SCP-168-JP
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Colt_Navy_Model_1851.JPG
SCP-168-JPと同モデルの銃器。

アイテム番号: SCP-168-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-168-JPは発見時に収納されていた容器に収納し、収容室内に安置してください。容器内部は常に真綿で満たし、その真綿を除去しない限り直接SCP-168-JPに触れられないようにしてください。
容器は更に特殊チタンファイバー処理が表面に施された電磁波遮断機能付与済みの金庫の内部に保管され、金庫の暗証番号は担当研究員によって2日に一度変更を行ってください。暗証番号の変更は、必ず非素数のプログラムである非規則性数列表示器によって行ってください。

金庫の内部には独立電源によって動作する電磁波観測装置を同時に保管し、SCP-168-JPが何らかの電磁波を発生させていないか常に記録してください。電磁波観測装置の電源は、少なくとも20年に一度交換してください。
上記の収容が破られない限りオブジェクトの安全性は保たれますが、念のため、各職員はSCP-168-JPの収容室から半径77mの地点に設定された境界線より内側に持ち込んだ刃物、または銃器等の武装をそのまま安置することのないよう留意してください。

説明: SCP-168-JPはメキシコ████地方███████の小集落で発生した異常な傷害致死事故が財団本部の目に留まり、回収されました。この傷害致死事故によって、小集落の全住民である63名の一般人の死亡が確認されています。小集落全滅に対するカバーストーリーは財団本部が管理することになっています。
SCP-168-JPはコルト社によって1848年に開発されたコルト1848を軽量化したコルト1851、通称コルト1851ネイビーと呼ばれる製品と同型のリボルバー拳銃です。しかし本来刻印されているはずの製品タグは無く、タグを抹消した痕跡も現在認められていません。シリンダーの中心軸孔に僅かな血液の痕跡が見られます。

SCP-168-JPは問題なく発射可能な銃弾を発射することが出来ます。その際には、何の異常も現れません。SCP-168-JPが異常な性質を現すのは、それが人間の手によって所持された時です。
SCP-168-JPを所持した対象の半径77m以内にある、対象が意識下あるいは無意識下で"武器"と分類しているあらゆる物品は、対象に自動的に攻撃を行います。その際SCP-168-JPからは██Hzから██Hzの周波数を示す電磁波が対象の絶命まで絶えず発されますが、本来この電波の影響を受けないと思われる物品も、対象へ攻撃を行います。
対象への攻撃方法は、それぞれの物品がその殺傷力を可能な限り高められる方法によって攻撃を行います。銃器であれば対象への発砲を連続して行い、刃物であれば殺傷可能部を対象に向けた状態で、最大時速180kmの速度を以て対象へと飛来します。

物品の攻撃の際、それぞれの物品は本来では考えられないほどの破壊力と貫通力を発揮し、対象を遮るあらゆる物体を破壊しつつ貫通することが報告されています。しかしこれらの物品がSCP-168-JPに接触しても、SCP-168-JPは一切の傷を負わず、物品の攻撃によって弾き飛ばされるだけです。
物品は攻撃中、攻撃に必要な機能を一切損なわず、攻撃によって消費されるはずの資材も消費の瞬間に補充されています。しかしそれらの範囲に収まらない限りでは、物品の損壊は起こり得ます。

対象は一度SCP-168-JPを所持すると、所持状態を解除した場合でも絶命するまで対象と認識され続けます。攻撃中に対象が絶命した場合でも、既に発生されている攻撃は続行され、新たな攻撃の発生が停止します。
対象が"武器"と分類している物品のみが攻撃を行いますが、対象が物品に対する「本来の用途」を認識している場合でも、「武器として転用可能」という知識(あるいは意識)を抱いているだけでその物品は対象を攻撃するようです。物品に対する知識が全く無いか、あるいは物品に対する"武器"としての用途を一切意識していない場合は、物品は対象に攻撃を行いません。

