[フレーム]
[フレーム]
特別収容プロトコル: その形而上学的性質のため、SCP-4497はSCP-4497-1に指定される人物内で収容されます。該当人物は、この指定を維持する限りサイト-19の人型実体収容房に収容されます。SCP-4497-1がSCP-4497の称号を失い、これ以上異常性を示さなくなった場合、彼らは聴取の後に一般社会に返還されます。
睡眠を含むあらゆる休息の前に、SCP-4497-1にはサンダーソン=クロスビー解釈夢マトリックスmk IV (コードネーム: "SCIDMARK-4") を接続され、SCP-4497に関するあらゆるやり取りを送信・記録します。現在のSCP-4497-1が未収容の挑戦者に称号を奪われた場合、SCP-4497の再取得を促進するため機動部隊オミクロン・ロー("ドリームチーム")の使用が承認されます。
更新: 本項目の初作成時、SCP-4497はSafeに分類されていました。インシデントログ4497.2インシデントログ4497.3での出来事を受け、オブジェクト分類はEuclidKeterに改定されました。
説明: SCP-4497は料理芸術の分野における超自然的知識・技術を授ける形而上学的称号です。SCP-4497被影響者は自身の能力や技術の幅を深く認識し、SCP-4497の性質を発揮しようと高い競争的傾向を示します。この料理における全知は、理論上可食で、調理器具によって加工可能なあらゆる材料に及びます。異常な手段により、SCP-4497はこれらの加工された材料を無毒かつ人間が食べられる状態に永久的に改変します。
レム睡眠に入ると、対象(SCP-4497-1に指定)は表面上スポーツアリーナまたはスタジアムに類似した、永続的かつ共有された夢界を歩いていると報告します。アリーナの中央には一般的な調理やベーキングに使用される様々な調理器具や設備が存在し、そこでSCP-4497-1はSCP-4497の称号を賭けて挑戦者と対決します。挑戦者は概念的にSCP-4497-2に指定され、現在まで、記録された観察ごとに固有の人物です。SCP-4497-2の一部は後に一般人と特定されましたが、実例の大部分はGOI-31、オネイロイの構成員として記録されています。
SCP-4497-1とSCP-4497-2の対決は、予測可能かつ儀式的な方式で進行します。各参加者にはテーマとなる食材が提示され、無作為な制限時間内でこの食材を用いた独創的な料理を作るよう促されます。SCP-4497-1がSCP-4497-2に敗北した場合、SCP-4497の称号は直ちに新たな宿主に移され、以前のSCP-4497-1は即時的かつ永久的に夢界から排除されます。この夢界から排除されると、対象は永久的にレム睡眠を行う能力を損なうようであり、この能力を回復させる試みはこれまで成功していません。
日付 2019年12月12日: 収容スペシャリストのマニー・イーツ博士は、明晰夢を試みた際にGOI-31(オネイロイ)の既知の構成員と遭遇したことをサイト-19のスタッフに報告しました。この実体は非敵対的で"フレーバータウンの市長"を自称しました。この実体との接触を経て、イーツ博士は後にSCP-4497の起源と考えられている"キッチンスタジアム"への招待を受け取りました。イーツ博士は儀式的挑戦に参加するよう招かれ、事前の承認なく進行しました。イーツ博士は、前任者であり称号の所有者であるSCP-4497-1が、歩行能力を持つ高さ2 mのメイソンジャーであり、内部では未知の液体にガーキン型のピクルスが1つ浮いており、"フレーバーエレベーター"を自称していたと述べました。
イーツ博士は、イエローケーキをテーマとした対決でチャンピオンを破りました。博士はチャンピオンの料理を味わうことも、見ることも、知覚することも許可されませんでしたが、彼は本物の目が付いたジャガイモと、起源と種類は不明なものの表面的に"ロードアイランドレッド"鶏に類似した大型動物のモモ肉を用いた"イエローケーキカレー"を作成したと報告しています。
称号を引き継いでSCP-4497-1となった後、イーツ博士は目覚めると、以下のフィードバックにて、オネイロイの運営するレビューサイト"yowl.slp"にて彼への言及がフラグ付けされていたのを発見したと報告しました。
@LiterallyJudge1
|★★★★★|
君のカレーの光が私の中の毛細血管の一本一本を照射しているのを感じられる。
このカレーは増殖する癌のようだ。死に至らしめることはわかっていれど、先祖が私を価値あるものと思ってくれるのを祈るしかない。満腹で、心健やかに、DNAのすっかり変性した様を彼らに見せに行こう。
@ProbablyJudge2
|★★★★☆|
