初期建設直後のSCP-4200に関与した兵器。
アイテム番号: SCP-4200
オブジェクトクラス: Safe/Neutralised
特別収容プロトコル: SCP-4200は、マンハッタン計画の秘密主義とアメリカ政府による財団への広範な協力により、歴史的記録からの削除に成功しています。SCP-4200の影響を受けた3人の個人はすべての記録から抹消され、これら個人の親族はクラスO記憶処理を受けました。
SCP-4200-1の周辺は高さ3mの固化した金網フェンスで囲まれており、エリア自体から連続して10mの距離にあります。この地域は以前の核実験場であり、危険な放射性廃棄物を含んでいることを警告する標識が頻繁に掲示されています。
説明: SCP-4200は1942年11月14日にニューメキシコ州の砂漠で発生した異常なイベントの指定です。このイベントは、大量破壊兵器の爆発と、それに続く誤作動を含みます。大量破壊兵器はマンハッタン計画間の副次的プロジェクトとして建設され、異常な技術がギリシャのアンティキティラ島沖のサイトから回収されました。
信じられている一連の出来事は次の通りです。3人の科学者によって武装される前に、兵器は指定された場所に置かれました – 現在はティモシー・ノーブル、エリック・マイヤーズ、バーナード・ケイマンと確認されています。爆発までのカウントダウンの間、科学者が安全な距離に移動する前に、兵器は誤作動して爆発しました。兵器、3人の科学者全員、彼らが乗っていた乗り物、そして大量の堆積物が現場から即座に非物質化されたようです。アメリカ軍兵士と財団の工作員は周辺地域を広範囲に捜索しましたが、成果は得られませんでした。
爆発の場所はSCP-4200-1に指定されています。この番号は約900m2の土地の面積を示しています。SCP-4200-1のヒューム値は異常に低いと測定されており、カント計数機は10〜60Hmの値を記録しています。この地域で長時間過ごした人物は、運動神経が鈍り、SCP-4200-1とは異なる地域の特定の3つの地点に引き寄せられていることに気づきます。この3地点では砂や他の小さな物体が大量に蓄積しているため、この影響は物理的にも心理的にも見られると考えられています。
補遺: 以下はマンハッタン計画の科学者によって撮影されたSCP-4200の音声記録です。現在、音声は財団が所有しています。
SCP-4200 - 音声転写
日付: 1942年11月14日
注記: 音声ログは、兵器の武装直後のテスト開始から約13分後に録音されます。3人は携帯用トランシーバーを使って通信していました。
[ログ開始]
実験司令部: 爆発50秒前。
マイヤーズ: 興奮してる、バーナード?
ケイマン: とても。こいつらのどれかをヒトラーの玄関先に落とすのが待ちきれないよ。
3人は笑う。
実験司令部: 30秒。
マイヤーズ: でも、僕たちがやる必要がある前に戦争が終わることを願ってるよ。
ケイマン: じゃあ、要点は何なんだ?
実験司令部: 20秒。
ノーブル: ここじゃあエリックに賛成だね。この点がわかってよかった、ギリシャのサイトに感謝だ。そうじゃなかったら-
兵器が爆発する。マイヤーズ、ケイマン、ノーブルに加え、兵器と乗り物もすべて消えて、わずかにクレーターが残る。
実験司令部: いったい何が起こった?エリック?ティム?
応答はない。
実験司令部: 誰か外に出て、何が起こったのか報告してくれ。
実験司令部は何が起こったかを推測しようとする間、約4分間沈黙状態になる。
ノーブル: や-やあ?司令部?
実験司令部: いったいどこにいるんだ?
ノーブル: わ、私にはわからない。かろうじて動いたり見たりできる。何かが四方八方から圧迫しているようだ。
実験司令部: マイヤーズとケイマンはどこだ?
ノーブル: わかりません。クソッ。
ノーブルは他の人へ呼びかける。
ケイマン: ここにいるよ...畜生...全く動けない。手足がどっかに引っかかってる。わからん。
ノーブル: エリックは?
ケイマン: かろうじて目の前にいるのが見える。あいつも動いてないみたいだ。
実験司令部: 君たちがどこにいるかを見つけて、連れ出しに行く。
ケイマン: 俺の心臓の鼓動が聞こえない。脈もだ!
