クレジット
タイトル: SCP-3488-JP - ハルトマン人工霊体造設肛門撮影術
著者: eringiumexe eringiumexe
作成年: 2025
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SCP-3488-JP-6(画像右下、パウチ内)。ハルトマン人工肛門造設術後の症例。ハルトマン霊体撮影機によって撮影。
アイテム番号: SCP-3488-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 確保されたSCP-3488-JP実例はクラスI以上の防霊収容庫に収容し、ハルトマン霊体撮影機を用いて監視してください。給餌は不要ですが収容庫内はSCP-3488-JPが形態を維持できるだけの霊素濃度を保ってください。
ハルトマン人工肛門造設術の手術歴があり、解放中の人工肛門を有する人物は財団によってマークされます。ただし、SCP-3488-JPの出現率の低さ、有害性の低さおよび一般社会における視認困難性から厳格な監視は不要です。関連するとみられるSCP-3488-JPが出現した場合、当該人物を保護し、推定出現時刻から数えて直近24時間の食事内容についての聞き取り調査を実施してください。
医療部門は一般社会の医療機器メーカーに介入し、霊素遮断性ポリマーを使用した人工肛門用パウチの普及率を100%に近づけるよう誘導してください。
説明: SCP-3488-JPは人工肛門開放口からごく稀に出現する、クラスD・レベルII霊的実体の総称です。SCP-3488-JPはオストメイトが発生の3〜12時間前に摂食した食物の原材料となった複数の生物の遺留子を混合した配列を有し、それに準じたキメラ的な構造形態をとります。なお、SCP-3488-JPのサイズは摂食品目のサイズと概ね同等です。
SCP-3488-JPは作用力を持たず、知性は一般的な野生動物と同等と見られています。出現したSCP-3488-JPは通常の人工肛門用パウチを透過し、浮遊霊に近い活動パターンを示しますが、霊素の不足のため通常の環境では48時間程度で希釈・消失します。また、霊素遮断性ポリマーを使用した人工肛門用パウチを使用することでSCP-3488-JPをパウチ内に留めおくことが可能です。
既知のSCP-3488-JPはほとんどがハルトマン人工肛門造設術によって造設された人工肛門から出現しています。ハルトマン人工肛門造設術は、大腸悪性腫瘍や腸管壊死などの大腸切除を要する病態に対し、切除後に残った腸管を吻合せず、肛門側断端は閉鎖、口側断端は人工肛門として体外に開放する術式です。同術式は自然肛門が温存されるため、病態が改善した後に腸管を再吻合することで自然排便の再開が見込めるメリットがあり、一般社会でも広く適応される術式です。
神学部門は同術式において、その解剖的構造(自然肛門が温存されながらそこまでの腸管が盲端となり、それより口側で人工肛門が開放されている構造)が"輪廻からの解脱"に紐付けられるとする仮説を立てていますが、サンプルの少なさから検証は進んでいません。
以下は、確認されたSCP-3488-JP実例記録の抜粋です。
サブナンバー: SCP-3488-JP-1
発見日時: 2023年6月26日
オストメイト: 62歳男性。S状結腸癌の切除に伴い人工肛門を造設。
形態: 全体の形態は家畜ウシ(Bos taurus)に類似する。角にあたる部分は芽の発達したタマネギ(Allium cepa)に置換されている。四肢はニンジン(Daucus carota subsp. sativus)に置換され、股関節および肩関節にあたる部分から上方向に茎や葉が伸びている。蹄はジャガイモ(Solanum tuberosum)に置換されており、足元からジャガイモの蔓と見られる構造が伸びている。尾はイネ(Oryza sativa)に置換される。
備考: ——最初に確認されたSCP-3488-JP事例。オストメイトの特定が遅れたため出現日時は不明、摂食品目も調査困難であった。構成要素から推測するとおそらくカレーライスだろうか。
サブナンバー: SCP-3488-JP-6
発見日時:2024年3月20日
オストメイト: 59歳女性。家族性大腸ポリポーシスのため結腸切除術を施行し人工肛門を造設。
形態: ブタ(Sus domesticus)およびニワトリ(Gallus gallus domesticus)の二つの頭部を有する。四足動物の形態だが後肢で立ち上がる行動が散見される。眼球がアンズ(Prunus armeniaca)の果実に置換されているが頭部以外の表皮は焼け爛れているように見え判別困難。遺留子の損傷が見られたが、████に関連する遺留子配列の存在が確認された。
備考: オストメイトの59歳女性は餃子、炒飯に加えて杏仁豆腐を摂食し、その直後に貰い物の███をも摂食したと報告している。また、回収された人工肛門用パウチからは微量ながら放射線が検出された。
これを受けて当該事例はSCP-104-JPの影響下にあったものと結論づけられ、付随情報は適切に秘匿された。
サブナンバー: SCP-3488-JP-9
発見日時: 2023年10月26日
オストメイト: 57歳男性。Dクラス職員。絞扼性腸閉塞のため壊死腸管の切除および人工肛門造設を行なっていた。
形態: ドクウツボ(Gymnothorax javanicus)に類似した概形を有する。鱗はダイズ(Glycine max)の葉に置換されている。
備考: 当該職員に配給された飲食物にドクウツボが含まれていないことは確認済み。当該職員は職務のためSCP-3488-JP出現の8時間前に記憶処理剤を経口内服している。このことから記憶処理剤に含まれるなんらかの成分がSCP-3488-JPの形態形成に影響を及ぼしている可能性が浮上した。
これについてサイト管理者に問い合わせたところ、記憶処理剤についての機密情報に関連するとして回答は得られなかった。また、SCP-3488-JP-9についての追加調査は機密情報の保護を目的に凍結された。加えて人工肛門を使用している人物に対する経口記憶処理剤の経口内服を禁止する決定がなされ、各支部に通達された。
サブナンバー: SCP-3488-JP-11
発見日時: 2025年9月28日
オストメイト: 36歳男性。財団エージェント。職務中の事故のため左半結腸切除を要し人工肛門を造設。
コメント: ニワトリ(Gallus gallus domesticus)に類似した形態を有する。上部鶏冠は███に、下部肉垂は██に、眼球は████にそれぞれ置換される。嘴に当たる部位からは█████および███に関連する遺留子配列が検出されているが、明瞭な組織構造を認めない。████に置換された足趾を持つため歩行は困難であり、もっぱら██に類似した翼にあたると見られる部位を用いて移動する。羽毛は██、█████、███の混在した形態を有し特有の芳香を持つ。総排泄孔からは████に類似した植物組織が漏出する。
通告: 情報開示の申請はNeed to knowの原則に則り協議されます。なお、正当な理由に基づかない申請行動が発覚した場合、厳正な評価査定の対象となることに留意してください。
備考: ——当該エージェントは摂食品目の候補としてケンタッキーフライドチキンのオリジナルチキン5ピースおよびコカコーラを報告していますね。これらに使用されたであろう複数のスパイスが反映されたんでしょうか。
SCP-3488-JP-11についての文書は、KFCコーポレーションおよびコカコーラ社との特約により、二社の主力商品である「オリジナルチキン」および「コカコーラ」のレシピを保護する目的で編集されています。この措置はSCP-3488-JPおよびその他のオブジェクトの異常性と直接の関係があるものではありません。
参照:SCP-104-JP