カレーを貪りながらもジャガイモの目を数えられるようでした。大変楽しませてもらいましたが私はフランス人なのでね。星5つ中4つ。
@TheoreticallyJudge3
|★★★★★|★★
@ProbablyJudge2は███████で████だからいっつも知覚するたびに反対票投じてるんだが。この最も権威あるコンテストの審査員が採点にくっだらない制約とか隠れた基準とかを恣意的に適用するのはとんでもない行為だ。これをできるのが自分だけだとでも思ってんのか? 無限に濃厚なベルギーワッフルってやつを見せてやるよ!それとシェフ、ここに追加で星をつけてほしい。俺の恣意的かつ隠れた基準はあいつのより上だからな。
日付2019年5月28日: 予定されていた士気向上イベント中、SCP-4497-1は食事用に"ブラウンベティ"を提供しました。レベル3研究員のジャック・カーマイケルは、彼の作るデザートの方がSCP-4497-1のものよりも優れていると述べました。この宣言を聞き、SCP-4497-1はカーマイケル研究員に、自分のデザートを作成して一般投票によるコンテストにかけるよう要求しました。士気向上のため、このコンテストは主任研究員の監督下で継続を承認されました。
最終的に、23対17でジャック・カーマイケルのアップルブラウンベティがSCP-4497-1を破りました。その際、予期せず実空間での競争で新たな勝利者にSCP-4497の称号が移行しました。SCP-4497はEuclidに再分類されました。
日付2019年11月02日 UIUフィールドエージェントのダニエル・パルッツィは、進行中の無関係な事項に関する定例報告時に、サイト-19のカフェテリアで昼食をとりました。サイト-19の士気向上方針に従い、SCP-4497-1はメイン料理に添えるポテトグラタンを用意しました。サイト管理官サンダーソンがエージェントに食事を楽しめたか尋ねたところ、以下の発言が記録されました。
UIUエージェント ダニエル・パルッツィ: おばあちゃんnonnaの料理を思い出しました。もちろんそれには敵いませんが、だいぶ近いところまで来てますね。
2019年11月2日の夜、定期記録中に、SCP-4497-1がレム睡眠に入ることが不可能になっていると報告されました。割り当てられたDクラス職員が夢界に派遣されたところ、"前回優勝者"が"ノンナNonna・パルッツィ"を名乗る懐古調霊的実体となっていることが確認されました。宣言的な主観的比較に反応するようであることから、SCP-4497はKeterに再分類されました。
フィールドログ4497.4:
オペレーション: スナックダウン
日付2019年11月04日: 機動部隊オミクロン・ロー("ドリームチーム")は、競争によってSCP-4497を奪還する試みとして、SCIDMARK-4でインターフェース接続されました。機動部隊は皮下に奇跡術印章を装備しており、同調した人物間でほぼ即時的な無意識下の協力が可能となっています。機動部隊隊長ボリス・ソコロフが自身を挑戦者、SCP-4497-2として入場し、機動部隊の仲間を副料理長として宣言しました。SCP-4497-1、"ノンナ・パルッツィ"はSCP-4497の称号を防衛するため出現しました。
[記録開始]
SCIDMARK-4装置の視点は、これまで見えなかった見晴らしの良い地点からスタジアムを見下ろし、SCP-4497-1とSCP-4497-2の肩の背後に達する頭上カメラへと強制的に変更されている。両出場者は演壇に立ち、巨大な金属ドームで覆われた黒曜石の祭壇を見上げている。祭壇の周囲から、無数の触手を突き出した、浮遊する腎臓状reniformの黄白色の塊が出現する。その触手は「話す」ように振動する。
司会者: 紳士淑女、有象に無象の皆様、キッチンスタジアムのスリリングでエキサイティングでインタレスティングな対決へようこそお越しくださいました。先週の新しいThinkytimeTM中華鍋はノンナ・パルッツィさんが"バトル・シャルトリューズ"にてゼータ・レティクル-IIIaの強欲なる虫獣からタイトルを防衛した際に血の洗礼を受けました。今週の挑戦者はどんなサプライズをもたらしてくれるのでしょうか? 今週のスペシャルなサプライズテーマはどんな形態学的、実存的恐怖を見せてくれるのでしょうか!? 今からその答えを確認しましょう……
カメラは出場者たちにズームインする。その際、"司会者"である黄白色の塊は粘性のある茶色で粘性の球状物質へと変化し、画面外の様々な場所に拡散していく。その後、金属ドームが未知の手段で上昇すると、15世紀のヨーロッパ衣装をまとい宗教的な装飾品を身につけた、明らかに人間の死体で満たされたテーブルがあらわになる。
司会者: 対決のテーマは…… スペイン異端審問!
