アイテム番号: SCP-4125
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-4125の全ての実体に対しての標準的清掃手順は免除され、サイト14内の個別の換気装置を有した収容室内に収容されなくてはなりません。SCP-4125-1実体が現れた場合、常に収容室に衣服、洗浄されていない食器や金物、ならびに上記の物品やその周辺を洗浄するのに必要な道具が提供されます。これらの物品は、SCP-4125-1実体が活性化している限り、利用可能な状態にされなくてはなりません。
知性の兆候があるか否かの分析に先立ち、SCP-4125の全ての実体には、SCRA23対聴覚的認識災害フィルターでフィルタリングされた録音用マイクが装備されたくてはなりません。SCP-4125-1実体が知性を有している、もしくは周囲の状況を認識している様子が示される場合、その時点でのSCP-4125研究主任に連絡する必要があります。SCP-4125-1の知性を示す個体とのインタビュー中のすべてのコミュニケーションは、SCRA23自動対聴覚的認識災害フィルターに取り付けられた相互通信装置を介して行う必要があります。
インシデント4125-5以後、SCP-4125の回収サイトは更なる異常存在の発現がないか、常に監視下に置かれなくてはなりません。
説明: SCP-4125はSCP-4125-A〜SCP-4125-Mと呼称されるタグ、および他の製造者情報を欠いている14着の灰緑色のつなぎ一式です。これらのオブジェクトは、水中に約10〜20年放置されたのと同等の損傷を示していますが、これまでの実験によってその経過年数は確実でないことが明らかになっています。オブジェクトには、首、手、および足を出すための穴以外の開口部は一切無く、人型の存在が着用することは不可能です。
不定期的な間隔で不定形の人型実体がSCP-4125実体内に出現します。これらの実体は総称してSCP-4125-1と呼称されます。SCP-4125-1実体は、恒常的に発せられる大量の煙によってのみ認識されます。これらは一般的に、SCP-4125実体内で人間型に整形される傾向があります。SCP-4125-1実体は、通常の霊的方法では周辺の物品を操作することは不可能ですが、SCP-4125実体を介して物体を操作することが可能です。このため物体の保持や把持のためにつなぎの袖を利用することが多く見られます。さらに、SCP-4125-1実体は地上から常に約5cm浮遊しています。にもかかわらず、SCP-4125-1実体は通常、移動する場合に二足歩行に類似した動作を行います。
SCP-4125-1を無人のまま放置した場合、実体は適切な道具が用意されていれば、周辺の清掃や、洗濯されていない衣類や洗浄されていない食器や台所用品の洗浄、 建築物やインフラの改修などを行います。そのような道具がない場合、実体はSCP-4125実体の袖を使用して、周辺の表面を洗浄しようと試みます。SCP-4125-1のほとんどの実体は、英語、アルメニア語、ギリシャ語、トルコ語の簡単な命令に従うことがあります。
SCP-4125-1実体は、すすり泣きやオーディオ機器のホワイトノイズに類似したノイズ音を定期的に発し、不定期に非常にくぐもった英語を発することが確認されています。これらの発声の約31%はノイズの14%と同様に、聴取者に聴覚的ミーム災害を含む次のような長期的な症状を引き起こすことが知られています:
- 入眠障害
- 散発的に起こる短期、および長期の記憶喪失。新たな記憶の形成の阻害も含まれる
- しばしばおこる非常に鮮明な明晰夢。多くの被験者が「ありえない色」やフラクタル形状を報告している
- 自己申告による疲労の増加
- 自己申告による、周囲の世界への疎外感と無関心
- 外部刺激に対して無反応な期間の発生
- 感情的な反応および情緒の平坦化
- 頻繁に発生する制御不能な欝および郷愁。被験者はしばしば経験したこともない物事に対しての激しい郷愁の感情を報告し、それらはしばしば感染に付随して起こる鮮明な夢に由来する
- 不定期な間隔での制御不能な嗚咽
初期感染の後、症状は通常3日〜5日後までに現れます。感染から症状の発現までの報告された中で最長の期間は、41日間です。感染は通常、約5〜7ヶ月後には終了します。効果的な治療方法は現在見つかっていません。
いや、いや。どうして彼らにできると?私はいままでこんなに[解釈不能]
