この記事は事件2442-03の後に現在の形式へと書き直されました。以前のバージョンは文章2442-01内で見つかるかもしれません。
アイテム番号: SCP-2442
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-2442収容室は、光を遮断し同様に音も可能な限り減少させる、制限環境刺激療法(Restricted Environmental Stimulation Therapy (REST))室と同様の設備を備えます。少なくとも三つの異なるサイトに三つの収容室が存在し、そのうちの一つにSCP-2442を住まわせます。
SCP-2442は少なくとも二人のエージェントに常時モニタリングされます。如何なる時でもSCP-2442が声を発し始めるならば、鎮静されAクラス記憶処理が施されなければなりません。時間経過の構造概念を与えうる如何なる行動も回避されるかまたはランダムに実施されます。
収容違反が発生したならば、SCP-2442は鎮静され、可能ならば収容室のうちの一つに戻されなければなりません。全ての収容室が違反中に破壊されたならば、収容室が建造されるまでSCP-2442はサイト管理者との会話によって混乱させなければなりません。サイト管理者は動揺の維持に必要な情報を提供する許可が与えられますが、可能な範囲で致命的なデータは避けねばなりません。
説明: SCP-2442は意識すれば何でも消滅を引き起こす事が可能な、活発で敵対的な、異常なヒト型生命体です。主要な効果を引き起こすために、SCP-2442は、通常言語的指示を通じて、未知の実体の注意をオブジェクトへと向けるように振る舞います。オブジェクトは未知の手段で12時間以内に消滅します。
SCP-2442は、自身の会話に反応する声を生みだす事を含む、他の現実操作能力があると考えられています。それは自身の主張を他人に納得させる、潜在的に異常な説得力があります。SCP-2442はまた、記憶処理薬品に対し徐々に抵抗力を増している様子を見せています。SCP-2442の異常な効果の限界は知られていません。
より広範囲にわたる概要についてのどんな要求も、現在SCP-2442が収容されているサイトのサイト管理者に送られなければなりません。
SCP-2442が行うどんな主張も徹底的に無視しなさい。根拠が全くなく、妄想なのだと考えなさい。 - O5-10
事件2442-01: 03/02/04、SCP-2442の収容に失敗した。SCP-2442回収の際に、財団は多大なる損失を経験した。複数の財団職員がSCP-2442と会話した後に援助をしたと記録された。生存した関連職員は易感染性が考慮され、記憶処理の失敗後に解雇された。
[抜粋記録開始]
<3:02> SCP-2442はエージェント・█████をSCP-2442収容室の外側で待っているように見える。エージェント・█████は収容違反中にSCP-2442に処方されねばならない鎮静剤を落とした。
<3:02> エージェント・█████: "これは真実なのか?これに何の意味があったんだ?全てに何の意味があったんだ?"
<3:03> SCP-2442: "君は既にその答えを知っていますよ、█████。私を助けてくれませんか?彼女を助けてくれませんか?"
<3:05> エージェント・█████は立ち上がり、SCP-2442をカメラの範囲外へと導き始める。
<3:05> エージェント・█████: "こっちだ。俺が知ってる全てをあんたに話そう。あんたを形作る概要よりも君は優しそうだ、そうだろ。" 凡そ35分後にエージェント・█████は消失する。
[抜粋記録終了]
[抜粋記録開始]
<16:07> SCP-2442はSCP-[データ消失]の収容室を観察しているように見える。
<16:08> SCP-2442: "これはあなたに誰かを思い出させますか?" 未知の発生源より女性の泣く声が続き、SCP-2442の傍の中空より水が自然発生する。
<16:09> SCP-2442: "大丈夫ですよ。私を信じて下さい。私達は一緒にやり遂げられます、だから私を信じて。" SCP-2442は滴る水に手を伸ばし、拭き取っているように見える。空気を包むように両手を丸めている。続く言葉はひそひそ声で、マイクでは拾う事が出来ない。
<16:10> SCP-2442は廊下を去る。凡そ3時間後にSCP-[データ消失]は消失する。
[抜粋記録終了]
