SCP-4061
評価: -4

クレジット

翻訳責任者: Yukth Yukth
翻訳年: 2024
著作権者: XaiviarNightwing XaiviarNightwing
原題: Unphotographable
作成年: 2018
初訳時参照リビジョン: 15
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-4061

評価: -4

3/4061 LEVEL 3/4061

CLASSIFIED

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アイテム番号: SCP-4061

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized Safe


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前管理者によるSCP-4061-αを撮影する初期の試み

特別収容プロトコル: SCP-4061を持つ細菌の培養を10日毎に行ってください。サイト-76のユニット21に位置する低温セーフルームの4〜6°C環境にて、滅菌処理した鉱物油で覆いをした状態で当該の培養菌を保管してください。SCP-4061へのアクセスはクリアランスレベル3以上の職員にのみ許可されます。

説明: SCP-4061は、大腸菌 (Escherichia coli) K-12株を元に遺伝子改変された菌株へ、CRISPR-Cas9を介してSCP-4061-αからコピーされた遺伝子配列です。当該の培養菌はSCP-4061-αと同等の異常性を発現する遺伝子を持ち、当該遺伝子は低温環境外に6時間置かれることで機能を失い、実験室環境外では遺伝することもありません。

SCP-4061-αは4歳のオスのジャーマン・シェパード犬の遺骸であり、当該オブジェクトに向けて撮影装置が使用されることを検知・妨害する異常性を有していました。2016年06月05日にSCP-4061-αは自然死しており、遺骸はその場で焼却処理されました。

写真撮影においては、SCP-4061-αはいかなる時も撮影範囲外への移動を試みました。SCP-4061-αを録画する全試行において、電磁波を発することで防護未処置の電気的録画装置を破壊する、あるいは、周辺の物体に悪性効果を及ぼすことでSCP-4061-αに向けられた録画装置を非同時発生的に妨害しました。

回収: 2016年05月07日、SCP-4061が発見されました。SCP-4061に関する詳細な文書はステルス技術研究部門のプロジェクト "雑種の野良イヌ" から確認可能です。

2015年12月15日、機動部隊パイ-1によりSCP-4061-αが回収されました。公共地に面するように財団サイト内に設置された境界監視カメラ複数台が同時的に故障し、これを受けてフィールドエージェントが配備されました。近隣町村にある地方紙制作団体が「撮影できないワンちゃん」に関連する記事を掲載しようとしていたことを受け、SCP-4061-αが監視カメラの故障原因であることが突き止められました。虚偽情報の流布と記憶処理が実行され、SCP-4061-αは財団の管理下に移送されました。

雑種の野良イヌStray Mutt - ステルス技術研究部門

16/04/03


同様の異常性を示す動物 (ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ管理下の同一亜種)が存在するため、SCP-4061-αの遺伝子配列解明がバクスター博士により提案された。

イエイヌ (C.l.familiaris) 亜種の他個体には存在せず、当該の両個体で存在・発現する同質の遺伝子があるとする仮説が博士により立てられた。

16/05/07


SCP-4061-αのゲノム検査の後、標準のイヌ個体では持ちえない遺伝子が単離された。この遺伝子を原因としてSCP-4061-αの異常性が発生するという仮説が立てられた。

CRISPR-Cas9でSCP-4061を導入した細菌を使用して抗撮影性外用薬を開発する試みについて、バクスター博士が申請している。

2016年06月04日


バクスター博士からの提案から応用・実現されうること2点について、O5-7が関心を示している。1点目が、敵対組織によるデジタル監視から財団エージェントの活動内容と偽装身分を隠匿すること。2点目が、フィールド活動において、財団非所属の人物への記憶処理を施したうえで各種機器内のデータを入手・改竄するコストおよび負担を軽減すること。

SCP-4061-αの異常性が死亡後のどの時点まで持続するか、プロジェクトに資金配分する前に確定しなければならない。

2016年06月11日


SCP-4061を大腸菌K-12株へ導入することに成功した。当該遺伝子はサイト-76に保管される。4〜6°Cの制御環境下で保管しない場合、SCP-4061は6時間以内にその機能を喪失する。細菌が死滅した場合には、死滅から4時間が経過するまでSCP-4061の異常性が持続する。

SCP-4061-αにはアイテム番号が再指定され、当該の遺伝子はSCP-4061に指定された。

2016年06月18日 - バクスター博士による実施


手順: SCP-4061を持つ細菌を添加したプロバイオティクス軟膏材をD-1777に塗布する。続いて、15分間隔で監視カメラ複数台が起動するクリーンルーム内で椅子に座るようにD-1777に指示する。
結果: 7時間経過時点までで、各監視カメラは強力な電磁波により破壊された。
分析: 撮影を妨害させるよう、繰り返して負荷をかけることにより細菌の生存期間が縮む。
SCP-4061添加の外用薬を体表に塗布することにより、SCP-4061-αの異常性がそっくりそのまま付帯されることが認められる。