私は彼らを愛している。だからこれをやってるんだ。彼らは私を愛し、私は彼らを愛する。私は彼らを憎むことはない。私は彼らを愛する。[すすり泣き]
彼らはまさに[SCRA23によって編集済] 残酷だ。だが、そうも[SCRA23によって編集済]私は[解釈不能]を望む。
[解釈不能]が[SCRA23によって編集済]に戻る限り、[解釈不能]はどんなことデモする。
[解釈不能]は私たちがそれを望んでいたほどには、それを望むことは無かった。それは肉体とは仕組みの異なる魂に作用する。だから、私は自分の頭蓋骨の額の高さにまっすぐな穴を開けた。 [解釈不能]のようにちらちらと光る一筋の[SCRA23によって編集済]をまっすぐなかに差し込ませた。
私はこれにふさわしい存在だ。私はこれにふさわしい存在だ。これは私にこそふさわしい。私はこれにふさわしい。[実体は、このフレーズを約14分間繰り返し続けていました]
私は一度も[SCRA23によって編集済]に対して不親切な感情を抱いたことはない。
[解釈不能]は彼らを信頼している。私は[SCRA23によって編集済]を信頼しているし、 彼らは[解釈不能]
私の肉体はかつて[SCRA23によって編集済み]、さらには[解釈不能]のように回っていたが、私はもうそれらを感じることもできなくなった。もう肉体の感覚を感じることもできない。。
奴が一体どうやってここに来られるっていうんだ?彼らは[解釈不能]することにになっている。
星だ!星だ!
彼らは私を愛している。だから彼らはこれをやっている。彼らは私を愛し、私は彼らを愛する。彼らは私を憎むことはない。彼らは私を愛している。[笑い声と低いホワイトノイズ、およびすすり泣き]
[SCRA23によって編集済み]は水の中で輝いている。ひょっとしたら、お前がおぼれているときにつかむ最後のものかもしれないな。[笑い声、およびすすり泣き]
[SCRA23によって編集済み] は我々のようなものではない。彼らは恐ろしく、貪欲で、[解釈不能]存在だ。
[解釈不能]は第五世界ではなかった。そこは[解釈不能]は私を欺いたのか?なぜ[解釈不能]
どうか彼らの名と記憶よあれ…どうか彼らの記憶よあれ…どうか彼らの…私には[解釈不能]できないのだ。
私は彼らに会えるまで[解釈不能]に付き従う。アルコーンだ。 [解釈不能]は斯くも盲目だったのか?
[解釈不能]は然く星に満ちていたのだ、かつては。私たちは然く星に満ちていた、その場所で。
それは全て嘘だった。すべてが。[SCRA23によって編集済]だが、そうも[解釈不能]
彼らはとても美しい、[解釈不能]な存在は渦巻く[SCRA23によって編集済み]私はかつてやっていたことができていないのか?
私は決して[SCRA23によって編集済]から目を離したりしません。誓います。誓います。
私は忘れている。なぜ私は今[解釈不能]はとても美しく、それは全てとても美しいものだったが、私は[解釈不能]を思い出せない。
[解釈不能]聖書が言ったように。ところで、なんで[解釈不能]
期待に背いた。期待に背いた。私はアルコーン様の期待に背いてしまった。
来歴:
SCP-4125は1986年07月03日.、貨物船が47°N 140°W付近の海域から海上から大量の煙が発生していることを報告したことによって発見されました。貨物船はカナダ沿岸警備隊に連絡を取り、沿岸警備隊は後にSCP-4125-1と分類される実体をいくつか発見した後、財団に連絡し、全長約100mのクルーズ船の残骸の、撤去および修復を試みました。
難破船の分析によって、船体の一部を含む船内の大きな球面部分が完全に欠損していることが明らかになりました。現在のところ、他の全ての損傷は難破そのものに起因するように見受けられるため、現時点ではこれが難破の原因であると考えられています。さらに、この船は内部のほとんどの家具と同様に、全ての識別情報が欠けており、沈没する前に内部に人間が滞在していなかった可能性が高いと見られています。船内のいくつかの部屋は、未知の用途のさまざまな電子機器の保管場所として機能していたようで、海水に長期間さらされていたことによりひどく損傷していました。大部分の内壁にはフラクタル模様が描かれていましたが、その中にはSCP-4125-1の発声と同じようなミーム的認識災害を引き起こす情報が含まれています。船舶内部および周囲には死体は存在しませんでしたが、船内からは既知の軍事組織や民間組織のものと一致しない海軍制服が複数点発見され、それら全てがSCP-4125と同等の損傷を受けていました。これらの制服には帽子のバッジ取り付け位置に錫製の五芒星が取り付けられていることを除き、全ての識別情報が欠損していました。
