SCP-3050-JP
評価: +74

クレジット

タイトル: SCP-3050-JP - 惡神、天津甕星。其ノ結末。
著者: ©︎Mistertako Mistertako
作成年: 2023

評価: +74
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この情報へのアクセスは制限されています

警告: 以下の情報へのアクセスは日本支部理事会、O5評議会、神域部門のメンバーに限定されています。許可なく閲覧した人物は終了を含む懲戒の対象となり、専属機動部隊によって即座に鎮圧・拘束されます。

あなたが適切なクリアランスパスを所持している場合、それらを提示することで情報へのアクセスが可能です。入力が確認されなかった場合、不正なアクセス試行と見做される危険性がある点に留意してください。

追記: 現在、教導プロトコル "お遍路" が実行中です。参加者は一時的に神域部門のメンバーとして扱われ、同等のクリアランスパスが与えられている点に留意してください。これに伴って本報告書にはプロトコル参加者へ向けた脚注・メッセージが挿入されている場合があります。


職員コード
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パスワード
f941198454d74c8daab0dc11264ff84e_1760396534

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    おはようございます。よく眠れましたか?

    あなたに部屋を割り当てて十日ほどになりますが、きっとまだ慣れていないことでしょう。今後のこともありますし、この報告書を読んだら残りの時間は余暇としてゆっくり過ごしてもらって構いません。

    さて、本報告書の読了と神域部門への参加意思の確認をもって、"お遍路" を介した研修は終了となります。「ゆっくり」と言った直後にこう言うのも難ですが、もうひと息ですので頑張ってくださいね!

    この報告書を読んでもらう目的は、我々が管理する異常存在の実例を確認してもらうためと、これまでに学んだ内容が理解できているか確認するためです。ですが、我々が担当する分野は財団内においても専門用語が多いことで知られていますから、この短い期間ですべてを覚えつつ十全に読み解くのは難しいはずです。用語を解説する脚注を用意したので、確認しながら読むと良いでしょう。

    それと、今回は報告書の末尾にもうひとつメッセージを用意しています。そちらにも必ず目を通してくださいね。

アイテム番号: SCP-3050-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3050-JPが保有する神域外延部から1kmの範囲は、カバーストーリー「私有地」を流布した上で民間人の立ち入りを禁じ、静的神域監視プロトコルに準じた監視体制を敷きます。神域内には3台の監視カメラが設置され、SCP-3050-JPの行動を監視しています。教導プロトコル "お遍路" の実行に伴い、特別収容プロトコルの改定が検討中です。

説明: SCP-3050-JPは日本書紀にける天津甕星と同一または深く関連すると考えられているクラスVIIIのB型ピスティファージ性現実改変存在です。多様な動植物の素材で構成された原始的な衣服を着用している壮年の日本人男性として観測でき、衣類の他に花崗岩の塊を2個所持しています。

岩塊のひとつは全長20cm前後で釘状のもの、もう一方は直径10cm前後で団子状のもので、SCP-3050-JPはこれを改変原器として使用します。着用している衣類と改変原器は存在的剛体性を獲得していないこと、釘状の改変原器が神域近郊で出土した打製石器に類似した特徴を持っていることなどから、これらの物品は過去に存在した信徒やSCP-3050-JP自身によって後天的に奉納または獲得されたものだと考えられています。

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███遺跡で出土した非異常の打製石器。
SCP-3050-JPの改変原器(釘状)と似た特徴を持つ。

直接の信徒を持たないピスティファージ性現実改変存在であるにもかかわらず、SCP-3050-JPの内部現実性は霧散しません。これはSCP-3050-JPが神代期に発生したことで獲得した存在的剛体性に起因するものと推測されており、同様の特性を持つ存在が極少数に限られることから研究員の間で注目を集めています。

SCP-3050-JPは「星」を権能として現実改変を行います。主に確認されている改変行為は下記の手順を通した天体の疑似生成です。

  1. 釘状の改変原器を逆手持ちにし、空へ掲げて視界の中心に先端を配置する。
  2. 持ち手側を団子状の改変原器で叩く。
  3. SCP-3050-JPの視線上の宇宙空間に天体が出現する。

生成される天体はいずれも地表から肉眼で観測できる等級のものです。また、親指を掲げて視線上の空間を擦る動作を行うことで、同様の過去改変を介して天体を抹消することも可能です。

██県██村の山間部には双方向性ポータルが存在し、このポータルからSCP-3050-JPの神域へ侵入することができます。ポータルは最大高さ1.5m程度のおおむね長円形をしており、一般的な双方向性ポータルと同様に基底現実側から神域の内部を観測することも可能です。

神域内部は基底現実と同様の地形をとっています。特徴としては、生物や文明の痕跡が存在しないことや天候が快晴から変化しないこと、地球全体で夜を維持しながら気温が17°C前後から変化しないことなどが挙げられます。また神域外部と比較しておよそ3倍多く星を観測することができ、これらの星の多くは実際に存在するものではなくSCP-3050-JPが精製したものであると考えられています。

