SCP財団

私はサイト91のマデリン・サイラー研究員で、秘密の調査を行って...誰か、が大事?聞かない方がいいよ、どうせ私より高い資格を持っている人なんだから。今日は私の調査か書類仕事...沢山の書類仕事の1日目。でも気にしないわ、これが私が選ばれた理由なんでしょ?
さあ、時系列。時系列の基本的な出来事、例えば宇宙の始まりと仮定的な終わりみたいなことから始めなきゃ。始まりと終わり。これは今日加えちゃおう。それから地球が形成されて、生命が始まった大体の時間を足す。うーん、あんまりここに焦点を合わせたくないな、私の専門は西暦4桁代入ってからだから。よし...あとは人間。えーと、もうなかなかいい感じ。と思ったら大体悪くなるんだけど。

うん、基本的な構成はできた。データベースを掘り下げてみよう。

寝れなかった。この録音をまた始めたのは、正しい日にちになるようにしたかっただけ。私は何か、だいたい、100個以上はSCP資料を読んだに違いないわ。ああ、ほんとは50だけだけど、早く残りを読まなくちゃ。どっちにせよ、財団がこんなにたくさんのものを持ってるとは知らなかった。知ってたけど、考えたこともなかったってこと。いくつかには笑っちゃいさえした、あれは実在して、危険だってことは分かってるけど、でも、でも、無限ピザボックスなんて笑うしかないじゃない。
これはひどいことだけど、2日目にしてもうこれは無理だってわかってきた。財団のデータベースには、SCPだけでも現時点で4000以上あるの。重大事件やイベント、「情報交換-GOC」ってラベリングされたやつは全部入れてないのに。財団が親密な関係を保ててるって知れて良かった、だから私の書類仕事が増えるんでしょうね。
でも今までのところ、大体は日付だけだから私はうまくやってる。魅力的で恐ろしくもあるけど、それはただの日付。これに集中しなきゃ、さもないとここで永遠に立ち往生しちゃう。

それで...変なことがあったの。年が一致しない。少なくとも全部ではないけど、でもさ、もし年がひとつ合わなかったら、どうやって残りを信頼すればいいの?多分ミスだと思う。誰かが20世紀って書くんじゃなくて19世紀って書いちゃったはず。多分だけど。それか、これは私が初めて出会った現実改変なのかも。そういうことがあるって聞いたことがある。もちろん、公式声明はないけれど...誰かに聞いてみるべきだよね。この可能性が消えれば全部がもっと簡単になるし。

ついに返事が来た。これは現実改変で、明らかに沢山あるうちの一つだって。なんで私がこんなことを成し遂げられるって思ってるのかなあ。私が持ってる、世界一の設備でもこんなことは不可能だよ。この機械は私よりよっぽどいい仕事をするのに。全部自動化した方がよっぽど楽なのに、なんで私を必要としてるんだって思うくらいには...。
よし、一緒に頑張ろう、マディ。これはただの書類仕事。難しいけど、うん、でも書類仕事なの。今崩れ始めるわけにはいかないの、5年じゃなくて、まだ一週間なんだから。そういえば、かわいそうなスクラントン博士、何が起きたのか読んだよ。これがほんの始まりに過ぎないってことね。

スクラントン博士。スクラントン博士...。どうして私にこんなことをするの?1961年9月19日に生まれて、2005年12月23日に死んでるのが発見された。そしたら貴方はどうやって現実錨を1889年に発明したの?ほかの貴方がいたの?もしかしたら貴方の親戚なの?それかこれも現実改変?もしそうだったら、ひどい皮肉ね。現実錨の偉大な発明者は、他人を現実改変から守れたけど自分は守れなかったなんて。

そういえば、最初にほかの日付を決めるべきだった。財団の設立の日。なんで忘れてたんだろ?

