドバル: お会いしていただき、ありがとうございます。
SCP-4767-1: 大丈夫です。お名前をいただけるかな?
サンドバル: ローレン・サンドバルです。
SCP-4767-1がファイルを近くの書類整理棚より取り出す。
SCP-4767-1: うん、話している間に私が君の記録を持っていることを確かにしておきたかったんだ。
サンドバル: そんなに特殊な名前じゃないですよね。どうやって-
SCP-4767-1: 人間、25歳、タマラとロドリゴ・サンドバルの娘、好きな色は空色、幼稚園の頃、クラスの前で舞台上で[編集済]したね?
サンドバル: そう、それが...あー、それが私です。それで-待って、あなた「人間」って言った?あなた人間じゃないんですか?
SCP-4767-1: ハァ!面白いね。冗談は置いておいて、何か力になれますかね?
サンドバル: あー、そうですね、私がここで何をしているのか、迷っていたところだと思います。
SCP-4767-1: 専攻科目を考え直したいんですかい?ご心配なさらず。誰にでも起こりえますよ。我々のプログラムに参加してみることはお考え-
サンドバル: いや、えっと...なんで私、寝るときにここにいるんですか?なんでこの場所が存在してるんですか?
SCP-4767-1: 冗談でしょ?...そうじゃない?
SCP-4767-1: 真剣そうですね。睡眠研修の最中に目覚めに落ちた人みたいだ。こりゃあ、これは本当に私の仕事じゃあないんだけどね、正直に言えば、百年かそこらの間で君が初めて、主導権を握ったのを見たんだよ。だから、私は君がやっと興味を持ってくれたことをうれしく思うよ。それじゃあ、単純に行きましょうか。なぜ君は眠る?
サンドバル: 筋肉の緊張を和らげて、過労を防ぐため?
SCP-4767-1: 違います。それはあなたが休む理由だ。なんで君は、アー、意識を止めて無意識の状態に落ちるのかな?
サンドバル: 知りません。
SCP-4767-1: 私は-ワオ、こりゃあ、信じられないな...えっと、典型的だよ。授業に行かなくて、テストも全部落第して、それにあのズボンのこともある。いや別に我々がズボンのことを気にしているとか、そういうのじゃなくてね、実際君らが来る前はズボンを概念として認識することすらしてなかったんだから。でも君らの文化の「ほのめかした侮辱」のレベルは驚くほど高いし、君らはそれを続けているじゃないか。ずっとずっと!それで今は何が起こっているかわからないと苦情を言いに来る?ほんとうに?
サンドバル: 私は2か月ほど前にここを初めて夢に見ました。あなたは私を混乱させていると思-
SCP-4767-1: なんてことだ、あなたも「個別意識」の人なのですね。それは一過性のものですよ、私にも覚えがあります、ラボノック教授の神経物理的拡張117番の講義を受ければそんなものはすぐに消えてなくなりますよ。まあ実際、あなたが一度でも講義に出てくれればの話ですが。私らはあなたの違う部分を受け入れ続けて、結局のところ同じように終わる。私はどんな学生にも見切りはつけませんが、あなたは本当にやりにくいですね。ただもっと勉強して、目を閉じ続けようとしてください。お願いです。
サンドバル: 聞きたいことがあります。もし私がそんなにやりにくい学生なら、なんで私の違う...部分を受け入れ続けるのです?
SCP-4767-1: つまりだね、一世紀ほど前、高度教育を受けている知性体の中で人間の割合が低すぎるという指摘を受けた。私はこれが自助努力 (bootstrapping) の問題であるという意見に大いに同意するよ。つまり、知性階級が何もせずとも勝手に発展していくものだとは到底思ってはいけない。だから...
サンドバル: すみません、私が積極的格差是正措置のおかげでここにいるとおっしゃるのですか?
SCP-4767-1: まあ、我々は選考段階の時に知性階級を考慮に入れます。しかしこれは一要素にすぎません。私は、アー、ウム。今のお話は、他の人には内緒にしておきましょうか。他に何か、お力になれることは?
サンドバル: 実際に、えーと、どうやってこれらすべてに支払ってるんですか?
SCP-4767-1: うん、君は入学の時に自動で我々の学生ローンに登録されているはずですよ。そんなに高くないですよ。本当に。そうだ。これこそ私が話していたことだ。ほら。
サンドバル: 何です?
SCP-4767-1: あなたはまさに目覚めに落ちるところです!もう目を閉じていられないでしょう?
サンドバル: すいません、私は別に起きようとは...
SCP-4767-1: もうちょっと頑張るのは、別に不合理ではないと思いますよ。私の忙しい予定の中で時間を取ってあなたを助けて...
エージェント・サンドバルが起きるにつれ、SCP-4767が消失する。
補遺4767-b: 更なる研究のための正式な要求
Date: 2018年02月01日
From: エージェント・ローレン・サンドバル
To: サイト管理官 コリン・バークリンリクエストID: A86DN975DNSK
要求の詳細: SCP-4767からの卒業の影響を調べるために、4年の間医療的に昏睡を誘発させる。
Date: 2018年02月09日
From: サイト管理官 コリン・バークリン
To: エージェント・ローレン・サンドバルリクエストID: A86DN975DNSK
状況: 拒否返答の詳細: 教職員はあなたと何千万もの影響を受けた人間とを区別するのに大きな困難を抱えている。財団は影響を受けた対象が卒業し、未だ知られていない学生ローンの負債が期限を迎えた時に何が起こるのかに興味を持っていない。
Date: 2018年02月09日
From: エージェント・ローレン・サンドバル
To: サイト管理官 コリン・バークリン題名: Re: 要求A86DN975DNSK
返信: ならば我々が落第した時に何が起こるでしょうか?