事件の完全な記録は事件記録2442-01として見つかるかもしれません。事件記録2442-01へのアクセスはレベル5以上の職員のみに制限されます。許可なく事件記録2442-01にアクセスする試みは、O5司令部の命令により厳罰に処されます。
事件2442-02: 12/12/05、SCP-2442の収容に失敗した。回収の際に、サイト管理者ドゥアルテの努力により財団は損失を軽減する事ができた。サイト管理者ドゥアルテは致命的でない情報を提供する事でSCP-2442を混乱させることができた。サイト管理者ドゥアルテの効果的な混乱に適合するように収容手順が更新された。
[抜粋記録開始]
<9:21> サイト管理者ドゥアルテはSCP-2442を面談室に導いているように見える。彼はテーブルの一端に座り、SCP-2442は反対の側に座る。オンライン状態の録音装置とマイクが据えられている。
<9:21> ドゥアルテ: "さてSCP-2442。今日のご用件は何かな?何が知りたい?この施設が収容するどんな情報でも教えてやろう。"
<9:22> SCP-2442: "貴方達には人々がいますよね?まず最初に彼らの事を伺いたいと思います。彼らについて知りたいだろう誰かが私にはいるんです。" 壁の一枚を背に簡素な人影が現れる。その人物は室内のソファーに座っているように見える。シルエットとソファーは0.5秒後に消失。サイト管理者ドゥアルテはこの事に気付いたようには見えない。
<9:25> ドゥアルテ: "ああ、これを" サイト管理者ドゥアルテは、タブレット型コンピュータ内のSCP-[データ消失]のファイルをSCP-2442に見せる。 "SCP-[データ消失]だ。西棟に収容されている。" SCP-2442はタブレット型コンピュータを読んでいる。
<9:27> SCP-2442: "ふむ、面白い。彼はとても若いですね?彼の名は何と言いました?" 女性の声がSCP-2442に答える。マイクが一時停止したため、名前は確認できない。
<9:28> SCP-2442: "分かりました。彼はあなたの古い友人でしたね?事故の前の。彼が今どこに居るか知っていますね。恐らくあなたは彼に会いに行かなければならないでしょう。心配しないで。大丈夫。私が一緒に居ます。" SCP-2442は片手を伸ばし空気を握る。手と前腕の影が握るように空気中に現れる。0.9秒後に影は消失。凡そ25分後にSCP-[データ消失]は消失する。
<9:34> ドゥアルテ: "他に何か知りたいことは?"
<9:35> SCP-2442: "是非にも。説明の必要なしに協力してくれてどうもありがとう。貴方はとても大切な誰かを助けてますよ。"
[抜粋記録終了]
事件の完全な記録は事件記録2442-02として見つかるかもしれません。事件記録2442-02へのアクセスは監督官職員のみに制限されます。許可なく事件記録2442-02にアクセスする試みは、O5司令部の命令により厳罰に処されます。
事件2442-03: [O5司令部の命令により概要は除去]
これは私を不安にさせる抜粋です。サイト管理者カンナが彼の質問をやや強引にした時のものです。もし彼のいう事が真実なら...いや、あり得ない。絶対にあり得ません。ちょっとこれを見てください、そして皆の考えを聞かせてください。 - O5-9
[抜粋記録開始]
<22:09> カンナ: "なあ、SCP-2442。きみが我々の所有するオブジェクト達についてざっと目を通してる間に、少し質問してもいいか?"
<22:09> SCP-2442: "何でもお尋ねください、サイト管理者さん。可能な限り正直にお答えしましょう。"
<22:10> カンナ: "きみは誰と話してるんだ?何故彼らが重要なんだ?きみは何をしているんだ?きみは何故しているんだ?"
<22:10> SCP-2442: "何てことだ、好奇心で一杯ですね?" SCP-2442は笑う。 "私からは一つの質問で応じましょうか。ここは何処です?"
<22:11> カンナ: "ここはサイトと呼ばれていて、財団の中の―"
<22:11> SCP-2442: "何の土台ですか?"("The foundation of what?")
<22:11> カンナ: "なに?いや違う、それは財団―"
<22:11> SCP-2442: "ここにある唯一の土台は我々の足元にあるそれだけですよ。土台。何のか、正確に?それは何の土台ですか?あるいは恐らくこう尋ねなければならないのでしょう、それは誰の土台ですか?"
<22:12> カンナ: "理解できないな。それは財団と呼ばれる組織だ。それは何かの土台ではない。要するに..."