息を呑む音、「おー」や「あー」といった声、見えない発生源からの拍手、画面外の群衆からの一般的な歓声に包まれる。別のカメラのアングルが出場者に切り替わり、それぞれが同意と興奮に頷いている。SCP-4497-2は礼儀正しく拍手する。
司会者: では出場者の皆様。ルールはシンプルです。あなた方はこの極上の食材を最も壮麗に解釈した上で、3.6e+15ピコ秒以内に"審査員評議会"に提出してください。前菜1品、メイン料理1品、デザート1品です。制限時間3.6e+15ピコ秒、"スペイン異端審問"…… スタート!
複数のカメラアングルが機動部隊による簡単な会議に切り替わる。エージェント・ソコロフが副料理長らとメニューを練り、役割分担を決める。皮下印章による瞬時の思考通信のためにこの作業は瞬く間に完了し、エージェント・ソコロフと3人の副料理長は儀式的に互いの手を打ち、"散会"する。
SCP-4497-1とエージェント ソコロフは、秘密の食材の一部を大きな編み籠に山盛りにし、死体を丸ごと近くの車輪付き担架に積み上げ始める。この作業が進む中、音声がフェードアウトし、ナレーションで広告らしきものが流れる。
ナレーション: 本日の"秘密の食材"は『はかなき星の遠き思ひ出TM』ブランドの農場及び関係者の方々から寛大なるご提供をいただきました。『はかなき星の遠き思ひ出TM』の方々は、私たちが時代錯誤のリスクや絶え間ない父親殺しの脅威にさらされることなく新鮮な審問官の死体や記念品を楽しめるよう、実存の底面で叫びながら毎日粉骨砕身されています。今日はちょっと異端気分? そんな時は審問官を一かじり!
ナレーションがフェードアウトすると、キッチンの音声が再開し、無数の機器の動作音が辺りを満たす。カメラにカウントダウンの時計が一瞬映ると、既に数兆ピコ秒が経過している。SCP-4497-1が2人の副料理長に秘密の食材を扱って準備するよう演技がけて指示する、急速なカメラカットをドラマチックな音楽が強調する。同様に、アリーナの反対側では、エージェント・ソコロフ率いるSCP-4497-2が、時折作業の合間を縫って無言で視線を上げ、互いに目を合わせて頷き、そこで瞬時に指示が交わされる。
対決は、一層攻撃的で大げさな編集、グラフィック、音楽と共に展開する。出場者たちが食材を刻み、フードプロセッサーを作動させ、フライパンを回転させると同時に、パイプオルガンのドラマチックな響きに乗せて、出場者たちの複数の高速カットやクローズアップが映し出される。時計がゼロに近付くにつれ、"司会者"はアリーナの上空に浮かび上がり、出場者たちを鼓舞する。
司会者: 残り6e+13ピコ秒! そろそろ盛り付けの時間ですよ!
