SCP-2978-JP
評価: +77

クレジット

タイトル: SCP-2978-JP - モノの弾みで
著者: eringiumexe eringiumexe
作成年: 2024

評価: +77
評価: +77

アイテム番号: SCP-2978-JP

オブジェクトクラス: Ticonderoga

特別収容プロトコル: 一般社会におけるSCP-2978-JPは非異常の要因による自己隠蔽性をもつため、特殊な場合を除いて財団による積極的な隠蔽介入は不要です。医療部門を通じてSCP-2978-JPが疑われる症例の監視、調査が行われ、事象の発生条件についての研究が継続されます。

収容中のSCPオブジェクトを対象としたSCP-2978-JPが発生する事態は避けねばなりません。SCP-2978-JP発生条件の研究に基づき、実体をもつオブジェクト全般の標準的な管理手順の検討・改訂が行われます。

説明: SCP-2978-JPは被影響者の体内外において特定の条件を満たした物品が瞬間移動する現象です。

判明している発生条件は以下の通りです。以下の条件を満たした場合に不定の確率でSCP-2978-JPが発生します。

必須条件:以下の条件を全て満たすことがSCP-2978-JPの発生に必須であるとされています。

  • 重力加速度に準じる加速度を受けて被影響者の臀部が床などの硬い物体に衝突すること
  • 直腸内に便が100ml以上貯留していること

リスクファクター:以下の条件を満たす場合は事象の発生確率が上昇します。条件を複数満たす場合は累積的に確率が上昇します。
算出されたリスク比を付記します。

  • 条件に合致する物品が被影響者に近接していること(皮膚接触時でリスク比8〜12倍、距離に応じて減衰)
  • 現場が施錠された密室であること(リスク比2〜9倍)
  • 事象の発生が被影響者以外に観測されないこと(リスク比7〜10倍)
  • 被影響者が下半身に衣類を着用していないこと(リスク比36〜49倍)

判明しているリスクファクターを全て含む条件では、最大約18%の確率でSCP-2978-JPが発生します。
既知のリスクファクターを全て排した条件での確率は0.0003〜0.004%と概算されますが、再現実験での発生頻度は0.06%でした。未知あるいは検証困難な複合的要因が関与するものと考えられています。

SCP-2978-JPの発生時、被影響者の直腸内にある便が後述の条件を満たす物品のうち最も近傍にあるものと瞬間的に置換されます。このプロセスは観測上障害物の影響を直接は受けない非連続的な瞬間移動として振る舞います。物品の体積が大きい場合や形状が鋭利な場合、置換に伴い直腸壁の機械的な進展や損傷が起きることがあります。

置換される物品は被影響者にとって経肛門的に挿入可能かつ自力での摘除が困難である物品に限られます。既知の事例では乾電池、栄養ドリンクの瓶、シャンプーのボトル、シャワーヘッド、硬化中のセメント材、ニホンウナギ(Anguilla japonica)、釣り針などが報告されています。

一般社会で発生したSCP-2978-JPは被影響者及びその周辺人物により多重に隠蔽されます。典型的には被影響者は単独での異物除去に難渋した結果、医療機関を受診し、「尻餅をついた拍子に異物が入ってしまった」などと報告します。診察した医師をはじめとする周辺人物はこれを虚偽の報告と見做しますが、このことについて深くは追求しません。また、医療保険制度の関係上、事故による外傷として記録される例も散見されます。

なお、SCP-2978-JP発生時には異物があった位置に置換された便が出現することとなりますが、これはほとんどの場合被影響者の手によって清掃・廃棄され、基本的には隠匿されます。

また、被影響者が下半身に衣服を着用した状態でのSCP-2978-JP発生例が一般社会では一度だけ確認されています。事象発生時、被影響者は置換された便の上に尻餅をついたような状態となったことが明らかになっていますが、被影響者は便に汚染された衣服を自ら可能な限り洗浄したのちに廃棄しており、状況の不自然さを認識していたもののそれを医師や周辺人物には伝えていません。当該の被影響者はインタビューにおいて、「どう説明すればいいんですか。」「ことを大きくしたくなかった。」「早く忘れさせてほしいし、もう忘れてほしい。」などと証言しています。

このケースに限らず、多くの被影響者は発生状況の不自然さに気づくものとされていますが、これについて証言・主張することは稀です。強く主張した場合でも周辺人物はこれを意図的に聞き流すか精神疾患の合併を疑うにとどまり、記録上も言及を避ける傾向にあります。この反ミーム的な振る舞いに異常性の介在は確認されておらず、社会的な通念によるものとして説明可能であるとされています。

一般社会におけるSCP-2978-JP事象はほぼ全てが患者の個人的嗜好による非異常の直腸内異物症例として見做され、それに準じて報告されています。"嗜好による直腸内異物の診断"がカバーストーリーとして機能する上に、それ自体が社会通念上隠匿される傾向にあります。以上から、SCP-2978-JPは一般社会において非異常の要因による高い自己隠蔽性を持つものとされています。これに加えて、事象の規模や収容コストの大きさを踏まえてオブジェクトクラスがTiconderogaに指定されました。一般社会における収容活動は事象発生の監視と最低限の隠蔽に留まります。

補遺: 財団において収容中の異常性を持つオブジェクトがSCP-2978-JPの対象となる危険性が指摘されています。

オブジェクトの不用意な体内への転移や糞便との接触は言うまでもなく予測困難かつ有害なインシデントを誘発します。加えてSCP-2978-JPは未解明の事象であり、異常性を持つオブジェクトがこれに晒されることによって発生する影響は未知数です。

また、研究されているSCP-2978-JPの発生確率はあくまで経験的な確率論をもって推測されたものにすぎず、別の異常特性が要因に関与した際の事象発生リスクは検証不可能です。

以上から、SCP-2978-JPは事象が発生すると仮定した上で推測される危険性と照らして回避されるべきであると結論づけられ、オブジェクト全般の標準的な取り扱い手順にSCP-2978-JPの予防策を講じることが盛り込まれました。

転倒予防策を講じる、臀部に衝撃吸収剤を装備する、複数人の観測下で接触する、オブジェクト接触前に下剤を服用して可能な限り便を排泄する、高リスクのオブジェクトに対しては肛門を縫縮した上で接触するなどの複数の発生予防策が費用対効果と状況に応じて講じられています。

コストと簡便性・確実性の観点から最も一般的に講じられている予防策は、SCP-2978-JPの対象となりうる物品を携行することです。これにより万が一SCP-2978-JPが発生した際もオブジェクトよりも被影響者の近傍にある携行品が優先的にSCP-2978-JPの対象となります。これはオブジェクトに接触する可能性のある全ての職員の標準的な安全対策装備として組みこまれ、最大肛門径の定期的な検査とともに適切なサイズの携行品が支給されています。携行品には安全性、流通性、サイズのバリエーションの関係でシリコン製のディルドが用いられることが一般的です。

ページリビジョン: 8, 最終更新: 07 Sep 2024 04:06
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