インシデントFSRX2レポート

18/06/19


SCP-4061を持つ細菌培養サンプルの紛失が記録された。当該サンプルが発見されるまで、SCP-4061へのアクセス権を持つ全職員が聴取のために拘束される。

18/06/20


最後にSCP-4061にアクセスした研究スタッフが特定された。聴取の結果、当該職員は 報いの従者 (Attendants of Requital) と呼称される組織により脅迫されていたことが判明した。

どのようにして脅迫されたか、その始まりは不明だが、当該職員のロッカーに置かれていた1冊の本にはリスト化された命令内容の詳細が目立つように記載されていた。

SCP-4061を持つ細菌培養サンプルの所在は不明。

18/06/21


カオス・インサージェンシーの構成員と推測される人物4名の活動を記録するべく使用されていた撮影装置が予期せず故障した。

報いの従者とカオス・インサージェンシーとに何らかの関係があるか、あるとしてどのような関係性か、現時点では不明である。

SCP-4061-α実験ログ

16/03/03 - トロイ博士による実施


手順: 撮影装置でSCP-4061-αの録画を試みる。
結果: 装置への干渉ないしSCP-4061-αが動いたことによりぼやけた映像・画像が撮影された。その後にSCP-4061-αは装置の撮影範囲外へと移動した。
分析: ギルバート博士からの提案に準拠して、次回の実験からはSCP-4061-αを固定したうえで異常性因子を解明することが必要だろう。

16/03/10 - ギルバート博士による実施


手順: SCP-4061-αを拘束具で固定して移動できない状態で写真撮影を試みる。
結果: 写真を撮影するたびにカメラレンズがハエで覆われた。
分析: SCP-4061-αを直視することで撮影実行への悪性効果が生じるように思われる。
トロイ博士により、次回のSCP-4061-α撮影試行では間接的視認を以てすることが決定された。

16/04/03 - トロイ博士による実施


手順: SCP-4061-αを拘束具に固定し、その鏡像を撮影する。
結果: 撮影装置が作動すると直ちに鏡が破砕した。
分析: 悪性効果の発生に際して、SCP-4061-αを直視することは必要条件とされない。
SCP-4061-αの効果範囲には制限があるとする仮説がギルバート博士により立てられた。

16/04/10 - ギルバート博士による実施


手順: 上空1000mに飛ばしたドローンでSCP-4061-αを撮影する。
結果: 未知の干渉によりドローンへの制御信号が切断された。
分析: SCP-4061-αの悪性効果の範囲は1000mを超過する。
SCP-4061-αの悪性効果に影響しうるパラメータを全て把握することでSCP-4061-αの撮影が可能と、トロイ博士と私は結論づけた。

16/04/17 - トロイ博士による実施


手順: 環境制御下のクリーンルーム内でSCP-4061-αを拘束具に固定し、撮影を試みる。
結果: 撮影装置は強力な電磁波によって破壊された。
分析: SCP-4061-αの悪性効果が抑止される場合においては強力な電磁波が放射される。
ギルバート博士と私は、電磁波を遮断した撮影装置を備えた鏡張りのクリーンルームで同様の実験を試みるつもりだ。

2016年05月04日 - ギルバート博士・トロイ博士による実施


手順: 環境制御下かつ鏡張りのクリーンルーム内でSCP-4061-αを拘束具に固定し、電磁波遮断措置済みの装置で撮影する。
結果: SCP-4061-αは強い光を放った後に収容違反を起こした。
SCP-4061-αは近傍の廊下で発見され、収容状態に戻された。
分析: SCP-4061-αの能力による収容違反は今まで見受けられなかったものであり、また懸念すべきことでもある。
当該の実験環境下において、SCP-4061-αから放出される放射線量が有害なレベルでないことが確認されるまで今後の実験は差し止められる。

2016年05月27日 - ギルバート博士・トロイ博士による実施


手順: 環境制御下かつ鏡のないクリーンルーム内でSCP-4061-αを拘束具に固定し、電磁波遮断措置済みの装置で撮影する。

結果: SCP-4061-αは強い光を放った後に拘束状態から抜け出した。
SCP-4061-αは拘束されていない状態でクリーンルーム内の撮影範囲外に留まった。
分析: 電磁波ないし悪性効果で撮影に干渉できない場合、SCP-4061-αは撮影範囲外に移動する。
SCP-4061-αを直接的に撮影する方法はない、と私たちは結論づけた。

2016年06月05日 - ギルバート博士・トロイ博士による実施


手順: 死亡したSCP-4061-αの撮影を繰り返し試みる。
結果: SCP-4061-αが死亡してから4時間後、通常の写真撮影が可能となった。
分析: SCP-4061-αの異常性は死亡後4時間まで持続する。

Footnotes
. 大腸菌 (E. coli) K-12株、およびにその関連株は特定環境下でのみ生存できるよう改変されています。
. 自然界に存在する、細菌が持つゲノム編集システムを応用したDNA塩基配列ファミリー。
. 訳注:原文ではSCP-4061としているが誤記と判断
ページリビジョン: 2, 最終更新: 27 Aug 2024 12:25
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