アイテム番号: SCP-2819
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 必要な実験時を除き、SCP-2819-1とSCP-2819-2は互いの100m以内に近付けてはいけません。両個体はサイト67のそれぞれ反対側に位置するサイズ2型収容ロッカー内の小動物テラリウムに収容されます。SCP個体に給餌するためのトウワタを両タンク内に維持してください。
説明: SCP-2819はトウワタカミキリムシの一種(Tetraopes tetraophthalmus)の2匹の雄個体を指す呼称です。SCP-2819-1は白い体色に黒の模様、SCP-2819-2は黒い体色に白い模様を持ちます。これは赤い体色である通常のTetraopes tetraophthalmusとは異なるものです。
SCP-2819-1とSCP-2819-2はお互いに向かって極度の敵意を示しており、異常性のないTetraopes tetraophthalmusとは一致しない行動パターンで戦います。SCP-2819-1とSCP-2819-2が互いの100m以内に存在する場合、両個体はお互いを探し出して攻撃を仕掛けます。彼らが戦いうる時間的な長さは徹底的にテストされてはいません。彼らを放置した場合、死ぬまで戦い続けると理論上想定されています。両個体は他のTetraopes tetraophthalmusに対しては、例え財団職員によってSCP-2819対照個体に偽装された個体に対しても、敵意を示すことはありません。
SCP-2819-1または-2の近くに配置された対象は、感情的停滞を経験します。SCP-2819-1に曝露した「幸せな」または「充足した」人間は無期限にその状態を保ち続け、SCP-2819-2に関してはその正反対のことが言えます。この効果はクラスBの記憶処理薬で対処可能です。投与後、被験者は正常に戻る前に数時間続く「喪失感」について報告しています。
SCP-2819-1とSCP-2819-2両個体は、マサチューセッツ州█████████の裕福な実業家である██████氏所有の庭園のそれぞれ反対側で発見されました。
注: 両個体の収容ユニットに設置された高出力マイクは、SCP-2819-1および-2の大顎から発信されるリズミカルなクリック音を検出しました。これは分析によってモールス信号であると判断されました。この進展に続き、インタビューが予定され、実施されました。
回答者: SCP-2819-1
質問者: ウェッブ博士
<記録開始>
ウェッブ博士: こんにちは。
SCP-2819-1: ジャッキーはここにいるのかい?
ウェッブ博士: いいや。どうしてそんなことを聞くのかね?
[SCP-2819-1は沈黙する。]
SCP-2819-1: 嘘ついてるね。あいつはここにいる。
ウェッブ博士: 確かにいるが、彼は建物の反対側だ。ずっと遠いよ。
SCP-2819-1: 良かった。そこに留め置いててくれよ。
ウェッブ博士: 君は何故SCP-2819-2を嫌うのかね?
SCP-2819-1: ジャッキーのことかい?あいつは皆のことを...いやな気分にさせるじゃないか。あいつがやるのは皆を引きずり下ろすことだけだ、虫唾が走るね。人間性っていうものを壊してしまうのさ、何人もの人間を一度にね。
ウェッブ博士: で、それが彼を攻撃する理由というわけだ。
SCP-2819-1: あいつは悪党だよ。止めなくちゃならない。
ウェッブ博士: 君には何ができるのかね?
SCP-2819-1: 俺は贈り物を持ってる。幸福は人間の最終目標だ — 俺がそれを供給できるんだったら、与えない理由はないだろう?
ウェッブ博士: それで、それをすることによって何を達成したいのかね?
SCP-2819-1: 皆が幸せになれば、ジャッキーの奴は役立たずさ。上手くいけばあいつは自殺して、これ以上俺はあいつのことで悩まなくてもよくなる。
ウェッブ博士: 協力を感謝するよ。
SCP-2819-1: どういたしまして。あと、もしジャッキーにも会いに行くんだったら、あいつを踏みつぶしてくれるかい?
<記録終了>結: ウェッブ博士はインタビューを通して、SCP-2819-2を攻撃したいという衝動を何ら感じることはなかった。彼はSCP-2819-1の効果に起因し、より楽しい気分であると報告した。クラスC記憶処理薬が要求され、今後SCP-2819両個体に対するインタビューを担当する職員に対する推奨と共に配布された。
回答者: SCP-2819-2
質問者: ウェッブ博士
<記録開始>
ウェッブ博士: こんにちは。
SCP-2819-2: ウィルソンの野郎はここにいるのか。
ウェッブ博士: SCP-2819-1はいないよ。
SCP-2819-2: もし奴が面を見せやがったら、奴のクソみたいな触角をぶっ千切ってやる。
ウェッブ博士: 君は何故SCP-2819-1を嫌うのかね?
SCP-2819-2: 奴は嘘吐きだ。あらゆる人間に万物が明るく美しい素敵な小せえ作りもんの世界を見せつけやがるが、それは間違ってんだよ。いいか、俺だってそうだったらいいのになとは思ってるさ、でも実際はそうじゃねぇんだよ。誰かが奴を阻止しなきゃならねぇ。
ウェッブ博士: で、それが彼を攻撃する理由というわけだ。
SCP-2819-2: 誰かが奴を阻止しなきゃならねぇ。
ウェッブ博士: 君には何ができるのかね?
SCP-2819-2: この世界が本当はどんなものかってことを皆に見せつけてやるんだ。皆がそれに関して落ち込むことがなけりゃいいとは思ってるんだがな。
ウェッブ博士: 一体、君たちはどうしてこういうことになったのかね?
SCP-2819-2: それに関しちゃウィルソンに聞いてるんだろ。さぞ、何もかもが俺の仕業で俺がどんなに極悪な野郎かってことを吹いたんだろうな。あいつ自身がしでかした身の毛もよだつようなことは何一つ言わなかったろ。まぁ要点は俺たち二人が親父を怒らせて、罰を受けることになったってことなんだ。
ウェッブ博士: それに関してはSCP-2819-1からは何も聞かなかったんだ。
SCP-2819-2: なら俺の方がうまく話せるさ、あの野郎が嘘八百であんたを丸めこんで、俺はクソみたいなもんだと思い込ませてないわけだしな。
ウェッブ博士: 続けてくれたまえ。
SCP-2819-2: 親父は俺たちに期待をかけてたんだ。だが俺たちはいつでも互いに戦い続けて...しまいには親父もそれにうんざりし始めた。光と影の、善と悪の、兄と弟の闘いを見ることにな。親父が望んでたのはもっと何か他のことだった。
ウェッブ博士: それで彼は君たちにこの力を与えたのかい、君たちの戦いをより壮大なものにするために?
SCP-2819-2: いいや。親父は俺たちをクソ忌々しいホーンビートルに変えやがったのさ。
<記録終了>