制限時間が近付くにつれて観客の歓声はますます高まり、鳴り響くクラクションが調理時間終了を告げる。それまで明るく白く輝いていたスタジアムの照明が不吉な深紅の光に変わると共に、参加者たちは"審査員評議会"の前に料理を運び込む。
挑戦者であるSCP-4497-2が先にプレゼンテーションを行う。彼が話すと同時に、カメラはその顔に密着する。
エージェント・ソコロフ: さて、本日私わたくしはスペイン異端審問官の真の味を体現した旅をご用意したいと考えました。そこで、ヨーロッパが誇る最も異端なる味の旅へと皆様をお連れ致します。その役を担うものとして、この美しき審問官を本日の主役に据えたいと思います。ご賞味あれ。
カメラはゆっくりと左から右へと移動し、エージェントの料理を映す。
エージェント・ソコロフ: では、まずは前菜から。こちらは南フランスの偉大な異端者を彷彿とさせるシャルキュトリーボード風の盛り合わせです。薄くスライスした、よく脂ののった審問官の腹肉を死海のマリネに漬け込み、拷問台のエッセンスをさっと利かせました。これにリシュリュー枢機卿の薄くサクサクとした圧縮スライスを添えました。チーズは月の寒さの海で取れたシャープチェダーチーズです。そしてそして、このワインは実は全くワインではなく、蒸留された異端品なのですが、ピノ・ノワールと同じ特徴に同じ風味を持っています。
審査員たちが前菜を食べ始めると、様々なカットが散発的に映し出される。1人目の審査員は、身長2 mのコモドドラゴンであることを除けばアレクサンダー・ハミルトンをそのまま模したような姿をしている。2人目の審査員は、口ひげがメビウスの輪のようにねじれた、幅1 mのサルバドール・ダリの頭部である。3人目の審査員は、サングラスをかけた完全に無毛のガイ・フィエリである。審査員たちは食事を楽しんでいるようだが、コメントは後回しにする。
エージェント・ソコロフ: メイン料理は、名の通りスペイン風に仕上げさせていただきました。異端審問官の腿肉をシェリー酒に浸した祭服で包み、すりおろしたエスプレット唐辛子、クミン、サフラン、そしてすりおろした歯をすり込んで仕上げました。そしてこれを、付け合わせの異端者の足と一緒に直火でさっと炙りました。異端者について言いますと、その足で作ったクラックリンもご用意し、それをほぼ1時間置いて異端告白をさせた上で、じっくりと判決してカリカリに仕上げました。ご賞味あれ。
審査員が異端者のクラックリンを楽しんでいるカットが映る。彼らは互いに頷きながら、特にパリパリという音に集中している。
エージェント・ソコロフ: 最後にデザートは、私たちが自信を持ってお届けする"プレナリー・インダルジェンス至上の耽溺"です。フランス風の逆さリンゴのデザートに、濃厚でデカダンな教皇の権威を込めました。温かいまま、キャラメル風味の宗教改革ソースとバニラカスタードアイスクリームを添えてお召し上がりください。かなりリスクを冒しまして、質素でごく普通のバニラカスタードに致しました。
アレクサンダー・ハミルトン: ええ、私としては、この美味にして人食いの旅に感謝したい。異端審問官たちが追い求めていたあのジューシーな異端者の味を通したヨーロッパ巡りは実に楽しい時間だった。そこにいるような気分だったよ。城の中。自白するまで魔女を火炙りする。お見事。
ダリの頭部: 比喩的に印象的。上品な不条理。されど、今日あなたが作ったものの多くはとってもリアルだったよ。このメニュー全体を通して、君の方から私に何か想像してほしいとあえて頼むことはなかった。それが果たして君に有利に働くのかどうかは分からないけど、ひとまず静観しよう。全体的に精力的だが、ただリスクはあまり冒していないね。
エージェント・ソコロフ: はい、フィードバックありがとうございます。
無毛のガイ・フィエリ: こりゃまさに、グリルで味の宝石箱をぶっ壊す、最ッ高にクールな一撃だったぜ。このごくごく普通で平凡なカスタードが何をどうしたらこんなヤベェ代物になんのやら。マジですぐにでも飛び込みてぇくらいだ。まずは車に行ってグローブボックスを開けて、ハンドルに近いとこにあった溶接工のゴーグルを着けてみるだろ。そんでそれは放り捨てて、今度はダイビングゴーグルを取り出して着けて中に戻ってくるだろ。テーブルに戻って、アリーナに降りて、下着だけになって、ぎゅっと口をすぼめて、深呼吸して、アンタの持ち場にあるカスタードのボウルん中にあるフレーバーセンターに飛び込んでやりてぇ。こりゃとんでもねェや。