SCP-3050-JPは基本的に神域内のポータルから2mほど離れた位置で直立したまま移動せず、不定期に惑星の精製と抹消を繰り返しています。

補遺3050-JP-1: 発見記録

SCP-3050-JPは、██県██村において発生した大規模な環境現実性の揺動を観測サイト-81██が感知したことで発見されました。これはSCP-3050-JPが出現し神域を生成した際のものであることが確認されています。周辺地域には緊急封鎖措置が適用され、変動の規模から神格の介在が懸念されたため神域部門所属の収容チームが急派されました。

補遺3050-JP-2: インタビュー記録

以下のインタビューは、収容に際してSCP-3050-JPに対して行われたインタビュー記録の書き起こしです。SCP-3050-JPの発言は現代日本語に翻訳して記載しています。

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    インタビュー記録3050-JP-1
    日付: 20██/██/██
    インタビュアー: エージェント・██


    <記録開始>

    エージェント・██: こんばんは。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 人間か。[沈黙] 何をしに来た。

    エージェント・██: (上代日本語で)初めまして。すこしお聞きしたいことがあって伺ったのですが、ご協力いただけますでしょうか?

    SCP-3050-JP: 私を消しに来たわけではないのか。

    エージェント・██: はい。なにかお気に障りましたか? 教えていただければ改めますので、できればお聞かせください。

    SCP-3050-JP: [沈黙] いいや。問題ない。話を聞きに来たと言ったか。

    エージェント・██: そうです。お願いできますか?

    SCP-3050-JP: [沈黙] お前たちに逆らっても無駄だろうな。何でも話す。その代わり、ひとつ頼みごとがある。

    エージェント・██: 何でしょうか?

    SCP-3050-JP: [沈黙] ここから川下へ向かい、谷を抜けたところから太陽が昇る方向へ3日進むと人間の集落があったはずだ。[沈黙] そこが今どうなっているか知りたい。

    エージェント・██: 少々お待ちください。

    [エージェント・██が携帯端末で資料を確認する。この間SCP-3050-JPは携帯端末を観察している]

    エージェント・██: 我々もその集落については把握しています。 あなたの様子を見て必要かと思い、周辺地域の資料を集めていましたので。[黙考] 確認になりますが、その集落が存在したのは今から████年ほど前です。間違いありませんか?

    SCP-3050-JP: [長い沈黙] そうだ。間違いないだろう。

    エージェント・██: 承知しました。今からお話ししてもよろしいですか?

    SCP-3050-JP: ああ。

    エージェント・██: 承りました。[黙考] まず、先ほどの集落は地下深くに埋まった状態で発見されています。土砂災害や火山活動等の影響で地下深くに埋没したと考えられており、おおやけには発見されていません。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: その集落をこえて更に離れた土地には、関連するとみられる集落の史跡があります。こちらは現代において広く知られているもので、のちに大和朝廷と呼ばれる集団で中心的な役割を果たす大規模集落です。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: この小さな方の集落に暮らしていたのは、貴方の信徒ではないかと我々は考えています。

    SCP-3050-JP: [沈黙] なぜそう思う。

    エージェント・██: 貴方が持っている石器と似たものが発見されたのが最大の理由です。地理的に近いことや、貴方の服装から考えられる時代背景が一致することも根拠になります。

    SCP-3050-JP: 他には何か見つかっているのか。

    エージェント・██: あまり多くはありませんが、住居の跡や生活痕以外に略奪品らしき別の集落圏の物品がいくつか発見されています。

    SCP-3050-JP: [沈黙] そうか。

    エージェント・██: [沈黙] もうひとつ、大規模な方の集落ではこの小さな集落を指していると思しき記録が見つかりました。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: 続けてもよろしいでしょうか?

    SCP-3050-JP: [沈黙] 構わない。

    エージェント・██: わかりました。別の集落の長が遺した敵対部族征伐の記録に、この小規模集落を指すと思われる記述があります。当時の星の運行と地理的な表現から考えて、ほぼ確実なものです。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: 曰く「夜の暗闇に乗じて略奪を行う部族であり、夜でも火を焚かず月や星の明かりで暮らす。勾玉など宝飾品の類を好んで奪い、征伐の折には床にそれらを散りばめ屋根に穴を開けた不思議な小屋を見つけた」とあります。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: おそらく宝飾品はほとんど奪還され屋根材は劣化して遺っていないため、記述にある小屋の様子はわかりません。しかし、我々の見立てではこれは太陽光を利用して星を象るものだったのではないかと考えています。

    SCP-3050-JP: [沈黙] そうだな。私は見ていないが、そうかもしれない。

    エージェント・██: 彼らが貴方の信徒で間違いないと思いますか?

