SCP-4725
評価: +15

クレジット

タイトル: SCP-4725 - インサージェンシーの解決策
原著: ©︎OthellotheCat OthellotheCat
翻訳: Aoicha Aoicha
査読協力: kumer1090 kumer1090
原記事: SCP-4725
作成年: 2018

評価: +15
評価: +15

アイテム番号: SCP-4725

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-4725は標準的な人型収容室に保管されます。SCP-4725にはいかなる形態の栄養や酸素も必要ありませんが、損傷がないか定期的に検査し、必要であれば修理を行わなければなりません。SCP-4725のドーパミン限界値を監視し、必要に応じてドーパミン阻害剤を強制的に投与します。

説明: SCP-4725は改造されたブテオ・シリーズの機械式外骨格です。現在は財団倫理委員会の元職員であり、カオス・インサージェンシーのエージェントであるカーター・コーネルの姿をとっています。SCP-4725は頭蓋部分に刻まれた様々な魔術的ルーンを除いて、標準的なブテオ・シリーズの機械式外骨格とほぼ同一の外見を有しています。

頭蓋部を開くと、SCP-4725は感情と知性を有しているにも関わらず、それらを制御する脳を持っていないように見受けられます。さらなる調査により、SCP-4725の頭蓋部に挿入された脳はすべて顕微鏡での観察が可能な程度まで圧縮されており、除去は不可能であることが判明しました。また、さらなる脳を挿入する余地があることも判明しました。SCP-4725に挿入された脳は、自分の意志でこうなることを試み、生み出された可能性があります。

2130年9月28日の時点で、78個の脳がSCP-4725の内部に保持されています。内部に存在できる脳の数に制限はありません。

補遺4725-01、インタビュー記録4725-04: 2130年9月28日、SCP-4725は倫理委員会の職員であるバイオレット・メスムル博士とのインタビューを要求しました。このインタビューのためにSCP-4725とメスムル博士の両方を検査した後、インタビューは承認されました。

<記録開始>

メスムル博士がSCP-4725の独居房に入室する、SCP-4725が彼女を睨みつける。

メスムル博士: 友好的な再会とは言えませんね。

SCP-4725: あんたには相応しくないね。

メスムル博士がSCP-4725の向かいに座る。

メスムル博士: それでは聞かせてもらいましょうか。SCP-4725、私はここで一体何をやっているんでしょうか?私達が友好的にならないなら、私はすぐにここを去ることも出来ますが。

SCP-4725: あんたに言いたいことがあるからだよ、博士。社会として、俺達が人類のために出来ることを言いたかった。財団での立場からしなければならないことをね。

メスムル博士: 私がやっていること...私達がやったことは間違っていた、と説こうとしているのならやめてください。貴方は私を笑わせるだけで、私は限界値を超過したくありません。どうもありがとうございます。貴方の言いたいように言ってください。

SCP-4725: ああ、忙しいのかい?そりゃごめんよ、俺はあんたに不都合なことをする気は無かったんだ。あんたは俺達が起こした混乱全部を片付ける作業に戻る必要があるね。

メスムル博士: 実際私は戻らなければなりません。しかし、私達が集合的に選択しなかったように貴方が行動していることには驚いています。

SCP-4725: いいや、あんたは間違ってるね。俺は自分がしたことをちゃあんと、しっかりと知っている。それに俺は...そうだね...少なくとも俺達が持っていたゴミをそのまま受け入れるんじゃなくて、ことを改善し続けるために何かしたよ。

メスムル博士がうなり、席を立とうとして体を動かす。

メスムル博士: なんてこと。私は金輪際レトリックを聞くつもりはないと前に言いました。ああ、これさえも時間の無駄だっ-

SCP-4725: 1249万、6806人さ。メスムル博士。

沈黙。

SCP-4725: 俺達が誘拐して、催眠をかけて、酷く扱った人間の数だ。比べるにはバケツの中の水滴みたいな数だけどね、ええと、この星にいる全人類...150億人とはね。だけど彼らはみーんな人間だ、なんてこったい。それに、これらのスーツの中に入ってる命を数えてさえいない。

メスムル博士: 人口の0.1%にも届いていません。

SCP-4725が前のめりになる。

SCP-4725: そんな風に考えるのは簡単だ、そうだろう?だけど、"モンタナの人口の20倍"って言ったらどう聞こえる?"偽造品のヒプノトラリンの副作用による犠牲者の78%は貧困層または高齢者です"なんて言い換えたら?

メスムル博士: 私を怒らせようとしているのですか、SCP-4725。

SCP-4725: 事実を伝えているだけさ。あんたはこの数字に腹を立てなきゃダメだよ!腐り切った倫理委員会にいるんだからね!

SCP-4725が拳で机を叩く

SCP-4725: あんたは無実な人間を苦しめてる。何もせずに与えられたゴミを処理しているだけだからさ。反吐が出るほど怠惰で、それか無関心だ。

メスムル博士: なんですって、貴方はどうなんです? コーネル、貴方は頭の中にあるすべての脳を使って行動していると思っているのですか?

メスムル博士は口を開いて訂正しようとするが、動きが止まる。SCP-4725は自惚れたように笑った。

SCP-4725: そうさ、それがまさにこれだ。必要に応じて、全人口をこのスーツに凝縮することができる。ここで人は死ぬ事ができるんだ。夢も、悪夢も、何もない。悲しみの缶の代わりにこいつらを大量生産したらどうなるか想像してみなよ、バイオレット。

SCP-4725が彼の体を指さす。

メスムル博士: 貴方はまだ覚醒状態にあります。貴方はその中にいる人なら誰でも起こすことができます。死んでいる訳ではありません、ただ保管されているだけです。

SCP-4725:普通に生きているより良いってことは確かだね。

メスムル博士: 少なくとも、人々は今すぐ生きることに関する選択が出来ます。

SCP-4725が再び睨む。メスムル博士がため息をつく。

メスムル博士: まあ、私は貴方が自身のシステムからそれらの全てを得たことを願っています。貴方が亡命する前、貴方は厄介者でした。そして私は、インサージェンシーが貴方の主張が正しいとあおっただけであることを知って、失望しています。

SCP-4725が椅子にもたれかかる。

SCP-4725: あんたは俺達が社会のためにできる1つの良いことを台無しにしているよ。

メスムル博士: お好きなように信じてください。私は全人類のための解決策を見つけるのを、一過性の小さな問題に妨げられる訳にはいきません。

SCP-4725: ちっぽけな問題があんたは間違ってるってことを教えてくれるだろうよ。

<記録終了>

補遺4725-02: 2130年10月3日、SCP-4725の入手を目的としたカオス・インサージェンシーの組織的な急襲が行われましたが、負傷者はほとんど出ず、施設への被害もほとんどありませんでした。しかし、カオス・インサージェンシーのエージェントの1人によって残されたと思われる次のようなメモが発見されました。


人類は死ななければならない

ページリビジョン: 5, 最終更新: 10 Jan 2021 18:14
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