SCP-3076
評価: +5

クレジット

ソース: SCP-3076
メタタイトル: 貪欲
著者: Bentu Bentu
作成年: 2017

評価: +5

アイテム番号: SCP-3076

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3076はサイト-104の専用の鳥小屋に収容されます。SCP-3076には1日に2回の給餌が行われ、毎月新しい形態の簡単な娯楽が与えられます。SCP-3076との視覚的な接触は最小限に制限されるべきです。実験を除き、あらゆる職員は収容室への進入を許可されません。感染拡大の可能性を防止するため、被験者は独房あるいは収容室に拘束される必要があります。SCP-3076-Aの第3段階にある被験者の終了と、全ての関連する物品の破壊が推奨されています。SCP-3076とコンピュータシステムとの接触は固く禁止されています。

説明: SCP-3076はアルビノのアメリカカササギ(Pica hudsonia)です。異常に高い知能を持っており、ほとんどの口頭でのコミュニケーションを理解することはできませんが、書き言葉への理解を示しています。SCP-3076は10歳の人間程度の知能を持っていると推定されています。SCP-3076は病気や無知を装うといった欺瞞的な行動が可能であり、極めて長期的な記憶を保持します。適切な世話が行われない限り、SCP-3076はこれらの能力を収容から逃れるための試みに用いる可能性があります。

SCP-3076を直接視認すると、全ての知的存在分析システムはある種の芸術的表現を作り出したいという衝動を感じます。これはSCP-3076の認識感染(SCP-3076-A)の第1段階です。ある形式や表現手段に以前からの傾向を持つ人は、これらの傾向をより強く追求しなければならないと感じます。以前からの芸術表現の経験がない人は、追求する芸術形式をランダムに選択しているように見受けられます。正確な数値は被験者によって異なるものの、SCP-3076は合計数時間の視認の後にのみこの効果を発揮できます。特に被験者が盲目である場合、他の感覚手段を通じてこの効果を感染させることも可能ですが、感染に要する時間は遥かに長くなります。SCP-3076と被験者の接触が終了されれば、この段階での感染は可逆的であることに留意してください。

現在まで、自分の作品に満足感を示した被験者はおらず、改善を試みて作品の製作を続けます。約2週間後、SCP-3076-Aは第2段階に入ります。このとき、昏睡状態の誘発を除いたいかなる行動も感染の進行を逆転させることはできません。向上した決意と集中を考慮すると、感染のこの段階にある被験者は、通常の速度で技量が上達します。時間が経過するにつれて、被験者は芸術の追求にますます多くの時間を割くようになります。影響を受けたほとんどの人間は自身の芸術形式を追求するために基本的欲求を放棄するため、外部からの介入がない場合、被験者の約80%は喉の乾きや飢餓により死亡します。

最初の曝露から約13ヶ月後、SCP-3076-Aは第3段階に入ります。被験者はほとんどの場合認識災害を伴う素材を用いた異常な作品を作り始めます。SCP-3076-Aがこれらの作品を通じて拡散する能力があるかどうかは確認されていません。

補遺 3076-1: 回収

SCP-3076はインシデント3066-5の後、ノースカロライナ州リンビル渓谷の森林で発見されました。当初はインシデント3066-5後の復興作業の一環として財団工作員によって回収され、回収に関わった多くの職員が職務を怠り始めた後にオブジェクトの異常な特性が発見されました。その異常特性の確認の後、SCP-3076は収容とさらなる研究のためにサイト-104に移されました。

補遺3076-2: サンプル実験記録

以下は、特筆すべき発見を強調するためのSCP-3076の実験の不完全な記録です。

実験番号: 5
被験者: D-461923(注:収監前、D-461923は壁画アーティストだった)
説明: D-461923は収容室から連れ出される前に、SCP-3076の面前で丸2日間過ごさせられた。連れ出される前から、D-461923は繰り返し画材を要求し、壁を塗装するための顔料として収容室の内部の葉を使用し始めた。特筆すべきことに、SCP-3076は何度かD-461923の作業を補助しようと試みた。
連れ出された後、被験者は生存状態を確保するために点滴による水分補給と経静脈栄養を提供され、その後要求していた画材を与えられた。管理者の勧告に反し、D-461923はサイト-104の施設の壁面での作業を許可され、敷地内の利用可能な面の74%をさまざまな題材の壁画で覆った。
最初の曝露から103日後、D-461923は主要な研究施設の外壁の一面を覆う、認識災害を伴う作品を作り出した。D-461923自身はその影響を受けなかったが、作品の視認は急激な記憶喪失と認知症のような症状を引き起こした。被験者は即座に終了され、全ての汚染された壁の表面は破壊された。
本事案は研究スタッフの重大な判断ミスによるものであり、非常に大きな損害を被りました。然るべき者には然るべく責任を取っていただきます。–サイト管理者███████