    [沈黙]

    SCP-3050-JP: 人間。

    エージェント・██: はい。

    SCP-3050-JP: 私にもわかる。私はお前たちに敵わない。戦うつもりも逃げるつもりも無い。

    エージェント・██: [沈黙]

    SCP-3050-JP: お前たちが何をしに来たのかは知らないが、私を消しに来たのではないと言ったな。聞きたいことがあるのなら全て話す。だから [沈黙] 少し放っておいてくれないか。

    エージェント・██: 私たちは

    SCP-3050-JP: [遮って] 今、話す。私が知っている限りのことを話す。だが、あまり深く思い出したいことではないのだ。それで [沈黙] それで、少しで良い。落ち着く時間をくれないか。頼む。

    エージェント・██: [沈黙] 承りました。お約束します。なるべくゆっくりで大丈夫ですので、お聞かせください。

    [長い沈黙。SCP-3050-JPは深く深呼吸する]

    SCP-3050-JP: はじめは、お前たちが見つけたという小さな集落を見ていた。土を掘って、枝を組んだだけの住処に身を寄せ合って暮らす者たちだ。魚や木の実を生のまま食らい、草木の覆いで身体を温める、火を使うことも無い暮らしだ。獣とさして変わらない。

    SCP-3050-JP: 彼らは夜になると、よく星を見上げていた。木に登って、山の岩肌に立って、夕暮れから朝方までに暇をみつけては星を眺めていた。私はただそれを見ていたが [沈黙] 今にして思えば、彼らが星を見上げたから私も彼らを見たのか、私が彼らを見ていたから彼らも星を見上げたのか、どちらが先かは分からない。

    エージェント・██: 気が付いた時には、もう神として存在していたということですか?

    SCP-3050-JP: [沈黙] わからない。だが、私は彼らに賓客として迎えられた。いつの日か住処のうちの1つは私のための場所になった。私が何かをしたわけではない。それどころか、私はまだ自分の身体を知らなかった。まだ無かったか、不確かなものだったのだと思う。なぜ彼らがそれでも良しとしたのかはわからない。

    SCP-3050-JP: 私はそのまま住処の中に居続けた。私は立っていたのか座っていたのかもわからないが、彼らは毎日訪ねてきた。毎日違う者が一日に何人も来ていた。私が応えることもないのに毎日何事か話し、私は食べないのに上等な食べ物を毎日備え、私が喜ぶわけもないのに小屋を飾り付けていった。

    SCP-3050-JP: そうしていたある夜、この身体を得て、自分が立っていることに気付いた。私はその時初めて神になったのだと思う。住処から出て夜空を見上げた時、彼らもまた集まって来た様子だった。戸惑いと喜びが混ざったざわめきと、彼らが星を見上げて口々に上げた歓声を、今も覚えている。

    SCP-3050-JP: 私はその時何もしていないはずだった。だが何かがあったのかもしれない。私がいることで星が一層輝いて見えたのか、瞬いてでも見えたのか。私には何も見えなかったが、夜空に満ちる星と彼らの楽し気な歓声を聞いていると、彼らが星々へ向けた畏れと敬いがここで神として私を成したのだと強く感じたものだった。

    エージェント・██: [沈黙]

    SCP-3050-JP: [沈黙] それから私は少しの間、あの集落で暮らした。私は神であるとして敬いの対象ではあったが、特別強い力を持っていたわけではなかった。だから彼らと共に魚を追い、住処を建て、時に山をいくつか越えて別の集落へ盗みに入ることもあった。

    SCP-3050-JP: 朝日で空が明るくなる前、見張りの隙を狙って忍び込み、いろいろな物を奪った。どれも彼らの集落では足りないものばかりで、彼らの頭や手先では作れないものばかりだった。時に雨に乗じて [沈黙] 時に起き出した者を殴りつけて奪った。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 様子を見るに、きっと私が見ていないところでは殺したこともあっただろうな。 [沈黙] それまでと変わらない略奪だっただろうに、私がいたことで何か罰が下るとでも思ったのだろうな。そんな考えは無かったが、そう思わせたことを [沈黙] 悔しく感じた。

    SCP-3050-JP: 私は彼らに崇められながらその実なにもせず、畏れさせることしかできないことに気付いて恥ずかしくなった。だから何か、彼らの役に立つものを作ろうと考えた。考えて、しかし結局、奪ったものを真似ることで初めて完成したのがこれだった。

    [SCP-3050-JPは改変原器を持ち上げ、軽く叩いて音を鳴らす]

    SCP-3050-JP: 奪った道具をよく見て、石を選んで探し、割って削る術を考え出して伝えた。それまでは肉や魚も尖った小石や歯で捌いていたが、ずいぶん楽になった。武器として使おうと考える者や、身体に浅く傷をつけて模様を彫り込もうとする者もいた。

    SCP-3050-JP: 新たな道具、新たな知恵の発展に湧く彼らを見て、胸が満たされるような思いがした。日に日に彼らが私に向ける思い、信奉が強まっていくのも感じた。 [沈黙] 今にして思えば、それが良くなかったのかもしれない。

    [沈黙]

    エージェント・██: 何かあったのですか?

