アイテム番号: SCP-1634
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1634は顕著なSCP-1634-1実体の記録保管を目的としたデジタル記憶装置と共に、サイト-76の厳重ロッカーに保管されています。SCP-1634は最低2人のLevel-3職員の許可なしに操作および使用することはできません。D-クラス職員のみSCP-1634を使用することができます。激しい暴力行為または社会病質の経歴のあるD-クラス職員を利用する時は追加の保安員が必要です。
説明: SCP-1634は輪の内側に人間の骨格筋が散りばめられた厚い鉄で出来ている、単純な金属の輪です。主要構成のどちらにも腐食の兆候は見られませんが、SCP-1634の金属と組織の微細サンプルは摘出後に非異常な率で酸化および腐敗しました。SCP-1634はまた32本の成人の人間の歯があり、縁の上部に歯根が部分的に埋め込まれています。複数の歯が補助的な変形をしていることは、これらの歯が1個人から採取されたことを示唆しています。歯はまた周囲の材質よりも古く、紀元2世紀の中期または後期ですが、工品の本体は1600年代後期まで一般に知られていなかった金属鋳造術で作成されています。SCP-1634は改造の跡も示しており、電子回路が筋組織を通じて集積、混合したマイクロSDスロットを持ち合わせています。SCP-1634に挿入されるとどのようなメモリーカードでも内部データは消去され、SCP-1634-1を保存し始めます。
SCP-1634が覚醒し警戒している人間の頭部に置かれると、被験体は30-90秒意識を失い、その後約█時間ほど意識を失ったまま感受性が鈍くなります。この期間の間、SCP-1634を着用した被験体は鮮明な夢の話を経験し、夢の中の主人公だと自己認識します。自立と認識思考は夢の中全てで保持されますが、平静(すなわち、個人が夢を見ているという認識)は殆どの場合で欠けています。繰り返しの実験により夢はSCP-1634の影響のもと、下記の出来事を経験することが確認されました:
- 主人公の彼/彼女を闘技場のような舞台で見つけます
- 主人公は剣、棍棒、鞭などの古代の武器を持って存在します
- 大型の動物(ライオン、キリンなど)が - 綱に繋がれているまたは無力化されている状態で - 闘技場を埋め尽くし始めます。
- 主人公は彼/彼女が望むままに動物を殺すであろうと理解します
- 主人公の行動に関係なく、拘束され、やせ衰えた人間が現れ始めます
- 主人公はこの非脅威的な人間が"敵"または"偉人"であると認識し、彼らを殺すことを求められます
- 主人公の行動に関係なく、人間と動物の生贄に対する認識はますます歪められます
この時点において被験体は意識を素早く回復します。SCP-1634がこの時点またはその直後(<█分)に外されない場合、別の無意識期間が発生して上記の一連の出来事が再び始まります。このサイクルは中断されなければ、無期限に続く可能性があります。既に夢見状態の被験体からSCP-1634を取り外しても無意識の期間は短くなりませんが、関連する夢を突然に終わらせるように見えます。
SCP-1634実験中の殆どの被験体はこの経験を"方向感覚の喪失"と説明し、時々道徳心と無力だが意識のある生贄に対する激しい暴力の伴う闘争心が葛藤したと強く報告しました。これらの影響はどちらとも繰り返し使用することで減少することが示されました。
SCP-1634-1は使用後にSCP-1634に挿入されたメモリーカードから見つかるデータの呼称です。データは████コーデックで接頭に"CO"と6桁のシリアル番号が名付けられたビデオファイルから成ります。ビデオ自身は様々な要素によって破損されます(急速な速度/FOV/焦点/色の明度の変更、静電気と"歯擦音"、音声の歪曲または欠落)。それにもかかわらず、SCP-1634を着用している間に経験した夢の映像と音声記録を主人公の視点で"撮影"したように見せます。実験被験体に夢の間特定の行動を支持して作成されたビデオの検査ではSCP-1634-1ビデオは被験体の経験を正確に再現していることが示されました。これまで、どのビデオも6分を超えたことはありません。
被験体は研究員J████、D-クラス職員を使った複数の未記録の実験で安全が確立された後に志願した最初に"記録"された被験体です。
00:34 - 視点は狭くなり、闘技場の中心近くでぼやけたように歪んで集中します。焦点は土間に大きな木製の釘または杭が打ち込まれるのが見えるまで調整されます。視野は約20頭の動物がそれぞれ杭に拘束されているのが目に入るように広がります(レンズの歪曲を伴い)。認識できるものにはオスのライオン(Panthera leo)、シマハイエナ(Hyaena hyaena)、イランダマシカ(Dama mesopotamica)、角のないウシ(未確認の種)がいます。
00:42 - 未確認の声が視聴者のすぐ近くで発せられるかのようにはっきりと聞こえます:"汝が獲物は衰弱している。さあ行け、止めを刺せ。"深い裂傷が集められた動物の腹部と後肢に現れます。
01:05 - 被験体の声が記録から聞こえます - 判読可能だが非常に強い高周波で希薄化しています:"どうも。もしもし?夢か?夢を見ているのか?"被験体は様々な抑揚で更に8回質問を繰り返しますが、思考は繋がれた動物と主人公の右手(現在、ローマ後期のスパタ剣が握られています)そしてグラディウス、三叉戟、大きな槌等の様々な武器が置かれた近くにあるテーブルへと移ります。