よし。もう少し掘り下げてたら、怖いものを見つけた。あと...この簡単な質問が、えーと、2日前だっけ?からのオカルト戦争よりも答えるのが難しいってのはほんとみたい。
どうも財団の起源に関するデータはだいたいスロット001...私が何してるかが分かるまで開けられないと思う所、の中にロックされてる。すばらしいね。よし、私が持ってる情報を見直そう。財団の内戦とそれに続くカオス・インサージェンシーの創設が1924年くらいに起きて、1933年まで続いたんだから、財団はその時点でもう存在してたはず。財団か、それっぽいものが、中世とかそれより前からあったって言ってる資料もある。私何してるんだろ?001を見る許可を取らなきゃなんだけど、今手に入るもの全部使った感じもしないんだよね。

SCP-1000についても聞くべきかなあ?SCP-2000についても?深くに行くにつれて、全部悪くなってるみたい。そしたら、私たちの日付も年も、イエローストーンにある忌々しい機械のせいで、完璧に間違ってるって思わなきゃいけないの?それとも、それよりまだマシだけど、始まってすらないって思わなきゃなの?そいつが私の時系列全部に何をしたかってあなたは想像できる?ってなんで私レコーダーに話しかけてるの!?

大丈夫。私ならできる。データベースの9%はもう調べ終わった。SCPは順番通りに並んでないって聞いたから、その通りにはやってない。だからひとつひとつ選んでる。ばらばらにして、分類して、順番通りにしなきゃいけない大きな山に穴を開けてるみたい。皮肉なことに、一番最初に好きになった現実改変はSCP-140だった。その本は確かに歴史を書き換えるけど、少なくともどうやってやったかは書いてあるから。

三週間。休憩しなきゃ。クリスとしばらく話してないなぁ...いや本当はほかの人ともだけど。食べたり飲んだりするもの...大抵コーヒー、を取りに行って、ここに戻ってくるの。
えっと、これはなんだっけ... SCP-999はピーナッツバターに近しい粘度の、大きく、まとまりがない、ゲル状で半透明、約54kg(120ポンド)のオレンジ色のスライムのように見えます...何これ?大きく、まとまりがない、ゲル状の物って世界にいくつあるの?今週だけでも5個目だって断言できる。見てないときに動き出す彫像と同じくらいひどい...

OK、はあ、今は休憩中。パソコンの前に座ってたから背中が痛い。でも、やらなきゃいけないことの十分の一は終わった。これは誇れるような気がする。多分終わらせられる...文章全部とか拡張実験ログとかを読まなければ、多分。

よし、戻ってきたわ。職員とコミュニケーションを取ろうとしたからとある監督者を怒らせちゃったかも。でもさ、誰も罰しに来ないんだよね。私だって馬鹿じゃないから何も言ってないよ。実際、全部うまくいってるし、誰もこのひと月私が何してたのか聞いてきさえしない。だからさ、仕事に戻った方がいいよね。リストの次は...SCP-106か。

このすべてに魔法があるって知ってた?本当の魔法よ!奇跡論って言うみたいだけど、私には魔法みたいに思える。財団は魔法について知るべきじゃない?なんか便利そうだし、GOCが使えてるのに、私たちが使えないわけなくない?

また休憩が必要かもしれない、めちゃめちゃ疲れた。私だけの財団を作れるくらいのSCPを調べ終わった。いや、何も考えてないけど...。

自分が嫌だ。なんで私はもっと協調性を持てないんだろう?くそっ、ただ第三者にこれを言いたいだけなんだけど、それってそんなに難しい?私ってなんて馬鹿な認識災害なんだろ。

ミッション報告:二か月が経って、ようやく20%まで来た。ランダムSCPのボタンに感謝しはじめた。

待って、GOCは何してんの?椅子?椅子を木材粉砕機に投げ込んだんだ。私これを正しく理解できてる?めっちゃ面白い!アハハ
つまり...私たちがこのアノマリーを収容しなきゃいけないってのが恐ろしいってこと...
(静かな笑い)

SCP-2399について読んだとこ。もう元のようには木星を見れないわ。変な話だけど、自分が現実改変されたと思うの!少なくとも私はそう思う。もっかい確認しなきゃなんだけど、確かに怒れる星が到着した日付を今から一万年前に設定したはずなのに、今は見当たらない。ちょっと働きすぎかも。

