アイテム番号: SCP-3994
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-3994は現在、サイト-92内に収容されています。SCP-3992の収容チャンバーの扉は、実体が扉とドアフレームの隙間から抜け出すことを防ぐために加圧します。実体は分類に応じて収容チャンバーを分け、各チャンバーにつき実体が15体以下となるように収容されます。特定の分類の実体数が800体を超えた場合、最大500体までの終了が許可されます。SCP-3994の終了には、摂氏800度の熱による焼却、pH1.1以下の酸による溶解、あるいは415メガジュールのトリニトロトルエンによる爆破などにより、その質量の87%を完全に破壊しなければなりません。実体の再分類は隔月で行われます。
財団ウェブクローラーは未収容のSCP-3994実体を追跡するために、近日中に発生する流星群や医療施設のデータベースを継続的に監視しなければなりません。機動部隊シータ-991("人間たち")はSCP-3994に関する通報があった地点に配備され、民間医療施設への移送を装ってSCP-3994を確保します。
SCP-3994には財団が作成した、あるいは大幅に改変したメディア(補遺-03を参照)を1日につき最大3回提供します。すべてのメディアは人間の活動を中心に据えたものとし、その内容に関わらずそれが人間にとって許容可能な行動であるとみなされます。外部の実体や情報源からの情報は、早急に前述のメディアを用いて置き換えなければなりません。
SCP-3994やそれに関するファイルといかなる形式であれ関与する全職員は、非正規の職員が外部に出ることを防ぐため、収容チャンバーの入退室前に血液検査を受ける必要があります。
説明: SCP-3994は地球外実体群の総称であり、現在はSCP-3994-A-1からSCP-3994-C-██で構成されています。 SCP-3994実体は殻の腐朽の程度に応じて分類A、B、Cのいずれかに分類されており、Aは殻に腐朽の兆候がない実体、Bは殻に腐朽はあるが残ってはいる実体、そしてCは殻がまったくない実体に割り当てられています。
SCP-3994は人間に類似する外皮(以下"殻"と呼称)を発達させ、その内部に居住します。殻が存在しない場合、SCP-3994はすぐ近くに存在する人間の外見を模倣することを好みます。人間が存在しない場合、殻は無関係に形成されます。この殻はSCP-3994の内部の容姿を隠すものとして機能すると考えられていますが、多くの場合意図したようには機能しません。SCP-3994が人型の殻を形成する試みの68%は、付属器官のねじれ、象皮病に似た重度の奇形、骨格構造の不均衡、および██████████を含むがこれに限定されない様々な構造上の欠陥を呈します。
SCP-3994の内部構造は未知の粘性物質から構成されています。殻がない場合、SCP-3994の肉体は定まった形態や構造を持たず、全高は560cmを超す場合があります。この状態では、SCP-3994は任意の数の手足を地表に引きずるようにして移動します。
財団職員とSCP-3994実体間で行われた意思疎通の試みの96% 65% 38%において、SCP-3994は交流した職員の会話パターン、なまり、言語を積極的に模倣しています。しかしながら、SCP-3994は文法と構文をまとめ上げるのに多大な困難を呈しており、言語障害やコミュニケーション障害、特に速話症や失語症に似た症状を示しています。財団の管理下にある実体は、職員の言語能力に匹敵する急速な適応を示しています。この事態に対処するための対策が講じられています(補遺-03を参照)。
発見: SCP-3994は、ボリビアの████、ドイツの██ ███████、マダガスカルの█████において、数十頭の野生動物が果肉状で粘着質な内部構造をした、均一な色の物体へと細断されたとの報道がニュース局によりなされたことで初めて発見されました。死亡した実体から採取されたサンプルは、それが地球上に既知の近縁種が存在しない、地球外のものであることを示しました。
最初の発見の数日前に、3つすべての都市で小規模な流星群が発生していました。実体の回収場所付近で回収された隕石はSCP-3994のDNAサンプルに対して陽性反応を示し、これはSCP-3994が隕石を起源地からの移動手段として利用していたことを示唆しています。
