SCP-2779-JP
評価: +65

クレジット

タイトル: SCP-2779-JP - 収容済み
著者: iti119 iti119
作成年: 2022

評価: +65
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アイテム番号: SCP-2779-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized Contained

特別収容プロトコル: SCP-2779-JP-AはSCP-2779-JPの収容房の内部に存在します。現在、SCP-2779-JP-Aへのアクセスは許可されていません。

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    特別収容プロトコル: SCP-2779-JPはサイト-17の標準人型実体収容チャンバーに収容されます。

    収容チャンバー内に入室することが許可されているのは、サイトの運営・内部構造に関する詳細な知識を持たないDクラス職員のみに限定されています。SCP-2779-JPの影響に暴露することを防止するため、入室者は次の2点に注意する必要があります; SCP-2779-JPと直接接触しないこと、SCP-2779-JPと視線を合わせないこと。このため、入室者は肌の露出がない衣服の着用が義務付けられており、可能な限り防護服の着用が推奨されています。上記の2点のいずれかに違反した場合はセキュリティ違反と見做され、暴露者およびSCP-2779-JPは記憶処理を受けます。

    SCP-2779-JPに対する実験・面談は レベル4以上の職員からの許可が必要です。 現在認められていません。

説明: SCP-2779-JPは精神感応能力を備えたコーカソイド系の男性でした。SCP-2779-JPは1960年07月24日に死亡しました。

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    説明: SCP-2779-JPは収容時点で16歳の、限定的な精神感応能力を備えた白人男性です。SCP-2779-JPは、直接接触しているか互いに視線が合っている人物(以下"対象")に対して、対象の思考/感情を読み取ること・自身の思考/感情を伝達することができます。

    SCP-2779-JPの主張によると、読み取った思考は聴覚的に知覚され、感情は実際に体験したかのように感受されると説明されています。また、対象となった被験者もまた伝達された思考/感情を同様に感じ取ることが実験により判明しています。対象は伝達された思考/感情をしばしば実際の感覚と混同して混乱することがありますが、暴露の回数を重ねることで次第にそれらの区別を付けることができるようになると報告しました。

    補遺: インタビュー記録抜粋

    実施日時: 1928年11月08日

    対象: SCP-2779-JP

    質問者: ブライアン・マイヤーズ博士

    付記: 収容後の初回のインタビューです。


    «ログ開始»

    [簡略化のため重要でない内容を省略]

    マイヤーズ: では、あなたの能力について話してください。記録のための形式的なものなので、昨日話してもらったものと同じ内容で構いません。

    SCP-2779-JP: わかった。ええと、俺は、精神感応ができて —

    マイヤーズ: 自分の言葉で構いませんよ。

    SCP-2779-JP: (間)あー。周りの人の心の声が聞こえたり、自分の心の声を伝えたりできる。ただ、条件があって、試した限りでは直接触ってるか目が合ってる必要がある。

    マイヤーズ: 確認しますが、今は「心の声」は聞こえていませんね?

    SCP-2779-JP: ああ。 [肩をすくめる] そのサングラス、イカしてるぜ。

    マイヤーズ: 保安上の都合ですので。それでは、あなたが自身の能力に最初に自覚的になったのはいつのことですか?

    SCP-2779-JP: 3週間くらい前だ。自覚したって言っても、突然のことだったからはっきりとはしないけど。

    マイヤーズ: 前兆のようなものはなかったということですか?例えば、頭痛や耳鳴りがしたり、具合が悪くなったりとか。

    SCP-2779-JP: なかったと思う。これと言って原因になりそうな出来事もなかったしな。本当に、不思議な声が突然聞こえるようになったんだ。

    マイヤーズ: 能力が現れたときのことについてもう少し詳細に話せますか?

    SCP-2779-JP: そうだな、(間)最初は誰も話してないときに声が聞こえたり、喋ってる最中の奴が同時に別のことを言ってるように聞こえたりした。何が起きてるのか理解するまでは気味が悪かったし、理解してから慣れるまでは鬱陶しく感じたな。話が聞きにくくて、何回も聞き返したせいで心の中で愚痴られてるのが聞こえるんだからな。まあ、慣れてからも鬱陶しいのは変わらないけど。

    マイヤーズ: 現実の声と読心による声が重なっているのを、次第に判別できるようになっていったのですね?

