SCP-4547

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評価: +7

クレジット

翻訳責任者: Tetsu1 Tetsu1
翻訳年: 2024
原題: Exterminans
作成年: 2019
初訳時参照リビジョン: 35
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-4547


SCP-4547: 滅せられし者たち
著者: stormbreath stormbreath
カノン: アド・アストラ・ペル・アスペラ

コンセプトと批評を特に手伝ってくれたNatVoltaic NatVoltaic さん、そして他に批評してくれた方々: Oboebandgeek99 Oboebandgeek99 さん、Elenee FishTruck Elenee FishTruck さん、ValidClay ValidClay さん、Tanhony Tanhony さんに感謝します。

ファンアート!

この 全くもって痺れるScented_Shadow Scented_Shadow さんの作品!

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moara.jpg

SCP-4547の合成写真。

アイテム番号: SCP-4547

オブジェクトクラス: Apollyon

特別収容プロトコル: 星間探査ではSCP-4547を回避します。

説明: SCP-4547は太陽系からおよそ15光年離れた地点に位置する系外惑星であり、2032年8月20日に財団により発見されました。SCP-4547は、FK-クラス ("壊れたる財団") シナリオにより彼らが絶滅するまでは、異星の人型知性種であるタロニューの母星でした。

SCP-4547自体は非異常ですが、SCPオブジェクト指定に足るだけの極めて多数の異常現象の発生源となっています。これらの現象はSCP-4547-BとSCP-4547-Cの二つの区分に分けられており、以下で詳しく説明されています。

1942年以降、財団資産がタロニューにより送信された無線信号を記録していました。これらの通信を隠蔽するための財団の介入は成功し、SCP-4547の公的知識は最小限に抑えられました。しかしながら、通信は1991年に唐突に終了し、それ以降信号を受信しなくなりました。

財団による星間航行の際に、通信の継続が途切れた理由と生命を有する惑星の可能性を確認するため、SCP-4547を訪問することが決定されました。SCP-4547はこの最中に財団が訪問した最初の系外惑星の一つでした。

タロニューは人型の身体構造を有する異星の知性種です。本質的に異常ではありませんが、現在SCP-4547地表上に存在する全タロニューは異常となり、過半数がSCP-4547-B2-ζに変質しています。

ティハウナムと呼ばれる組織がSCP-4547に存在し、地球の財団と概ね類似の活動理念を有しています。ティハウナムは、危険な異常存在からも含め、タロニューの社会と生命を保護することに基本的に注力していました。しかしながら、ティハウナムは財団と同様の偽装や隠蔽の慣行を有しておらず、結果として異常はSCP-4547文化に深く統合されました。

SCP-4547-BはSCP-4547に所在する異常現象の総称であり、タロニューのほぼ完全な絶滅を齎しました。各SCP-4547-B現象はSCP-4547に異なるK-クラスシナリオを引き起こしました。これらのK-クラスシナリオの大半はFK-クラス (壊れたる財団) シナリオの原因または結果であり、総じて一つの指定にグループ化されています。簡潔化のため、決定的に特定されたK-クラスシナリオとその原因のみが以下にリスト化されています。

指定 K-クラスシナリオ 説明
4547-B1

IK

社会崩壊

相互に確実な破壊を保証する、タロニュー世界の主要な超大国の "デッドハンド" システム。しかし、国家元首の移行時にSCP-4547-B1が誤動作して政府の終焉を検出、核戦争を開始した。

結果として核戦争はおよそ5時間続いた。戦争終結までに、1万発以上の核兵器がSCP-4547で爆発し、ティハウナムの大部分の基地と大部分の主要大都市圏を破壊し、それに加え深刻な放射性降下物を齎した。

SCP-4547-B1の正確な機能機構は不明だが、特定のパラメータを監視するよう設定された悪魔工学ソリッドステートドライブを用いて機能していたと考えられている。これらのパラメータが限定されすぎており、僅かな政府の変化がデッドハンドを動作させた。

4547-B2

RK

競争敗退

SCP-4547-B2はタロニューの生体構造を改良するよう設計された有機ナノマシンの総称だった。しかし、これらの改良を実施する困難さにより、感染者 (SCP-4547-B2-ζと呼称) に部分的な脳死、攻撃性の増加、社会規範の抑制、及び共食い衝動を引き起こした。加えて、SCP-4547-B2-ζは無期限の静止状態に入ることが可能となり、呼吸や食事が必要でなくなった。

ティハウナムはSCP-4547-B2の少量のサンプルを保管していたが、IK-クラスシナリオの最中に解放され、空中に浮遊した。IK-クラスシナリオから数日以内に、SCP-4547上のタロニューの49%がSCP-4547-B2に感染した。結果として、現在SCP-4547上には10〜20億体のSCP-4547-B2-ζが残存していると推定されている。

SCP-4547-B2は人間に感染することが可能。

4547-B3

GK

ブロークングリーンハウス

SCP-4547-B3は巨大なガラス製のSCP-4547惑星系儀だった。適切に配列されていない場合、非物質除草フィールドを投影し、局所的な異星植物性物質を破壊する。このフィールドは配列されていない時間に応じて拡大する。SCP-4547-B3はティハウナムにより維持されていたが、ティハウナムが破壊された際にこの維持は停止した。