    SCP-3050-JP: その日、[沈黙] 私は、私の力が溢れ出したような気がした。私が知らなかった何かの限界を超えたことを漠然と感じた。私の神としての力が漏れていくような感覚と、周囲が私の支配下になっていくような感覚があった。[沈黙] 私は彼らの心に支えられて生まれた神だ。彼らの信心が強まったことで、私が神として前進したということなのだと思う。

    SCP-3050-JP: まず気づいたのは、目で見る以上に周囲のことが理解できるようになったこと。人の数、環境、彼らの振る舞い、彼らから流れ込んでくる信仰の流れ。そして、私自身が頑強になっているということ。私や彼らが持つ石の刃などでは傷ひとつ付けられない事をなにとなく理解した。これならもっと彼らの役に立ち、恩恵を与えることができると [沈黙] その時は気が昂ったものだ。

    SCP-3050-JP: [沈黙] ゆっくりと力が広がるにつれ、その仔細はぼやけていった。離れた場所のものも詳しく知ることはできる。今でも。だが、私は無意識に知覚を絞ったのだと思う。地形や生き物など、目立つものに気が向くようになった。[沈黙] そうして、力の端が遠く別の集落まで届いたとき [沈黙] それを知った。

    エージェント・██: [沈黙]

    SCP-3050-JP: そこには別の神がいたのだ。私などよりも強く、大きな力がそこにあった。あの時の驚愕を思い起こすだけで今も身体が震える。[沈黙] 冷や汗をかき、声をかけてきた信者の声が自分の心臓の音のせいで耳に入らないほどだった。

    SCP-3050-JP: それだけではなかった。反対方向にも一柱、その向こうにも、我々が踏み入ったことのない地にも、更に、更に多くの神がそこら中にいることを知った。そのどれもが信じられないほどの力を持っていた。私など一瞥で無に帰すほどの何かで溢れ返っていた。そんな彼らが、私を知らないはずがない。私に見えているということは、彼らにも私を知られている。いや、神がいる集落に盗みに入ったこともあるのだ。絶対に知っている。その瞬間にもその目で睨まれているかもしれないと思うと気が狂いそうだった。

    SCP-3050-JP: 私は、[沈黙] 私は逃げた。私を取り囲んで声をかけていた彼らを突き飛ばし、彼らの声を振り切って集落を逃げ出した。私の知覚が広がるにつれて、神々の壁が私に迫っているような気がして、どうしようもない恐怖から逃げたのだ。

    SCP-3050-JP: 三日か四日か、神の気配を避けて走りつづけて。もうどこにも逃げ場など無く、地の果てに雲の上、海の向こうや宙の彼方にまで神がひしめいていることを理解してしまった私は [沈黙] 地下に潜った。地の底に神はいなかったからだ。[沈黙] 理屈は分からないが、念じるだけで私は土をすり抜けて落ちていった。

    [長い沈黙]

    SCP-3050-JP: そのあとは [沈黙] お前たちも知る通りだ。私は無様に逃げ出し、地の底に隠れて出てこなかった。

    エージェント・██: [沈黙] ありがとうございます。貴重なお話でした。

    [長い沈黙]

    SCP-3050-JP: 彼らの集落は滅ぼされたのだろう。それは [沈黙] 理解していた。私と彼らは信仰で繋がっていたからな。時間も経っている。それでも何か [沈黙] 他に何か遺されてはいなのか。彼らについて。

    エージェント・██: [沈黙] お力になれず申し訳ありませんが、我々が確認できた彼らの資料は先ほどお伝えしたものだけです。非情に古い時代の情報ですので、劣化してしまったものが多いので。

    SCP-3050-JP: [沈黙] そうか。

    エージェント・██: ですが [黙考] おそらく、貴方自身については僅かながら神話に遺されています。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 神話だと。

    エージェント・██: はい。神話というのは、後の世に遺された神々の逸話とされる言い伝えです。曰く、ある時二柱の神々が彼らに従わない神や悪鬼を平定するためにこの地を訪れたのだそうです。神々はほぼ全ての敵を打ち倒したものの、ある一柱の神のみが最後まで抵抗し、二柱の神だけでは倒すことができず、さらに二柱の神を擁して平定に成功したという記述があります。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: この最後の神は天津甕星と呼ばれています。天香香背男とも言い、神話の中で唯一星を司る神として

    SCP-3050-JP: [遮って] それが私だとでも言うのか。

    エージェント・██: [沈黙] はい。貴方は星々の神ですから。

    SCP-3050-JP: [冷笑] 誰より先に逃げ出した私がか。神々と戦ったと。それも平定に抗った神か。生き汚い悪神と伝えられているのだな。[沈黙] 逞しく語られたものだ。本当は冷酷で非情な神だというのに。