<22:13> SCP-2442: "ああ、閃きました。すみませんが、全てを説明してもよいですか?覚悟はよろしいですか?" SCP-2442は部屋の片隅の観賞植物がある場所に向けて話しかけているように見える。植物が動く。木の葉の音は女性の囁くような'はい'という声のように漠然と聞こえる。
<22:14> SCP-2442: "聞いてください、レヴァントさん。貴方に見せたいものがあります。ええ、私は貴方の名を知っています。しかし、貴方も既に私の名前を知っていますよね。" SCP-2442はコートのポケットから一枚の写真を取り出す。そのような写真は収容違反前にはSCP-2442の身辺からは記録されていなかった。写真は女性の肖像で、茶色の髪と茶色の目をした中年女性と推測される。 "この女性の顔を覚えていますか?"
<22:14> カンナ: "いいや分か...はい。ええ。彼女を知っています。彼女が幼かった頃に私が家庭教師として教えました。しかしそれは...それは遠い昔の事、私が...私が今の年齢と同じだった時の。そんな事は―"
<22:15> SCP-2442: "レヴァントさん。私を見てください。私の顔を覚えていますか?私はだれです?貴方が知っているものと確信しています、貴方が彼女の事を良く知っているのですから。"
<22:16> カンナ: "...フェスターガード先せ―いや、トーマスと呼んでくださいと仰っていましたね。トーマスさん。以前の面会はとても困難なものだったのでこうしているのでしたね、思い出しました。" サイト管理者カンナの声がアメリカ人女性のそれに変わり、以降の会談の間そのままとなる。サイト管理者カンナはパンジャブ人男性である。
<22:17> SCP-2442: "その通り、私はトーマスです、あなたの友人の。最初の面会が失敗に終わった時、私はあなたの精神がそれ自体をどのようにして構築したかより深く観察しなければなりませんでした。様々な対処メカニズムを教えるという以前の試みが何故上手くいかなかったのか、今やかなり明らかになりました。それらはここの分派になってしまったのです、競合したのですね。思うに、職員は彼らの事を―"
<22:18> カンナ: "要注意団体。" サイト管理者カンナは泣き始める。 "トーマスさん、ごめんなさい。ここには大勢の人がいるんです、とても多くの...私が仕舞い込んだ記憶が、あるんです。私が制御できなかったために。出来るかどうか分かりません。とても難しいんです。"
<22:19> SCP-2442: "大丈夫ですよ、ステーシー。私達はちょっとずつですが、そこに近づいています。あなたと私、一緒にです。もはや一人でこれら全てに立ち向かう必要はないんです。既にどれだけあなたが手放す術を学んだかを、どれだけ遠くまで来れたかを確かめて下さい。" SCP-2442は手を伸ばし、サイト管理者カンナの左手を握る。 "私達の始めた時のことを、私が話した事を覚えていてください。私は彼らを見つける事が出来るだけですが、あなたなら―"
<22:20> カンナ: "彼らを手放すことを、遠くへ行くことを学びました。分かってます。あなたと共に、トーマスさん。そろそろ―そろそろ面会を終わらせましょうか?" エージェント・█████と████がSCP-2442を収容室に戻すために現場に到着し、ドアをガンガン叩く。
<22:21> SCP-2442: "もちろんです。どうやら時間は尽きたようです、いずれにせよ。また会いましょう、ステーシー。必要ならば、私を呼べることを覚えていてください。" エージェント・█████と████はドアを壊し、SCP-2442は抵抗なく鎮静された。
[抜粋記録終了]
我々が何のためにここに居るのか思い出さねばなりませんね。我々は一人の妄想狂の現実歪曲者のために取り乱してはなりません。我々は安定を維持せねばなりません。我々は常態を保持せねばなりません。世界を崩壊させないために我々は永続するのです。確保。収容。保護。 - O5-3
他の誰もこれを知ってはならぬ。私達が行うのと同じほど多くの決定権を有する他の誰をも私は信用せんぞ。彼を'通常の'ナンバーのままにせよ。彼に特別な何かを与えるな、職員は警告を与えて調査から遠ざけろ。 - O5-4
彼は妄想狂です。私たちは安定を維持するのです。私たちは秩序を維持するのです。私たちは危険を確保するのです。予測不能を収容するのです。知ってはならない知識から世界を保護するのです。世界は私たちを必要としています。彼女はそれは私たちを必要としています。 - O5-5