ノーブル: 私たちはただ-
突然物が折れる音が聞こえる。
ノーブル: 腕が壊れている!こっから早く出してくれ、早く!
実験司令部: こちらは君たちがどこにいるのかもわからない!
さらに折れる音が聞こえる。3人の科学者は叫び始め、その中には目を覚ましたマイヤーズもいた。これは送信が切断されるまで約50秒間続く。
実験司令部: 彼らはロストした。今から、このプロジェクトのチームが必要だ。今すぐに!
[ログ終了]
シルバース主任研究員の個人通知
通知日 – 1998年06月23日
低クリアランスファイルの手順でよくあるように、以前の文書では関連情報が省略され、意図的に不正確な部分が含まれています。しかし、これらは完全な新規文書がより高いクリアランスを有する職員のためにファイルに入れるには十分な範囲ではないと見なされました。
注目すべき最初の特徴は、SCP-4200に使用されていた兵器の性質です。回収できた文書(マンハッタン計画の職員は事件後に多くのファイルを燃やした)から分かるように、爆弾は事実上、小さな現実歪曲効果を生み出すと考えられていました。兵器の薬室の中の空間は内側に「圧迫される」と、反対方向に激しく反応して大きな波紋を生じ、放射線による損傷はありませんが、経路にあるものを破壊します。財団以外の組織が現実歪曲技術を所有していたという事実は、それ以下のクリアランス分類にはふさわしくないと考えられました。
二つ目は、ティモシー・ノーブル、エリック・マイヤーズ、バーナード・ケイマンの所在地です。多元宇宙における彼らの正確な特質と所在が不明であるのは事実ですが、私たちは(可能な限り)連絡を取り、チームを送りました。このメッセージの最後に探査ログを載せました。サイト-120のロバート・スクラントンは私達にいくつかの装置を送り、ヒューム値が特に低かった時に機動部隊を送りました。彼らは非常に長い間そこにいませんでしたが、チームが得たものは確かに興味深いものでした。
探査ビデオログの転写
日付: 1989年12月22日
探査チーム: 機動部隊アルファ-5("パラノーツ")
目的: SCP-4200-1 – SCP-4200イベントに関与した行方不明者3人の発見
チームリーダー: ガードナー
チームメンバー: ファインマン、アスプレイ、ケーラー
注記: このログの視覚的な記録は、調査中にライブストリーミングされませんでしたが、対応する時間に挿入されました。
[ログ開始]
任務司令部: チームはSCP-4200-1内に配置されているか?
ガードナー: 肯定する。誰かヒュームを読んでくれないか?
アスプレイ: 30ヒューム。
任務司令部: 今すぐジャンプしてくれ。これ以上滞在すると、SCP-4200-1の影響を受ける。
ガードナー: 全員揃ったか?デバイスがリセットされて戻ってくるまで、約15分の時間をかけて探索を行う。
アスプレイ: 賛成。
ファインマン: 良いです。
ケーラー: 問題ない。
ガードナー: 今起動する。
4人のメンバーは装置を起動し、サイトから姿を消す。
任務司令部: 成功したか?
ガードナー: そう思う...何とも言えない。ケーラー、懐中電灯をつけろ。
ケーラー: 了解。
ケーラーは明かりをつけ、チームが未知の黒い物質に囲まれた垂直方向約1.5mの狭い空間にいることが明らかになる。
ファインマン: いくらか...可鍛性がある。手で押し上げることは出来るが、ゆっくり元に戻ってしまう。
ガードナー: 前に進もう。主な目的は、マイヤーズ、ノーブル、ケイマンを見つけることだ。
ファインマンは突然跳ね返り、叫ぶ。
ファインマン: どういうことだ?
ガードナー: どうした、ファインマン?