    エージェント・██: 確かに神話の一部が創作である可能性は否定できません。実際に神話と違う道筋をたどった神格も多く確認されていますから。

    SCP-3050-JP: そうだろうよ。最後まで抵抗だと。私は何もせず逃げ出したどころか、彼らを顧みることすら無かったというのに。彼らも落胆したことだろうよ。[沈黙] 自らが信じた神が目に見えない何かに怯えて突然逃げ出し、その末に滅ぼされたのだからな。見捨てられたのだと嘆き恨んだことだろう。

    [沈黙]

    エージェント・██: [黙考] しかし多くの場合、神話や伝説には何らかの原典となる出来事があります。天津甕星とされる神が最後まで抗ったという記述にも、何か題材になった出来事があったのではないでしょうか。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 何が言いたい。

    エージェント・██: 貴方は確かに神々を恐れて逃げ出したのかもしれません。我々が確認した類例を見ても、逃走や暴走を選ぶ神が多くいます。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: 抵抗したのは、貴方の信徒たちだったのではないでしょうか。平定にやってきた神々にではなく、征伐にやってきた人間たちにです。彼らの抗戦が形を変え、星の神の戦いとして語り継がれた可能性はあると考えられませんか?

    エージェント・██: 遺跡には何も遺されていませんでしたが、征伐者たちの記述には彼らから貴方への信仰の形跡が遺されています。貴方を失った後にも、彼らは貴方を信じ続けていたのではないでしょうか。あなたを恨んだのではなく。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 妄言だ。

    エージェント・██: はい。仮説のひとつにすぎません。

    SCP-3050-JP: [長い沈黙]

    エージェント・██: [沈黙] 申し訳ありません、出過ぎた真似をしました。我々からお伝えできることと、お聞きしたいことは以上となります。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: 今日はこれでおいとまさせていただきますが [沈黙] 最後に伝えておきたいことなどはありますか?

    SCP-3050-JP: [沈黙] 無い。

    エージェント・██: [沈黙] お約束通り、今後しばらくの間は接触を控えさせていただきます。本当にご協力ありがとうございました。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    <記録終了>

    付記: 今後は経過観察期間となります。その間にSCP-3050-JPが証言していた集落と関連事項を追加調査・精査し、次回のインタビューでSCP-3050-JPに共有できる情報を選別する予定です。

    財団神域部門 聴取管理責任者・現地監督担当者
    エージェント・██

    • _

    インタビュー記録3050-JP-2
    日付: 20██/██/██
    インタビュアー: エージェント・██ ・ エージェント・八上


    <記録開始>

    エージェント・██: お久しぶりです。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: 落ち着かれましたか?

    SCP-3050-JP: [沈黙] あの時よりはな。

    エージェント・██: それは良かった。先日は踏み込みすぎてしまい、本当に申し訳ありませんでした。過度な詮索は今後控える方針としますので、よろしければご容赦ください。

    SCP-3050-JP: [沈黙] その男は誰だ。

    [SCP-3050-JPの視線はエージェント・八上が佩いている太刀に向けられている]

    エージェント・██: 彼は我々と同じ組織に属している方で、八上さんといいます。今日は貴方にお話ししたいことがあって伺ったのですが、彼に詳細な説明をお願いしたいと思いお連れしました。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 前回、お前は私を消すつもりは無いと言ったな。だが、私の話を聞くだけ聞いた上でその男を連れて戻ってきた今、先の言葉を信じることはできない。[沈黙] とはいえ、私に抵抗できる力があるわけではないのだがな。

    エージェント・██: いいえ。誤解です。繰り返しになりますが、我々に攻撃の意思はありません。

    エージェント・八上: ██、私が話した方が早いんじゃないかな。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・██: [黙考] そうですね。よろしくお願いします。

    エージェント・八上: オーケー、任された。

    [エージェント・八上が一歩前に踏み出す]

    エージェント・八上: はじめまして、星の神よ。私は八上と言う。この太刀が気になるようだけど、気にしないでほしい。誓って、君を傷つけるために使うものではない。妻たちがどうしても持ち歩けと言うのでね、こうして神に逢う時は佩いて歩くことになっているのさ。気休めにしかならないと思うんだけどね。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 貴方は神だろう。人間に頼まれて私を消しに来たのではないのか。それか、貴方ほどの神が人間に隷属を強いられているのか。

    エージェント・八上: そうとも。あ、いや、今のは「神だろう」という見方に対してだ。彼らに君の消滅を乞われたわけでも、当然人に使役されているわけでもない。

    SCP-3050-JP: [沈黙] では何をしに来た。

    エージェント・八上: それだ。それを話したくてね。順を追って話をさせてほしい。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: ありがとう。少し付き合ってくれ。君が言ったように、私は神だ。今は彼らと同じ「財団」という組織に属している。組織というのは [沈黙] そうだな、我々が過ごした時代の人間は狩りや子守を数人で分担していただろう。今の人間はより大きな問題をより多くの人手で解消しようとするんだ。そのための人間の集まりだと思ってほしい。