結果として、SCP-4547上の異星植物はIK-クラスシナリオから3週間以内に急速に絶滅した。ティハウナムの残存者がSCP-4547-B3を再配列する試みは行われたようだが、失敗に終わった。現在SCP-4547-B3は修復不可能と考えられており、移送は禁止されている。

4547-B4

XK-Ω

終末

SCP-4547-B4は身長500メートルの直立した7体の人型実体であり、SCP-██と顕著に類似していた。全SCP-4547-B4はSCP-4547-B1起動以前は休止状態にあり、IK-クラスシナリオ最中の無力化の試みにおいて核ミサイルの標的となった。これらの核兵器はSCP-4547-B4を殺害せず、覚醒させたのみであった。

SCP-4547-B4は自身らを "カイヴェヴェング・トゥン・コーレン"と自称し、タロニュー社会の残存者を支配した。彼らは自身に仕えるタロニューに対し、SCP-4547上の異常現象の多くに対する異常な耐性を与えた。

全SCP-4547-B4実体は、覚醒後のある時点で互いに抗争に入ったようである。1体を除き全実体がこの争いで死亡した。敗者の内1体はSCP-4547-B2に感染し、現在は能力が低下した状態で活動している。唯一の勝者 (SCP-4547-B4-3) はSCP-4547上に残存している数少ない知的生命体の1体である。

4547-B5

AK

狂気

数字のを中心とする、極めて悪性の高いミーム崇拝。SCP-4547-B5の正確な起源は不明だが、世界終焉以前にティハウナムが同様の組織を複数観測していた。これらの組織が別のK-クラスシナリオの後に大幅に変異し、SCP-4547-B5となったと考えられる。

SCP-4547-B4-5はSCP-4547-B5に感染し、SCP-4547の原理に従うよう自身の崇拝を変更した。

更なる調査は、[致死的情報災害のため削除済 ]を示している。

4547-B6

WK

気象学的

SCP-4547-B6はSCP-4547の大気条件に有害な最上級多能性実体だった。具体的にどのようにしてかは不明だが、SCP-4547-B6はSCP-4547-B1の起動中に無力化された。

この直後、SCP-4547の気象条件は大幅に変化し、暴力的かつ苛烈な気象学的事象が高頻度で観測された。これには異常に巨大な嵐、火山噴火、地震、自然発生したハリケーンが含まれる。これらの現象はSCP-4547-B6の無力化以降現在まで軽減していない。

SCP-4547社会人口の約70%が、SCP-4547-B1によって開始されたIK-クラスシナリオの最中に即座に死亡し、残りの内20%がSCP-4547-B6が引き起こしたWK-クラスシナリオの結果として間もなく死亡しました。犠牲者の大多数はSCP-4547-B2-ζとして蘇生させられました。

FK-クラスシナリオから1年後、SCP-4547の残りの民衆はSCP-4547-B4実体に奉仕し、SCP-4547-B3が引き起こした飢餓の結果として共食いを行っていました。

FK-クラスシナリオから約5年後、SCP-4547地表上の最後のタロニューが死亡しました。この時点で、SCP-4547上のほぼ全生物が死亡していました。残存生物は主に極めて異常なものが占めていました。

SCP-4547-Cは、SCP-4547-Bに含まれないSCP-4547上の全ての異常現象です。これらの現象の大半はSCP-4547-Bの総合的な影響の後に無力化または破壊されますが、限られた数が回収されています。大半はSCP-4547上に留まり、いかなる形でも収容を必要としないと予想されています。

その中で最も特筆すべきはSCP-4547-C1であり、知性と超能力を有していた、現在は絶滅した異星植物です。タロニューが消費すると、SCP-4547-C1は消費者の超能力を強化しました。SCP-4547-C1は、別の知的生命体としてSCP-4547で広く認知され、社会に高度に統合されていました。しかし、SCP-4547-C1はSCP-4547-B3の影響により完全に滅亡しました。


補遺4547-1: SCP-4547探査ミッション転写

探査映像ログ転写

第一次SCP-4547探査


日付: 2032年8月25日

探査チーム: 星間部隊Interstellar Task Forceアレフ-4("神々を変えること能わぬのならば冥界を動かさんFlectere Si Nequimus Superos")

ミッション概要: SCP-4547の初期探査。軌道イメージングにより、SCP-4547で複数のK-クラスシナリオが発生したことは示されていたが、地表状態の正確な詳細は不明であった。星間部隊א-4はSCPSティベリウスから、軌道上からSCP-4547地表へ展開された。船上の.aicであるFetch.aicは船の運航を継続した。

チームリーダー: アケロン

チームメンバー: アバドン、シバルバー、ナラカ、プルート

指揮: Fetch.aic


Fetch.aic: 全無線内容の音声転写を開始します。

א-4 アケロン: どうも、Fetch。無線オン。チーム名簿は以下の通り。俺、アケロンがリーダー。アバドンは前線と生物学の観察。シバルバーは技術的問題に。ナラカは潜在的なファーストコンタクトに対応。そしてプルートは俺たち6人の見張りと惑星化学分析の実行。

