アイテム番号: SCP-475
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-475はサイト-36の貯蔵ユニット45-Cの防水収容ロッカーに保存されなければなりません。超常宗教を用いた全ての実験はサイト管理者の許可が必要です。
宗教的要注意団体にオブジェクトの存在を知られる事を防ぐために、SCP-475の情報はレベルIII情報保障プロトコルに従います。
説明: SCP-475は、身元不明のローマ教皇を象った華美な石鹸の彫刻です。像の底部には"清潔は敬神に次ぐ美徳"というフレーズが彫り込まれています。分析によると、質量の89.7%を占める長鎖飽和脂肪酸(CH3-(CH2)n)と、残り10.3%の親水性頭部として付加された███████-████で構成されています。███████-████はSCP-475に特異な性質を与えていると考えられますが、この化合物を再現しようとする全ての試みは失敗しています。
水に濡れたSCP-475が皮膚に塗布されると、蓄積されていた外部からの汚染物質が全て除去されます。実験済みの物質には、死んだ皮膚細胞、汗、身体寄生虫、カビ、垢、及び洗剤が含まれます。実験後の検査では統計的に異常ながら、外部からの汚染物質が100%除去される事が分かっています。このプロセスはヒト皮膚に使用する場合にのみ発生します。SCP-475を非ヒト対象に使用しようとするこれまでの試みは全て、異常な効果を発生させませんでした。SCP-1845やSCP-2050などの異常動物での実験は承認待ちです。典型的な石鹸と異なり、SCP-475が使用によって減少することはありません。
SCP-475の二次的な異常効果は組織化された宗教の信者に使用された時に明確に表れます。被験者は普遍的により強い精神的明晰さを報告し、教会の教義へのより強い忠実さを示し、またブランドン=スペクター信仰心尺度において少なくとも15 センチアキヴァ以上の点数を取得します。これらの効果は被験者がオブジェクトを使用する時間が長くなるにしたがって増大し、ピーク時には局所的な現実改変を引き起こします。この改変を特徴付ける要素として、半径5メートル以内の全ての水が被験者の属する宗教において「神聖」と見做される液体に変化します。これらの変化の事例は実験ログ-475を参照して下さい。
補遺: SCP-475は境界線イニシアチブの反乱分子がSCP-475のコントロールを放棄した際に財団の封じ込め下に入りました。構成員らは、団結の維持および内紛の防止を望むためにオブジェクトを保持できなくなったと述べました。SCP-475は "逆さ十字と一致する"傷による死亡と診断されたカトリック枢機卿████ ███████の居住地から回収されたと伝えられています。以下の資料も提供されました:
私は私に与えられた個人的な啓示を留め置くためにこの文書を書きます。ここ数年の間、私は私の信仰と争っていました。紙に書き起こすと、この考えは馬鹿げているように見えます。私は、信仰の指導者です。私は、投票によって聖ペテロの後任者に決まりました。私は、神の栄光の否定しがたき証拠を持っています。イニシアチブは数多の誤りを犯した不敬な集団ではありますが、彼らは神の栄光の否定しがたき証拠を我々に与えました。救済を考慮しない魔術勢力との不可解な協定のために、世界からこの証拠を差し控えなければなりません。この否定しがたき証拠にも拘わらず、私は神が全能ではないという恐怖と争いました。全能で栄光ある神が、人智を超えた偽の偶像として人に寄り添うなどありえません。神の御恵により、私の恐怖は静まりました。昨夜、私は聖マリアの亡霊を見ました。其の栄光を表現しようとするのは無駄なことですが、自制し難い壮大な体験でした。我々は沖に居ました。波の下で、私は浄化を待っている告解者を見ることができました。更にその下の、深いところには天地創造がありました。あたり一面は聖人の彫像で美しく飾られ、それぞれがより遠くで一つの教会に繋がっていました。聖母マリアは多翼の火の動物が運んできた台座に座り、彼女自身によって光り輝いていました。彼女の右腕の中では、救い主が彼女によって抱かれていました。彼女の左には、大理石のブロックがありました。彼女は私を信じ、私の使命を教えてくれました。大理石に包まれていたのは天の国の鍵、教会教導権そのもの、聖人から聖餐を受ける権利でした。それを手に取り、"鍵を解放せよ"、そして信仰に仕える人々を浄化せよ、と私は命じられました。達成されれば"全てが明らかになる"と言われました。私が目を覚ましたとき、私のナイトスタンドには石鹸のブロックがありました。怪しくはありましたが、しかし私は神のお考えについて疑問を呈していません。その夜のことはハッキリとしません。私はこの使命を果たすために熱烈に働いています。今でも、私は疑いを持っています。しかし私は人間です。疑うことからは逃れられません。私が確信できることがあるとすれば、それは私が神の計画の歯車の一つであるということです。
-████ ███████
