アイテム番号: SCP-2049
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 10名の財団職員を常にイギリス、マニングツリーに居住させます。SCP-2049-1からの発信が検知された場合、予報に関わる情報を直ちにサイト-294に伝達してください。異常性がマニングツリー住民に直接の影響を与える場合、機動部隊294-サメク ("俺達の名前くらい俺達に選ばせてくれないか?") がマニングツリーに配置されます。結果として発生した異常性にはカバーストーリーが適用され、直接の目撃者には記憶処理が施されます。
SCP-2049の放送は、英国内の不明な発信元による悪ふざけとしてマニングツリーに報告されています。
説明: SCP-2049はマニングツリーのみに定期的に発生する異常な天気予報です。ランダムな期間をおいて、大抵は8:00から14:00の間にマニングツリーの43.5チャンネルで放送が始まります。この時、スクリーンにはSCP-2049-1が現れ、概して異常な気象条件に関する天気予報を行います。放送終了から正確に24時間後、予報された気象条件がマニングツリーの上空または近辺で発生します(現在までの完全な予報の記録は文書2049-シータを参照)。
SCP-2049-1は青緑色の肌をしたヒト型生物です。この点を除けば、SCP-2049-1は異常性のない40代の男性のように見えます。SCP-2049-1はマニングツリーに現れる天気を予報しますが、予報の異常な影響は意図したものではないと述べています(インタビュー記録2049-Aを参照)。以下がマニングツリー住民によって記録された、SCP-2049-1の知られている最初の放送です。
SCP-2049-1: おはようございます。私、Xchtl'krnssが月曜の天気予報をお伝えいたします。週末の熱波には皆様もお疲れのことでしょうが、前回の予報以来悪化しています! 私共の気象学者は、午後遅くに気温は40°Cまで上昇すると予測しています。現在の気温は29°Cくらいのようですが、これは朝のみです。しかし、火曜には色付きの風が吹き暑さは和らぐでしょう。残念ながら、雨は明日から5日間降りません。園芸がご趣味の方には悪いニュースですね。エアコンをお持ちでなければ屋根の上で眠られてはいかがでしょうか! 本日の天気予報は以上です。火曜日の天気予報をお楽しみに。
この天気予報は地球を対象としていると見られましたが、後に、これは稀なケースであることが判明しました。
後になるほど、これらの放送の信号強度と、映像、音声の品質は劣化していることが分かりました。双方の品質はスポンサーの募集が始まると同時に急激に低下し、その後は緩やかな低下傾向にあります。
回答者: SCP-2049-1
質問者: フィッツパトリック博士
前書: 放送中に表示された電話番号を用いて対象と接触。質問者は非通知で電話をかけた。
<13:24:09、ログ開始>
SCP-2049-1: もしもし? こちらは次元間天気予報センターです。
フィッツパトリック博士: これはスポンサーのための回線でしょうか。
SCP-2049-1: はい!そう、そうです! <フィッツパトリック博士は電話を耳から離す。SCP-2049-1はこれを大声で叫んでいる。>
フィッツパトリック博士: あなたが何をやっているのかについて、本当のところを教えていただけませんか?
SCP-2049-1: ああ、はいはい。私はXchtl'krnssですが。ええ、あなたはもう知ってると思いますけどね!どうしたらあなたを言いくるめられるでしょう。
フィッツパトリック博士: あなたの予報が、気象条件を作り出していることに気付いていますか?それとも、未来を予測することができるのですか?
SCP-2049-1: <笑い> そんなばかな。私は他の善良な天気予報キャスターと同じで、私が知った事実を報告しているだけですよ。
フィッツパトリック博士: 放送の品質がだんだん低下しているようですが、なぜですか?何かあったのですか?
SCP-2049-1: ああ。ああ、うーん...はい、はい。私の雇い主...えーと、彼らが、あの、私をクビにしたんです。彼らは、次元間天気予報はもううまくいっていないと。一般人は自分たちの地域の予報を好むのだと。彼らは...彼らは今、通販番組みたいなことをやってると思います。
フィッツパトリック博士: それならば、どのように放送を続けているのですか?
SCP-2049-1: ああ、私は自分のカメラを使ってるんです。この帯域を自分で買い取って、ですよね?彼らはこれをとても安く売ってくれました。それが...ええと、少なくとも私にしてやれることだ、と言って。
フィッツパトリック博士: スポンサーはつきましたか?
SCP-2049-1: ああ、はい!相当の数が。嬉しいです。
フィッツパトリック博士: その名前を教えていただけますか?
SCP-2049-1: い、いや、だって...でも...ええと、これは問題に...うん、機密情報ですよ。奥様。<フィッツパトリック博士は男性である。>
フィッツパトリック博士: 分かりました。なぜ放送を続けているのですか?視聴者は多いのですか?
SCP-2049-1: <応答なし>
フィッツパトリック博士: もしもし?Kic- <質問者はSCP-2049-1の名を発音しようとするが、遮られる。>
SCP-2049-1: いいですか?ここを出たら孤独になるだけです。少なくとも、ここにはまだほんの少しの忠実な視聴者がいます。彼らは私を愛してるようだし、チャンネルは欠かさず合わせてくれてるし、私を信じてくれてます。
フィッツパトリック博士: 分かりました、SCP-2049-1。
SCP-2049-1: ...それは誰です?
フィッツパトリック博士: 以上で終わらせていただこうと思います。
<電話の向こうから、動物のようなすすり泣きが聞こえる。>
SCP-2049-1: 行かないで。
<13:31:37、ログ終了>
後書: この番号に再度の電話を行ったが、番号は使用されていない、との応答が得られたのみだった。放送は未だ続いており、発生の度にこの文書に追加されることになっている。放送の品質もSCP-2049-1の態度も、この電話以降改善は見られない。