Fetch.aic: それから私が、必要ならば連絡を取れるようにします。

א-4 シバルバー: 着陸ポッドベイのドアを5か所開ける。全部うまくいくとしたら、アーマーに8時間分の酸素が必要になるはずだ。問題が発生したら、遠隔でポッドを呼び出して脱出できる。

א-4 アケロン: そうならないことを祈ろう。

星間部隊א-4はポッドベイに集まり、退出に備える。ポッドベイのドアが開くと、酷く荒廃した街並みが広がる。

א-4 プルート: ここの大気は呼吸はできるけど、未知の、異常かもしれない病原体を含んでいることは覚えておいて。

א-4 ナラカ: 建築から見るに、こりゃかなり文化的に進んでますね。ほぼ完全に破壊されてますけど。終焉に向かって暴動でも起きたみたいです。

א-4 アケロン: できるだけ多く写真を撮っておくことも忘れるなよ。

א-4 アバドン: この大通りを行こうか? この辺りには目立った大きな特徴はないみたいだ。

א-4 アケロン: 賛成だ。前進しよう。

星間部隊א-4は街の通りを歩く。大規模な廃墟があり、ほとんどの建物は深刻な破損状態にある。居住者の兆候は見当たらない。

א-4 ナラカ: 世界が終わってからどれくらいだって言ってましたっけ?

א-4 シバルバー: 地球で受信してた信号は90年代初頭に止まった。15光年先にあって、無線は光の速度で飛ぶから、多分1975年に世界は終わった。60年くらい前みたいだな。

א-4 アバドン: たとえ最初の放射性降下物からの生き残りがいたとしても、今日まで何とかやってくるのは無理そうだ。この星の気分は荒れ模様だ。

א-4 プルート: 天候はかなり荒れているようだった。大陸ほどの大きさの嵐が。

א-4 アケロン: 進もう。Fetchの作った天気予報では、俺たちが街にいる時間は晴れのはずだ。

チームは街の中を進み、巨大な建物の前で立ち止まる。

א-4 ナラカ: 待ってください。このサインはオルトサンのです。私は読めます。

א-4 アケロン: オルトサン? 第二ハイトス教会か? 建物をチェックしてみた方がいいな。

א-4 ナラカ: コル・テウサを崇拝しているようですが、完全に同じ宗教という訳じゃありません。キリスト教にも異なる学派があるようなもんですね。

א-4 プルート: 当然、ギリシャとローマでの宗教の違いとかだね。プルートとハデス、アヴェルヌスとアケロン。

星間部隊א-4はオルトサンの建物に侵入する。内部には、第二ハイトスの創造、複数のコル・テウサの死、フォルテウトなど、オルトサン神話の出来事を描いた複数の巨大な壁画がある。

א-4 アバドン: 綺麗だ。ほんのちょっと変色してるだけで全部無事なのは注目だな。

א-4 プルート: 屋内にあり、建物もしっかり立っている。嵐ではこれを壊すに至らなかったみたいだ。他はどうかな?

ナラカは教会の奥の部屋に入り、数冊の装丁された本を持ってくる。

א-4 ナラカ: 奥の方で見つけました、オルトサンで書かれてます。プルート、資料ケースって持ってますかね?

א-4 プルート: うん。クリップを外させてもらえれば、Fetchがドローンを飛ばして拾ってポッドに持っていってくれる。

ナラカとプルートは本を資料ケースに入れ、ケースを教会外の通りの中心に配置し、Fetch.aicに回収ドローンを送るよう信号を送る。

א-4 ナラカ: ロゼッタストーンみたく使えたらいいんですけど。最低でも、読み取れるいくつかの情報は役に立つでしょうが。

א-4 アケロン: いい収穫だ。時間が限られてるから、進み続けよう。

א-4 プルート: イエッサー。

星間部隊א-4は街の探査を続け、山積みになったタロニューの死体の巨大な塊を見つける。

א-4 ナラカ: あらま。

א-4 アケロン: まあ、ここにSCP-4547-Aが何人かいる、みたいだな。そんな話題にすることもない。

1体の首のない死体が脚を引きつらせる。死体の山の残りが動き出し、行動を始める。しかし、死体の大多数は深刻な身体的外傷を負っており、立ち上がることのできるものは数体しかいない。立ち上がれないものは星間部隊א-4に向かって身体を引きずろうとする。

א-4 ナラカ: クソッ!

א-4 アバドン: 最初の厄介事だ、目を前に向けて警戒しろ!

א-4 アケロン: 人工知能がゾンビがいるって言ってなかったか?

Fetch.aic: 私のドローンが発見していました。それらは正確には「ゾンビ」ではありませんが、とてもよく似ていました。再生した死体、高度な精神機能の欠如、暴力的かつ人喰いの性質。

א-4 アケロン: 奴らを狙え! やれ!

