特別収容プロトコル: SCP-2359は防音材を施した一般的人型収容セルに収容します。収容セルにはSCP-2359が情報を記録できるような媒体を入れてはいけません。SCP-2359を直接あるいは監視カメラを介して観察してはいけません。観察はSCP-2359の収容セルの正負のみを二値的に検出できるモーションセンサーによって行われなくてはいけません。
SCP-2359の直接的な記録 - ビデオ録画、音声録音、文書、画像 - はSCP-2359-Aに分類され、強化保安ロッカーに保管されます。これらへのアクセスは全てのセキュリティクリアランスに対して制限されます。例外はO5-14の許可があった場合のみです。
SCP-2359との対話や、以前の対話の検証は全てのセキュリティレベルに対して禁止されます。
SCP-2359の異常性に対する全ての研究は無期限に延期されます。SCP-2359に割り当てられた保安要員は隔週に一度の精神医学的評価を受けなくてはなりません。認識災害に感染した兆候があれば、クラスC記憶処置を受け、他の任務に異動となります。
どんな理由があれ、SCP-2359を移動させてはいけません。
SCP-2359は防音材を施した一般的人型収容セルに収容します。収容セルにはSCP-2359が情報を記録できるような媒体を入れてはいけません。SCP-2359を直接あるいは監視カメラを介して観察してはいけません。観察はSCP-2359の収容セルのモーションマッピングカメラによりキャプチャーされた、収容セル内の動きによってのみ行われなくてはいけません。
SCP-2359の直接的な記録 - ビデオ録画、音声録音、文書、画像 - はSCP-2359-Aに分類され、強化保安ロッカーに保管されます。これらへのアクセスは全てのセキュリティクリアランスに対して制限されます。例外はギラード上席研究員の許可があった場合のみです。
SCP-2359のインタビュー中の応答は記録されてはなりません。質問者、回答者とも、喉頭マイクによって録音され、ソフトウェアによって文書変換されます。SCP-2359の見せる応答に関する理解はこれらの文書からのみなされるべきで、他のソースを参照してはいけません。
予防措置として、SCP-2359に割り当てられた研究者及びセキュリティスタッフは一か月に一度の精神医学的評価を受けなくてはなりません。認識災害に感染した兆候があれば、クラスC記憶処理を受け、他の任務に異動となります。
SCP-2359の移動は、移送中の認識災害と収容違反の高い危険性のため、可能な限り避けなくてはなりません。移動しなくてはならない時は、収容セルから出す前に可搬性の知覚遮断箱に閉じ込め、新しい収容セルに入れるまで出してはいけません。これらの手順は完全に音を遮断する、モーションマッピング付きのヘルメットを装備した、あらゆる事態に対応できるチームによってなされなくてはいけません。
SCP-2359のクラス指定と収容プロトコルの変更に関しては、補遺2359-ガンマを参照してください。
説明: SCP-2359は身長1.76メートル、体重75.2キログラムの人型存在です。これ以上のSCP-2359の物理的な描写は、認識災害を引き起こさず、観察者のSCP-2359に対する知覚を歪めずに観察する方法がないため不可能です。人型をしているにもかかわらず、SCP-2359は飲食や睡眠を必要としておらず、直接観察された時にのみこれらを行いました。
SCP-2359の主要な異常性は、これを見た、聞いた、あるいは何らかの手段により情報を得た人物内で増殖する認識災害です。感染すると、感染者の精神内にSCP-2359に関する偽の人物像と記憶が発生します。結果として、感染者はSCP-2359を親しい家族の一員や、子供の頃の友人といった、人生の大部分において知己だった人物として認識します。刷り込まれた人物像は、感染者が心から信頼する人物であり、- 記録された事例の大部分では - 暴力行為の行使を含む大きな恩があります。複数の感染者のインタビューから判明したところでは、SCP-2359は感染者がすでに知っている人物になるのではなく、感染者の記憶に全くの新しい人物として挿入されるようです。感染を完全に取り除くためにはクラスC記憶処理の正確な適用が必要です。
SCP-2359の認識災害は、個性を区別する能力のある、既存のあらゆる媒体を介して感染します。Dクラスの被験体はポラロイド写真、デジタル画像、フィルム、デジタル動画、アナログ/デジタル録音、ソフトウェアによって文書化された録音に曝露されるとSCP-2359を認識しました。
