SCP-245-JP
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行動中のSCP-245-JP。

アイテム番号: SCP-245-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: 非活性状態にあるSCP-245-JPを秘匿するため、沈没地点は虚偽の座標を公表し、同時にダミーが偽装座標に設置されます。また、10月31日から11月1日にかけて沈没地点付近に航路管制を実施し、民間船舶の侵入を排除してください。

SCP-245-JPが活動を開始した場合、SCPS「オル・フェルム・ルイユ」および「ナニー・バトンキャップ」が封じ込め措置を実行します。各艦船は受領した救命具をSCP-245-JPの針路上で曳航し、日の出の時刻まで封じ込め区域内に拘束し続けてください。

追記:2011/10/31/を以てSCP-245-JPの異常性が喪失したと判断され、オブジェクトクラスがNeutralizedに変更されました。

説明: SCP-245-JPは第2次世界大戦中に沈没したアメリカ海軍駆逐艦USSルーベン・ジェームズです。同艦は1941年10月31日に被雷沈没していますが、異常性の発現は1951年から確認されています。

SCP-245-JPの異常性は10月31日の日没から11月1日の日の出までの期間に発現します。10月31日の日没直後、海底に存在しているUSSルーベン・ジェームズの残骸は海上へと浮上を開始します。被雷によって船体は分断されていますが、海面に浮上するまでの間に散逸した部品とともに再結合し、白い燐光を帯びるようになります。この燐光に異常な効果などは確認されていませんが、排煙、周囲の海水および採集した船体のサンプルからは発光現象を引き起こすような物質は検出されませんでした。

浮上したSCP-245-JPは、他の船舶を探して沈没地点を中心に活動範囲を広げていきます。他の船舶がSCP-245-JPから半径10 km内に侵入した場合、SCP-245-JPは遭難信号を発して救援を求めます。被害者からの聞き取り調査、及び無線交信の録音によって、メーデープロトコルは常に以下の様な内容であることが確認されています。

メーデー メーデー メーデー
こちらUSSルーベン・ジェームズ USSルーベン・ジェームズ USSルーベン・ジェームズ
メーデー USSルーベン・ジェームズ 現在位置は北緯██度██分 西経██度██分
本艦は雷撃を受け急速に沈没しつつある 乗員は115名 救援を求む
メーデー USSルーベン・ジェームズ オーバー

遭難信号発信後、SCP-245-JPは前述の範囲内に侵入した船舶へ急速に接近し、それが逃走を図るようであれば追跡を開始します。標的となった船舶に対してSCP-245-JPは救命具の投下を要求し、要求通りに救命具が海上へ投下された場合はボートダビットによってそれらを回収します。その後、別の船舶へと標的を移して同様のプロセスを繰り返していきます。

要求が拒否されるか遭難信号が無視された場合、SCP-245-JPは前部4インチ砲によって威嚇射撃を行います。発砲の際の砲声と砲炎はその主砲口径に対して著しく大きく、16インチクラスであると推定されます。砲弾が着弾した瞬間、戦艦の主砲弾に匹敵する炸裂音や閃光、および爆炎が観測できますが、この砲弾に船体を破壊したり乗組員を殺傷する能力が皆無であることは全ての遭遇事例で証明されています。

SCP-245-JPは、11月1日の日の出の時刻になる前に再び沈没地点の海上へと帰還します。最も活動範囲が広かった事例ではアイルランドやニューブリテン島沖まで進出していますが、本来の性能を遥かに超える速度で航行することで日の出の時刻までに到着します。観測された最大速度は███ ktに達していますが、SCP-245-JPは実体があるにも関わらず艦首波や航跡を一切残しません。日の出と同時にSCP-245-JPの燐光は消滅し、沈没地点へ向けて沈降を始めます。ソナーとROVを用いた調査によって、沈降したSCP-245-JPは船体が再び切断され、再結合した部品も沈没時と同じように分散することが確認されました。この沈没地点への再度の着底を以てSCP-245-JPの活性化が終了したと判断されます。

事件記録-245-JP: 2001/10/31/

2001年の封じ込め作業当日に、財団海上部隊はSCP-245-JP沈没地点へ接近する不審な船舶群を発見しました。船舶群は単縦陣にて航行しており、「BAYCHIMO」と船首に塗装された旧型の貨物船と、2隻のプロテウス型給炭艦に酷似した船舶によって構成されていました。不審船舶群は数度に亘る警告と威嚇射撃にも反応を示さず、予想進路からSCP-245-JPとの接触を図っている可能性が高いと判断されたため、海上司令部は撃沈命令を下しました。

海上司令部からの命令を受けて、財団所属フリゲートがSSMによる攻撃を行いましたが、2隻の給炭艦によって全て迎撃されました。針路を反転させた給炭艦は、財団所属船舶の針路妨害、及びSSMの撃墜と射線の妨害を繰り返したため「BAYCHIMO」がSCP-245-JPへ接近することを許す結果となりました。

SCP-245-JPへ接近した「BAYCHIMO」は、海上へ大量の救命胴衣を投下し、SCPS「オル・フェルム・ルイユ」及び「ナニー・バトンキャップ」のSCP-245-JPに対する接近を妨害し続けました。SCP-245-JPは海上の救命胴衣を順次回収していきましたが、同日の23時50分に突然活性化を終了し海底へと沈降しました。その後の調査でSCP-245-JPが1951年以来回収した救命具の累計が115個に達したことが判明しました。

不審船舶はSCP-245-JPの沈没後、電波の輻射と搭載された小口径砲による21回の空包射撃を行い、南方へと逃走を開始しました。財団は航空機と船舶、および偵察衛星を動員して追跡を試みましたが、船団は大型の低気圧の下へと逃げ込んだ後に消息を絶ちました。

事件発生後もSCP-245-JPについて観察が継続されましたが、事件後に活性化が確認されることは無く異常性を喪失したと判断され、2011年をもって分類がNeutralizedに変更されました。

事件記録-245-JP追補

不審船舶群が輻射した電波は、低強度の暗号通信であることが判明しました。発信者の名義はHögkvarteret för Flottanとなっており、内容は以下の文章のみであることが確認されました。

Adjö, Reuben James. Sov gott.

Footnotes
. 沈没時の乗員は159名。生存者は44名。115名は戦没者の人数と一致する。
ページリビジョン: 26, 最終更新: 23 Jul 2022 16:32
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