...残念だけど、こうしてオメガ-7は終わった。というより、誰かがこんなことを認めたのも残念。
他のものと一致しないものが溜まってきたのに気付きはじめた。助けてほしいけど、スロット001が見れるようになるまで少し待っとくのが1番いいとまだ思ってる。

去勢されちゃった人のおかげで収容できてる、エイリアンみたいな鹿の神がいるのを知れてよかった。キモい。でも実のところこれは今まで読んだ中で最悪ってわけじゃないと思う。あれはどこだっけ?ちょっと待って、探すから...くそっ、多すぎ!誰が番号全部覚えられるっていうの?とにかく、重要なのはだいたいひと月前に倫理なんて投げ捨てなきゃいけなかったってこと。君はなんとか-モントーク処置を読めないの?そうだったっけ?ああ、倫理の壁のせいで読めないんだ。私は仕事をするためにここにいるんであって、倫理委員会に入るためじゃないから。ところで、倫理委員会って事案ごとに仕事が出来たり出来なかったりするよね。変なの。

私のこと馬鹿って言って。でも今しかない気がするの。財団のデータベースの32.1%は整理して、確立できた。矛盾してるでたらめなとこを見なければ、時系列も結構それっぽく見える。問題は、こんなのばっか来るってこと。最初こそ面白かったけど、もうタイムトラベルもののThaumielは一生見たくない。正直このプロジェクトやめようかと思ってたけど、どうせそう上手くはやめられないってわかってる。その上、私の中の何かが、001指定を受ける価値があるものにほんとに興味があるみたいなの。
だから今日がその日。許可を申請する。そこで見つけるものが、いらない資料の山に突っ込んでくんじゃなくて、このこんがらがってるのを直してくれるといいな。

ついに返事が来た。SCP-001のスロットが見れるようになった。私がファイルを開いた瞬間死なないように、認識災害とミームエージェントは取り除かれてた。それで、私がしたとき...財団職員に何も起きなかったなんて言える日がこれまでにあった?これは私だけ?それともどこの誰でも?
001の提案が30以上あるとかどうなってんの?

うん。そんなに簡単にはいかないね。しばらく時間がかかりそう。まずはどの001が正しいものなのか決めなきゃいけない。これはそんなに難しくないはず。データベース全部を自由に使えるんだし、データをチェックしてどれが一番合ってるか見ればいいだけ。

どれも合わない。どの001も他のとは矛盾してるけど、どれも全体的な物語に合ってない。あとは、うん。自分の正気を疑い始めてる。何が本当かなんてどうやったら分かるの?S・アンドリュー・スワンの提言は信じられなかったけど、周りの物を見るたびに共通点が見えてきたから受け入れると思う。あとこれは経験則なんだけど、一度に2個以上のアノマリーを一緒に見ると気が狂うよ。でも、このこんなことを説明しようとしてるわけじゃないんだよね。私はもっと大きい見方をしようとしてるだけ...ただ大きい見方を。

反対に、壊れた神は受け入れられた。それを信じるに足る量の日付と資料があるし、今のところは、これを001としようかな。あとはううん、今のところなんでそれが存在できるかってことは棚上げにしよう。ほかの人のも見てみよう。

考えてみると、ケイト・マックティリスはメアリー・ナカヤマの話でいい仕事をしたよ。人間らしくて今のところ一番いい。これが正しいやつであってほしいな。

くそっ、仕事が2週間くらい止まっちゃってる。こんなことに頭を悩ませてなんていられないのに。クレフのガーディアンを本当のやつだってできたのに、そうするとマン、ブライト、マッケンジーそれとスクラントンのバージョンが存在しないってことになる。でも、可能性を消していくなら、何がそれが一番正しいってする権利をくれるの?
あとは「未来の」001なんて始めさせようとしないでよ。S. D. ロックの提言はそれっぽく聞こえるけど、私がちゃんと数えられてたなら、時系列に載せるには二つおっきな現実改変が必要なんだよね。私の年表がちゃんとできてたらだけど。

休憩が必要。

頭からっぽにしなきゃ。今のところ一か月も何の進捗もない。データベースのもっとわかりやすいところに戻ろう。何か見つけたらまた報告しに来る。

私がめちゃくちゃ大変な仕事を始めてからひと月たった。50%くらいは終わったよ。年表はいまのところ...あんま良くない。勘違いしないでよ、私の年表には自信あるけど、ただ...不十分な気がするの。今までに信じられないアノマリーについて読みすぎたから、大きくて死なないトカゲくらいじゃ何も思わない。年表は完成されなきゃいけないの。それで私のできることは、現実改変のアノマリーと、タイムトラベルできる機械と、ありえない起源の話の山を見つめる事だけ。
どうやって続けたらいいの?これがタローラン研究員が苦しんだことなの?あの資料はめっちゃ変であいまいだったけど、好奇心がそそられた。

財団データベースには大体目を通したけどコンドラキ博士とか初めて聞いたんだけど?この男は私たちのために働いてるの!?なんでもう私たちのためには働いてくれないの?

何が起きたのか見つけ出した、今理解した。とはいえ、サイト-19全部?私の上司がそいつにキスするでしょうね。

時間はかかったけどなんとかSCP-055を時系列に入れられた。時間がかかったのはそいつを時系列の特別な場所に入れなきゃいけなかったのと、そのことを定期的に忘れちゃってたから。

昨日のログが見つからない。あとまだ読んでないのにSCP-055が分類したやつの山の中にある。変なの

もうSCPの資料は充分読んだから、今は要注意団体の記事を読んでる。ワンダーテインメント博士?ウィリー・ウォンカみたい。もうその考えが頭から離れないや。黒の女王よりはましかな。私が目を通さなきゃならないアノマリーの無限の宇宙があるなんて考えのせいで悪夢を見たよ。

友達が恋しくなってきた。もちろんカフェテリアに行った時はおしゃべりするし、私の上司のクリスとも話したけどさ。彼はプロジェクトはどんな調子かを聞いてきた。彼だけが私が秘密裏に何かをしてることを知ってる。正確に何してるかはわかってないけどね。

Are We Cool Yet? いや、クールじゃないよ。サイト-97で彼らのアノマリーを見すぎてきたし、私はこのアナーティスト集団嫌い。ただ芸術作品を作ってるだけの普通のアナーティストに同情くらいできるでしょ?アナーティストとアナーキストは違うの。

何とかして61%まで来た。どうやったのか分かんないけど、昨日は絶対58%だったんだよね。

わかった!矛盾してることをどう処理すればいいか分かったの。現実改変も、もうどうすればいいかわかる。本当のところ、データベースにあるもの全部がほんとに存在してるかなんて確かめてない。変に聞こえるかもしれないけどさ、別に私たちが虚構のルールに従ってる宇宙に住んでるって言ってるわけじゃないの。だからもし私たちの宇宙がたくさんのホラー作家や物語、それか今こんなことを話してる私のことを書いてる誰かに影響されてるって考えるなら、分かるのは時系列はまだ終わってないってことだけ。誰も挑戦してないか、やったけど失敗したの。
私たちの宇宙に意味はないの、そういうことになってるんだから。こんな時には、混沌を受け入れるべきなのよ。つまり、複数の時系列を作って、そのどれも矛盾しないように全部を分類するの。でもどれも矛盾してるの。
全部の時系列の始まりと終わり、現実が壊れたところを探して、一続きの線を作らないといけないわ...

おかしい。確かにもっとあったはず。これだけ?残りのSCPは120だけ?何個目を通したんだっけ?2984?いやいやいやいや。もっとあった。絶対にもっとあった!見て。私の時系列...私の時系...列...ここに...でも...ここには….1列しかない。

何が起きてるの?オフィスの外に出たんだけど、どうもサイト-91にはもうカフェテリアがないみたい。ここはサイト-13だから。これを無視するには資料を読みすぎた。これは現実の再構築よ。CK-クラスシナリオ。でもなんで?どうして私は知ってるの?私の認識が改変されてなきゃおかしくない?

