SCP-2403
評価: +6

アイテム番号: SCP-2403

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 研究サイト-45の東階段は職員に対し、1〜3階までを無期限に封鎖します。2階の踊り場に繋がるルートは強化コンクリートで塞ぎ、1階の床には鋼鉄の防爆扉を設けて常に施錠します。SCP-2403の実験は追って通知があるまで中止となります。

説明: SCP-2403は現在、研究サイト-45東側吹き抜け階段の、2階に下る際の最後の段と2階踊り場の間でのみ発生している現象です。知性ある二足歩行生物が階段を下る際に最後の段を踏んで2階に降りると、その生物は瞬時に時空を超えて別な地点へと転送されます。

全てのケースにおいて、転送先は険しく切り立った崖が存在する高々度領域が主であることが判明しています。SCP-2403によって転送された対象者は、現象への事前知識を持つか否かに因らず、これらの崖から足を踏み出して落下するように配置されます。この間、対象者は通常の速度で自由落下を経験します。地面との接触直前、対象者は瞬時に2階の踊り場に再転送されます。

現象発生点において消失と再出現はほぼ瞬間的に起こっているため、対象者は僅かに時間の遅れのような感覚を経験することになります。しかしながら、対象者は自由落下を最初から最後まで体験し、尚且つその記憶を保持し続けます。他の物理的なオブジェクトや特性 ― 雨水(もし転送先で降っていた場合)、ダスト粒子、対象者が肺の中に吸い込んだガス、対象者の慣性や運動量など ― が対象者と共に帰還した例は確認されていません。実験の結果、踊り場に降りる直前の一歩で飛ばした段数と転送先の性質には相関性があると証明されましたが、これらの結果の精度は現在まだ決定的なものではありません。

実験4441年1月1日

対象: D-9679
手順: 対象はポータブルビデオレコーダーを持ち、通常のペースでSCP-2403を下るように指示された。
観察: 対象はごく普通に最後の段を下りた。踊り場との接触時、対象はパニックを起こして叫び始めた。対象は5秒間パニック状態で叫び続けた後に混乱した様子を見せ、息を切らせながら隣接する壁にもたれかかった。
映像解析: ビデオは5.5秒間の自由落下映像と、その間に絶叫し続ける対象の声を記録していた。映像の補正を行った後、場所は恐らくアメリカ西部にある橋と特定された。橋は深さ350mと推定される渓谷の間に渡されているものだった。構造解析に基づき、この橋は過去30年間に建造されたものと想定されている。

実験4441年1月3日

対象: D-8755
手順: 対象はポータブルビデオレコーダーを持ち、通常のペースでSCP-2403を下るように指示された。加えて、最後の段から踊り場へはジャンプして降りるように命じられた。
観察: 対象は階段を下り、最後の段からジャンプした。踊り場との接触時、対象は無意識状態で倒れ込み、診療室で急性心臓発作の治療を受けて蘇生した。聞き取り調査で、対象は落下する感覚以外の詳細な記憶を有していなかった。
映像解析: ビデオは18.9秒間の自由落下映像を捉えていた。対象は最初の5.8秒で失神したと思われる。映像分析によって、場所はヨーロッパで最も高い崖として知られるStore Trolltindであると確証することに成功。問題の場所で落下が発生した日付は特定できなかった。

実験4441年1月7日

対象: D-1145
手順: 対象はポータブルビデオレコーダーを持ち、通常のペースでSCP-2403を下るように指示された。加えて、最後の3段を飛び越えて踊り場に降りるように命じられた。
観察: 対象は階段を下り、最後の3段をジャンプで飛び越した。踊り場との接触時、対象は死亡した状態で倒れ込んだ。解剖によって、臓器や皮膚組織の大部分が損傷していることから、死因は急激な減圧であると示された。
映像解析: ビデオは1.1分間の自由落下映像を捉えていた。対象はおよそ10秒で死亡したと思われる。映像解析では地上の場所との照合に失敗。部検報告書を加味した更なる映像の分析により、場所は火星、恐らくはエチュス谷(Echus Chasma)のクレーターを囲む高い崖であろうと想定された。確証はこのデータの更なる見直し待ちである。

実験4441年1月10日

対象: D-5984
手順: 対象はNASA Z-1宇宙服を着用してポータブルビデオレコーダーを持ち、通常のペースでSCP-2403を下るように指示された。ビデオレコーダーは過酷な環境条件でも機能するように改良が施されている。加えて、対象は階段の下半分を飛び越えて踊り場に降りるように命じられた。
観察: 対象は階段を下り、最後の半分をジャンプで飛び越した。踊り場との接触時、対象の身体は宇宙服の中で砕け散った。対象の遺体は凍り付いており、宇宙服の右足部分に裂け目が出来ていた。ビデオレコーダーは破損していたがまだ機能した。
映像解析: ビデオは12.2分間の自由落下映像を捉えていた。自由落下の開始から5.1分後、対象は岩壁に勢いよく激突し、宇宙服が破損。この23秒後に対象は死亡した。映像の分析は極端な低温状態の低重力環境を示しており、また映像は大地の表面全体が固体の氷であることを明らかにした。映像が上空を映している部分と星図を比較した結果、この場所は既知の太陽系の外部に存在すると断定された。

実験4441年1月11日

対象: D-2469
手順: 対象はNASA Z-1宇宙服を着用してポータブルビデオレコーダーを持たされた。ビデオレコーダーは過酷な環境条件でも機能するように改良が施されている。対象は階段を一番上から下の踊り場まで飛び降りるように指示された。
観察: 対象は研究者や保安職員が待機していることを知って躊躇いを見せた。落下による負傷が診療所で治療されると保証されてなお非協力的な態度を取り続けたため、待機していた保安チームが対象に参加を承諾させる。対象は上階の踊り場から走って飛び出し、下階の踊り場へ降りるジャンプを成功させ、着地直前に消失した。対象やビデオレコーダーに再出現の兆候は見られなかった。
映像解析: ビデオレコーダーが回収されるまでは不明確。しかしながら、実験が行われた同時刻、隣接する研究室ではサイト内部におけるベータ線のバーストが観測されていた。データは更なる見直しのために記録された。

ページリビジョン: 8, 最終更新: 21 Feb 2024 12:32
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