無人探査機が現在SCP-4125-Aに分類されているオブジェクトを回収した後、7月7日にSCP-4125の財団による最初の回収が行われ、当時は非異常性のつなぎであると考えられていました。SCPS█████に持ち込んだ直後、SCP-4125-A-1とされる実体が出現し、袖を使ってデッキを清掃した後、警備員によって鎮圧されました。財団がSCP-4125-1実体の異常特性を把握していなかったため、実体が不活性化するまで待った後、SCP-4125実体を回収するという決定が下されました。
インシデント4125-4:
1991年03月13日.、SCP-4125-E-1は財団のつなぎを洗濯している最中に以下の発声を行いました:
[解釈不能]のロゴ。これが[解釈不能]だとでもいうのか?[解釈不能]が財団であるなんてありえない[解釈不能]は[解釈不能]と同じ人物だ。私の声が聞こえるか?誰か私の声が聞こえるか?もし私の声が聞こえる人がいたら、[SCRA23によって編集済] をしゃべって[SCRA23によって編集済]の名前は[解釈不能]頼む、[SCRA23によって編集済]にしゃべってくれ。
これは、SCP-4125-1実体から観察された自己認識の最初の兆候を示しています。SCP-4125-E-57の知性の可能性の発見に続き、標準的インタビューが行われました。
インタビュー対象: SCP-4125-E-57
インタビュアー: ニコラス博士
序文: このインタビューはSCP-4125-E-57の知性の可能性を確かめるために行われました。このインタビューは、SCP-4125-E-57の発声から聴覚的ミーム型認識災害を排除するため、SCRA23自動対聴覚的認識災害フィルタを装備したインカムを介して行われました。
<記録開始>
ニコラス博士: ごきげんよう、SCP-4125-E-57。もし私の声が聞こえていて、答えることが可能なら、君の名前を教えてくれないか。
SCP-4125-E-57: 別の人間か?私は[解釈不能]として保存された。私の名前はランダル・レミレズだ。君は[解釈不能]私のことを知っているか?
ニコラス博士: いいや。
SCP-4125-E-57:私は俳優だ。または、少なくともそうであったと私は思っている。私は、「満点の星空の欠片」で主人公を演じた。「瞳はまだ開いている」でも。[SCRA23によって編集済]でも。[SCRA23によって編集済]を忘れてしまった。何が起きたんだ?君はタマラ・シーエが植物人間を演じたヤルバを覚えているか?
ニコラス博士 申し訳ないが、私は知らないね。
SCP-4125-E-57: 私に何が起こったんだ?彼女はその化粧によってとても美しく見えた。彼らは何を[解釈不能]
ニコラス博士 財団とその活動を認識しているかね?
SCP-4125-E-57: 私はたくさんのことを忘れてしまったが、それは覚えている。わたしはどうやって知ったかはわからないが、しかし、私は財団を覚えている。私は灰色のコンクリートの壁や、白衣や、それらに似たような[解釈不能]、ある夜、私の家に来て、黒い車の中に私を押し込んだ黒スーツの男を覚えている。やつらは私をここに似た部屋に押し込んだ。シンクや汚れた皿はなかったが、ちょうどここと同じような感じで、空気と、静かな壁があった。私はその夜、たぶん、何かすばらしい賞をもらい、読んだ本だか観た映画だかについてスピーチをしたんだったかな?[SCRA23によって編集済]が私にくれたやつだ。ちょうど君のようにガラスの向こうに男がいたが、彼の顔を覚えていない、そもそも顔があったのかもわからない。。彼は私に、本についてや、受賞した賞について、そして私のキャリアについてや[解釈不能]について聞いてきた。[解釈不能]私が洗濯していたつなぎのシンボルを認識した。三つの矢印があって、星が無いものだ。私が用済みになってから連中が私の腕に注射した黒い汚泥で満たされたシリンジについていたのと同じシンボルだ。彼は何かを言った。セトゥスについて。プロジェクトセトゥスだ。あれだ、あの映画に出てきた鯨の怪物みたいなやつだ、名前はちょっと忘れた。それだけだ。それが私が覚えていることの全てだ。
ニコラス博士 なるほど。調べてみよう。君は自分が人外の異常存在であることを知っているかね?