    エージェント・八上: 財団の目的は人間を護ること。詳しく言うなら人間の社会を維持すること。人の心に巣食う獣はらわたを毟り取る鉄の塔身体の内に海を宿す人間のような不思議で危険な物事を他の人間から遠ざけ、人が人に扱えない力に翻弄されないように護るのが彼らの目的なのさ。もちろん、「人に扱えない力」には我々神も含まれる。

    SCP-3050-JP: [沈黙] つまり、貴方は危険なものとして人間に囚われているというのか。

    エージェント・八上: [笑う] まさか。見ての通り、彼らにそんな力は無いよ。でも、彼らは我々神がどのようにして世界を創り変えるのかを知っている。私は知らなかったけどね。だけど、彼らが持つその知恵も、我々にはどう対処しても敵わないと深く理解させるだけだったのさ。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: 怪訝そうな顔だね。でももう少し聞いてくれ。人間はその知恵と数で多くのものを生み出してきたらしい。それらを十全に使いこなせば、ちょっとした神々なら平定できるだろう。でも我々のように少し育った神や、生まれもって超越的な神にはまったく太刀打ちできない。そこで登場するのが、彼のような「神域部門」の職員というわけだ。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: 彼らはね、我々と交渉するのさ。「手助けをしてほしい。そのかわり、神が持っていないものを提供しよう」とね。神の中でも、彼らから見れば全能と言っていい我々にだ。彼らが我々に何をしてくれるのか、わかるかい?

    SCP-3050-JP: [沈黙] いいや。

    エージェント・八上: 彼らは我々神に、快適な暮らしを提供してくれるんだ。細かく言えば色々とあるけど、平たく言えばね。

    エージェント・八上: 繰り返しになるけど、我々は本質的に全能だ。君は星を軸に世界を捻じ曲げるけど、星に関わるものだけじゃなく星に関わらせたものにも干渉できるし、こだわりを捨てればもっと自由に何でもできるはずだ。快適に暮らすために必要なものだって、いくらでも創り出せる。

    SCP-3050-JP: [沈黙] ならば必要無いのではないのか。

    エージェント・八上: もちろん。でもね、[沈黙] いや、きっと君は知っているはずだよ。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: 創り出したものは、あくまで創り出したものだ。必要なものはなんでも生み出せる。人間を操るのも思うがままだ。[沈黙] 私は報告書を読んだ。気に障ったらすまないが、君が欲するなら、君の信徒を目の前に蘇らせることさえ容易いはずだよ。今も、君の手でね。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: でもね、わかるだろう。それは君の記憶を頼りに生み出した被造物だ。いや、遠回りだけど、時間に干渉する事物を生み出せば直接過去の信徒を呼び戻すことだってできる。でもそれは君の手で生み出した第2の信徒で、君が知る彼らじゃない。[沈黙] そうだろう?

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: [両手を振るジェスチャー] すまない。これが最もわかりやすい例えだし、きっと君もそれを考えたことがあると思ったんだ。きっと私でもそうすると。安易だったかもしれない。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 構わない。地下でそう考えたことがあったのは事実だ。

    エージェント・八上: [沈黙] ありがとう。すまないね、話を逸らした。神である我々には何でもできるが、何でもできるがゆえに、自分の行いがもつ意味を問うことになってしまう。それを創り出す意味、それを変容させる意味なんかがね、気になるんだ。ものを生み出せて当然、意思を操れて当然だとね。だんだん退屈にもなる。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: 彼らが用意してくれるものというのは、つまりこれなのさ。必要なものを彼らが用意してくれた時、それは本当に我々が必要とするものかわからない。我々が干渉しなければ、彼らが何を思っているか我々にはわからない。すべてを既知に変える我々には、あえて手を加えないとした彼らが良い刺激になるんだ。

    SCP-3050-JP: [沈黙] それだけか。

    エージェント・八上: そう、それだけ。でもね、彼らが持つ独創性、社会性、感性、個性、協調性、そして何より私たちとは違う自我を持つということから来る発想は、我々の力では生み出せないものさ。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 発想だと。

    エージェント・八上: そう。我々が彼らの心に触れたなら、彼らの心は我々が思う通りになる。でも、何もしなければ我々と同じように独立した自我を維持する。その自我がそれぞれに固有の視野を生み、それが我々に無い発想に繋がるのさ。

    SCP-3050-JP: 意味が分からない。

    エージェント・八上: そうだなあ。[沈黙] 例えば彼らは、そして彼らの話を聞いた私は、君を「民のために立ち上がることができる義理堅い神」ではないかと思っている。どう思う?

    [長い沈黙]

    SCP-3050-JP: 私の話を聞いていなかったのか。私は彼らに神と祀り上げられながら、他の神々に怯えて逃げ出した臆病者だぞ。

    エージェント・八上: そうかい。じゃあ、何故今ここに来たんだい?