ファインマン: 私のガイガーカウンターだ。見てくれ。
ファインマンはガイガーカウンターを持ち上げた。現在は単一の部品ではなく、複数の配線、回路基板、プラスチック片に分かれている。
ケーラー: おかしいな。完全にバラバラになっている。私のは大丈夫そうだが。
アスプレイ: 私もだ。
ガードナー: 全部ここに置いといてくれ、ファインマン。皆気をつけろ。この場所には明らかに異常な抑制がある。お互いにくっつこう。
チームはゆっくりと空間を前進する。アスプレイが突然止まる。
アスプレイ: 車を見つけたと思う。見てくれ。
チームは黒い物体の中に埋め込まれているように見える車両を取り囲んで調べている。ケーラーはそれに沿って指を動かす。
ケーラー: これは錆だと思う。
ファインマン: どうして錆が?ここに水蒸気は存在しないと思うが。
ガードナー: 奇妙だな。だが、私たちは車のためじゃあなく、3人の男を見つけるためにここにいるんだ。そのまま進もう。
チームは前進を続ける。アスプレイの足は何かを砕く。
ファインマン: 何だ?
アスプレイ: 私にはわからん...ケーラー、明かりをもらえるか?
ケーラー: ああ。
アスプレイ: これは...眼鏡だ。このような眼鏡をかけている人はいたのか、司令部?
任務司令部: ええ、マイヤーズだ。近いかもしれない。
チームが前進するにつれて、空間が広くなり始める。ガードナーは立ち止まり、手を挙げた。
ガードナー: 何か聞こえるから、静かにしてくれ。
チームは一旦止まる。呼吸の音を拾う。
ケーラー: 左から来ている。
ケーラーは光を当てて、倒れたマイヤーズの姿を明らかにする。空間の天井に腕が一本差し込まれているように見える。頭には一見同じ素材で出来ている5つの黒いチューブ状の構造物が取り付けられており、空間の黒い縁とつながっている。
ガードナー: 司令部、私たちはあー...マイヤーズを発見した。
ファインマン: SCP-4200は47年前に何が起こったのだろうか?彼は全然年を取っていないようだ。
ガードナー: 接近する。これから物理的接触を行う。
チームは慎重に接近する。マイヤーズの目は閉じているように見えるが、彼は目に見えて呼吸している。
アスプレイ: 彼は生きているみたいだ。
アスプレイはマイヤーズの首に2本指を置く。
アスプレイ: 確かに脈がある。
ケーラー: 彼の目を開けて、起こしてみたらどうだ。
ガードナー: 賛成だ。アスプレイ、まぶたを開けろ。
アスプレイはこれを行う。マイヤーズの瞼を押し開けると、マイヤーズが目を覚ましているように見えるため、アスプレイは突然跳ね返る。彼のまぶたは開いたままである。
アスプレイ: 彼の目を見てみろ...
カメラをマイヤーズの顔に近づけると、典型的な目ではなく、画像が空間で再生されているように見えることがわかる。戦車や人が走っているのが見える。画像はニコラエ・チャウシェスク(1965年から1989年までの共産主義のルーマニア指導者)に似た個人に変わる。画像が路上での対立に戻る前に、彼の周りに突然赤いオーラが現れる。
ファインマン: ルーマニアの旗が見える...これはルーマニアか?
ガードナー: 放っておけ。他のヤツを探して見つけなければならない。
チームは前進を続ける。最終的にケーラーの明かりはケイマンの姿を明らかにする。彼ははるかに黒い物体の中に埋もれていて、両腕、片足、及び大部分の胴体が入っているように見える。
ガードナー: 司令部、ケイマンを見つけた。ケーラー、彼の目を見てくれ。
ケーラーはケイマンのまぶたを開ける。表示される画像は若干異なる。画像には、共産主義のルーマニア軍が撃たれたり捕らえられたりするさまざまなショットが映っている。
アスプレイ: ガードナー、あとどれぐらいここにいられる?
ガードナー: クソッ。90秒だ。もう少し映像を取ってから離れよう。ノーブルを探すためにまた来る。
チームは立ち去る前にさらに詳細な映像を集める。
ファインマン: なぜ彼らの目はあんなふうだったと思う?
ガードナー: 分からん。彼らが何を言っているかをサイトで見てこよう。
チームは帰還位置に移動し、その後空間から除かれ、視覚的にSCP-4200-1に再出現する。
ガードナー: 司令部、戻った。
任務司令部: 分かった。トラックが迎えに行く途中だ、SCP-4200-1を出てくれ。
[ログ終了]
注記: この遠征の後、空間はSCP-4200-2に指定されました。
1: 以下はSCP-4200-1で記録された最も低いヒュームの表で、最高から最低の順です。結果は1960年以降に記録されました。
2: 2017年05月13日に、O5司令部は3人の科学者のうち1人をSCP-4200-2から抽出することを指示し、機動部隊アルファ-5によって実行されました。そのうちの1人に埋められた実物から取り除くための道具がSCP-2742の歯と消化器系から作られました。
ビデオログ
日付: 2017年05月13日
注記: 各チームメンバーは、SCP-2742実体から作られた2つの道具を携帯していました。回収された科学者を連れて帰るために、追加の現実転送装置も提供されました。更新された装置には15分の時間制限はなく、代わりに手動で作動させて戻ってくるため、無期限の滞在が可能です。
[ログ開始]
1318: チームはSCP-4200-1に入り、姿勢を取る。全ての機器が故障していないか確認をする。異常は確認されなかった。
1319: チームは転送装置を作動させ、SCP-4200-2に正常に転送される。
1321: 隊員の道具の1つがSCP-2742実例の死亡した頭部に変化する。これは破棄され、チームは継続する。
1322: チームは集合する。先の遠征を考慮した後、マイヤーズがSCP-4200-2に最も埋め込まれていない人物であるという事実により、取り除くことが決定される。
1325: チームはマイヤーズの眼鏡を発見したが、この眼鏡は錆に似た膜を発生させており、最後に目撃された時からわずかに黒い物体に埋め込まれている。
1327: チームの懐中電灯は、少し離れたところにいるマイヤーズの姿を示す。
1328: チームは意識不明と思われるマイヤーズの場所に到達する。まぶたを持ち上げると、画像は再生されずに黒い空間が現れる。
1329: マイヤーズに繋がれた管が道具によって切断され始める。切開すると黒い液体がこぼれ、接触するとすぐにSCP-4200-2の境界に吸収される。
1335: 三つの管が完全に切断された後、マイヤーズが目覚めたように見える。チームは慎重に後退する。沈黙のまま、彼はただチームを見つめているように見える。
1336: マイヤーズが自由になった手で後頭部を必死に触って理解し、身をかがめて叫び始める。彼はどうやら不安そうに左に目を向ける。
1337: チームの二人がマイヤーズを拘束し、他のチームが残りのチューブを切断し始める。マイヤーズの目は砂漠のように見える画像に変わる。
1339: 最後の管が切れ、マイヤーズが叫び始める。彼の目の中の画像は小さな建物のものに変わる。
1341: チームは埋め込まれたマイヤーズの腕の周りに円を描き始める。目に見える建物の周りに赤いオーラが現れる。
1344: 司令部との通信が途絶え、技術的不具合と想定される。マイヤーズはより暴力的になり、チームメンバーを追い払おうとする。彼の拘束に成功する。
1348: 切断が終わり、マイヤーズがSCP-4200-2の床に倒れ、意識を失ったように見える。彼の腕があった空間はすぐに黒い物質で満たされ、何の損傷も残さなかった。
1349: 転送装置がマイヤーズの手首に取り付けられるが、今は意識がない。チームは再び作戦司令部に連絡を取ろうとするが、無駄になる。
1350: マイヤーズとチームはSCP-4200-1に戻る。チームは回収のために車の到着を待つ。
[終了ログ]
マイヤーズの回収中の13:42頃、作戦司令部は壊滅的な事態に陥りました。複数の電線が誤作動を起こして大規模な火災が発生したため、通信機器が消失し、サイトの広範囲が被害を受けました。この事故で7名の死傷者が記録されました。
チームは最終的に、より大きなサイトからの遠征隊によって回収されました。エリック・マイヤーズは捕らえられ分析されましたが、昏睡状態のままです。マイヤーズをこの状態から除去する試みはすべて失敗しました。努力は未だ進行中です。
ベルリンの壁の崩壊、SCP-4200によって引き起こされたと考えられている出来事
アイテム番号: SCP-4200
オブジェクトクラス: Archon
特別収容プロトコル: 歴史的タイムラインに関しては正常性を維持するために、いくつかの偽の文書がこの文書の下位の分類アクセスに置かれました。次のようなものが含まれます。
- SCP-4200は、3人の個人がSCP-4200-2の中に埋め込まれる原因となったイベントに対する指定である
- この3人の所在は不明である
- SCP-4200-Aは昏睡状態にあり、覚醒していない
O5評議会の全会一致の決定により、残り2人のSCP-4200個体は回収されるべきではありません。この決定は、SCP-4200-Aの除去によって引き起こされた歴史的なタイムラインの変更後になされました。現状と一致した時間の流れを維持するという継続的な利益の為、残りの個人はSCP-4200-1の内部に恒久的に残されることになります。
SCP-4200-2のヒューム数を監視して異常に低い数値を記録し、対応する世界の出来事と照合してSCP-4200が現実に影響を与えているのかどうか、また影響を与えている場合は何に影響を与えているかを判断します。
SCP-4200-2はエリア自体から連続して10メートルの距離、高さ3メートルで固められた金網フェンスに囲まれています。この地域は私有地で、過去の核実験による大量の放射線を含んでいることを警告する標識が頻繁に掲示されています。Dクラスと機動部隊による実験は現在禁止されています。
SCP-4200-Aは家具付きの人間用異常収容室に収容されています。要求があれば快適な設備を提供することが許可されています。要求に応じて提供される歴史の教科書は、SCP-4200-Aに精神的負担を与えないように、苦痛、死亡または負傷の統計を削除しなければなりません。
説明: SCP-4200はエリック・マイヤーズ、バーナード・ケイマン、ティモシー・ノーブル(SCP-4200-A、SCP-4200-B、及びSCP-4200-Cとしてそれぞれ分類)の総称であり、これらの人々はマンハッタン計画中に行われた異常な兵器テスト中に発生した誤作動の後、合意的現実と融合されました。この兵器は現実を内側に折り曲げ、しばし後に空間を反対方向に激しく跳ね返させるように設計されており、大きな衝撃波を発生させて放射性降下物のない広い領域を破壊する可能性がありました。しかし、爆弾は単に折り曲げるのではなく、実際には誤って小さな裂け目を破ったと考えられています。
合意的現実との融合により、SCP-4200個体は我々のタイムラインでの世界事象に影響を与える能力を有します。物や実体を物理的に操作するだけでなく、人間の行動や思考を操作する明らかな能力を有しています。SCP-4200は、米国による核爆弾開発の成功、月面着陸、ソビエト連邦の崩壊など、複数の主要な歴史的事象の原因となっています。SCP-4200実例のいずれかをその状態から除去すると、歴史的タイムラインからの行動の除去に繋がります。例えば、SCP-4200-Aが融合状態から除去されたことで、CIAが支援するチリ、グアテマラ、ブラジルなどでのクーデターが発生したと考えられています。
SCP-4200-1は、3個体のSCP-4200の内、2個体が現在居住している空間です。SCP-4200-1は直径約60mの現実の裂け目です。SCP-4200-1内の時間の流れは線形ではなく、逆方向、不規則、または全く流れていないことが観察されています。SCP-4200-1の境界を構成する黒い素材は、現在完全には解明されていません。しかし、それはある領域における突発的な現実性の欠如により自発的に形成される成分であると理論化されています。
SCP-4200-2は、SCP-4200が基準現実と融合する原因となった事象が発生した場所です。この指定は、ニューメキシコ砂漠の約900m2の土地に及びます。SCP-4200-2のヒューム値は異常に低く、カント計数機は10~60ヒュームを記録しています。ヒューム値が低くなれば、SCP-4200が基準現実に影響を及ぼします。長時間過ごした個人は、自分の反応が遅くなり、SCP-4200が現実に統合した際の位置に対応するSCP-4200-2の異なる領域にある2つの地点(以前は3つ、SCP-4200-Aが除去される前)に引き寄せられることが明らかになりました。
補遺: 以下はSCP-4200-Aの3つの選定インタビューです。
インタビュー対象: SCP-4200-A
インタビュアー: シルバース主任研究員
序: インタビューはSCP-4200-1からの回収直後に実施されました。インタビュー前の被験者の精神状態は不安定で落ち着きがありませんでした。
<ログ開始>
シルバース: こんにちは、エリック。始める前に、何か欲しいものはありますか?
SCP-4200-A: 水を一杯お願いします。
シルバースは警備員にジェスチャーを送り、SCP-4200-Aは水の入ったグラスを持ってくる。
シルバース: 兵器が誤作動する前の出来事を説明できますか?
SCP-4200-A: 彼らがバンで砂漠の真ん中に爆弾を置き、僕、ティム、バーナードは後ろの車で追いかけました。僕たちが準備して、それから走り去りました。言っていたことは思い出せない...僕たちが武装した後の一瞬の映像しか覚えていません。それから、何か...何かはピンとこないがあった。
シルバース: それでSCP-4200-1の中で目覚めたのですか?
SCP-4200-A: 私たちは長い間無意識だったと思います?ですよね?
シルバース: ケイマンとノーブルは5分ほど意識を失っていました。
SCP-4200-A: そうだね。僕は目を覚まして、それで、全てが少しの間麻痺して...いや、麻痺していなかった。浮いているかのような。だけど、長くは続かなかった。ただの痛みだった。
シルバース: それを説明できますか?
SCP-4200-A: できない。全部の...場所、何であっても...ねじれた。私の腕が壊れた、覚えている。それが過ぎて、もっと深い何かが。まるで頭蓋骨の上の苛性酸が他の全てに滴り落ちたような。待って。
シルバース: 大丈夫ですか?
SCP-4200-A: はい。思い出そうとしているだけです。しばらく痛みが続いた後が思い出せません。それから...多幸感としか言いようがないものが来ました。
シルバース: 多幸感?
SCP-4200-A: 最初はゆっくり。物や痛みや感情を感じるようになった。それが少しずつ入ってきて、他の人や物が感じている事、やってることに気付くのに時間がかかった。
シルバース: この時点でイベントに影響を与えることは出来ましたか?
SCP-4200-A: 身体の感覚を失ってから初めて。ダムが決壊するまで、感情のしたたりがどんどん大きくなっていった。いきなり、自分の心が...どこにでもあるとしか言いようのない場所にあった。まるで歴史の流れを感じられるようだった。
シルバース: それから、あなたはこのようなことを制御できたのですか?
SCP-4200-A: はい...少なくとも、そうだと思います。説明するのがやっとで。チェス盤のようなものを想像してみてください。突然ピースを動かすことが出来たのです。僕たちが望んだ通りに物事を適合させる。物事に対する考え、偏見、世界が進むべき方向に対する意見を失ったわけではないんだ。その意見を実現できる立場に追い込まれた。
シルバース: 最初にやったことは?
SCP-4200-A: もちろん、僕たちはプロジェクトの科学者だったから、それから始めた。どうやって原子爆弾を組み立てられるかの知識の種をまいた。僕たちはナチスの敗北を助けられなかったけど、とにかくそれは起きていたことで、その時点だと誰もそんなことをするほど強くはなかった。
シルバース: 時間がたつにつれ力が強くなったのですか?
SCP-4200-A: 僕たちが力を得たというより...むしろ僕たちの影響力が、ある意味で拡散したかのようだった。僕たちが持っていた力の問題に本格的に取り組むのには数年かかった。けどバーナードが...
SCP-4200-Aは止まり、気詰まりをごまかす。
シルバース: 大丈夫ですエリック。好きなように言っていい。
SCP-4200-A: 僕...いや...(止まる)。博士、自分の行動が何人殺しましたか?
シルバース: それには答えられません、申し訳ありません。
SCP-4200-A: 答えてください。知ってる...数千は下らない。ルーマニアがあった...兵士全員に選択の余地がなかった。バーナードを止めるべきだった、でも同意した。他の皆の為じゃなかったとしても、お願いだ、教えてくれ博士!
シルバース: 動揺しています。また今度にしましょう。
SCP-4200-A: (ため息)わかった...わかりました、でもいつかは何人か教えてくれると約束してくれ。
シルバース: そのうちに。
<ログ終了>
結: SCP-4200-Aは収容室に戻る前に簡単な心理的医療措置が取られました。SCP-4200-Aの行動に関する統計を与えることは、不必要な強制を引き起こすことになると判断されました。
インタビュー対象: SCP-4200-A
インタビュアー: シルバース主任研究員
序: SCP-4200-Aの精神状態は、以前のインタビュー後に好調に増加したことが認められました。
<ログ開始>
シルバース: 今日は大丈夫ですか、エリック?
SCP-4200-A: 大丈夫だと思います。
シルバース: では始めましょう。バーナード・ケイマンについて何か教えてくれますか?
SCP-4200-A: 彼がどこで生まれて、何歳だったか、といった基本的な事実は、もう全て知っていると思いますが?
シルバース: 私たちが知っておくべきだと思うことを教えてください。
SCP-4200-A: 彼の両親はウクライナで生まれましたが、1919年ごろにアメリカに引っ越したと思います。彼らは、アメリカで生まれて良かった、どんなに偉大な国か、そんなことを教え込んでいました。彼自身その考えを最後まで押し通していました。
シルバース: 彼はえー – 他の人たちの間で好かれていましたか?
SCP-4200-A: はい、バーナードはただ...率直な人だった。確かに、僕やティムよりもそう。自信もある。あの空間で、彼が駒を動かしたとき、それを完全に信じていると実感できた。もっと...やるべきだった...
シルバース: あなたとノーブルはSCP-4200-1内で積極的にケイマンに反対しましたか?
SCP-4200-1: それほど単純じゃなかった。時々やって。そうじゃない時も。一人だけの時もあった。彼が実行したいくつかのことには同意した。東側ブロックとの一連のイベントのように。
シルバース: 何に反対したのですか?
SCP-4200-1: バーナードはとても...極端な人だ。彼はあらゆる面で社会主義を嫌っていた。若いころから教え込まれていた別のことだった。チリやグアテマラで社会主義者を選出する政府を見て彼は支持できないと感じた。CIAに彼らを倒させようとしていて、僕は止めた。僕は同意しなかった。社会主義者ではないけど、彼がやろうとしたことは正しくなかった。
シルバース: これらのイベントの発生を阻止しましたか?
SCP-4200-A: はい...何を言おうとしているんですか?
シルバース: エリック、CIAはあなたが言った国でクーデターを支援しました。
SCP-4200-A: そんなまさか...僕を連れ出すべきじゃなかった。僕が防いだことがもう現実になってる。
シルバース: 明らかにそうです。
SCP-4200-A: ねえ。バーナードは悪人じゃなくて、ただ...見当違いなだけなんだ。前にも言ったように、この空間の変化で自分自身を見失うことはなかった。誰でもよかった。彼らが爆弾を仕掛けるのに何人の人を選んだか知ってる?
シルバース: 残念だがまったく。
SCP-4200-A: 大体150人。それぞれ独自の意見、政治的見解、そんなものがある150人の違う人間だよ。だけど、僕たちだった...
シルバース: それで、どのように3人を選んだのですか?
SCP-4200-A: 僕たちは選ばれなかった。ランダムな手順だった。完全にランダム。僕たちは誰一人として、プロジェクトにそれほど重要じゃなかった。
SCP-4200-Aは笑う。
SCP-4200-A: 今は重要だと思うけど。
シルバース: ティモシー・ノーブルについて、今何か教えていただけますか?
SCP-4200-A: 続きは別の機会でいいですか?ただ休みたい。
シルバース: ええ。
<ログ終了>
結: SCP-4200-Aは彼の部屋に戻りました。インタビューは2日後に予定されています。
インタビュー対象: SCP-4200-A
インタビュアー: シルバース主任研究員
序: 前回のインタビューを短くした後、SCP-4200-Aは次のインタビューの始まりを待ち望んでいるようでした。
<ログ開始>
シルバース: では、中断したところから始めましょうか?
SCP-4200-A: それが一番いいようですね。
シルバース: ティモシー・ノーブルについて教えてください。
SCP-4200-A: 僕たちの中で、間違いなく一番静かだった。バーナードと違って、僕は彼が何を信じているのか、政治的見解についてはあまり知らない。彼は普通の家で、普通のアメリカ人の両親と育った。
シルバース: それで、SCP-4200-1の中にいた時に、これが転向しましたか?
SCP-4200-A: ある意味で。彼は始めるのが遅くて、最初は小さなことに影響を与えていた。だけど、影響力を拡大し始めた。少なくともベトナムまでは。
シルバース: ベトナム?
SCP-4200-A: バーナードは正しいと思ったことをしていた。だけどこの時、立ち上がったのはティムだった。でも、それが彼を変えた。君たちは彼に罪の意識と葛藤を感じさせることが出来た。
シルバース: ええと、ノーブルはベトナムでのアメリカの闘争を引き起こしたのですか?
SCP-4200-A: 彼はそうして、勝った。だけど、僕が言ったように、それが彼を変えた。いっそう控えめになった。彼はバーナードに反対したことを後悔していると感じることもあった。彼の同胞は彼のせいで死んだ。
シルバース: 彼はその規模でまた何かしたのですか?
SCP-4200-A: いいや。あの後、彼はひとりぼっちで続けた。主に病気や物理学などの研究のため、科学の発展を少しずつ助けてきた。でも、記念碑が建てられるたびに、さらに心を引き裂かれていた。特にDCのあの、あの少女。彼女の名前が思い出せない。
シルバース: マヤ・リン、だと思います。
SCP-4200-A: それだ。地面にできた深い傷跡。彼はそれが自身の傷だと感じていた。
シルバース: 自分がやったことに対して罪悪感は、エリック?
SCP-4200-A: もちろん。だけど、何もしなかったらもっと罪の意識を感じる。どれだけ多くの人生を終わらせたかはわからないけど、ただ傍観していたらもっと多くの命が失われていたと思いたい。少なくとも、そう願ってる。考えることは面白い、そうでしょう?
シルバース: 何ですか?
SCP-4200-A: 何も起こらなかった場合、爆弾が故障しなかった場合、もしくは故障する前に安全な距離を取っていた場合、世界はどうなっていたんだろう。もっと多くの命が終わるのか、それとも救われるのか?
シルバース: それは気になる、考えてみたいと思います。
SCP-4200-A: すべて同じように起こるためには、一致しなければならなかった出来事の純粋な量が。そんな歴史とは?機会?
シルバース: そういう見方もできますね。あなたはノーブルとケイマンがいつまでも影響を与え続けることが出来ると思いますか?
SCP-4200-A: 分からない。そういうと思う。僕たちは、そこだと明らかに年を取らない。あの空間は永遠のようだった。僕がそうだったように、バーナードとティムは歴史の一部だ。僕を連れ出すべきじゃなかった。
シルバース: というのは、ケイマンへの反対意見が減ったからですか?
SCP-4200-A: ある程度は。歴史に触れるべきじゃない。それは起こったことで、どうしようもない。でも僕を除去することで歴史に触れた。今、普通の人間として生きていることに感謝していても、僕にはしっくりこない。忍び寄る恐怖を...感じずにはいられない。
シルバース: なるほど。今日はこれで終わりです。他に何か聞きたいことはありますか?
SCP-4200-A: (考える)。いいえ。ありがとうございます、博士。
<ログ終了>
結: このインタビュー以降のSCP-4200-Aの態度は、少し気がかりではあるが、安定しているといわれている。
補遺2: 2020年08月12日、SCP-4200-Aは非常にパニック状態で反応がなく、収容室のベッドの下で萎縮している状態で発見されました。彼らが読んでいた本の表紙に、次のようなメッセージが不可解に刻まれていました。調査は継続中です。
エリック、
奴らがお前をどこに監禁しているのか、俺は知らない。でも、曇りだ。他所の人間がそこで何をしたのかは俺にはわからないが、それはお前を閉じ込めておく、お前の心も。お前は俺からそれを封印した、だから、お前を称賛しなければならない。俺にできることはこのメッセージを残すことだ。
お前が戻ってきた世界は腐敗と苦しみと死の混沌だ。俺はそれを正しい方向にもっていくために、何度も実行しようとした。だが、お前とティモシーは止めようとした。お前は大きな進歩を止めた。ただし、これはもう続かない。
ティモシーは同意した。彼は俺がやろうとしていることが最善の行動だと知っている。お前にもそうして欲しい。お前は悪い奴じゃない、ただ見当違いなだけだ。このメッセージは提案だ。お前が俺を中に入れれば、案内することが出来る。俺たち3人は一緒になって、同じ目標に向かって働いていた。それが素晴らしいものだということは、以前から証明されている。
俺たちは何度も歴史を作ってきた。だが、歴史は常に続いている。明日の人々にとって、今日は歴史だ。俺はお前に永遠にそれを変える何かの一部になる機会を与えている。歴史は俺たちの物で、永遠に、そして、いつも。
君の友人、
バーナード。