SCP-4192。
特別収容プロトコル: SCP-4192は高価値Safeクラス異常物品ロッカーに配置されたQED(量子電気力学)真空チャンバーの内部に保管されます。SCP-4192の実験はフェニックス博士の承認を受けた研究のみに制限されるべきです。
説明: SCP-4192は不定間隔で電波を放出する単一の水素原子核です。広範な分析の結果、その異常性質にも拘らず、SCP-4192は一般的な核子やハドロンと同じく適切に機能することが示されています。即ち、陽電荷と電気素量を有し、質量は中性子を下回っています。
SCP-4192はクォークとは完全に異なる何かで構成されているらしく、その構造の研究では決定的な結果を得られていません。SCP-4192が生成する電波の分析は、宇宙背景放射ノイズとして15〜18 MHzで記録されています。
補遺4192.1: 実験
SCP-4192の繊細な特性上、機材と収容装置を取り扱いながらSCP-4192関連実験を実行するために、人工知能コンスクリプト "Goliath.aic"が特別に設計されました。
01/04/21、SCP-4192の物理特性を確認するための実験が、フェニックス博士の監督の下、タルタコフスキー博士によって実施されました。実験に先立って、SCP-4192との相互作用のために、SCP-914で改良された皮下注射針がロボットアームに取り付けられました。
実験中、Goliath.aicはSCP-4192の原子軌道に突入する過程で原子からの反発力を検出し、磁石が互いに反発する際のそれに似ていると主張しました。この観察結果にも拘らず、Goliath.aicは実験を継続し、針をより深くSCP-4192に押し込むように指示されました。
この実験は財団衛星がオメガ1警報を発し、地球に接近する極めて巨大な天体を報告した時点で速やかに中断されました。衛星からの画像は、筒状の金属物体が北アメリカ大陸との直接衝突軌道を飛行しており、サイト-98の現所在地であるフィラデルフィアへの落下が予想されることを示しました。Goliath.aicは即座に注射針をSCP-4192から引き戻し、それに合わせて巨大物体は飛行経路を逆転、衛星に検出されなくなるまで遠ざかりました。
これ以降、SCP-4192のあらゆる実験は禁止されています。現在、SCP-4192の研究を行う予定はありません。