OK。私の時系列は大体完成した。分類したのもしてないのも合わせて1500くらいのファイルが消えちゃったからね。消え始めてからは仕事に取り組んでないし、原因がわかるまで再開するつもりもない。私の仕事がこの原因になったって可能性も否定できないし。

私の記憶が改ざんされた兆候はない、ってことは私はこの改変による影響を受けないはず。このことは、原因が私だっていう仮説を支持してくれてる。でもどうやって?仕事が終わりそうだからなの?時系列に関する記憶が現実に影響してるの?

そうだったみたい。記録を確認したの。あの嫌な星が一番最初、進捗が23%くらいだった時に消えてた。これが偶然だったのか、現実改変の始まりだったのかは分からない。次に消えてたのはSCP-231-7。彼女は32%くらいの時に消えてたみたいだけど、記録を確認するまで気づかなかった。50%になるくらいの記録に矛盾があるから、そのあとに2,3個消えてたはず。そのころは、001を処理するのに忙しすぎたの。
001といえば、もう提言は8個しか残ってない。

これはひどいや。計算が合ってれば、データベースは43%しか残ってなくて、その内の90%がもう分類し終わってる。

いや!なんで?私何もしてないよ!データベースはそのままにしてたのに!なんで消えていってるの!

もう私たちはサイト-13にはいないの、ここはサイト-3。現実がゆっくり今のデータベースに沿っていってる。SCPが少なくなったから、財団も小さくなってる。実際O5評議会も、管理者って人以外はもういないんじゃないかな。昨日はSCP-682が無くなったわ。これはいいニュースね。この現実のGOCは共産主義の崩壊で解散したみたいで、財団は私の現実で前にそうだったみたいにUIUとして資金提供されてる。完璧ね。

ひと月。まだ考えてる。ラッキーなことに、誰も私に質問してこない。現実改変されてても、私は秘密のプロジェクトの研究員でいるみたい。あと必要なことは、私をこんなに混乱させたその財団によって、私がSCPとして分類されるだけ。

何をするべきかまだ手掛かりがない。昔の財団の25%くらいが残ってて、その内80%くらいが分類されてる。減り方が早くなってる。分類したのを元に戻すべきなのかな?いな、もし何かしたら、現実改変がより激しく、予想できなくなるかもしれない。修復する方法を見つけなきゃ。

財団はもうないわ。私たちはアメリカ西海岸のどっかにある建物にいる。この場所は全体的にひどく寂しい。私が知ってる限りでは、多分20くらいのSCPを収容してるのかな?もうそう呼びさえしないんだけど。私は与えられた役を演じようと全力を尽くしてる。どうやら私はレアなアノマリーを研究する10人の研究チームのメンバーみたい。明日は何を見つけるのかちょっと怖いな。

12のSCP。研究者はまだ10人いる。

5個のSCP。5人の研究者。一人一つずつSCPを研究してる。私の担当はナンバー3、私はそれがSCP-173だって知ってる。それはもうそんなに怖くない、今もゆっくり動いて、まだあなたを殺そうとしてる。気をつけた方がいいよ。

4つのSCP。3人の研究者。SCP-173と、他の場所を映す窓と、病気の本と...あと、私。

本が消えた。一緒に1人消えた。私たちはもう組織じゃなくて、むしろネットで知り合った人の小さいグループみたい。

窓も消えた。今私は独りぼっち。愚かな彫像とふたりきり。怖い。

起きても彫像はまだそこにいた。動かない。いよいよなんだと思う。私は歴史上最後のアノマリーで、誰も知らないの。この世界は私の世界とは全然違う。アノマリーはいないし、科学的に説明できないものはない。恐怖もなければ、脅威もない。

今朝起きたら... 彫像はいなくなってた。私のオフィスは、今は私のアパートだけど、空っぽ。

これ以上やることに意味があるの?これは覆せないわ。データベースは0%って表示すらしない。何も無くなったんだから、何も表示しないの。全部。私のノートも、書類仕事も...無くなったの!

私の運命について考えてる。財団の多くの人は私の周りにある世界を見るために何でもするでしょうね。すべてが順番通りの世界を、そしてすべてが理にかなってて科学の発展で説明できないものはない世界を見るために。

普通に生きようとしてみた。でも出来なかった。マデリン・サイラー、自動車販売員、起業家、科学者...芸術家...人類を守る秘密組織の研究者!

今日はインターネットを見てた。未確認生物学、神話、伝説、UFO、そんな感じの物の記事を沢山見つけた。その記事の間違いを指摘して、ほんとのアノマリーはどう行動するのかについて独り言を言えたからしばらくは楽しかった。
助けて

気づいたら精神科にいた。先生に財団のこと、現実改変のこと、知ってるのは私だけっていう事実を話した...優しく私の話を聞いてくれたけど、この世界の他の人にあげるのと同じものを私にくれた。彼女はまた来るように言って、薬をくれた。この薬が全部癒してくれればな。

見つけた!まだここにあるなんて信じられない!私はインターネットの掲示板、美術の大会、未確認動物学、変な写真、その全部見てた...そしたらそこにあったの。見間違えるはずなんてない。コンクリートの壁のそばに立ってるSCP-173の写真。手に入れなくちゃ。写真をダウンロードしたわ。証拠があるの。私は狂ってなんかない!

精神科の先生から電話が来た。また行かなきゃいけないって。承諾したわ、写真を持っていけば、先生も私を信じざるを得なくなる。

私は狂ってる?なんでそんなことが言えるの!私は幻想の世界に生きてるわけじゃない...

大丈夫よ173、みんなが信じてくれなくても私たちは知ってるんだから。財団はあったってこと。何それ?バリバリって?あなたその音好きだったもんね...
どっちにしろ、おかしく聞こえるのはわかってる。ただ発散したいだけ。大丈夫。

アイテム番号、SCP-173、オブジェクトクラス、Euclid、特別収容プロトコル、SCP-173は常に施錠されたコンテナに保管されています。職員がSCP-173のコンテナに入室しなければならない場合は、必ず3人以上で入室し、入室後にドアは施錠されます。職員がコンテナから全員退室し再び施錠するまで、常に入室した職員のうち2人はSCP-173を注視し続けてください。説明、SCP-173は1993年にサイト-19へ収容されました。SCP-173の起源は未だ不明です。SCP-173はコンクリートと鉄筋で構成されており、クライロン社製のスプレーを吹き付けられた痕跡があります。SCP-173は生きており、極めて敵対的です。SCP-173は直視されている間は動くことができません。決してSCP-173から視線を逸らさないでください。コンテナに入室する職員は互いに瞬きをする前に警告するよう指示されています。SCP-173は頸部の圧断や絞殺といった方法で攻撃を行うことが報告されています。SCP-173が攻撃を始めた場合、職員はクラス4の危険物収容プロトコルに従うことになっています。コンテナに誰も入室していない間、コンテナの中から石を擦る音がすることを職員が報告しています。これが正常な状態とみなされており、いかなるSCP-173の振る舞いの変化も当直のHMCL主任代理に報告すべきです。コンテナの床の赤褐色の物質は排泄物と血液の混合物です。これらの物質の起源は不明です。職員はコンテナを定期的に隔週で清掃してください。

財団についてみんなに伝えてみることにした。みんな知らなきゃいけないの。もし何も残ってなかったとしても、伝えちゃいけないってことないでしょ?未確認生物学の掲示板の2人はきっとそれを気に入ってくれるはず。

掲示板に投稿し終わった。SCP-173の特別収容プロトコルを、手に入れた画像と一緒に投稿した。画像はちょっと小さくしなきゃいけなかったかも。私が覚えてたこと全部入れたわ。誰かが面白いと思ってくれるといいけど。

掲示板の投稿を見てみた。気に入ってくれてる!自分のSCPを作ってもいる!すごくいい。とても興奮してるの、自分が普通だって思えるのは久しぶりだから。昔に戻ったみたい。

彼らはコミュニティーを作ってる。すごい。私も参加したいけど、勇気が出ない。私がなんか変なことをして、狂ってると思われて、私とアイデアが拒絶されたらどうしよう?見てるだけの方がいいか。

自分が嫌い...今気づいたの。私...私は本当にバカだって。ホラーの著者はたくさんいる...

