SCP-1871-JP
評価: +58

クレジット

タイトル: SCP-1871-JP - 素数ゼミ
著者: ©︎KanKan KanKan
作成年: 2018


著者ページ

評価: +58
評価: +58
RiemannZemi.jpg

ベルンハルト・リーマン。

アイテム番号: SCP-1871-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 全SCP-1871-JPは半径30mの範囲内のケヤキを覆う様に建設した収容施設1871-JPに収容し、収容施設1871-JPは植物園に偽装します。羽化の時期には、週に1度施設内にケヤキの樹液の入った金属容器を設置し、個体数の確認を行います。特定の姿の個体が減少していた場合、フェロモンを用いてその姿のメスと他の姿のオスとの生殖を促します。

<2016/██/██追記> SCP-1871-JP-7の個体の減少が深刻である為(詳細は補遺を参照)、繁殖期は常時Dクラス職員の手でフェロモン使用による生殖促進が行われます。

説明: SCP-1871-JPはMagicicada属に属するセミの一種です。現在6つ7つの姿の個体が確認されており、卵から幼虫への成長や変態の様子及び期間にも異常は見られません。

SCP-1871-JPが幼虫から成虫に変態する際、幼虫は急速に膨張し、最終的には人間1人分の大きさになります。羽化したSCP-1871-JPは全裸であり、背中に翅を有した人間の姿をしています。また、全個体が著名な数学者に酷似しています。羽化以降は、非異常性のMagicicada属と概ね同様の行動を取ります。例として、歯と舌を用いた樹液の摂食や、求愛の為に翅を震わせ発する、数式を読み上げる男声に聞こえる鳴き声等が上げられます。鳴き声や発声には、酷似している数学者の母語を用います。

SCP-1871-JPは自身と異なる姿の個体と優先的に生殖を行い、生殖により誕生した個体の姿は母体に依存します。この時、同じ姿の個体同士が生殖を行った場合、誕生した個体には羽化した際高確率で先天的な障害が発現します。現在まで、母体と誕生した個体の姿が異なった例は確認されていません。
以下は、確認されているSCP-1871-JPの姿の一覧です。

分類番号 成虫になるまで 内容
SCP-1871-JP-1 約13年 50代頃のマラン・メルセンヌ(1588〜1648)に酷似している個体の総称。鳴き声はメルセンヌ数の式であり、梯子に留まることが多い。
SCP-1871-JP-2 約13年 20代頃のピエール・ド・フェルマー(1607または1608〜1665)に酷似している個体の総称。鳴き声はフェルマー数の式であり、羽化する際に「私は真に驚くべき証明を見つけたが、この殻はそれを書くには狭すぎる」と発言する。
SCP-1871-JP-3 約17年 30代頃のゲオルク・フリードリヒ・ベルンハルト・リーマン(1826〜1866)に酷似している個体の総称。鳴き声はリーマンの素数公式であり、比較的多くの個体と生殖する場合が多い。生殖中、リーマン予想において定義されるゼータ関数を発言する。
SCP-1871-JP-4 約13年 20代頃のパフヌーティー・リヴォーヴィッチ・チェビシェフ(1821〜1894)に酷似している個体。鳴き声はベルトラン=チェビシェフの定理であり、メスは多くの場合SCP-1871-JP-5のオスと生殖する。
SCP-1871-JP-5 約13年 30代頃のジャック・サロモン・アダマール(1865〜1963)に酷似している個体の総称。鳴き声は素数定理であり、オスは多くの場合SCP-1871-JP-4のメスと生殖する。
SCP-1871-JP-6 約17年 30代頃のデリック・ヘンリー・レーマー(1905〜1991)に酷似している個体の総称。鳴き声はリュカ-レーマーテストである。