    SCP-2779-JP: そう、そうだ。

    マイヤーズ: なるほど。自分の意思を伝達する能力についてはどうですか?

    SCP-2779-JP: そっちの方は — 自分でもよく分からない。聞こえる方に比べて何回も使わなかったし。

    マイヤーズ: 自分の心の声が他人に勝手に伝達されるようなことはなかったのですか?

    SCP-2779-JP: 多分なかったな。そういう何かがあったら、おかしいと思われてるのが俺に分かるし。

    マイヤーズ: では、そういった点も含めて今後検証していくことになるでしょう。 — 今日はこれで終わりです。お疲れさまでした。もし貴方から質問があれば可能な限りお答えしましょう。

    SCP-2779-JP: 服ってこれと同じのしか支給されないの?

    [簡略化のため重要でない内容を省略]

    «ログ終了»


    後記: オブジェクトは自身の境遇に肯定的で、収容におおむね協力的な姿勢を示した。能力については標準的な精神感応能力者と同程度の範疇と考えられる。

    実施日時: 1928年11月09日

    対象: SCP-2779-JP

    質問者: ブライアン・マイヤーズ博士


    «ログ開始»

    マイヤーズ: 本日の実験、お疲れさまでした。このインタビューは昨日ほど重要ではないので、気を抜いても大丈夫ですよ。なにか感じることはありましたか?

    SCP-2779-JP: 特にないかな。(間)いや、俺がテレパシーで話しかけた人たち、結構混乱してたように見えたけど大丈夫だったのか?体に悪い影響とか......。

    マイヤーズ: その点は問題ありません。貴方の能力の傾向から見て、人間の精神に対して重大な危害を及ぼすとは考えられていませんし、実際今日の実験で証明されました。

    SCP-2779-JP: (間)じゃあいいか。そうしたら、あとは、あの機械! 見たことないようなのがたくさん出てきたけど、何の機械だったんだ?

    マイヤーズ: 器具については、機密情報を含むため説明することはできません。保安上の都合がありますので。

    SCP-2779-JP: そっか。(間)明日からもこういうことを続けるのか?

    マイヤーズ: いえ、しばらくは休むことになるでしょう。実験については話すことはありませんか?

    SCP-2779-JP: そうだな。

    マイヤーズ: (間)命令ではありませんが、次回以降の実験では、なるべく自身や周囲の変化に注意しながら行ってください。貴方にしかわからないこともあるはずですので。

    [簡略化のため重要でない内容を省略]

    «ログ終了»

    実施日時: 1930年09月03日

    対象: SCP-2779-JP

    質問者: ブライアン・マイヤーズ博士


    «ログ開始»

    マイヤーズ: 質問とは何のことでしょうか?

    SCP-2779-JP: とぼけないでくれ。俺に何が起きてるんだ? 俺に何をしたんだ?

    マイヤーズ: 貴方自身に何も変化はありません。ただ、起こる出来事に変化が現れただけです。

    SCP-2779-JP: それがおかしいって言ってるんだよ。本当のことを話してくれ。

    マイヤーズ: ほ —

    SCP-2779-JP: 保安上の都合ってなんだよ! 俺のことを俺が知れないなんておかしいだろ。「精神以外のもの」って何のことだったんだよ?

    マイヤーズ: なぜそのことを —

    SCP-2779-JP: 俺に隠して俺を悪用しようってんならそうはいかないからな。記憶処理だかなんだか知らないけど、俺は自分の記憶を守るくらいのことはできるんだぞ。

    (沈黙)

    SCP-2779-JP: いままでやってきた実験は本当は何のためだったんだ?