א-4 アバドンとא-4 プルートは立ち上がれる数体をターゲットにして、SCP-4547-B2-ζ,塊に向かって弾丸を発射する。星間部隊א-4に重大な脅威を呈する全個体は、戦闘開始から3秒以内に始末される。

א-4 シバルバー: ちょっとかわいそうじゃないか、え?

א-4 ナラカ: 残ってるSCP-4547-Aはこれだけか?

א-4 アバドンとא-4 プルートは続く5秒以内に全ての動き出した死体を始末する。その後、アバドンは死体の山に爆発弾を発射する。

א-4 アバドン: これでもういいだろ。

א-4 アケロン: 進もう。

角を曲がると、星間部隊א-4は巨大な、漠然とレプティリアンに類似した生物を視認する。生物は4足で、骨ばった頭部以外の全身が鱗に覆われている。この実体とSCP-████との類似性が指摘されている。実体は空気の匂いを嗅ぎ、座っていた位置から立ち上がると星間部隊א-4に向かって歩き始める。

א-4 アバドン: チッ。行こう!

星間部隊א-4は放棄された高層ビルに駆け込み、開けた階段の吹き抜けに急ぐ。彼らは時折後方を見ながら階段を素早く上る。5階に到達すると、階段を出る。

א-4 プルート: 外を確認してくる。

א-4 アケロン: 気を付けてな。

プルートは近傍の窓まで這い寄り、外を見る。実体は通りを歩いている。プルートには気付いていないようである。しばらくすると、実体は建物の前に横たわる。プルートはメイングループに戻る。

א-4 プルート: あいつは今建物の前にいて、今のところは横になってるみたい。しばらくここに留まることにはなりそうだけど、あいつは現時点では攻撃的じゃない。

א-4 シバルバー: 酸素は3時間分しか残ってないし、着陸船に戻るには1時間くらいかかりそうだ。

Fetch.aic: あなた方を回収しましょうか?

א-4 アケロン: それがいいな、Fetch。

Fetch.aic: 建物の屋上に進んでください。着陸船は20分で到着します。

א-4 アケロン: 聞いたな。上に行こう。

星間部隊א-4は本館の階段を上り続ける。その最中、時折立ち止まって階を見回す。彼らは複数の文書やメモを収集する。これらの短時間の脱線は、4回目まで目立った成果を上げない。

א-4 アバドン: なあみんな、地平線の方に何か見える気がするんだけど。

窓の向こう、遠方に人影が見える。人影は漠然と人型をしているが、木の枝に似た、枝分かれした巨大な角が生えている。人影の頭部の片側の角は損傷し、折れている。見かけの距離から考えると、人影の身長は500メートルと推定される。この人影は以降SCP-4547-B4-3と指定される。

א-4 プルート: マジか、ありゃ超高層ビルくらい高いね。

א-4 アケロン: こっちに歩いてくるように見える。

א-4 ナラカ: 近くにあれと戦うためのレーザーでもありましたっけ?

א-4 アケロン: いや。確実にない。街に到達する前に、望むらくはなるべく早く避難しないとならない。行こう。

א-4 アバドン: 尚更ここから出てくべき理由ができたな。全くもって終末世界だよ、この場所は。

א-4 プルート: ゴキブリしか残ってないね。ゾンビゴキブリ、強いやつも、そうでないやつも。

星間部隊א-4は上り終え、建物屋上の着陸ポッドと合流する。Fetch.aicはポッドを操縦してSCPSティベリウスに戻す。星間部隊א-4は報告会を行い、収集されたサンプルの分析を開始する。

探査映像ログ転写

第四次SCP-4547探査


日付: 2032年9月2日

探査チーム: 星間部隊Interstellar Task Forceアレフ-4("神々を変えること能わぬのならば冥界を動かさんFlectere Si Nequimus Superos")

ミッション概要: 探査ミッション4547.3では、突破されていない可能性のあるティハウナムの掩蔽壕の座標に関する情報が得られた。星間部隊א-4は掩蔽壕を突破し、内部から情報を回収するために展開された。

チームリーダー: アケロン

チームメンバー: アバドン、シバルバー、ナラカ、プルート

指揮: Fetch.aic


星間部隊א-4隊員はティハウナム掩蔽壕の入口に集まる。地表着陸ポッドは、山に埋め込まれた掩蔽壕の扉の隣に配置されている。

א-4 アケロン: いつ頃行く準備が整う?

א-4 シバルバー: 扉とインタフェースで繋いで、Fetchが接続してる。

Fetch.aic: 15分で扉を開けられるはずです。暗号技術は先進的なものではありません。

א-4 ナラカ: それまでポッドの中で待ってて大丈夫ですかね?