SCP-2359またはSCP-2359-A実例への最初の暴露後、認識災害の効果が完全に現れるまで数秒から数分を要します。この間、影響を受けた対象は衰弱するほど極度の混乱を示します。刷り込みに要する時間は認識災害の継続的な暴露により短縮し、情報源から即時に離すことで増加しますが、記憶処理を行わずに感染を止める方法は知られていません。
認識災害に感染させられずにSCP-2359とコミュニケートすることはどんな媒体を介しても不可能です。同様に、感染せずにSCP-2359を視覚的に、あるいは何らかの画像キャプチャーを介して - レーダーイメージングをソフトウェアで分離し抽象的にレンダリングしたものであっても - 観察することも不可能です。現在、感染が証明されていない唯一可能な観察方法は、SCP-2359の収容セル内の動きをアニメーションで表現するモーションマッピングカメラシステムのみです。SCP-2359の認識災害は、感染者の言ったことを記録した二次的な記録物を介しては感染しません。
否定されると、SCP-2359の認識災害は潜伏的な殺害エージェントとして機能します。矛盾する証拠を突きつけられると、感染者の感じる不協和は連鎖反応を起こし情報災害的殺害エージェントとなります。詳細は補遺2359-アルファを参照してください。
補遺2359-アルファ: ギラード上席研究員による、エージェント・ショーのデブリーフィング・インタビューの記録
インタビュー対象: フィールドエージェント ███・ショー
インタビュアー: 上席研究員 ██████・ギラード博士<ログ開始>
ギラード博士: おはよう。
エージェント・ショー: おはようございます。
ギラード博士: 記録のために、名前と役職を述べてちょうだい。
エージェント・ショー: ███・ショー、ナッシュビル・オフィスのフィールドエージェントです。
ギラード博士: そしてこのデブリーフィングは最近のSCP-23... ええと... 2359の収容に関するものだと理解している。でしょ?
エージェント・ショー: イエス・マム。理解しています。
ギラード博士: いいわ、知っての通り、2359の確保にあたってあらゆる記録を取る必要があるの。これは異常性を研究するにあたって必要な書類になる。
エージェント・ショー: わかっています。
ギラード博士: 儀礼的な話はここまで。じゃあ... 作戦であなたはどんなことをしてたのか教えてちょうだい。
エージェント・ショー: そ、その... よく覚えておりません。
ギラード博士: いいわ、覚えていることだけ教えて。はじめから、大丈夫ならね。
エージェント・ショー: はい、ええと... 私はボクストン郡に向けてナッシュビルを発って - ええと、テネシーのナッシュビルでしたね。
ギラード博士: ええ ███、続けて。
エージェント・ショー: それでヘレフォードとディートリッヒとボクストン郡へ発ちました。郡の遺体安置所には先月は死亡者がたくさんいて、上司には異常現象に対処するように言われてたんです。正直、みんな塩分摂り過ぎただけ、みたいな話ならいいと思ってました。
ギラード博士: でもそうはならなかった。
エージェント・ショー: そうです。遺族に話を聞いたりしてボクストンを調べまわっても、異常性に繋がるような手がかりは何もなかったんです。でも郊外の調査に移って、ある男... ええと... ヘンリー・スターマン、だったと思うんですけど、彼の弟が市長に会ったって話をしながら街から戻ったって証言をし始めました。でも市長の名前を間違えて呼んでたんだそうです。詳細はよく思い出せないんですけど - ちゃんとしたレポートが私のデスクの周りかどこかにあるはずです - でも肝心なところは覚えてます。兄弟で口論になって、スターマンが弟に本当の市長の写真を見せて終わりました。弟のほうはフラフラになって、半時間後にぶっ倒れて死んでました。スターマンが言うには混乱した言動は脳障害かなんかの兆候だったんじゃないかって。
ギラード博士: それが手がかりになったのね。
エージェント・ショー: そうです。我々は他の家族のところに引き返して、繋がりを見つけました。犠牲者は全員市長について話したしばらくあとに死んでたんです。
ギラード博士: そこで異常な事件だと気づいたのね。
エージェント・ショー: そうです。現地の聞きこみを続けて、他にも出てきましたよ。郊外の住人の殆どが市長は白人の[削除済み]だって言ったんですけど、それ以外の連中は全員、市長はエドワード・ニミッツっていう混血だって骨まで信じこんでました。ナッシュビルのオフィスに電話してみたんですが、ニミッツなんて奴はどこにも登録されてない。
ギラード博士: その時から、異常現象は認識災害 - あるいはミーム - 的な性質を持つと考え始めたのね?