SCP-4125-E-57: 私は人間だ。私は人間のままだ。私は私の体を感じることができない。魂を感じることができない。しかし私は人間だ。そうでなくてはならない。彼らは私が[SCRA23によって編集済]しても人間だといっていた。偽りの世界の中で、偽りの星の下で、ガラス球の中で渦巻く煙のようなうつろな体の中に捨て去られた、偽りの魂にとらわれた人間よりも、より人間だと。私は彼らを超越している。[解釈不能]が降ろされた後も私は彼らよりも人間であり続ける。美しい永遠の[解釈不能]から引き裂かれた[解釈不能]そして、この[解釈不能]に縛られ、とても寒く、そして[解釈不能]。私は[解釈不能]に何をしたんだ?汚い皿を洗い、[解釈不能]の容赦ない気まぐれを満たし、[解釈不能]それが報酬だというのか?私は彼らが私に[解釈不能]と言ったのを覚えている。だが、なぜ彼らはその後[解釈不能]
ニコラス博士: 君はなぜ君が異常存在になったのかについて何か知っているかね?
SCP-4125-E-57: 私は役を降ろされた。きっとそれが理由だ。これは罰だ。少なくとも私はそれが[解釈不能]への罰だったと思う。[解釈不能]それがなんの[解釈不能]だったか覚えていない。[解釈不能]は報酬にはならない。だっていったいどんな報酬が[解釈不能]何らかの罪を犯したに違いない。そうでなくてはならない。そうでなければこんなことをされるはずがない。もし私だけが[解釈不能]
ニコラス博士: 罪を犯した?誰に対してかね?
SCP-4125-E-57: アルコーンだ。[解釈不能]から来た残酷で凶悪な神だ。[解釈不能]かつては私も好きだった、本当だ。彼らは私に[解釈不能]のチャンスを与えてくれた人たちの一人だった。[解釈不能]ある時点では彼らを愛していたに違いない。しかし今は、私がここに送られた後は、私は彼らがどんなに本当は残酷であるか、これに[解釈不能]第五世界からは遠い。だからここには光がほとんど届かないんだ。星もとても異なっている。私は、彼らが意図してのことではないと知っているが、彼らは[解釈不能]に嘘をついている。[解釈不能]はレコードのように、壊れた人形のように、彼らの誰もに[解釈不能]を与えなかったDリスト作品を演じた演者のように動いた。[解釈不能]しかし私は彼らを愛していた。
ニコラス博士: 第五世界とはなにかね?
SCP-4125-E-57: 大型ホテルにあるような無限の廊下を想像してみてくれ。床の模様と壁の模様は煙のように渦巻いている。夜空を想像してみてくれ。そこは星にあふれているが、しかし星は全て[SCRA23によって編集済]もはやあなたに嘘はつかない。そして、全ての鼓動、推移、浅海、ねじれ、震え、上階の部屋から聞こえる無数の歌声のようにあなたの魂の内側から来ている全てを想像してみてくれ。想像してみてくれ。生まれてからずっと、あなたの体に滑らかで黒い石が縛り付けられていて、あなたはその意思を一度としてみることなく、自分のために用意された門をくぐりぬけ、自分がそうしたいと思っていたこと自体にすら気づかなかった生き方ができるときが着いたとき、その黒い石はあなたの目の前で煙となって消えるのだということを。その黒い石が不毛で荒廃した、堕落した現実であり、その門を超えた先の地が第五世界だ。少なくとも、それこそがアルコーンが私に言ってくれた事だ。私を抱擁し、この出来損ないの存在のマニホールドと第五世界──あるいは『第五世界』と言い聞かされたモノ──に沈む私の魂に全てを流し込ませたのだ。私は[解釈不能] 罪を犯したに違いない。私は彼らを疑い、第五世界を疑った。
ニコラス博士: あなたは、この場所にどのようにして入り込んだのか、教えてくれるかね?