Fetch.aic: はい。

星間部隊א-4は着陸ポッドのベイで待機する。この地域の風速が急速に強まり、降水量が増加する。この降雨はpH3と測定される。

Fetch.aic: 扉がアンロックされました。あなた方の接近次第開けたいと思います。

星間部隊א-4は着陸ポッドから姿を現し、掩蔽壕の扉に急ぎ、接近と共にすぐに扉が開く。彼らは素早く中に入り、後方で扉が閉まる。彼らは巨大なエアロックの中に立っている。

Fetch.aic: エアロックを循環させます。

Fetch.aicはエアロックを起動させ、外部から空気を循環させる。不明な用途の液体(おそらく消毒剤)が星間部隊א-4に噴射され、その後洗い流される。エアロックでコンピュータの音声が流れ始める。

א-4 ナラカ: 外には第二ハイトス教会がありましたよね?

א-4 アケロン: ああ、あったな。それがどうした?

א-4 ナラカ: א-4 ナラカはオルトサンを話し始める。分かりやすくするため、オルトサンは別の文字サイズと色を用いる。オルトサンを話せますか?

不明なAI: オルトサンを認識。タロニューの身元を確認。現実レベルは許容範囲内。異常は検出されませんでした。コンティンジェンシー913に従いアクセスを承認しました。

א-4 ナラカ: いけました。我々をこの星のSCP-4547-Aとして受け入れてくれたみたいです。オルトサンでプログラミングした人はオルトサンがこの星の外のものだって知らなかったのかもです。

א-4 アバドン: 完璧だ。

א-4 シバルバー: 俺がハッキングする必要すらなかったな。

א-4 ナラカ: ソーシャルエンジニアリングだけです。

エアロックの自動ドアが開き、星間部隊א-4はメインの掩蔽壕に進入可能になる。ライトが複数の方向を照らし始め、巨大なコンピュータ端末を明かす。複数のモニターが起動し、恐らく施設内の廊下を映す。

スリュンシユ: 掩蔽壕-00003、タロニューの未来を保護するティハウナムの最重要軍事施設へようこそ。私はスリュンシユ、人工知能です。

א-4 ナラカ: ここの空気は吸っても大丈夫ですかね?

א-4 プルート: 恐らく。いけるかどうかセンサーを設置する。

א-4 シバルバー: この場所は何のためにあると思う?

א-4 ナラカ: 調べてみます。この施設の目的は何ですか?

スリュンシユ: 掩蔽壕-00003は世界の終焉に対する二次的な防衛策です。ここは他の9つの関連した掩蔽壕と連携して、世界秩序の再確立にタロニュー社会が追従し続けられるよう設計されました。

א-4 ナラカ: 一種の終末バンカーみたいです。社会を再スタートさせる。9個セットの1つだそうです。

א-4 アバドン: 他の掩蔽壕? まだアクティブなのがあるのか?

א-4 ナラカ: 同種の掩蔽壕のうち機能しているものはいくつありますか?

スリュンシユ: 他に機能している掩蔽壕はゼロです。掩蔽壕-00003が突破されていない唯一の掩蔽壕です。

א-4 ナラカ: ここが残ってる最後です、案の定。他は全部突破されて破壊されました。

א-4 アケロン: 世界を再スタートする上でこの掩蔽壕の役割は何だ? それぞれ固有の役割を持ってたのか?

א-4 ナラカ: この掩蔽壕の目的は何ですか?

スリュンシユ: この掩蔽壕はタロニューを保護し、他の掩蔽壕が無事に各々の役割を終えた際に、人口水準を回復させることを目的としています。

א-4 ナラカ: 基本は生存が目的みたいです。SCP-4547-A集団を保って、最終的にこの星に殖やし直します。

א-4 アバドン: 周りには誰もいないように見えるけど。どのモニターにも何も映ってないし、何の痕跡も。

א-4 シバルバー: ここから何ができるだろうか。Fatchならコンピュータに繋げるかもしれないが、このAIがここにあるなら、リスクを冒すのは危険すぎるな。

א-4 アケロン: 同意。Fetchを別のAIに曝すリスクは冒せない、しかもAI同士がコミュニケーションが取れないとあっては。

א-4 シバルバー: じゃあ、ここで何ができるか確かめてみるか。無事なシステムは?

א-4 ナラカ: 機能しているシステムを挙げてください。

スリュンシユ: 機能しているシステム: 電力。照明。防衛。人工冬眠。コンピュータシステム。人工知能。地表診断。情報連絡。

א-4 ナラカ: 待った。人工冬眠? 人工冬眠のシステム概要をモニターに写してもらえますか?

コンピュータモニターが切り替わり、1人ずつタロニューの入った複数のポッドからなる人工冬眠複合施設の映像を映し出す。映像の横に様々な情報が表示されるが、星間部隊א-4にはほとんど理解できない。

א-4 アケロン: 何を見せられてるんだ?

א-4 シバルバー: 時間停止ポッドか?

א-4 ナラカ: これらのポッドの中にはどれだけのタロニューがいますか?

スリュンシユ: 10万人のタロニューが人工冬眠状態にあります。最適収容能力です。

א-4 ナラカ: オルトサンを話す人を見つけて、その人の下へ行く道を教えてください。

床に緑色の光で長い線が点され、メインコンピュータバンク外の廊下に続いている。

スリュンシユ: 緑の光線に従ってください。

א-4 ナラカ: 行きましょう。スリュンシユがオルトサンを喋るタロニューのところに連れてってくれるので、そこに行きます。

א-4 アバドン: タロニュー? SCP-4547-Aのことか?