エージェント・ショー: ちょっとどう言っていいかわからないんですけど、その時点ではマインドファックだって断定するような証拠はまだなかった。そう思わせるような材料があったってだけで。まだ決定的じゃなかった。
ギラード博士: 次は何が起こったの?
エージェント・ショー: ディードリッヒが臨時のモニタリング・ポストを街区の外に設置したんです。ヘレフォードと自分はデブリーフィングのためにナッシュビルに戻りました。このことも言う必要ありますか?
ギラード博士: 文書がすでにあるわ。
エージェント・ショー: わかりました。機動部隊を編成する間、上司は俺たちを、収容作戦にむけて市庁舎を下見するためにボクストンに送り返すことに決めました。ヘレフォードと自分は命令を受けた時デブリーフィングの書類をデスクでまとめて... そして... それがヘレフォードを見た最後です。
ギラード博士: それが思い出せる最後ね。
エージェント・ショー: そうです。ええと... どう出発したのかも思い出せません。書類をまとめてからのことは何も思い出せないんです。
ギラード博士: でもブリーフィングはしたでしょう。
エージェント・ショー: そうです。
(少しの沈黙)
ギラード博士: 記録のために-
エージェント・ショー: ああ、そうだ。ええと... 俺たちはその日の終わりにはナッシュビルに戻ったそうです。でも俺達はおかしくなった。
ギラード博士: 感染した。
エージェント・ショー: 俺たちはふたりともニミッツは市長だと考えてた。俺たちは何で彼のことがそんなに気にかかるのかも思い出せなかった。二人別れさせられて、何をしたのか聞かれた。あなたは-
ギラード博士: その記録も持ってるわ。
エージェント・ショー: ですよね。ええと、ヘレフォードはニミッツなんて存在しないって言われて、州の戸籍を見せられてた。そして... それで死んだ。ボクストンの市民と同じ‘出血による脳卒中’で。俺は記憶処理を受けて、機動部隊は翌朝 - 昨日 - 出発して... これで正しいですか?
ギラード博士: だと思うわ。ありがとう ███。
エージェント・ショー: なにか、あなたが知っていない事はありましたか?
ギラード博士: ないわ、でも流れがわかった。上手く行けば、2359の異常性がどんなものか、すぐに正確にわかるようになる。
エージェント・ショー: そうですね。ええと... いえ、やっぱりいいです。
ギラード博士: 続けて。
エージェント・ショー: 俺から質問しても良いのかと思って。
ギラード博士: 勿論良いわ。
エージェント・ショー: 機動部隊。あいつは彼らも感染させたんですか?
ギラード博士: 全員ね、確認してるわ。ええと... デブリーフィングはまだ終わってないけど、鉱脈を掘り当てたって感じかしら。
エージェント・ショー: 機動部隊は感染されたけど、捕まえる事はできたということですか?
ギラード博士: ちょっと内部で... 混乱があって、でもそうね、作戦は成功だったわ。結局は、命令は完遂されたわ。
<ログ終了>
結: エージェント・ショーはSCP-2359の収容に関与した他のすべての職員と同様、精神医学鑑定期間を経て、6ヶ月間事務職へと異動になりました。エージェント・ショーは認識災害の持続の兆候は見せずに異動期間を終え、ナッシュビル・オフィスでのフィールドエージェントとしての仕事に戻りました。
補遺2359-ベータ: メイヒュー研究員補佐によるSCP-2359の最初のインタビューの記録
インタビュー対象: SCP-2359
インタビュアー: 研究員補佐 █████・メイヒュー<ログ開始>
メイヒュー博士: ええと... ハロー。
(メイヒュー博士は待つ。SCP-2359は挨拶を返したように見え、そして/あるいはなぜここに連れてこられたのか質問しているように見える。)
メイヒュー博士: 私... 私は、幾つかの質問をするためにここに来ています。
(SCP-2359はメイヒュー博士に続きを促すように見える)
メイヒュー博士: 質問は用意してあります。では... そうですね、あなたはなぜここにいますか?
(SCP-2359は質問の意味を聞き返すように見える)
メイヒュー博士: ええと... なぜ-
(SCP-2359はメイヒュー博士に割り込む)
メイヒュー博士: しかし私は... いえ彼らは-
(SCP-2359は再度割り込む。メイヒュー博士が再度口を開くまで32秒間の沈黙があった。)
メイヒュー博士: そ、それでは... あなたはなぜここにいますか?