補遺-01: ████/1/6、SCP-3994の全B分類実体██体のうち3体の殻が完全な腐朽状態に移行し、これにより新たにC分類とみなされるようになりました。突き出た手足や脊柱、その他付属器官を有するB分類の殻に生じていた割れ目が内部の肉体全体を抑えきれず、実質的に殻を溶解しました。実験の結果、殻の腐朽は自然な過程を経たものであり、殻が最初に形成されてから1-4か月後に兆候が表れ、1年以内に完全に溶解することが示されています。殻の形成には最大で3日かかります。このプロセスを阻止する既知の方法はありません。
インタビュー対象: SCP-3994-A-7
インタビュアー: コフマン博士
前記: SCP-3994-A-7はインタビューの3日前に、アイルランドの██████で回収された。SCP-3994-A-7は当初、"肘が後ろに半分折れ曲がった状態で仕事をしている"ことを目撃されるまで酩酊した住民の一人として無視されていた。医療処置が施された結果、病院のスタッフはSCP-3994-A-7には人間の体液が存在しないことを発見し、その後に財団が関与した。
<記録開始>
コフマン博士: おはようございます、SCP-3994-A-7。SCP-3994-A-7: おはよう、病気!病気してる!
コフマン博士: どこか具合が悪いのですか?
SCP-3994-A-7: もっともな話、最も、一番最悪な日!
コフマン博士: どうして最悪なのですか?
SCP-3994-A-7: 朝食ない、朝食の時間。食べることは人は食べなきゃいけない、うん。
コフマン博士: あなたは…あなたはおなかが空いているのですか?
SCP-3994-A-7: ふぇっ、空腹はおなかが空く。あなたは、あなたのための朝食は何?
コフマン博士: 私は…ワッフルを食べた、はずです。
SCP-3994-A-7: ワッフル、はずです!おや、私はワッフル愛慕される、はずです。それは、どうですか、朝食のための空腹!
コフマン博士: ワッフルが何かわかっていますか、A-7?
SCP-3994-A-7: 私…
SCP-3994-A-7は一時動きを止める。実体は遠くを見つめ、咳払いする。SCP-3994-A-7の以下の発言にはアルゼンチンなまりのスペイン語が含まれており、日本語に翻訳されている。
SCP-3994-A-7: ワッフルは、はずです、パンのペストリーでよく一緒に…(判別不能)…シロップで朝食に食べられます。人間 — 私たちを、は、それを楽しむ!ここで人気、ここ…アルゼンチン。
コフマン博士: A-7、ここはアルゼンチンの近くでもありませんよ。
無関係な会話は削除済み。
<記録終了>
終了報告: コフマン博士のインタビューにより、SCP-3994実体間でテレパシー的なコミュニケーションが可能であることが判明した。この限界と能力を理解するため、さらなる研究が進められている。
補遺-02: インタビュー記録-013の後、SCP-3994は人間と直接交流するだけでなく、集合意識の複合体の中で相互に情報を伝達することにより、言語能力、文化理解、許容される社会的行動、およびその他の人間の交流において重要な要素を発達させることが確認されました。人間社会に紛れ込んだSCP-3994実体を発見するため、SCP-3994実体に誤った情報を教え、この発達を阻害する必要があります。SCP-3994の構造上、記憶処理は意図したように機能しません。
インシデント記録-04: ████/8/12、SCP-3994-A-7, -A-24, -A-33, -B-3, -B-78, -C-16, -C-27によりセキュリティ違反の試みがなされました。-C-16と-C-27は収容チャンバーの扉とドアフレームの隙間に自らを押し付けて強制的にヒンジを外し、違反を補助しました。両実体はSCP-3994の収容チャンバーに続く廊下の片側への警備員の経路を遮断し、警備員を妨害しました。警備員は-C-16と-C-27を通り抜け廊下に進入するのに十分な質量を破壊することができませんでした。残りのSCP-3994実体は、インシデント発生前にサイト職員や警備員に類似した殻を形成していました。両B分類実体は、互いの制服の布の切れ端を用いて突出した付属器官を包むことで、それを隠すことを可能にしていました。A分類実体のグループは、負傷した研究者を医療ベイまで護送する職員としての活動を模倣しました。セキュリティ違反は23分間続き、違反したSCP-3994実体はすべて激しい砲撃によって終了されました。