א-4 ナラカ: AIはそう呼んでます。

א-4 アケロン: それで一時停止ポッドはまだ機能してるのか、いくつかは?

א-4 ナラカ: 全部です!

א-4 プルート: 数は?

א-4 ナラカ: 10万。

א-4 アケロン: シバルバー、プルート、入口に行ってFetchと連絡を取れ。更新を伝えろ。これはもはや探査ミッションじゃない。今は救助だ。

星間部隊א-4は2グループに分かれる。プルートとシバルバーは入口に戻ってFetch.aicと合流し、一方アケロン、ナラカ、アバドンは緑の光に従って人工冬眠室に入る。

א-4 アバドン: とんでもないな。マジで何千とある。それにゾンビかミュータントか何かみたいにイカレてはない。

א-4 アケロン: 果たしてここからどうするべきか。船に彼らが入るスペースはないし、放っておくわけにもいかない。ITF司令部に連絡がいるだろう、そして多分もっと上まで上がって…… これは倫理委員会レベルの問題だ。

א-4 ナラカ: 1人出すことに集中しましょう。

א-4 アケロン: そうだな。一度に一歩ずつだ。

緑の光の道は、ある人工冬眠ポッド内のタロニューの前で途切れる。

א-4 ナラカ: この人を起こしてください。

スリュンシユ: 数分で目を覚まします。

チャンバーが開放され、中のタロニューが外に踏み出す。タロニューは頭を掴み、目を光に慣れさせているようである。スリュンシユと母語で短く会話すると、א-4 ナラカの方を向く。

タロニュー: オルトサンを話せるのか?

א-4 ナラカ: はい。コル・テウサのメッセージは遠くまで伝わり、あなた方の世界だけでなく私の世界にも達しました。彼らは永遠に残る聖言を教えてくださいました。

タイランギ・サシルペイ: では自己紹介をせねばなるまい。私の名はタイランギ・サシルペイ、ここでオルトサンを話せる最上級職員だ。全体で最も高位というわけではない、が……

א-4 ナラカ: ええ、なるほど。私の名前はカリシュマ・チャダです。こちらは私の司令官、ジェイソン・クリージス、そしてチームメイトの、アーサー・ペントン。地球という名の世界から来ました。

タイランギ・サシルペイ: あなた方の立っている世界はモアラという。神々があなた方を我々の下に導いてくださったとは吉報だ。神々の命が永遠であらんことを。

א-4 ナラカ 神々…… 申し訳ありません。ヨルン・ルーサンは亡くなりました。ラクマウ・ルーサンただ一人が残っています。

タイランギ・サシルペイ: いつのことだ?

א-4 ナラカ: 32年前です。原因はこの世界が失われたからではありません。ヨルン・ルーサンは宇宙史上最大の侵略においてフォルテウトに埋め尽くされました。あなた方の星は神を救えなかったのです。

タイランギ・サシルペイ: なるほど。過去に拘泥するのも良くあるまい。だが尋ねねばならぬ。32年前…… 私はどれだけの間止まっていたんだ?

א-4 ナラカ: 私たちの推定では、56年間です。

タイランギ・サシルペイ: ならばティハウナムは失敗したのだな。我々は早く起こされなかった。外の世界はまだ荒廃しているのか?

א-4 ナラカ: 完全に。しかし私たちはそれに何かしら対応するつもりです。何なのかはまだ私にはわかりかねますが、きっと答えを出します。

タイランギ・サシルペイ: 何か考えはあるか?

א-4 ナラカは話し始め、それから止める。彼女はא-4 アケロンの方を向いて、数秒の沈黙の後話し始める。

א-4 ナラカ: ジェイソン、何を計画してるんですか?

א-4 アケロン: 地球に連れて帰る。唯一の賢明な判断だ。

א-4 ナラカ: そんなことできるんですか? いけるんですか?

א-4 アケロン: 数千の難民たちと共に財団の玄関前に姿を見せる必要があるなら、それが役目だ。この世界は死んだ、そして私は星々が総じて繁栄している星系を知っている。

א-4 ナラカ: 上層部を説得できなかったら? どうするんです?

א-4 アケロン: Flectere si nequeo superos, acheronta movebo。神々を変えること能わぬのならば冥界を動かさん。インサージェンシーどもをここに連れてくる必要があろうが気にしない。奴らは地球に来てるんだ。

א-4 ナラカはタイランギ・サシルペイに振り返る。

א-4 ナラカ: 私たちはあなた方を故郷に連れて帰ります。私たちの故郷です。そこは私たちの知る中で唯一生きている世界です。

タイランギ・サシルペイ: ラクマウ・ルーサンがあなた方をここへ導いたのだろう。その計画に従おう。そちらの責務を是非果たしてくれ。

א-4 ナラカ: 上層部に意見を求めるのに時間がかかるかもしれません、そしてもし駄目だったらどう-

タイランギ・サシルペイ: では行って、彼らに懇願してくれ。目覚めさせねばならない兄弟たちがいるのでな。

א-4 ナラカは会話を星間部隊א-4の他の隊員に要約して伝える。彼らはタイランギ・サシルペイに別れを告げ、飛び立つ。背景では、出発時にタイランギ・サシルペイが人工冬眠状態から他のタロニューたちを目覚めさせているのが観測される。

