侈のいろは ハブ » SCP-3905-JP
クレジット
アイテム番号: SCP-3905-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3905-JP範囲内の住民は、カバーストーリー「大災害のおそれ」によりその全数を範囲外に避難させました。現在の住民はDクラス職員に限られ、適宜人員補充が行われます。
説明: SCP-3905-JPは、██国の██村に、およそ1週間に1度発生する、住民の消失現象です。
SCP-3905-JPは、██村内の住民のうち1人に対して、以下の機序で発生します。なお、これらの機序の中で、対象となった住民はたとえ可能な状況でも一切の抵抗を行わず、機序2以降まで進行したSCP-3905-JPの阻止には成功していません。
機序2で出現するものと類似するフック。なお、このフックは主に屠殺した家畜の死体を吊り下げる用途に使用される。
1. 住民のうち1人が任意の事象で気絶する
2. 対象がゆっくりと浮遊し、空中に出現した金属製フックにより、いわゆる逆さ吊りの状態で空中に固定される。
3. 対象の被服や体毛が徐々に消失する。
4. 対象が正中面で2つに切断される。流血はなく、断面から体内が確認できるが臓器等は既に消失している。
5. 切断された対象が緩やかに消失する。
SCP-3905-JPの発生から1~3日後に、消失した住民宅のポストに大量の紙、手紙が投函されます。これらは全て文字らしきものが書かれており、読解可能なものでは、「ありがとう」や「いただきます」「ごちそうさまでした」などの単語が種々の言語で筆記されていました。投函物自体には異常性はありませんが、██村の住民はこれらを「不吉」「迷惑」と見做し積極的に廃棄する傾向にあります。
██村に住民が1人も存在しなくなった際、SCP-3905-JP発生範囲は近隣の複数集落まで拡大します。範囲限定のため、2018年04月15日から施行された現在のプロトコルにおいて、██村には常時██人以上の職員を居住させることが定められています。
補遺: 避難が完了し、職員による人員置換が行われた後、財団は██村に新たな異常存在を確認しました。後述のSCP-3905-JPとの関連性から、この異常を暫定的にSCP-3905-JP-Aと呼称します。
SCP-3905-JP-Aは人間を模したと見られる実体です。SCP-3905-JP-Aは逆立ちになった人間の右半身、あるいは左半身のような骨格・外見をしており、被服は存在しません。これらの外見的特徴は、SCP-3905-JPの対象となった人間が消失の直前にとる形態と酷似しています。これらの形質にもかかわらず、SCP-3905-JP-Aの遺伝子検査では彼らが完全なダイズ(Glycine max)の遺伝子を持つことが判明しています。
SCP-3905-JP-Aは人間の手にあたる部分を用いてホッピングによる移動を行い、肛門にあたる部分を用いて発声・摂食を行います。発生したSCP-3905-JPは任意の住居に移動し、おおよそ通常の住民と同様の生活を行っているように振る舞います。なお、すでに移動した住居に人間が居住している際、SCP-3905-JP-Aは当該住民の家族だと自認する例が確認されていますが、「家族」あるいは近隣の住民となったDクラス職員の認識は変異せず、強烈な違和感が報告され続けています。
SCP-3905-JP-Aの出現以降、██村における人間の消失は停止し、代わりに同ペースでSCP-3905-JP-Aの消失が発生するようになりました。またその機序もSCP-3905-JP-Aの体構造のためか大幅に簡略化されており、SCP-3905-JP-Aが失神し、空中に浮遊したのち消失というものになっています。
同様に、消失したSCP-3905-JP-Aの住宅への送付物の内容も変化しています。以下はその典型的なものです。
私たちは変わりました。もう無垢な人間を傷つけません。
環境と倫理に配慮し、持続可能な食文化を築くため、
100%植物由来の『大豆人間』を採用しました。
人間に優しく、未来に優しく。
新時代の食、ここに誕生。
チラシ内の意匠。ウィトルウィウス的人体図を元にしたもの?
記述から、SCP-3905-JP-AはSCP-3905-JPの発生原因(仮称: SCP-3905-JP-α)によって制作されていると考察されます。右画像は、チラシ内で頻繁に出現する意匠例です。これらの意匠はその全てで人体の上下が反転しており、かつ左半身あるいは右半身のみが描写されています。SCP-3905-JP-Aの外見的特徴も加味すると、SCP-3905-JP-αは、人間をSCP-3905-JP-Aと類似した、つまりSCP-3905-JPによって消失する直前の外見として認識していると思われます。