クレジット
アイテム番号: SCP-2704-JP
収容クラス: Keter
特別収容手順: SCP-2704-JPは低脅威物品保管庫に収容します。実験外でSCP-2704-JPを掲載することは禁止されています。SCP-2704-JPを直接扱う職員は心理抵抗値が71以上の人員から選出されます。
未収容のSCP-2704-JPは店内での事件発生件数が有意に高い飲食店を集中的に捜索します。SCP-2704-JPの確保には機動部隊デルタ-5 ("トップランナー")が担当します。回収中にSCP-2704-JP-Cと遭遇した場合は交渉を行い、理解を得られなかった場合はSCP-2704-JPを引き渡します。
説明: SCP-2704-JPは既存のいかなるものとも一致しない、歌手である三波春夫のポスターです。デザインは着物姿の三波氏を中心に、右側に「お客様は神様です」と書かれています。SCP-2704-JPは直接曝露した人物に対してそれ自体を掲載することや後述する異常行為に対して疑念を抱かせないようにする異常性があります。この異常性は心理抵抗値が71以上の人物には影響を及ぼしません。
SCP-2704-JPの異常性は飲食店に掲載された上でその店舗に客として入店した人物に対して発現します。対象となる人物をSCP-2704-JP-Aに指定します。SCP-2704-JP-Aは店員などの非異常の人物に対する態度が横柄になります。SCP-2704-JP-Aの行動は過度な対応や金品の要求、性的行為や暴力など多岐にわたります。この変化は店外に出ることにより消失します。 またSCP-2704-JPを剥がすことによっても異常性は消失します。
特筆すべき点として稀にSCP-2704-JP-Aが和やか、または過度にへりくだった対応をする客が入店します。この客をSCP-2704-JP-Bに指定します。SCP-2704-JP-Bは様々な人種が確認され、中には頭部が人間以外の動物に置換された実体も確認されています。 しかしそのような異常な点は周囲の人物から指摘されません。
補遺2704-JP-A: 2012年1月2日に新潟市内の居酒屋でSCP-2704-JPの回収中の機動部隊に対してコーカソイドの地中海人種と思しき女性が接触し、SCP-2704-JPの引き渡しを要求しました。この女性をSCP-2704-JP-Cに指定します。以下はSCP-2704-JP-Cとの対話記録です。
事例記録2704-JP-49
<抜粋開始>
SCP-2704-JP-C: 待ちなさいそこの人間、そのポスターは今回収中なの。
エージェント・満潮: このポスターの関係者ですか。
SCP-2704-JP-C: それは君に関係な......[エージェント・満潮を一瞥する。]もしかして君、SCP財団?
満潮: なんのことでしょうか。
SCP-2704-JP-C: とぼけなくてもいいから。そちらのことはすでに把握済みだから、話は早いかもしれないわ。私はこういう者、以後お見知りおきを。
[SCP-2704-JP-Cはエージェント・満潮に名刺を渡す。名刺には"トリスメギストス・トランスレーション&トランスポーテーション(以下TTT社)、商品開発部、ポリュムニアー"と書かれている。]
満潮: 頂戴いたします。
SCP-2704-JP-C: 確認取ってもらえれば分かると思うから、今お願い。
[エージェント・満潮は司令部に連絡をとる。これによりTTT社の確認をする。]
満潮: ......あなた方の身分は分かりました。それでは改めてお聞きしますが、このポスターはあなた方が作製されたものでしょうか。
SCP-2704-JP-C: ええ、そうよ。
満潮: その目的は何なのでしょうか。そもそもこれは一体どういうものですか。
SCP-2704-JP-C: 簡単に言えば人を神に近づける、というものね。
満潮: 神に近づける、とはどういうことでしょうか。
SCP-2704-JP-C: そのままの意味よ。一時的だけど軽くアセンションして大体人と神の間ぐらいの位置にはなってると思うわ。
満潮: その理由を教えて下さい。
SCP-2704-JP-C: 一言で言えば神の接待に使うためになるわ。今ってね、友達のいない神が多いの。
満潮: ......はぁ。
SCP-2704-JP-C: 神が減っているから、昔みたいに性格悪くても慕ってくれるみたいなものも無くなってるの。だからそのためのサービスね。
満潮: 事情は把握しましたが、それならわざわざ神にする必要はないのでは。
SCP-2704-JP-C: そこは同族の方が落ち着くというのがあるの。君だって人間に囲まれるのと、レプティリアンに囲まれるのだったらどちらの方が羽根を伸ばせる?
満潮: まあ......そうですね。しかし回収ということは不具合があったということでしょうか。
SCP-2704-JP-C: そう、多分君達と同じ理由だと思う。神に近づけたせいで他の人間に対して供物を要求するようになるのは想定外だったわ。さすがに人間に対する影響が大きすぎるということで、社長肝入りの企画だったけれどお蔵入りさせることが決定したの。
満潮: そういうことだったのですね。ところでこのデザインは
SCP-2704-JP-C: これは私の趣味、あと飲み屋に合うでしょう。
満潮: それは確かにそうですね。
SCP-2704-JP-C: だから責任もって回収してるわけ。ただ被害状況と回収した数が合わないのよね。君達のもっているポスターも渡しなさい。状況は正しく把握したいの。
満潮: 私の立場では判断しかねます。
SCP-2704-JP-C: そうなるわよね。だから帰ったら報告はしておいて。私達も企業としての責任があるから。そのポスターはひとまず渡して。
満潮: [司令部に確認をとる。]承知しました。ではこれはお渡しします。他のポスターについても協議します。
SCP-2704-JP-C: ではよろしく。
<抜粋終了>