星間部隊א-4はSCPSティベリウス上で再召集し、星間部隊司令部、倫理委員会、及びO5評議会への連絡の準備を開始する。


補遺4547-2: 探査ミッション4547.4成果討議

倫理委員会/O5評議会合同採決 #71 - タロニュー

タロニューの社会への復帰と統合に関して


決議日: 2032年9月9日

主要討議者: EC-1、EC-4、EC-13、O5-3、O5-7、O5-10

議題: 最近発見されたSCP-4547固有種「タロニュー」に関して取るべき行動。各個体は非異常の知性種だが、地球 - SCP-4547間の唯一の移動手段は異常であり、かつ財団により隠蔽されている。

裁定: タロニューの地球への星間移動を極秘で支援し、カバーストーリーではその来訪は純粋に彼ら自身の行動によるものとする。太陽系への到達後は、マナによる慈善財団などの機関の援助の下、彼らのベースライン社会への統合努力を公的に支援する。


旧ティハウナム掩蔽壕で100,000体の生きたタロニューが発見されたことを受け、倫理委員会はSCP-4547に人道支援を提供し、生存しているタロニューを援助することを全会一致で決定 (13-0) した。

しかし、星間航行に関わる現在の秘密プロトコルはこの採決と衝突した。公衆は財団の太陽系外への関与を認識しておらず、そのためタロニューの社会復帰への財団の関与は公表できない。しかしながら、実行可能かつ倫理的な方法で彼らを公衆の目から隠蔽する方法は存在しなかった — 彼らを財団内でのみ働かせることは、明白な強制労働となる。

O5評議会は、未踏宇宙の潜在的な危険を理由に、財団の星間移動や超光速航行手段を公表することに消極的だった。倫理委員会はこの判断に同意し、そのような措置は、他に選択肢がない絶対的な最終手段としてのみ検討可能と結論付けた。

タロニューの技術の分析により、ただ一つ有意義な選択肢が判明した。SCP-4547-C1、摂取すると異常な超能力を行使可能となる異星植物の使用である。SCP-4547-C1を使用することで、タロニューのパイロットは超能力で地球の位置を特定してタロニューの船舶を亜空間を通して導くことが可能となり、1か月以内に地球に到達する。タロニューのパイロットは、人間の神経振動パターンの最大の発生源である地球を追跡することで亜空間の航行が可能となる。これは、実空間でタロニューのオペレーターが人間の神経振動に曝露したことで初めて可能となった。

地球から収集した無線放送によって人間の神経振動のシミュレーションが可能となり、タロニューが人間が物理的に存在せずとも上記の手段を使用可能になったというカバーストーリーが拡散される。タロニューの大多数にも同様のカバーストーリーが提供される。

O5評議会はSCP-4547-C1に利用をすぐに受け入れた。それは、それが基底社会に一般に適用可能な超光速移動手段の導入にはならないためである。目的地によく知る知性種が大量にいない限り、SCP-4547-C1は超光速の航行には利用できず、したがって探査に実用的ではない。


補遺4547-3: 採決の影響E/O-71-T

2040年太陽系人口調査報告

タロニュー人口統計


要約内容: タロニューに関する統計

作成: 財団人口統計部門

クリアランスレベル: 公衆/一般に開示

全報告利用可能日: 2112年4月


概要: タロニューは太陽系に居住する、人類、今は存在しない金星人、火星人に続く4番目の主要な知性種であり、唯一太陽系の固有種ではない。この中で人口は最も少なく、また最もユニークな文化を有している。

タロニュー社会は主に、太陽系から遠く離れた母星モアラの破壊によるディアスポラを中心として自己を定義している。モアラで発生した多数のK-クラスシナリオのため、タロニューが母星に帰ることも、人間がそこに足を踏み入れることもないと予想される。

広範な種レベルでの特有の完全な喪失感は、特異ながらも繁栄した文化を生み出した。

区域 タロニュー人口 全体に占める割合
カリスト 57,391 51.7%
火星 26,381 23.8%
月朝鮮 12,789 11.5%
アッシュバーン・ステーション 8,991 8.1%
その他 5,421 4.9%

区域: 母星モアラからの脱出後、タロニューは太陽系での定住を開始した。到来が急速な惑星間植民地化の時期であったため、タロニューは既存の社会に直接統合するよりも、成長中あるいは新たに設立された区域に定住するのが一般的だった。

これはモアラを模倣して設計されたカリストのテラフォーミングにおいて主に顕著であった。カリストは太陽系におけるタロニュー社会の主要拠点としての役割を果たしており、人工と政府の大半がタロニューである唯一の星である。