    SCP-3050-JP: [沈黙] なんだと。

    エージェント・八上: こういうことさ。君には目的があった。だから行動して今に至る。彼らには我々と同じように自我があるから、君がした行動から目的を推測する力がある。その推測は時に君の目的を言い当て、時に外す。それがどちらの結果を辿っても、君に新たな物の見方や気付きを

    SCP-3050-JP: [遮って] そういうことではない。私がここに戻ってきたことが何だと言うのだ。

    エージェント・八上: [沈黙] 君は神が怖いと言う。民を捨てるほどだったとね。でも君は地上に帰ってきた。彼らに遭遇しても、私という神を前にしても、多少は自棄になろうとも逃げはしない。これは何故だい?

    SCP-3050-JP: それは [沈黙]

    エージェント・八上: [沈黙] 君の心を覗いていない我々は君の内心を想像することしかできない。これも妄想だ。でも、君の心を想像させたもうひとつの理由はね、君が素直に我々に身の上を話してくれたからなんだ。

    エージェント・八上: 君は素直に過去の出来事を語った。というより、信徒たちの話を語ってくれたんだ。今日の君がほとんど話していないように、君はきっと誰かと話すのが得意ではないのに、ほとんど淀み無くスラスラとね。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: 君は、彼らについて語り伝えたくてここに帰って来たんじゃないかな。恐ろしい神がいても、過去の後悔が拭えなくても、どれだけ時間が経っていても、この星の世界で彼らが愛した夜に満天の星を加えながら、心に残った彼らの話をしたいんじゃないかい?

    SCP-3050-JP: それは [沈黙]

    エージェント・八上: [沈黙] 君には関係ないことかもしれないが、私たちとしても君にそうしてほしいんだ。古い時代のことがわかるからとかそういう意味もあるけど、君だって思いを吐き出した方が楽になるかもしれないし。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: それに、君にしか出来ない事じゃないか。

    エージェント・八上: 彼らはもういない。創り直しても空しいだけ。痕跡も残っていない。それでも、君の心にいる彼らは、君の知識に遺る彼らの暮らしは間違いなく本物で、そして君にしか遺していけないものだから。

    SCP-3050-JP: [沈黙]

    エージェント・八上: [沈黙]

    エージェント・██: [沈黙] 八上さん。ありがとうございます。お二方ともお疲れではありませんか? 今日はここまでにしましょう。

    エージェント・八上: [沈黙] そうだね。すまない██、ひとりで話しすぎてしまって。

    エージェント・██: いえ、私には神々の視点に立った話はできませんから。助かります。

    SCP-3050-JP: [沈黙] 私は、どうしたら良いのだ。

    [沈黙]

    エージェント・八上: ふむ、そうだね。まずは落ち着いてほしい。上司がこう言っているからね、今日はここで帰ることにするよ。

    エージェント・██: 近いうちにまた伺いますので、これからの話はその時にさせてください。詳しく伺いたいことがまだいくつかありますし、お望みであれば色々な手続きも済ませたいと思います。

    SCP-3050-JP: [沈黙] わかった。待っている。

    エージェント・八上: ではまた今度。次に来るときは妻たちも紹介できるかもしれないね。

    エージェント・██: それはお約束できませんが、必ずまた伺います。その時はよろしくお願いしますね。

    <記録終了>

    • _

    ひとまず、本当にお疲れさまでした!

    これでおしまいと言いたいところですが、もうほんの少しだけ続けさせてください。

    率直に聞きます。
    貴方も神域部門で働いてくれますか? SCP-3050-JP。

    これまで多くのことを学んだと思います。現実改変の基本原理、神格の性質と分類、環境内現実の変動要因と歴史、宇宙創成の再解釈。これでも基本的な部分を話しただけで、これからあなたは文献や経験を通してさらに多くの物事を知っていく必要があります。

    そして、それはあなたにとって恐れの原因になることでしょう。神をより深く理解したことで、多くの神に触れたことで、貴方の中にある神々への恐怖はより具体的に、より大きなものになったのではないかと心配しています。そうなっても不思議ではありません。恐れるなとも言いはしません。

    改めて報告書を読んで、貴方自身を客観的に見つめ直した今、私たちと共に立ち手を貸してくれるのでしょうか?

    と、書くつもりだったのですが、きっとこれは野暮ですね。再確認程度に思ってください。

    よくよく考えれば、貴方がここまで読み進めた時点で答えは出ています。教鞭をとった██さんや八上さんが何度も強制ではないと確認したはずなのに、貴方は逃げなかった。神域部門の強大な神格に出会っても臆することは無かった。勝手ではありますが、これを答えとして受け止めています。

    安心してください。恐れる必要がないとは言いませんが、私たちの仕事のほとんどは案外気楽なものなのですよ。主な仕事は "人間と穏やかに暮らす" ですから。のんびりと構えることが第一歩です。

    人間と共に働く者、人間に恵みをもたらす者もいれば、人間と競う者、人間から離れて暮らす者もいます。現代での生き方は本当に自由で、人間社会に害を成さないことが我々の職務において最も重要なのです。貴方の過ごし方も自由。ゆっくり過ごすことが大事です。

    それとひとつ、今のうちにおすすめしておきたいことがあります。
    自分に名前を付けませんか?

    貴方には名前が無いと聞いています。単に神と呼ばれていたのだそうですね。貴方の信徒にとっては貴方こそが唯一の神でしたから、当然でしょう。

    ある神は神話になぞらえて名を名乗り、ある神は名を捨て、ある神は現代で暮らすにあたって人間のような名前を新たに名乗っています。八上さんは奥方の姓を名乗っていますし、私にも██さんに名づけてもらった現代らしい名前があります。私の場合は役職に神話での名前も残していますし、名付けの形は様々です。

    名前は大事です。人間の間では人を映す鏡であるとさえ言われます。その名前に込められた意味が人格の構築に影響するとも、世に轟いたその名にその人が映るとも。

    目指したい姿、忘れられないものを名前に織り込むことが、貴方にはきっと必要だと思うのです。例えば彼らへの想いを、かつて呼ばれた星の名を自らの名に刻み直すことで、貴方の背中を押してくれるかもしれませんから。いいえ、きっと必ず力になってくれることでしょう。

    それに、書面上はSCP-3050-JPとも呼ばれますが、これでは何かと不便です。長いですし、外来語はなかなか慣れないでしょう? あの響きはやはり西洋の神々にこそ似合うものだと思います。やはり我々には日本の言葉がよく馴染みますから。

    さて、長くなりましたがこれで話したいことはすべて書きました。報告書は以上です。本当にお疲れさまでした。 本当に本当に、ゆっくり休んでくださいね。

    貴方がこれから何者になるのか、そしてその行く末が如何なるものか。
    貴方の同僚として働く日、きっと来る明日を楽しみにしています。

    財団神域部門 主任神格『天照大御神』
    栄 朝顔

Footnotes
. 日本書紀にのみ記述が確認されている神格。とある神々が服わぬ悪鬼・神を平定した際、最後まで抵抗を続けた神格であるとされる。描写が限られているため詳細不明とするのが通説だが、別名の「天香香背男」の読みから「輝く者」「星の神」であるとする説もある。
. 他者の意志による環境現実性の流動(思念性攪拌)によって内部ヒューム値を高める性質をもつ存在。特にB型はA型と異なり、依り代となる物理的な肉体を持たない。宗教団体による信仰対象等である場合が多く、概して信仰者の増加・時間の経過によって現実性強度を確保する。"ピスティファージ" とはギリシャ語で "信仰を喰らうもの" を指す。
. 知性を持った高位の現実改変存在が、現実改変の内容に傾向を持たせることで理解を容易にするために所持・創造した存在。形態としては、武器・携行品・装飾品の形をとる例が多く確認されている。
. 内部ヒューム値が高い存在が持つ、物理的・非物理的・対改変的な極めて高い耐久性。これは高い内部ヒューム値(または内部ヒューム値の上昇)によって獲得されるものであり、現実改変存在自身による自己改変等にも影響されないため、事実上の不死性であるとの見方もある。
. 概ね紀元前████年代以前を指す呼称であり、神話に記述された神格が主に活動していた時代として表現される。神が人間社会に直接関与することが多かったことや現実性沈着も進行していなかったことから思念性攪拌の影響が現代よりも大きく、ピスティファージ性現実改変存在が急速かつ強大に成長しやすかったと考えられている。
. 改変原器と似た機能を持つ、神格が改変行為に頻用する概念。多くの知性ある神格は、改変現象の理解を容易にするために固有の権能に沿う内容の改変現象を発生させている。
. 内部ヒューム値から考えられるSCP-3050-JPの改変可能範囲は半径█au前後であると考えられていますが、神域内で生成される惑星までの距離は外見上█au以上である場合が大多数を占めています。このため、仮に神域外で同様の現実改変を行った場合には実際に惑星を生成するのではなく、惑星が存在するものとして現実則が歪曲されることになると仮定されています。そのため、本質的には疑似的な惑星生成であると考えるのが大方の見解です。
. この手順は過去改変を伴い、打撃と同時に天体が発生したように観測できます。
. 神格が顕現させる場合がある平行宇宙を指す呼称。内部は支配する存在の干渉がない限りベースラインと地続きであり、支配する存在によって創造された純粋な別世界であることから他の現実改変存在による改変を受けにくく、支配する存在は神域内宇宙全域において瞬間的かつ感覚的な改変が可能となる。
. 観測地点周辺の物品や大気等がもつ現実性の総称。環境的要因以外に現実性が変動していない存在全般が持つ現実性。
. SCP-3050-JPの発言が確認されていなかったため、この時点では現代日本語で発言している。
ページリビジョン: 9, 最終更新: 21 Feb 2024 22:19
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