(SCP-2359が質問の意図を聞き返す、あるいはメイヒュー博士が単に少し止まったように見える)
メイヒュー博士: なぜ彼らは君をここに連れてきたんだい?ノラ?彼らは君を異常な存在だと思ってるのか?
(SCP-2359の反応は不明瞭である。メイヒュー博士はさらに矛盾を感じている、あるいは混乱している様子を見せる。)
メイヒュー博士: 覚えているような気がする... いや、君は誰-
(SCP-2359はメイヒュー博士に脱走を助けるように頼んでいるように見える)
メイヒュー博士: で... できるかわからないけど。僕は録音されてるんだ。
(SCP-2359はこの会話も録音されているのか聞いているように見える。)
メイヒュー博士: いや、君は録音されてない。彼らはそうしたくないようだ。
(SCP-2359の反応は不明瞭。メイヒュー博士に脱走は可能だと信じさせているようだ。)
メイヒュー博士: これ以上君をここに閉じ込めておく訳にはいかない。彼らが君を何だと思っているのかは分からないが、彼らは間違っている。僕は君をよく知ってるからね。
(SCP-2359はメイヒュー博士を励ましてるように見える。)
メイヒュー博士: 全力を尽くすよ... 愛してる、ノラ。
<ログ終了>
後書: メイヒュー博士はSCP-2359の収容セルを出たあと、同僚らとデブリーフィングを行いましたが基本的に無視で応答したと偽り、SCP-2359が何らかの方法で録音を改ざんしたと主張しました。メイヒュー博士はギラード上席研究員に精神医学鑑定を受けるように要求されると暴力的になり、同僚たちを攻撃し、対応チームに回収される前に研究データを改ざんしようとし、クラスC記憶処理を受けました。
SCP-2359は翌日18時22分に収容違反を起こし、後に再度捕縛されました。アクセスログはメイヒュー博士が、収容を解除するのに十分なクリアランスを持った状態で86秒間にわたって研究ターミナルにアクセスしていたことを示しています。これはSCP-2359の収容セルを開けたプログラムスクリプトの最も可能性の高い侵入経路と思われます。
メイヒュー博士は療養後は認識災害の効果が持続している兆候は見せず、他の任務へ異動されました。
補遺2359-ガンマ: SCP-2359の収容プロトコルの改定
SCP-2359が長きにわたり職員を操作し収容違反を起こしてきたこと - 特に脱走中にSCP-2359がSCP-████と接触した最新の収容違反 - への対応として、SCP-2359の分類をEuclidからKeterに格上げする。それを受け、SCP-2359は以下のように改定された取扱方に基づき収容する:
SCP-2359の最新の収容違反では、その行動は数日にわたって観測されておらず、どれほどの財団職員が認識災害に暴露され、その結果としてSCP-2359を開放しようと策謀しているか不明です。この事への安全策として、SCP-2359を用いた現在の研究プログラムは無期限に延期され、SCP-2359とのコミュニケーションは今後全てのセキュリティレベルに対して禁止されます。例外措置の申請はO5-14が対応します。申請が繰り返された場合精神医学鑑定の対象となります。
SCP-2359が現在昏睡状態を装っていることおよび、ギラード上席研究員の「認識災害はモーションマッピングカメラを通じても感染する」という仮説に基づき、SCP-2359の監視は検出された行動を二値化するフィルターを介して行うこととします。予防措置として、SCP-2359のモーションフィードのデータからキャプチャーされた画像は文書からは削除されます。SCP-2359のライブカメラへのアクセスは依然として禁止されます。デジタル化されたモーションフィードにアクセスするには今後O5-14の許可が必要です。
SCP-2359はいかなる理由があっても移動されることはありません。例外措置にはO5-14の許可が必要です。
以上の取扱方の改定は2016年1月22日をもって発効されます。
– O5-14より
皆はO5-14からの通知が来ているという。彼らは2359の収容法が改訂されたという。だからプロジェクトは閉鎖され、私たちは再割り当てされるのだと。私に言えることが1つあるとすれば、その席についているのは13人だけだという事だ。常にそこには13人しかいなかった。だが明日の今頃には、私は間違いなく、昔からその席は常に14人分だったと考えていることだろう。2359は収容されていない。評議会が危険に曝されている。あなたがこれを読んでいるなら、あなたはもう余りにも多くの事を目にし過ぎている。 ― G