02:00 - 話が続きます:"こちら研究員N███ J████、財団従事番号[編集済]。現在おそらくSCP-1634の影響を受けていると思われる。これは夢か...もしくは幻か。D-クラス職員は皆この部屋に留まり、モニターに中継された。[鈍い叩音が聞こえます]私の頭に冠はない。現実のように感じるが...私に何が起きているのかは全く理解できない。現時点で...何か記録されているかどうかは...判らない。[中断]私は大きな闘技場かコロシアムのような場所の中央に立っており、傷ついた動物が...溢れている。私より以前の被験者の供述とほとんど一致しているように見える。1分ほど前に誰かが私に語りかけた、引用始め、'とどめをさせ、'引用終わり。手には...剣が握られている。誰が語りかけたのかは検討もつかない。"
03:49 - 以前と同じように最初の声が聞こえます:"弱者を殺せ。愚者を貶めろ。"被験体は言葉を繰り返します。
04:04 - 被験体が話すのが聞こえます:"この牛に攻撃を試みる。"グラディウスが数cm牛の肩に沈み、引き抜かれると傷から出血しているように見えます。動物は痛みで声を上げ、起き上がろうとするも再び倒れます。被験体は続けます"ああ、神よ[声を殺して]わた-...こんな。すまない、私...何をしているんだ。やらなければ[編集済]次は。[波打つような気味の悪い雑音か電気音が数秒間聞こえます]人々が...居る、と思う、私には見れない。"
05:13 - 最初の声が再び話します:"見よ、屠殺者。"画質が数秒間不規則に乱れ、以前牛が横たわっていた場所に移ると、そこには同じように服を剥がされた3人の男性が胃と脊柱を結合された状態で居ます。音声は無音ですが、3人それぞれ同期して口を動かします - "殺してくれ"と言っているように見えます。
05:22 - 被験体が叫ぶのが聞こえます:以前よりはるかに大きく明快に"何だ?"電気音が強くなって画像がうねると、05:32に灰色に変色します。ビデオ終了。
被験体はD- █████、加重暴行、凶器による殺人、撲殺、不法侵入、強盗、誘拐、器物破損、窃盗、[データ削除済]、[データ削除済]を含む複数の罪状により███年の刑で服していた[編集済]更生施設から移送されました。被験体は実験の前にニロン博士の略式診断によって反社会性パーソナリティ障害の可能性が"非常に強い"と診断されました。
確認された動物
- アフリカゾウ (Loxodonta africana)
- ライオン (Panthera leo)
- アラビアオリックス (Oryx leucoryx)
- ベンガルトラ (Panthera tigris)
- ヒグマ (Ursus arctos)
- ダチョウ (Struthio camelus)
- ヒトコブラクダ (Camelus dromedarius)
- ヨーロッパバイソン (Bison bonasus)
- ダマジカ (Dama dama)
- キリン (Giraffa camelopardalis)
- グレビーシマウマ (Equus grevyi)
- カバ (Hippopotamus amphibius)
- ウマ (Equus caballus)
- ナイルワニ (Crocodylus niloticus)
- ペルシアダマシカ (Dama mesopotamica)
- シマハイエナ (Hyaena hyaena)
- イノシシ (Sus scrofa)
- 最低██人の様々な状態で動けなくされたヒト
使用した武器
- ケルトの戦鎚、投斧
- エジプトの戦斧、弓矢
- ローマのグラディウスとスパタ剣、三叉戟、ジャベリン
- 未確認の棒状の武器、片手剣、大型ハンマー
- 主に木製の棍棒
"最初の声"の発言の転写一部
- "弱者を打ち負かし、その生命を取れ。"
- "汝に相対する者を生き残すな。"
- "地上の全ての王が見ているぞ、汝は神だ。"
- "全ての肉が無残に引き裂かれた。"
- "彼奴等は脚が無い、逃げることなどできない。"
- "汝が永久なる栄光よ。"
- "大小限らず等しく殺せ。全てを殺せ。"
- "この星の全ての人と獣の支配者よ。"
- "勝利の血に酔うがいい。"
- "皇帝万歳。"
取得記録概要: SCP-1634は██████ ████████郵政公社に潜伏して以前マーシャル・カーター&ダーク株式会社に関連した出荷経路を発見した財団工作員によって横奪されました。疑惑は包を開放して即座に確認され、異常な工品と共に複雑に暗号化された███████の送金と以下のメッセージの情報が含まれたバーコートの小さな紙が発見されました:
君の[原文ママ]身内は何やら深刻に怪しい[侮蔑]にのめり込んでいる。今、最後の一つを作業台の上に晒した - 僅かに過程を変える必要がある。君の最後、身内について心配することはない、しかし私が第一にこの[侮蔑]をしている理由を忘れてしまう前に次の支払いが、すぐに、支払われることを期待しているよ。Krawlを外へ。
補遺1634-11: 上記のメッセージの解読後に、定期的に全ての財団所有のSCP-1634-1実体でビデオファイルに"KRAWL"の文字がステガノグラフィで埋め込まれているのが発見されました。同様の文字を捜索するために大衆ビデオで実施したスキャンで複数の以前記録されていなかったSCP-1634-1実体と共に似た形式だがイメージの異なる2グループのビデオが発見されました:1つは主人公が富俗層向けに建築された未完成の都市ビル(中に住居者が居る)を焼き払い、もう1つは殆どが高架橋の兵士からの受動的な視点で鯨や他の水生生物を攻撃しています。これらの記録の性質と起源の追加調査は検討中です。