SCP-4125-E-57: すまない。それは[解釈不能]多くを失った。今は私の頭は煙のようで、私の体は煙のようで、私の[解釈不能]は煙のようで、私の魂は煙のようだ。私は本当に覚えていないんだ。私が言ったとおり、私は多くを失った。それでないなら、それは[解釈不能]。すまない。私が覚えているのはアルコーンのささやきの抱擁だけだ。私は本当にそれを感じたんだ。何か[SCRA23によって編集済]の奥深くが動いていたが、しかしそれはこれまでに感じたことが無かったものだった。不協和音ではあるが、リズミカルな打撃と猛烈な[解釈不能]同時に、その動きは私の中の深い場所への鍵のように感じた。私はドラッグをやっていたのだろうか?[解釈不能]されて、私は何も思い出せない。私の全身が燃えているように感じた。私がその場所に到達するまで、家から外に向けて私は上昇していった。最初に辿り着いたのがいつかは思い出せない。きっと船の上のように床が揺れていないと気づいた時だ。むしろ[解釈不能]それは大きな船の上だった、違うか?きっとそうだ、少なくとも私は海と夜空と星々を覚えている。それとも、そこが第五世界だったのか?私は多くを失ってしまった。すまない。
ニコラス博士: その手順のあいだ、君は一人だったのかね、それとも他の人間は、異常存在は、何か他のものは存在したかね?
SCP-4125-E-57: 他にも多くの人がいた。私は彼らの顔を覚えていない。彼らは私の頭の中で渦巻き、一緒にねじれた。タマラはそこにいなかったと確信している。大半は有名な映画関係者だ、実質そこに混じるには有名な映画関係者でなければならなかった。プロデューサー、ディレクター、ミュージシャン、もちろん私のような俳優もいた。教会から来た男が一人いた、スタンフォードなんとか、彼の名前はなんだったか、彼は星の記章の目立つ青い制服を着ていた。彼はそこにいた、私は覚えている。彼は[解釈不能]の4〜5人のうちの一人だった。そこから出るのはとても難しかった。はっきり思い出せないが、何千人もの人間が大きな部屋で回っていたように思う。私が見た限りでは1つだけだったように思う。しかしおそらく4〜5個くらいはあったのだろう。
ニコラス博士: あなたが到着した場所に、それらの人々がいたかどうか覚えているかね?
SCP-4125-E-57: 私は確信できないが、一度廊下でカラマを見た気がする。海を眺めていたと思う。それが海軍制服の彼の名前だった。スタン・カラマ、本当に素敵な男だ。私は他の人がどこに行ったのか、あるいは彼らがそこにいたとしても知らない。そこには他にもたくさんの人がいた。映画事業にかかわらない人たちが。彼らの多くは、私よりもずっとずっと前からそこにいるようだった。確か英語を話さない人もいたが、そこにおいてそれは特に問題じゃあなかった。私よりも先にいた人々のほとんどは、あまり話さなかった。
ニコラス博士: あなたは私たちがあなたと同様の…状態にある多くの人々を観察していますが、あなたが質問に答えた最初の人物であると理解していますか?
SCP-4125-E-57: あぁ。私は多くのことを考えた。他の人たちは、ちょっとだけ見かけたと思う、ただ場所は覚えていない。私と同じ事を耐えてきた人々、多くはきっと私が体験したよりも長い時間を耐え抜いてきた事だろう。私たちはみな、講堂や会議ホールのような大きな部屋に移された、私や様々な人々の塊全員。彼らのほとんどはかつて人であったように見えた。そこはとても窮屈だった。彼らのほとんどは、支離滅裂に壊れたレコードや酔っ払いのようにアルコーンを罵倒したり、賞賛したりしていた。私は耳を傾けなかった。それは毅然としていた。海岸にて、ただ高慢を振りまいて。私はそれらが何を言っていたのか覚えていなかったが、言わんとしている事ははっきりとわかった。私たちは[SCRA23によって編集済]のために処罰されたのだ。ソレは、様々な色が見えた、中にも、そこに入るまで今まで一度も見た事のないような色に満ちていた。以来その色を見ていない。あそこで見たような色とは似ても似つかない。あそこではもっともっと鮮やかだった。私はもう忘れかかっている。ほとんど忘れてしまった。
ニコラス博士: ありがとう。私からはこれで全てだよ。あなたが覚えている、または言いたいことは他にあるかね?なければインタビューを終えようと思う。