補遺: 2014/██/██、フランス共和国サン=ジロンにて新たな姿のSCP-1871-JPが発見されました。以下はその内容です。

分類番号 成虫になるまで 内容
SCP-1871-JP-7 約13年 80代頃のアレクサンドル・グロタンディーク(1928〜2014)に酷似した個体の総称。鳴き声はグロタンディーク素数であり、現在までSCP-1871-JP-1〜6との生殖に成功した例は確認されておらず、同じ姿の個体の交配による先天的な障害を持った個体が増加している。この障害の為生殖を行えず死亡する個体が多く、SCP-1871-JP-7の個体は年々減少している。
Footnotes
. 周期ゼミ/素数ゼミと呼称される。
. フランスの神学者。数学、物理学に加え哲学、音楽理論の研究もしていた。また、音響学の父とも呼ばれる。
. (1)
\begin{equation} 2^{n} - 1 (n = 1, 2 ...) \end{equation}
. フランスの数学者、弁護士。「数論の父」とも呼ばれる。
. (2)
\begin{equation} 2^{2^{n}} + 1 (n = 1, 2 ...) \end{equation}
. ドイツの数学者。解析学、幾何学、数論の分野で業績を上げた。
. $π(x)$を素数計測関数、$μ(m)$をメビウス関数、${\rm li}(x)$を対数積分、$\Im \rho$をゼータ関数の非自明な零点とする時、以下の等式が成り立つ。(3)
\begin{align} \pi(x)=\sum_{m \leqq \log_2 x} \frac{\mu (m)}{m} \left( {\rm li} (x^{\frac{1}{m}}) - \lim_{T \to \infty} \sum_{|\Im \rho| \leqq T}{\rm li} (x^{\rho})- \log 2 + \int_{x^{\frac{1}{m}}}^{\infty} \frac{dt}{t(t^2-1)\log t} \right) \end{align}
. (4)
\begin{align} \zeta (s) = \sum ^ \infty _{n = 1} \frac{1}{n ^ s} = 1 + \frac{1}{2 ^ s} + \frac{1}{3 ^ s} + ... \end{align}
. ロシアの数学者。チェビシェフの不等式等で知られる。
. 自然数nに対して、(5)
\begin{equation} n < p ≤ 2n \end{equation}

を満たす素数pが存在する。

. フランスの数学者。素数定理を証明したことで知られる。
. (6)
\begin{align} \pi (x) \sim {\rm Li} (x) \end{align}

ただし${\rm Li}(x)$は補正対数積分、$\sim$は左辺を右辺で近似できることを表す。

. アメリカの数学者。フランスの数学者エドゥアール・リュカの考案した素数判定法を改良したことで知られる。
. pが奇素数のとき、メルセンヌ数$M_p=2^p-1$が素数となるための必要十分条件は、(7)
\begin{equation} S_{0} = 4, S_{n} = S_{{n−1}^2} − 2 (n ≧ 1) \end{equation}

と定義したときに$S_{p−2}$$M_p$で割り切れることである。

. 主にフランスで活躍した、ドイツ出身のユダヤ系フランス人の数学者。サン=ジロンにて没した。
. 57。実際は素数ではないが、これはグロタンディークが素数に関する一般論について講演をした際に、具体的な素数を用いて例を挙げることを求められたとき、彼が誤って57を選んだことに由来する。
ページリビジョン: 14, 最終更新: 20 May 2023 05:33
特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。
ページを編集するにはこのボタンをクリックしてください。
セクションごとの編集を切り替えるにはこのボタンをクリックしてください(ページにセクションが設定されている必要があります)。有効になった場合はセクションに"編集"ボタンが設置されます。
ページのソース全体を編集せずに、コンテンツを追加します。
このページが過去にどのように変化したかを調べることができます。
このページについて話をしたいときは、これを使うのが一番簡単な方法です。
このページに添付されたファイルの閲覧や管理を行うことができます。
サイトの管理についての便利なツール。
このページの名前(それに伴いURLやページのカテゴリも)を変更します。
編集せずにこのページのソースコードを閲覧します。
親ページを設定/閲覧できます(パンくずリストの作成やサイトの構造化に用いられます)
管理者にページの違反を通知する。
何か思い通りにいかないことがありますか? 何ができるか調べましょう。
Wikidot.comのシステム概要とヘルプセクションです。
Wikidot 利用規約 ― 何ができるか、何をすべきでないか etc.
Wikidot.com プライバシーポリシー

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /