クレジット
アイテム番号: SCP-3577-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3577-JPはサイト-8181の異常物品ロッカーに保管されます。実験に使用する際はセキュリティクリアランス3以上の担当職員からの許可を得てください。
説明: SCP-3577-JPは1個の白いティーカップです。底面には英語で「Customs」という文字が刻印されています。
人間(以下、対象)がSCP-3577-JPを用いて何らかの液体を飲用した場合、対象は衣服等も含めて即座に消失します。そして、消失してから不規則な時間が経過すると、対象と同居していた人物、或いは付近の治安組織の下に手紙(以下、SCP-3577-JP-A)が出現します。
SCP-3577-JP-Aの文章は既存の出版物から切り取ったと思われる文字のパッチワークによって構成されています。文章には対象を"誘拐"した旨と、対象を解放する為に必要な要求事項が記載されています。要求事項に物品の譲渡が含まれる場合、SCP-3577-JPに要求された物品を接触させることで物品が消失し、譲渡が完了します。
SCP-3577-JP-Aに記載されている要求事項を満たした場合、対象は消失した地点から再出現します。対象は消失時間に比例して疲弊した様子を見せますが、消失している間のことを記憶していません。GPSや記憶補強剤等により更なる情報を得る試みは失敗しています。(詳細は後述の実験記録を参照)
SCP-3577-JP-Aに記載されている要求事項を満たさず、対象の消失から72時間が経過した場合、SCP-3577-JPの付近に10kg相当のティーパックが出現します。ティーパックは複数の茶葉を混合させたブレンド品であり、88%は既存の種と一致する茶葉、残り12%は対象と遺伝子情報が一致する乾燥した人体によって構成されています。
実験記録: 以下はSCP-3577-JPに対して実施された実験の抜粋です。完全なリストは資料: 実験記録3577-JPを参照してください。
番号 | 対象 | SCP-3577-JP-Aの内容 | 要求事項の実行 | 備考 |
---|---|---|---|---|
0 | 鈴木 █ | 鈴木は我々が誘拐した。返してほしければ砂糖2kgをカップに注げ。 | 不実行 | 収容前のSCP-3577-JPに暴露した民間人の記録。発見時点で72時間が経過していた為、要求事項の実行は出来なかった。 |
1 | D-35771 | ██は我々が誘拐した。返してほしければ砂糖2kgをカップに注げ。 | 実行 | 管理下での初めての実験。SCP-3577-JP-Aの出現時間は記録内で最短(15秒)であり、内容も後述の実験記録と比較して非常に短い。 |
2 | D-〃 | ██氏は偉大なる紅茶連合が誘拐した。氏を返してほしければ対価として前回と同じ砂糖2kgに加え、度重なる誘拐への補填として純銀1kgを支払い給え。 | 実行 | SCP-3577-JP-Aの内容が大きく変化。 |
3 | D-〃(GPSを装備) | ██氏に取り付けられた機械を確認した。このような不躾な行為に対し遺憾の意を表明する。██氏を解放する対価として前回の要求に加え、我々に対する無礼に対する補填として更に小麦粉20kgと鶏卵10kg相当を要求する。 | 実行 | 消失時点でGPSからの信号は途絶。再出現時、GPS本体は同形状の陶磁器に置換されていた。 |
4 | D-〃(記憶補強剤を服用) | ██氏の服用している化合物は明らかに紅茶の味を損ねる物であり、茶葉に対する冒涜である。氏の解放には前回の要求事項に加え、更に新鮮な牛乳20Lを要求する。 | 実行 | 再出現したD-35771から記憶補強剤は検出されず、消失期間の記憶も残っていなかった。 |
5 | D-〃 | ██氏は誘拐時点で我々に対する侮辱的な発言を行った。その内容は書く事すら憚られるような物であり、我々に対する明確な挑発行為である。本来であればこのような行為は到底許される物ではないが、貴君らの度重なる貢献を踏まえ、前回の要求事項に更に純金2kgを加えた物を補填とすることで氏を解放する。 | 不実行 | SCP-3577-JP-Aの要求事項はD-8135771の資産価値を大幅に超えていた為、要求事項には従わず。72時間後、D-35771と遺伝子情報が一致する乾燥した人体を含むティーパックが出現。 |
6 | D-35772 | ███氏は我々が誘拐した。██氏よりも███氏の方が資産価値が高いことは明らかである為、氏の解放には砂糖4kg、鶏卵2kg、純銀1kgを要求する。 | 実行 | D-35772の人事評価はほぼ全ての観点からD-35771よりも低く、SCP-3577-JPの価値基準が疑問視されている。 |
発見経緯: SCP-3577-JPは民間人である鈴木氏の住居から回収されました。同氏は同居人が存在しなかった為、付近の警察署にSCP-3577-JPーAが出現し、潜入していたエージェントが異常性の疑いを持ちSCP-3577-JPを回収しました。関係人物にはカバーストーリー"孤独死"を適応しています。
鈴木氏はSCP-3577-JPを友人である鈴谷氏から譲り受けたことが判明しています。鈴谷氏は既に老衰によって死亡していましたが、調査の結果、石榴倶楽部との関係が疑われる記録が回収されています。鈴谷氏の周囲で発生していた行方不明事件と併せて、更なる調査が進行しています。