かれこれ五日間彼らと連絡を取ろうとしてる。こんなに返事をくれないなんて、何か計画してるのかもしれない。今日で私があのバカみたいな時系列を作り始めてから1年。一年前の朝、オフィスに来て、アカウントにログインして、あのクソみたいなプロジェクトを承諾したの...
(すすり泣く)
でももし...もし私がなんとかして物語を変えられたら。もし著者たちに書かせられたら...あとはもし...私が狂わなかったら...お願い。これはやらなきゃいけないの...

やった!返事が来た。参加できた。あとはこのクソみたいなサイトを使って書く方法が分かれば。

やったわ!私の狂った科学が成し遂げたの!宇宙で唯一混沌としたままだった場所は、なんとかして論理なしでひっくり返った。自分自身を書くことで、全部のアノマリーがまた存在し始めるというパラドックスを生み出したの。どうやったかは説明できない。今宇宙を一つにまとめてるのがそれだから、文字通り説明できないの。秩序の海の中の、私の小さい非論理的なパラドックス。これが現実改変になったっていう感覚なのかな?私は現実改変じゃないけど...これがそうなんだと思う。
よし、マディー、集中しなきゃ。私は戻ってきたのよ。すべてを終わらせなくちゃ。すべてを終わらせるには、データベースの整理も、時系列を作るのも必要ない。世界には混沌が必要なの、そうじゃなきゃアノマリーは存在できない。壊さなきゃいけないの。それが私がそれをここに書く理由...データベースの空いてるところを探さなきゃ。

アイテム番号: SCP-4010

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-4010はいかなる状況でも実行されてはいけません。プロジェクト・クロノスの結果に関する情報は、必要だと考えられる手段で破壊されなければなりません。

説明: SCP-4010は現実におけるすべての改変と、文書化された時間的な変化を考慮し、私たちの宇宙の時系列を確立する行為です。実行された場合、SCP-4010は宇宙の現実に大きな変化をもたらします。その変化の影響範囲は不明です。

SCP-4010は、歴史時系列を確立する試みであるプロジェクト・クロノスの間に最初に発見されました。プロジェクトは1年続き、結果CKクラスシナリオになった可能性があります。プロジェクト・クロノスに関する情報は、マデリン・サイラー研究員と共に破壊、紛失、または終了されました。

注意: これが関係する人々へ
私たちの宇宙はとても複雑な場所で、私たちの歴史はひどく混沌としてる。それは時に私たちが、目の前にある未知の物を理解することを妨げるほど。それでも私たちは理解し、それを説明しようと努力しているの。私たちの歴史の中で、私たちは未知の物を探求し、見つけたものすべてを研究してきたわ。
世界的な秩序の力と混沌というのはよく知っている概念だと思う。私たちは秩序なの。秩序っていうのはよく知ってるし、よく理解してるよね。混沌というのは何か知らないことで、理解したいと思っていること。私たちはそれに恐怖して、その恐怖こそが前に進む力になる。
SCP-4010は、混沌から秩序を作り出す行為。私たちの宇宙は、車がガソリンで動くように、混沌を動力にしてる。だからその全てを焼き払ったり、修正したりしようとしないで。そうしないと、すぐに本当の終わりに直面してしまうから。それは壊されなくてはいけないの。
私を信じて。歴史を振り返って、何を作り上げてきたかを見ようとすることは間違ってる。時系列を作ろうとするのは間違ってるの。起きたことを全部理解して説明することは...間違ってる。私はやろうとした。そして成功したの。
-サイト-91所属、サイラー研究員

全部壊した。データも全部消した。プロジェクトの物理的証拠も全部燃やしたわ。残ってるのは...このレコーダーとわたしだけ。
(金属製のものが壊される音)