他のタロニューは太陽系の他の場所で見られるが、主に大規模な集団やコミュニティで確認される。人間や火星人が主な居住者の区域に永住を確立したタロニューはほとんどいない。他の小人口種と同様に少数が移動生活を送っている。

文化: タロニューの文化は大まかに2つの主要な焦点を有すると説明できる。タロニュー/モアラ文化の破壊された要素(消滅した社会やモアラの物理的風景など)の祝福と、タロニュー種の将来の継続的な存続を確かなものとするための努力である。これらは太陽系におけるティハウナムの主な焦点となっている。現存するタロニューの大部分がティハウナムの直接的な構成員であるため、これらの目標は種全体に共通のものとなっている。

初期活動の結果として、多様な形式でモアラを偲ぶタロニューの芸術運動が多数行われた。中でも最大のものは、モアラを模倣するようカリストをテラフォーミングする試みであり、カリストは現在太陽系で最大のタロニュー区域となっている。

二次的活動の結果として、タロニュー間に家族への関心が増大し、結果的に結婚や子育てへの一般的な関心が生じた。この時点で、(人間の読者のために)タロニューの生殖は人間のそれとは大きく異なり、タロニューは6種の生物学的性別を有し、他の5種の性のいずれとも生殖可能であることに注意しなければならない。

タロニューの言語の大部分は消滅し、ティハウナムが使用していた共通語のヴィーナだけが一般に使用され続けている。現存するタロニューはいずれもヴィーナを話し、その他の言語は記録媒体や多言語話者のタロニューを通してのみ残っている。オルトサンもまた依然としてタロニュー間でよく使われているが、太陽系で一般に人気が増している。

タロニュー社会は現在、タロニューを3つの異なる区分に分けている。レムレイ・タロニュー(ティハウナム掩蔽壕から直接救助された生存者)、ロムトゥ・タロニュー(モアラで死亡したタロニュー)、プルネン・タロニュー(太陽系で誕生したタロニュー)である。このうち、プルネン・タロニューは一般に大いなる希望をもって見られる。レムレイ・タロニューの中でモアラを超えた未来があると信じていた者はほとんどいなかった。中でも最も重要な者の1人は、太陽系で最初に誕生した7歳のタイランギ・カリシュマ(人間と初めて接触したタロニューから名付けられた)である。

宗教: 太陽系へのタロニュー移民の大部分は異常宗教を信奉する傾向にあり、その大半は第二ハイトス教会か壊れた神の教会を信奉している。少数派は、緋色の王の子らや第五主義に類似した宗派を信奉している。後者のほぼ全員が、既存の人類の条件ではなく、独自の伝統に従っている。

タロニューの人間/火星人社会への統合の大部分は、聖典が既に他の異星文化でよく受け入れられていた第二ハイトス教会が援助した。タロニュー間で以前よりコル・テウサ信仰があったことが、信仰体系に正当性を与えるものとして、これを一層助けた。タロニューが太陽系に到達して間もなく、第二ハイトス教会は彼らに多量の援助を提供した。

壊れた神の教会でも同様の立場で同じことが起こった。しかし、Mekhaneを信仰するタロニューと人間を信仰するタロニューで二極化したことが完全な統合を妨げ、一般にレフンガップ・シュラと呼ばれる第四の主要宗派が形成された。これは高度な技術を活用する一方で、自己増強の慣行を完全に拒否することが特徴的である。

レイペイ・イヴェング(血の子ら)とムーヴ・フピルフィア(第五哲学)はそれぞれ緋色の王の子らと第五主義に類似している。これら二宗教はモアラの壊滅以前はタロニュー間で一般的でなかったが、その後に興隆した。信奉者は典型的に、終末時のカイヴ・イタン・トゥン・コーレンとムーヴ・フピルフィアの取った行動のために改宗したと告白する。

中でも特筆すべきは、レイペイ・イヴェングは緋色の王の子らに比べ極めて平和的かつ非暴力的で、緋色の王の子らと同じ終末論的信念を共有していないことである。レイペイ・イヴェングは、これを「世界はすでに一度終わった。支配者の落とし子は王国に入り、その玉座で亡くなった」ためだと述べている。


要約: モアラの壊滅と60年近い人工冬眠はタロニュー社会に多大な影響を与えたが、この種は概して希望に満ち、種族の存続に身を捧げていると言われている。

タイランギ・サシルペイの言葉を借りれば、タロニューは大変な困難を乗り越えて星々へ旅立ったのである。


Footnotes
. 異常存在を管理する団体の破壊または機能停止により定義づけられるK-クラスシナリオであり、多くの場合は別のK-クラスシナリオを引き起こす。
. 本質的に非異常と宣言されるまでは、SCP-4547-Aに指定されていた。
. 直訳で"保護権"
. 大まかな日本語訳: 紅き支配者の七人の落とし子。
. 訳注: Ethics Committee(倫理委員会)。
. 理論上は超光速移動を可能とする、一貫性のないトポロジーを有する実空間の副次次元。しかしながら、航路に沿った航行が困難なため、実際にはそのような目的には利用できない。
ページリビジョン: 3, 最終更新: 12 Jun 2024 00:55
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