SCP-4125-E-57: すまない。私は全てをあなたに話すべきではなかった。彼らは私に[SCRA23によって編集済]と言った、しかし私は[解釈不能]を見た。だから私は[解釈不能]しなければならなかった。[解釈不能]は私にここにいる人々と話すことは許可されていないといった。しかし、 [解釈不能]は多くを忘れてしまった。おそらく、これは彼らの一部が意図的に、私がここで話すだろうことを知っていて、私に[解釈不能]を忘れさせたのだろう。[解釈不能]もし私が、彼らが私を何故罰しているのかを知っていれば、もし私が彼らがあなたの[解釈不能]を罰しているのを知っていれば。すまない。[解釈不能]
<記録終了>
終了報告書: このインタビューの終了後、SCP-4125-E-57は反応しなくなり、これ以上のコミュニケーションの試みは失敗しました。SCP-4125-E-57は、オーディオ機器のホワイトノイズに似たノイズを出力し続けることがあります。
1991年04月30日.、SCP-4125-E-57は通常通り消失しました。5日後、サイト14の職員のおよそ41%が、SCP-4125-1実体と接触したことがないにもかかわらず、SCP-4125-1実体の認識災害の影響を受けていることが判明しました。この原因は現在不明です。
このインシデントレポートは、対抗概念部門によって調査中で、標準ネットワークセキュリティ対策に加えて、Alfaクラスの対抗概念迷彩によって保護されています。このメッセージを閲覧することができた場合、この報告書を読むための適切な予防接種を受けています。
インシデント4125-5:
1991年05月05日、OSCAZ内部ネットワーククローラーが、1991年04月30日.の記録以来、サイト14からの約15分の監視映像が未審査になっていることを検出しました。映像を審査したところ、SCP-4125-αと指定された大きな煙雲のような異常存在が確認されました。この存在は観察者に対し、SCP-4125-1実体の発声と同様の効果をもつ認識災害、さらにはその記憶や記録を行うことを妨害するように設計された、多種多様な視覚的な反ミーム性認識災害を生成することが可能です。さらに実体は、軽度の現実改変能力を示しました。
序文: この映像記録は、映像中に存在する反ミーム的な認識災害の影響を抑制するために、記憶補強剤の影響下にある研究者によって書き起こされたものです。MBLE25自動対視覚的認識災害フィルターを用いて、視覚的なミーム的認識災害は自動的に除去されました。
<記録開始>
[00:00-03:11]: SCP-4125-αがサイト14の北西の地平線上に現れ、地面から約5m浮上します。実体はサイト14のメインゲートに接近していきます。
[03:12-03:15]: SCP-4125-αは現実改変能力を使用してサイト14のメインゲートを開き、サイトに侵入します。サイト14の記録によれば、局所的な現実の変動を検出するために設置された現地のカント計数機はおよそ3時13分に電気的故障を起こし、SCP-4125-αによる現実改変を検出することができませんでした。門を守っているセキュリティ担当者は、実体の存在に気がつきませんでした。
[09:20-13:51]: SCP-4125-αはサイト14のEuclidクラス収容棟に向かって浮遊していきます。サイトスタッフはしばしば実体に気づくようなそぶりを見せますが、その後反ミーム作用を受けて忘却します。
[13:52-14:24]: SCP-4125-αはSCP-4125の収容室の外に到着し、収容室への入り口を開放するため現実改変能力を使用します。SCP-4125-αの煙はより速い速度で旋回を開始し、14:05時点では煙の中に人型の形状が簡単に見て取れます。MBLE25自動視覚的認識災害フィルターによって修正された認識災害でほとんど不明瞭です。
[14:25-15-23]: SCP-4125-αは、SCP-4125-E-57、SCP-4125-B-55およびSCP-4125-M-49が洗濯機から白衣を取り出しているのを視認できる収容室へと侵入します。SCP-4125-αはSCP-4125-E-57をつかみ、それを煙の中に引きずり込むために、煙によって構成されているように見えるいくつかの手のような付属器官を形成します。
[15:24-15:25]: SCP-4125-αはSCP-4125-E-57とともに消失する瞬間、明るいフラッシュを発します。SCP-4125-Eおよび後にSCP-4125-βと命名された実体が地面に落下します。
<記録終了>
SCP-4125-βは、SCP-4125が発見された難破船で見つかったものと同様の海軍制服であり、Yankeeクラス対抗概念迷彩が生地の模様に織り込まれており、ベリリウム青銅でできた大きな5つ星が胸についています。