アイテム番号: SCP-1918
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1918-2への入口は██/03/05をもって施錠され、定常映像監視でモニターされています。3箇所の入口を内包している下水施設は財団職員により隔離され、入口自体は封印されました。以前に施設で雇用されていた労働者は記憶処理され、財団職員で置き換えられました。他全ての入口はセメントで恒久的に封印されました。
SCP-1918-2は地震探査画像を介して監視できますが、財団の活動激化防止プロトコルに則って、直接的な探査は行われません。
説明: SCP-1918は、SCP-1918-2の中に存在する組成不明の物体です。見た目にはプラスチックの塊に金属の棒を取り付けたような姿で、普段は1918-2の廊下の間を移動しているのが見つかります。SCP-1918は自らの意思で移動しますが、如何なる時も地面から離れる様子はありません。SCP-1918は移動する方へ傾いて時速5kmの等速で移動します。SCP-1918は通過する床表面に適度な力を掛けて、かすかに軌跡を残します。SCP-1918は時折これらの引っ掻き傷を利用して意思疎通します。
SCP-1918-2は、SCP-1918を収容しているエリアの呼称で、メイン州█████の地下12mの空洞に位置します。SCP-1912-2は外見上、同じ地域にある変電所に類似します。SCP-1918-2の内部には18ヶ所の同一の部屋、ないし9個の複合部屋があります。各部屋は外の床に残された雑な引っ掻き傷で、「1」の部屋と「2」の部屋に区別されています。SCP-1918-2は左右対称で、0.50m幅の廊下がそれぞれの複合部屋を環状に取り巻いています。この構造の唯一の例外は、それぞれの部屋の横にある入口の位置で、これは施設が活性化している間ランダムに変化します。SCP-1918-2の内部を再現した画像はImage No #: 1918-Bの通りです。
SCP-1918-2へのアクセスは非ユークリッド的であり、入口は互いに数キロメートル離れている傾向があります。現時点で9ヶ所の入口が知られており、うち5ヶ所が下水溝の格子、3ヶ所が下水処理施設の作業用マンホール、1ヶ所がトイレです。施設から脱出できるとは考えられていませんが、実験記録1918.14の映像はその可能性を示唆しています。
施設の廊下には全く明かりがなく、生成された光は未知の仕組みで吸収されます。このため、探索は施設の内装の記憶と接触によって行わなければなりません。SCP-1918-2内部での音は、イベントの進行中は異常に振舞います。聞き取れる反響音は、音(これ自体は聞こえない)が実際に生成された5秒後に聞こえます。
SCP-1918-2にある部屋の床には、かつて施設内に閉じ込められた人々の体液に由来すると思われる残渣が付着しています。
SCP-1918-2からSCP-1918を取り除く試みは概ね失敗しており、現時点でSCP-1918とSCP-1918-2が同時に発生したのか、それとも別々の存在なのかは分かっていません。
中央の部屋に人もしくはイヌ科の対象が入ると、2つのことのうち1つが起こります。どちらの場合も部屋には明かりが付き、SCP-1918-2は「活性化」します。そしてSCP-1918が対象の居る部屋に入ると一定の速度を保ったまま床を横切り、跡で「丸罰ゲエム」(Tik Tak Tow)ないし「記臆ゲエム」(Memoree)と読めるメッセージを残し、メッセージを記述するなり立ち去ります。これより前に対象が部屋を出ようとすると、部屋は休止状態に戻り、対象とその所持品はすべて、ただちに消滅します。
- "丸罰ゲエム:(Tik Tak Tow)" | 物体は各「1」の部屋に移動し、「○しろまる×ばつゲーム」の要領で、もし床に既に「○しろまる×ばつ」の印を残します。どのようにして対象が印を付けることを成し遂げるかは示されていません。そうするための手段は提供されません。
- "記臆ゲエム:(Memoree)" | 部屋を出ようとすると、おそらくSCP-1918に由来する無遠慮な力によって対象は気絶させられます。対象は施設内のランダムな区画で意識を取り戻します。中央の部屋と同一の「1」の部屋を見つければ成功です(このイベントの間、各部屋はわずかに異なって見えます)。対象は施設内の廊下全体を通じてSCP-1918に追いかけられ、それによってこのイベントには時間制限が存在するようです。正しい部屋に「○しろまる」印を付ければ対象は「勝ち」ます。
「2」の部屋に入るとSCP-1918-2は休止状態に入り、参加している対象は死亡すると推定されます。
対象が成功すると、SCP-1918は対象が現在居る部屋に現れます。そしてSCP-1918は床に"ニューゲーム"と記し、新しいイベントで過程が繰り返されます。対象が失敗するとSCP-1918-2は単純に休止状態に戻り、先のイベントに参加していた対象は消滅します。
歴史: メイン州の小さな町(人口226人)である█████で4人のインフラ関連労働者が消滅した後、SCP-1918-2は財団の注意を引くところとなりました。現地の保安事務所には地下の「金属質の引っ掻き音」についての大量の報告が記録されており、下水の鉄格子付近でもっともよく聞かれていました。
補遺A: 10/08/31に行われた実験の映像。
Dクラス職員はイヤホンとヘッドランプ、研究者にライブ映像を伝える胸部固定カメラを装備しています。対象は入り口2から入るよう指示されました。
D-2934: よし、で、このトンネルはどこへ続いてるんだ?
サンダース研究員: 説明済みだ。続けて。
D-2934: ああ、着いたらこのゲームをやって戻って来るんだろ?なんで俺は前にお前らがポールをおちょくりやがったことをしちゃいけないんだ?
サンダース研究員: 君は目的について専門的な知識があるために選ばれたんだ。今どこだ?
D-2934: トンネルは終わりだ、コンクリートの部分はってことだが。でかくて古い洞穴だな、ん、端に穴が見える。
サンダース研究員: その穴に入りたまえ。
D-2934: マジで言ってんのか?ロボットかなんか突っ込んだ方がいいんじゃねえのか?
サンダース研究員: 実験を終わりたいのか、D-2934。
D-2934: へいへいわーった、わーったよ、ほら首突っ込んだぞ。クッソ、こりゃエキサイティングだぜきっと。
音声と映像は廊下を移動していると思われる間は無用なデータを返した。D-2934は暗闇を移動していたが、部屋に明かりが付き、SCP-1918が現れた。そこは中央の部屋と推測された。
D-2934: おい誰だ明かり付けたの?ウヒャ、なんなんだよ一体こいつぁ?おい、そこだ、見えてっかお前ら?聞こえてるか?これがそのブツかよ?
D-2934: こいつぁ......おい、これちゃんと見えてるか?こりゃ、へっ、マルバツゲームだって、ハハハ、ん?――おい、あんにゃろどこへ行くんだ?いやどっちへ行ったかは分かるんだがそういう意味じゃなく――
サンダース研究員: 手続を開始してくれ。説明した通りだ。迅速に動いてくれ。
映像は暗転した。金属を引っ掻く音が聞こえる。
4分後、映像と音声が復活した。
D-2934: ハッ!やってやったぜ!そんで俺は「○しろまる」を付けるんだな?今はちょうど左上だ、壁があるのが分かる、自分の手みたいに覚えてる。ハッ、聞こえてるだろ? そ こ の お 前 ら ?
サンダース研究員: ああ。
対象は床に印を付ける。SCP-1918が部屋の出入り口に現れる。
D-2934: やい、てめえこんなことは言わなかったぞ、ありゃ何してやがんだ?
SCP-1918は出入口にとどまっている。
サンダース研究員: この挙動は現在記録されていない。協力に感謝する。
D-2934: オイそりゃどういう意味だ?
SCP-1918は4分間出入口にとどまっている。
D-2934: やい下衆野郎、てめえ俺に何をする気だ?
SCP-1918は微かに左右に揺れている。
D-2934: このクソったれ負け犬野郎、「○しろまる」は一個きりだ、余所行って別のを描けよ!
SCP-1918は入り口から広間へと後退した。
サンダース研究員: 続けて。
20分後イベントは終了し、D-2934が勝った。
D-2934: ざまあ、俺の勝ちってことだな。棒付きアメ野郎は一か所も取れなかったぜ!
サンダース研究員: SCP-1918が来るのを待ってくれ。
D-2934: あん、どういうことだ?
SCP-1918は部屋に入り、床に「インチキ」「ニューゲーム」「記臆ゲエム」と記した。
D-2934: はいはい。何てえクソったれな下衆野郎ペッツ・ディスペンサーだ。
D-2934は部屋から出るなり無力化された。映像は4時間後復旧するが、その間ずっと引っ掻き音は聞こえていた。
音声はもはや聞こえず、イヤホンとマイクは損傷したか失われたようである。
D-2934が部屋に入る時映像はぐらついて見える。恐らく頭部への深刻な外傷が理由である。
D-2934は部屋を出て、走っているように見える。
12分後D-2934は別の部屋に入り、手を打って揉みあわせているようである。
D-2934は部屋の中央に近づく。D-2934は不審げな仕草をしている。
D-2934は3分間部屋を歩き回る。
D-2934は部屋の側面に見えている錆びたパイプに近づく。
D-2934が手首をパイプに沿って動かすと血が流れる。前述の手首を握り、しばし壁にもたれる。
D-2934は部屋の中央でかがみこんだ体勢を取り、特定のパターンで手首を繰り返し擦りつける。
D-2934は再び立ち上がり、ジャンプスーツを脱いで手首の周りを覆う。
SCP-1918が戸口に現われる。D-2934はじっとしている。
SCP-1918は「インチキ」「ニューゲーム」と床に記し、振り返って左右にぐらつきながら戸口へ移動する。
D-2934は右腕の前腕を左手で握るとSCP-1918に向かって中指を立てる。
SCP-1918はD-2934に近づく。
D-2934は素早く部屋の隅に移動し、パイプを取り出す。D-2934はSCP-1918に突進し、パイプの端でSCP-1918の「頭」を繰り返し殴打し始める。
SCP-1918の「頭」はD-2934がパイプで接触した特定の領域で壊れ、出血しているように見える。映像が終わる前、灰色の物質に見えるものがSCP-1918の頭からこぼれ落ちているのが見える。
映像は復旧するが、光景は部屋の天井に固定されたまま。(5時間)
D-2934の頭が視界に入る。カメラを覗き込むように傾いたあと、視界外へ反り返ったように見える。
映像は2時間後終了した。