実験番号: 7
被験者: 異常性を持たないアフリカゾウ(Loxodonta africana)
説明: 被験者は収容室から連れ出される前に、SCP-3076の面前で丸2日間過ごさせられた。連れ出されてから23時間後、被験者は興奮し始め、囲いの周りを歩き回り、その後飲み水を用いて地面に一見ランダムな飛沫の模様を作り出した。被験者は簡単な画材を与えられ、その使い方を独学で学び始めた。
最初の曝露から40日後、被験者は一貫して認識可能な象の肖像を作成しており、積極的に食物を求めることをやめた。改良された経静脈栄養システムが提供され、実験が続行された。57日後、被験者は周囲の状況を写実的に表現する能力を獲得した。
最初の曝露から120日後、実験監督者は被験者が絵を描く過程を観察する際に異常な頭痛と鼻血を報告した。被験者は認識災害への予防的な措置として終了され、全ての蓄積された作品は焼却処分された。

実験番号: 10
被験者: SCP-3076
説明: SCP-3076は壁一面に広がる鏡が設置された収容室に置かれた。7日間が経過した。SCP-3076は自身の反射にいくらか好奇心を持った以外に、特に行動に変化は示さなかった。SCP-3076は6日後に落ち着きを無くし病気を装ったため、実験は予定外に終了された。

実験番号: 13
被験者: 財団の標準的なデスクトップコンピューター。
説明: 被験者はSCP-3076と同じ部屋に置かれ、専用の電源が供給され、財団のイントラネットから切断された。カメラと自己進化型交響曲生成ソフトウェアが導入された。ソフトウェアは可能な限り高速に新しい曲を生成するように作成され、生成された楽曲のクオリティを判断するために実験監督からの直接の入力を使用する。
5日後、被験者はRAMを使い果たし、ソフトウェアはクラッシュした。必要な変更が行われ、実験は続行された。最初の曝露から23日後、被験者は2つの同じ構成の曲の変奏曲を作り始めた。プログラムが素材の選択肢を使い果たしたと考えられ、新しいサウンド要素のフラッシュドライブが提供され、ハードウェアのさらなる改善も行われた。改良が行われたにも関わらず、被験者のパフォーマンスは引き続き低下した。
最初の曝露から24日後、サイト-104のコンピューターシステムにおいて未知のウイルスが発見された。財団職員が脅威を排除しようと試みている間、サイトのすべてのスピーカーが認識災害を伴う音の発生に使用されていた。同時に、悪意のあるプログラムが施設内の通信を乗っ取り、自身を全ての財団のサイトに対して送信し始めた。音による、現場の職員に対する広範囲の被害が続いたが、壊滅的な被害を防ぐためサイト-104は隔離され、やがて電力が遮断された。復元中に、SCP-3076が被験者に対して物理的な改ざんを何度も試みていたことが判明した。SCP-3076は隔離中にデバイスを財団のイントラネットに接続しようとしたが、失敗したのだと考えられる。
"我々はこの鳥の知能について、もう少し実験を行うべきかもしれません。当分はコンピューターに触れさせないほうが賢明でしょう。AIの反乱はごめんですからね。–サイト管理者 ████"

Footnotes
. SCP-3025 がSCP-3076に由来するかもしれないという仮説が立てられているものの、2つのオブジェクト間の遺伝物質の比較は、生物学的劣化とSCP-3025のサンプル数が限られていることから決定的ではないと示されています。
ページリビジョン: 3, 最終更新: 31 Jan 2024 01:04
特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。
ページを編集するにはこのボタンをクリックしてください。
セクションごとの編集を切り替えるにはこのボタンをクリックしてください(ページにセクションが設定されている必要があります)。有効になった場合はセクションに"編集"ボタンが設置されます。
ページのソース全体を編集せずに、コンテンツを追加します。
このページが過去にどのように変化したかを調べることができます。
このページについて話をしたいときは、これを使うのが一番簡単な方法です。
このページに添付されたファイルの閲覧や管理を行うことができます。
サイトの管理についての便利なツール。
このページの名前(それに伴いURLやページのカテゴリも)を変更します。
編集せずにこのページのソースコードを閲覧します。
親ページを設定/閲覧できます(パンくずリストの作成やサイトの構造化に用いられます)
管理者にページの違反を通知する。
何か思い通りにいかないことがありますか? 何ができるか調べましょう。
Wikidot.comのシステム概要とヘルプセクションです。
Wikidot 利用規約 ― 何ができるか、何をすべきでないか etc.
Wikidot.com プライバシーポリシー

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /