SCP-1900-JP-1の一種
アイテム番号: SCP-1900-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1900-JPはサイト-8181、サイト-8161、サイト-8141の低脅威物品保管庫へ個別に収容されます。それぞれ小型カメラにより常に観察し、移動の方向の変化を記録します。サイト間の輸送、屋外での実験を想定する場合、金庫など密閉できるものに入れて移動させてください。
新たにSCP-1900-JPを発見した場合、地表付近であれば周辺サイトのエージェント・機動部隊を派遣して回収を行ってください。地上500m以上を浮遊するSCP-1900-JPは回収部隊ろ-2("鉄屑収集家")が狙撃、回収を行います。SCP-1900-JP出現に関する法則性は現在研究中です。各サイトに配置したSCP-1900-JPの移動方向により新たなSCP-1900-JPの大まかな出現地点予測が行われます。
説明: SCP-1900-JPは異常性を持った部品群です。SCP-1900-JPは大部分が既知の物質で構成されていますが、一部未知の物質が使用されています。SCP-1900-JPの多くは欠損、錆びがあり、ガソリンもしくは重油が付着しています。SCP-1900-JPは版型や損傷の状態などから20世紀前半に製造されたものであると推察されています。
SCP-1900-JPは形状別で管理されます。以下、現在財団が収容しているSCP-1900-JP分類です。番号 | 形状 |
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SCP-1900-JP-1 | 動力機器類 |
SCP-1900-JP-2 | 留め具類 |
SCP-1900-JP-3 | 排水関連部品 |
SCP-1900-JP-4 | コンピュータ関連機器部品 |
SCP-1900-JP-5 | 発電関連機器部品 |
SCP-1900-JP-6 | 生活系機器(照明、冷暖房機器など) |
SCP-1900-JP-7 | その他金属類 |
SCP-1900-JP-8 | 金属類以外の回収物 |
SCP-1900-JPは多くの場合、重低音の後に出現しています。現在財団が把握しているSCP-1900-JPの最高浮遊地点は地上1352m地点約3000m地点ですが、より高い地点での出現が推測されます。一度に観測されるSCP-1900-JPの個数は4~16個で、これは増加傾向にあります。
出現後、SCP-1900-JPは時速6km程度で高度を下げ続け、最終的には地上0.05mで安定します。しかし、生物による衝撃や天候の影響などを受けた場合は(浮遊性の喪失も含め)高度を急速に落とすことがあります。収容サイトごとに別々の方向へと向かって浮遊しており、その延長線上で必ず合流するため、同一の一点へ向かって浮遊により移動する性質があると考えられます。また時間経過により方向が変化するため、一点そのものも移動している可能性が高いです。この変化には種類が2つあり、徐々に移動方向がずれるように動く場合と、突発的に移動方向が変化する場合があります。この移動方向の変化は不規則的に行われ、その原因は現在判明していません。
SCP-1900-JPはSNSサイトに「歯車が浮いている」というコメントとともにSCP-1900-JP-1の画像が添付された投稿がされたことで財団に発見されました。当初、財団は投稿に懐疑的でしたが、その後同じような投稿が多数確認されたため調査を開始しました。投稿者には記憶処理を行い、カバーストーリー"コラージュブーム"を実施しました。
地上付近へ降下したSCP-1900-JP-U -200█.12.05
200█年12月05日
██████の████地方上空で20██個のSCP-1900-JPが段階的に出現し、その際同時にジンベエザメ(Rhincodon typus)に似た未知の機体(SCP-1900-JP-Uと指定)が出現しました。出現情報から6分後に到着した調査チームによると、SCP-1900-JP-Uは全長1500mと推測され、当時地上約1000m地点を推定時速60kmで移動していました。調査チーム到着の約3分後、SCP-1900-JP-Uは消失しました。SCP-1900-JP-U出現後、財団は各サイトのSCP-1900-JPが120秒以内に███回移動方向を変化したことを確認しています。聞き込み調査の結果、空中での爆発とともに多数のSCP-1900-JP及びSCP-1900-JP-Uが出現し、その後もSCP-1900-JP-Uは降下を続けながらSCP-1900-JPを排出していたことが明らかとなっています。降下に伴ってSCP-1900-JP-Uは出現から2分程度黒煙を上げていたそうです。
聞き込み調査をした住民を含めSCP-1900-JP-Uの可視範囲にいる財団職員以外の住民に記憶処理を実施後、カバーストーリー"フロント企業████による映画の撮影"を流布しました。また財団保有のものを除く人工衛星の映像よりSCP-1900-JP-Uを除去し、関係者に記憶処理を実施しました。
研究チームが発足され、SCP-1900-JPの移動先がSCP-1900-JP-Uであるという仮説が立ちました。過去のSCP-1900-JP出現事例より、SCP-1900-JP-Uは不規則的に転移を繰り返している可能性が高いです。
この事案の調査を担当したパイロット・██は「SCP-1900-JP-Uの背に白骨化した遺体が搭乗していたのを確認した。あまりよく見ることはできなかったが、旗を手にしているようだった」と発言しています。