補遺: SCP-475は超常宗教を伴う広範な実験が認可されています。
追記: 財団管理下にある超常宗教信者の不足のため、SCP-████は適切な被験者を作成することが認められています。
被験者の宗派: ローマ・カトリック
使用時間: 3分
結果: 水は様々なカトリックの典礼で用いられる聖油と一致するオリーブ油とバルサムの混合物に変わり、聖痕が被験者の手に現れました
追記: 異常な影響により、被験者は回心の祈りを朗読しました。その後3日間をかけて聖痕は治癒していきました。
被験者の宗派: ローマ・カトリック(教皇空位主義者)
使用時間: 5分
結果: 水は様々なカトリックの典礼で用いられる聖油と一致するオリーブ油とバルサムの混合物に変わりました。明確な異常は観察されませんでした。
追記: 実験後のインタビューにて、被験者は現在の教皇を正当な最高神祇官として認めたことが示されました。
被験者の宗派: ペンテコステ派
使用時間: 11分
結果: 水は殺菌されたブドウジュースに変わりました。被験者は異言の症状を示し始めました。被験者は実験後のインタビューで真性異言を見せました。
追記: 被験者は以下の要求をしました:
- サイト-36の病室へのアクセス
- 現地サイトに収容されている"悪魔染みた"実体への接触
- ペットのヘビ
要求は拒否されました。
被験者の宗派: 敬虔主義的ユダヤ教
使用時間: 60分
結果: 異常な結果が得られなかったため、実験は中止されました。被験者は素行や思想の変化を激しく拒否しました。
追記: カント計数機では周囲のヒュームレベルが███%上昇していました。更なる実験が必要となります。
被験者の宗派: 壊れたる教会
使用時間: 13分
結果: 水は機械油に変わりました。被験者はSCP-217感染の症状を表し始めました。
追記: 被験者は隔離下に置かれました。 48時間以内に、被験者の体内のSCP-217感染要素が不活性化したことが確認されました。被験者は更なる研究のためにサイト-234に移されました。
被験者の宗派: 歯車仕掛正教
使用時間: 14分
結果: 水は機械油に変わりました。被験者は表面に多数の模様を持つ金属製の卵型のオブジェクトに変形し続けました。
追記: オブジェクトのSCP-1564実例としての分類が協議中です。
被験者の宗派: マクスウェリズム
使用時間: 15分
結果: 水は熱伝導接着剤に変わりました。被験者が"頭が割れるような痛み"を訴えたため、実験は終了されました。分析は被験者の脳の一部が標準的なマクスウェリズム派の標準的な増強とは一致しないサイバネティクスに置き換えられたことが示されています。
追記: 被験者は全てのマクスウェリストが最初の増強の移植後に経験する幻覚のビジョンである"シグナル"の継続を経験したと主張しました。このビジョンは[データ削除済]。
被験者の宗派: ネオ-サーキシズム
使用時間: 30分
結果: 水は血液に変わりました。被験者はSK-BIO タイプ█実例に変形し始めました。実験は中止され、被験者は沈静化させられました。再開時、被験者は石灰化して大雑把な楕円体の物体になり、マイクロ波領域の熱放射を始めました。
追記: 神格化イベントを防ぐため、ネオ-サーキック・カルトを伴う更なる実験は停止中です。被験者は現在サイト-10の第2収蔵室です。
被験者の宗派: 淫王の子ら
使用時間: 45分
結果: 水は血液に変わりました。被験者は一連の変容を経て、次第に(ダエーバイトのカーストシステムにおける)DV-BIOタイプ変異種に進化していきました。変異は被験者のダイオウホウズキイカ(Mesonychoteuthis hamiltoni)への変身により最大に達し、死亡しました。
追記: 遺伝子検査は血液が一般的なマッコウクジラ(Physeter macrocephalus)に由来すると示しています。
被験者の宗派: 第五主義
使用時間: 25分
結果: 水は100体のヒトデ亜門の標本に変わりました。被験者は溶けて蝋になりました。
追記: SCP-1523との関連が疑われています。
被験者の宗派: 第2ハイトス教会
使用時間: 30分
結果: 水は血液に変わりました。被験者の額に鋭角七芒星の色素形成が発現しました。被験者は以前持たなかったハイトスの儀式とオルトサン語についての知識を示しています。
追記: 分析は血液が一般的なカンテンダコ(Haliphron atlanticus)に由来すると示しています。
被験者の宗派: 松明の子ら
使用時間: 17分
結果: 水はSCP-2814に生成されたものと同様の液体の炎に変わりました。被験者は融解してワックス状の物体に変化しましたが、運動性や認識能力を保持しています。
追記: 被験者は24時間後に死亡しました。遺体はサイト-23に保管されています。
被験者の宗派: オーストラリアのオーストラリア人教会
使用時間: 1分
結果: [データ削除済]
追記: オーストラリアのオーストラリア人教徒との更なる実験にはO5評議会の全会一致の承認が必要です。AU-クラス世界終焉シナリオを阻止する研究はクラスXI優先事項に思われます。