補遺-03: ████/5/9、未発見のSCP-3994実体が人間社会に完全に紛れ込むことを防ぐために広範な対策が実施されました。対策には以下のものが含まれます。
- 情報を伝えるのに用いられるメディア形式(映画、書籍)に関連するあらゆるレクリエーション活動は、語の順序を入れ替えた文章や音声を使用しなければならない
- いかなる状況においてもSCP-3994にノンフィクションのメディアを見せてはならない
- いかなる状況においても職員の私生活に関する情報について言及してはならない
インシデント記録-09: ████/9/16、14体のA分類実体、37体のB分類実体、6体のC分類実体によって収容違反が試みられました。コフマン博士と、同伴していた4人の警備員がSCP-3994の収容チャンバーに接近すると、前述の実体群が扉周辺に群がりました。この行動はSCP-3994においても特異なものであったことに留意してください。コフマン博士が扉を開くと、4人の警備員は即座に違反した実体群により踏みつけられました。しかしながら、全実体はコフマン博士の周辺を縫うように移動し、またコフマン博士は実体群とは逆方向に進行し、違反の11分後に確保されました。実体群はかろうじてサイト-92の中心部に到達しましたが、20,000ガロンの保管されていた電池用硫酸の洪水により成功裏に終了されました。
インタビュー対象: コフマン博士
インタビュアー: █████████博士
前記: 以下のインタビューは████/9/16のインシデント記録-09の直後に実施された。記録当時、█████████博士はサイト-92の管理官だった。
<記録開始>
█████████博士: コフマン博士、今回このような行動をとった理由は何だ?君は警備員に警告することなく大規模な収容違反から歩いて離れていく様子が確認されている。
コフマン博士: 謝罪します、きっと忘れていたのです。
█████████博士: 忘れていた?コフマン博士、君はSCP-3994に群がられていたんだ。私は君が収容違反を引き起こしたとかそれが意図的なものだったとかということで君を罰したくはない。それどころか、起きたことに関して君を責めたくもない、君は扉を開けただけだ。だが奴らは君たちに襲い掛かってきたんだ、コフマン。奴らは警備員たちを踏みつけまっすぐに逃げようとした、それを君は忘れていたと?
コフマン博士: 改めて謝罪します。私はそうするしかなかったのです。
█████████博士: 詳しく頼む、コフマン?
コフマン博士: 彼らをここにいつまでも閉じ込めておく事はできません。彼らはこの星の支配種の姿を取っていて、我々の取りうるほとんどの手段では破壊することはほぼ不可能です。彼らを全員見つけられたわけではありません。彼らがどれだけいるかもわかりません。どうやって殖えるかさえもわからないのです。
█████████博士: 今はSCP-3994について話す場じゃない、コフマン、今は —
コフマン博士: 一群をこのコンクリートの壁の内側に閉じ込めておいても何の得にもならないのです、 █████████博士。彼らは学び、進歩し続けます。単純な概念です。彼らの発展を抑えるための手段は意味をなさなくなるでしょう。遅かれ早かれ、この神に見捨てられた星には、太陽の下であらゆる言語を教えてやるにふさわしいだけの数の実体がいることになるでしょう。彼らは遊びを学ぶでしょう。あなたがひどくそう信じてほしがっているのに反し彼らは、人間は実際にはペーストを朝食に食べないことや、靴を手に履かないことを知るでしょう。そしてこの速度でいけば、彼らは我々を100万対1で出し抜くことになるでしょう。彼らは進んで、進んで、進み続けます。█████████博士、あなたはこの世界最大の征服者に多額の賭けをしたようですが、きっとその賭けは負けることになりますよ。
<記録終了>
終了報告: インタビューから数時間後、コフマン博士は以前2週間の休暇を取っていたことが判明した。