    マイヤーズ: (間)お答えできません。

    (沈黙)

    SCP-2779-JP: じゃあ、もういい。
    [これ以降、SCP-2779-JPは発言しなかった]

    «ログ終了»

    実施日時: 1930年10月14日

    対象: SCP-2779-JP

    質問者: D-2825

    付記: 当インタビューはSCP-2779-JPが実験中に指示を無視したことを受けて実施されました。


    «ログ開始»

    SCP-2779-JP: いつものハカセじゃないんだな。あの人に伝えておいてくれ。もう協力はできないってな。

    D-2825: 今日はそのことを確認するように言われて来たんだ。「協力しない」、それでいいんだな?

    SCP-2779-JP: いい。

    D-2825: 今まで受けていたサービスが制限される場合がある。その点も問題ないんだな。

    SCP-2779-JP: いいよ。

    D-2825: わかった。 [シートに記録を取る] 一体何があったんだ? 聞いた話じゃ、ずいぶん真面目にやってきてたそうじゃないか。

    マイヤーズ: (放送で)D-2825。記録と無関係な会話はしないように。

    SCP-2779-JP: おいハカセ、聞いてるのか!? これが最後だ、どうか教えてくれよ! あの実験はなんだったんだ!? あのときから少しずつおかしくなって —

    [保安職員が介入し、SCP-2779-JPは鎮静された]

    «ログ終了»


    後記: これ以降、SCP-2779-JPは非協力的に振舞うようになった。収容プロトコルが一部改訂され、予定されていた実験は中止された。


    実験記録の閲覧は制限されています。







更新: 1960年07月24日
SCP-2779-JPの死亡が確認され、死因は急性の心筋梗塞であると断定されました。これを受けて、SCP-2779-JPはNeutralizedクラスに再指定されました。

更新: 1960年07月25日
SCP-2779-JPの死の翌日、SCP-2779-JPの収容チャンバー内に未知の構造物が発見されました。当該事案はネクロハザードの影響によるものと推測されており、収容チャンバーはSCP-2779-JP-Aに指定され、SCP-2779-JPのNeutralized指定は取り消されました。

SCP-2779-JP-Aは施設の寸法を逸脱して超空間的に拡張された非ユークリッド空間に位置しており、SCP-2779-JP収容チャンバーの精巧な複製の反復から構成されています。各反復は、入口がある壁の対面の壁に設置された扉によって相互に接続されています。

SCP-2779-JP-Aに進入した被験者は、反復を進むたびに累積する固有の異常な効果の影響を受けます。以下は各反復の特徴の説明のリストです。

反復0
説明: SCP-2779-JPの収容チャンバーです。SCP-2779-JP-Aを除いて異常な特徴はありません。

反復1
説明: 被験者は突き刺すような視線を感じると報告します。

反復2
説明: 被験者は部屋の外側から聞こえるような話し声や雑音を含む様々な音声の幻聴を経験します。

反復3
説明: 被験者は部屋の寸法を正確に把握することができず、部屋が次第に広くなっていくようだと主張します。

反復4
説明: 被験者は時間感覚の軽度な混乱を経験します。また、反復1から継続していた被視感を感じなくなります。

反復5
説明: 被験者は深刻な絶望感を表明し、場合によっては行動不能となります。また、「自分が自分の中にいないような」と表現される感覚を経験します。

反復6
説明: 被験者は閉塞感を経験し、より詳細には「下に引っ張られているような」、「土の下にいるような」感覚であると説明します。

反復7
説明: N/A - 扉からの視界は完全に暗黒であり、内部の情報はほとんど得られていません。現在最も有力な仮説は、反復7に進入した光を含むあらゆる物質は内部から脱することが不可能になるというものです。唯一得られる情報として、被験者は扉を覗いている間、濁った池の中を2つの頭を持つ奇形の魚が泳いでいる幻覚を想起します。

特筆すべき点として、反復7に接続された扉には鉄格子を模したような3本の縦線の縞模様を含む改変された財団記章が描画されています。

[フレーム]

Footnotes
. 1928年11月07日
. 1960年07月25日
. 生物の死やその死体をトリガーとして引き起こされる異常現象の総称。死屍災害。
ページリビジョン: 15, 最終更新: 22 Mar 2023 09:55
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