補遺1: SCP-168-JPは移送中にアメリカ[編集済]州███████市で発生した、封じ込め違反に伴う中規模な事故168-fによって、財団日本支部への収容の引き継ぎが決定されました。今後SCP-168-JPの封じ込め違反によって生じる事象に対しては、地盤沈下による破壊的な自然現象というカバーストーリーに基づいて対処してください。事故168-fに関してはレポートを参照してください。

19██/██/██、財団本部所属のエージェント█████と回収部隊█████████によるSCP-168-JPの回収後、トラックを使用した移送の途中で、トラックは███████市にて生じた大規模な交通事故に不可抗力的に巻き込まれ、SCP-168-JPの封じ込め違反が発生しました。この時点でエージェント█████は死亡しており、回収部隊の人員も半数以上が軽傷または重傷を負っています。
その後SCP-168-JPが、事故現場の見物に訪れたと思われる一般人(身元不明)によって拾得され、SCP-168-JPの性質が発現しました。対象の半径77m以内にある全ての銃器、刃物、鈍性凶器、車両、爆発物、容易に凶器に転用可能な一部の日用品、が対象との間に存在する障害物の有無に関わらず対象への攻撃を同時に行いました。
これによって、対象の絶命に伴う各物品の攻撃停止が確認されるまでの約3秒間で、回収部隊全員を含んだ141名が死亡、38名が行方不明、316名が重軽傷を負うという事態が発生しました。これには、物品による攻撃軌道上、またはその延長線上に存在した一般人への直接的な殺傷と、建造物の崩落に巻き込まれた一般人への被害が含まれています。
この事故の███時間後SCP-168-JPは再度回収され、その性質の大まかな考察の後、O5評議会の決定によりSCP-168-JPは日本支部へと移送され、国内での収容が決定されました。

事故168-fによって生じた災害に対しては、大規模な交通事故に付随した連鎖的なガス爆発によるものとのカバーストーリーが採用され、以後そのカバーストーリーに基づいた管理が財団本部によって行われています。

まさに悪夢だ。どうしてアメリカ人はビリヤードのキューでも人間を殺せると考えるんだ? ──エージェントS█████

我々は多くの危険物の収容と保護に成功している。しかし時折、予測し得ない事故に見舞われ、不本意ながらもその収容に違反が生じることも現実的な問題として認識しなければならない。その点を鑑みるに、このアイテムの収容がいかに容易だとしても、これに我々のナンバーを与えて潜在的な危険度をわざわざ上げてやる必要は無い。我々の周辺の社会に数多くの武装──または日常品をそう認識する文化──が存在する限り、このアイテムはより非武装的な社会の中に存在する容器に収容され続けるべきなのである。 ──O5-██

人には個性がある。この世の中にはどうしようもない確率って奴もある。分かっているのに、我々は一つの社会全体を貫く一般的な認識基準を使ってでしか、このマゾヒスト拳銃が及ぼす影響を予測出来ないのか?──A███████博士

地球上に存在するあらゆる社会の中で、最も「世界は平和であり自分は危険と無関係」と考えている楽観的な社会へ、このオブジェクトを移すべきです。オブジェクトが機密によって隠匿された核兵器の真上で誰かに所持されない内に、です。 ──N████████博士

会議の結果、今回の事故の要因となったSCPオブジェクトを財団日本支部へと移送することが決定しました。本オブジェクトは今後財団日本支部によって収容、管理され、固有のSCP-JPナンバーが割り当てられます。 ──O5-██

補遺2: ロボットアームを用いたSCP-168-JPの一時分解後行われた数々の検査によって、シリンダー中心軸孔の血液の痕跡が、人間の血液によって書かれた以下の文章であることが判明しました。現在、その遺伝子と適合する個人の特定には至っていません。

Love OR Peace
Fuckin' Samuel

Footnotes
. 財団本部は本オブジェクトにナンバーを割り振らずに、日本支部への移送を決定しました。事故記録の識別用名称はJPナンバーに準拠しています。
ページリビジョン: 7, 最終更新: 21 Feb 2024 12:39
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