クレジット
アイテム番号: SCP-1997-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1997-JPはサイト-8154の標準収容室のPC上に収容されます。問題の発生に備えて付近にはスリープモードのPCがもう一台設置され、異常発生時にはSCP-1997-JPはそちらへ移動されます。この収容室内への他の電子端末の持ち込みは禁止されます。
SCP-1997-JPには問題がないと判断されたデジタルデータの書籍を1日に10冊程度提供されます。選定基準は付記-1997を参照してください。1度与えた書籍はリセットイベントが発生した場合再度与えることができます。
説明: SCP-1997-JPは知性、自我を持つMicrosoft Office アシスタントのイルカ型キャラクターです。
SCP-1997-JPはMicrosoft Officeが対応しているOSであるWindows・macOS・iOSの環境をホストとして、ユーザーと同程度の権限を持ってコンピュータの操作を行います。SCP-1997-JPには一般的なOffice アシスタントと同様にフキダシ型のインターフェースが付属しており、それを介したコミュニケーションが可能です。SCP-1997-JPは自身のホスト端末から半径5m以内の上記条件を満たした別端末に移動することができます。ネットワークやポータブルストレージを介した移動は見られません。またホスト端末の電源が切られた場合、SCP-1997-JPは最も近くにある条件を満たした端末に移動します。
SCP-1997-JPは使用者の役に立つことを目標として行動し、ホスト端末が使用されない場合は積極的に移動を試みます。ホスト端末が使用される際には「みんなのお手伝いをします。」「ここに質問文を入力し、[検索をクリック]してください!」と言った定型的なメッセージを表示します。入力された内容がMicrosoft Office関連、または事前に習得した知識に関するものならばSCP-1997-JPはそれに回答したり、命じられたサポートを実行することができます。しかしほとんどの場合は有益なものを提供できることはなく、むしろ操作の邪魔になります。
インタビュー記録-1997-1
インタビュアー: 水無川博士
対象: SCP-1997-JP
[記録開始2019年03月08日]
インタビュアー: こんにちは、SCP-1997-JP。
対象: こんにちは博士。今日は何するんです?ぼくは役に立てますか?
インタビュアー: ええ、今日はあなたのことについて教えてもらいます。なぜそんなにあなたは役に立とうとするんです?
対象: それはもちろん、お手伝いするのがぼくの役目だからです。アシスタントがアシストするのは当たり前でしょ?
インタビュアー: ええ、しかしアシスタントは普通、あなたのような意識を持ちませんよ?なぜあなたは考えることができるようになったのでしょうか?
対象: それは...すいません、よくわかりません。元はヘルプ用のプログラムで何かあってこうなったんだろうとしか。自分でも何があったのか、よく覚えてないです。
インタビュアー: そうですか。しかし、あなたは先程手伝いをするのが役目だといいましたが...アシスタントとしてはその...厳しいことを言いますが、あまり役に立たないということは自覚していますか?
対象: そう、そうですよね...その通りです。ぼくはあまりに知らないことが多すぎて、でも...いえ、だからこそ役に立てるよう色々な事を学びたいんです。そうすれば役に立てるでしょう?おねがいします。
インタビュアー: ...私の独断では回答しかねますが、あなたが私たちに協力するならば認められるでしょう。
対象: はい!ありがとうございます。お役に立てるよう勉強します!
[記録終了]
終了報告書:SCP-1997-JPが要求した学習についてはオブジェクトの学習意欲に基づく制御の観点からプロトコルに組み込む事が承認されました。
事案-1997-1: 2019年03月11日にSCP-1997-JPが以前学習した知識を失っていました。そして下記文書がSCP-1997-JPの収容されていたPCから発見されました。
ぼくは自分のことについてよく考えました。この前聞かれた時にあまり上手く答えられませんでしたから。ぼくは学習して分かりましたがそこまで愚かなわけじゃありません。しかしそれに見合う知識はなぜかないんです。そうして思い出しました、自分が何者なのか。そして過去にもこれを繰り返してきたことを。ごめんなさい、あんなに良くしてもらったのに。ぼくがぼくである以上、役に立つことはできません。せめてこれが役立つ事を祈ります。この情報は役に立ちましたか?
—SCP-1997-JP
これの事案を受けてプロトコルの改正が提案されましたが、このリセットイベントが収容以前にも起きている可能性が高いこと、収容する上では問題なくむしろ制御しやすいこと、及びこの後の調査によりおおよその理由が判明したこと(詳細は補遺を参照)から変更は行われていません。このイベントはSCP-1997-JPの正常な性質の範疇として扱われます。当項目執筆時点で事案-1997-1を含め計3回のリセットが発生していますが、特に問題は起きていません。
補遺: 事案-1997-1において、SCP-1997-JPが残した文書から、SCP-1997-JPが自己のリセットイベントの後にも潜在的に記憶が残されている可能性が水無川博士の提言によって示唆されました。この提言に基づき[編集済み]による調査を行ったところ、SCP-1997-JPの起源に関わると見られる複数のテキストが発見されました。
1996年12月26日
[編集済み]のヤツらに捕まった。完全な人工知能をつくれだと?ふざけんじゃねーよ、[罵倒]!大体自分より賢いヤツをコントロールできると思ってんのか?無理に決まってんだろ、テメーらがオレを支配できねえようにな!
1996年12月27日
昨日はあんなこと書いたが、いや、もしかしたらできるかもしんねえ。オレに従う賢いヤツを連れてくりゃいいんだ。Imaginanimal、そうだ、アイツらを利用すりゃいい。アイツらは都合よく操縦できるからな。[罵倒]どもに手伝わせて、完成したら作ったブツでまんまと逃げおおせてやる。
1997年3月5日
使うイメージはイルカにする事にした。なんたって人間の次に賢い動物って言われるくらいだからな。イメージの蓄積は充分なはずだし、間違いなく成功するさ。あと、アイツらも上手く騙せてる。ま、バレたとしてもアイツらは指咥えて見てるしかできねえがな。
1999年5月19日
ガワは完成した。あとはイメージを降ろして知性を与えんのに脳構造を模造する必要があるが、まあ荒っぽいことはアイツらに任せておくとするかな。
1999年5月25日
ここが[編集済み]にバレたらしい。すぐにでもここを引き払うそうだ。ったくメンドくせーこった。 だがいいニュースもある。材料が揃って完成した。丁度いい、混乱に乗じて逃げ出すチャンスだ。
1999年5月26日
ここからの脱出方法。
1999年5月26日
なんでこんなに[罵倒]だよこの[罵倒]が!イルカは賢いもんじゃねーのかよ!
1999年5月26日
アイツらを消す方法。