エージェント・ソコロフ: おぉ、ありがとうございます、大変うれしく思います。この料理を提供できたこと光栄に思います。このような食材での料理は実に楽しいものでした。
テーブルは片づけられ、素早いスワイプ編集が時間の経過を示し、現在のSCP-4497-1が料理を提示する。
司会者: ノンナ・パルッツィさん、あなたのお料理をご説明ください。
ノンナ: ええ皆さん、もう10年近く前に死んでしまった私にとって、これは本っ当に大変な挑戦でした。まず、前菜は冷たいマッシュルームサラダにビネグレットソースをかけたものです。マッシュルームは異端者の骨粉と灰を混ぜた肥料を撒いた畑で育ったものでして、それを『魔女に与える鉄槌』に挟んで薄く伸ばしました。マリネとドレッシングはオリーブオイル、エシャロット、ニンニク、聖職者の沈黙、そしてさらに刺激を加えるため、残酷になっていく告発を少し加えました。
先ほどと同様にカメラはサラダを食べている審査員を映し、彼らはよく目立つ、満足気な様々な顔を浮かべる。
ノンナ: メイン料理は"ポルコ・ディオ"と名付けました。塩漬けにしてじっくり煮込んだ"長豚"を、異端審問官の脂、無視された事実、そしてルネッサンス時代の王立法廷から引き出された隠す気などほとんどない政治的計略を詰め込んだグレービーソースで和えています。それに合わせましたのは、ピリッとくるマンゴーコールスローと、美味しいポテトロールで、自分でサンドイッチを作れますよ。きっと"ポルコ・ディーオ!"と叫んでしまうでしょう! 異端者のリストに載っちゃいますね、へへ。
カメラはロングショットに切り替わり、審査員3人全員がジョークに笑い、礼儀正しく微笑んでいる様子が映し出される。ガイ・フィエリはサルバドール・ダリの頭部を不安げに見つめ、急に汗ばんだ額にナプキンを軽く当てる。
ノンナ: エヘン、では。最後にデザートです。残念ながら私は一人ですので、時間切れ前に全部を皿に載せきることができませんでした。ピコ秒は本当にあっという間に過ぎてしまいました。これは孫の大好物、ポテトグラタンです。召し上がれ。
アレクサンダー・ハミルトン: ノンナ君、異端審問官の味を感じられないのだが、どこにあるのか?
ノンナ: そこの盛り付けに手間取ってしまいまして、ごめんなさいね。
無毛のガイ・フィエリ: それでここに必要なモンを俺らに出す皿に入れようともしなかったと?
ノンナ: その通りです。
ダリの頭部: 私は好きだよ。実に反体制的だ。
司会者: ありがとうございました、出場者の皆様。持ち場に戻って票の集計をお待ちください。
カメラが"審査員評議会"から遠ざかり上空へと移動すると同時に、劇的な音楽が再び鳴り響く。カメラが更に外側へと移動すると、出場者たちは実時間で動いているのに対し、審査員たちは何らかの局所的な時間異常を経験しており、議論が数分ではなく僅か数秒単位に早送りされていることが明らかになる。実時間で合計約30秒後、時間異常は解消され、"司会者"が舞台中央に立つ。出場者たちは壇上の司会者に近付き、その前に立つ。
司会者: 鉄人シェフノンナ・パルッツィ。 (SCP-4497-1は司会者にお辞儀する) 挑戦者ボリス・ソコロフ。 (SCP-4497-2は司会者にお辞儀する。) 投票が完了しました。"スペイン異端審問"、勝者は……
司会者: 挑戦者! ボリス・ソコロフ!
カメラはすぐにエージェント・ソコロフに切り替わる。彼は顔を赤らめ、副料理長たちが祝福に駆け寄る。エージェント・ソコロフは通路を横切り、SCP-4497-1と握手を試みるが、霊的実体は消え去ってエクトプラズムのエーテルとなり、彼女の最後の悲鳴が歓声と拍手を一瞬かき消す。
エンドクレジットが流れ始め、エージェント・ソコロフは名前の刺繍が入った黒いシェフジャケットを手渡される。彼がそれを着ると、画面は暗転する。
[記録終了]