クレジット
タイトル: SCP-1617-JP - 東北地方のとあるCRANKYさくさくピーナッツ味について
著者: KABOOM1103 KABOOM1103
作成年: 2025
アイテム番号: SCP-1617-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 全国にカバーストーリー「少子高齢化に伴う一斉離村」が流布され、青森県██村██地区の行政上での他地区との統廃合処理、及び住民情報の消去が行われます。SCP-1617-JPの発現区域と外界は遮断され、財団管理下に無い人、物資いずれの進入も禁止されます。
住民とのコミュニケーションの試みが含まれる研究において██地区に職員を進入させる際は、サイト-████管理官の特例許可を得る必要があります。進入した財団職員は必ず脱出後に身体面、精神面でのメディカルチェック及び最低2か月間の隔離期間が課せられます。これらの職員に対する措置はSCP-1617-JPによる異常な影響を受けていないことを確認するために行われます。
██地区への遮断措置に関して、地区内の住民への生活的影響を及ぼさないために週に3回移動販売車の巡回を行います。移動販売車の商品管理、商品売買は小売店の従業員を偽装したSCP-1617-JP収容チームによって行います。██地区住民と商品のやり取りを行う際は、売買契約に必要とされる最低限のコミュニケーションを超えた交流を行わないように注意してください。また、CRANKYさくさくピーナッツ味の入荷は禁止されます。
██地区住民が地区の外に出ることを防止する試みは、SCP-1617-JPの特性上危険であるため行われません。住民が地区の外に出た際は、遠隔からの監視と尾行、また適宜外出記録の隠蔽処理、目撃者の記憶処理が行われます。
上記の収容作業に加え、██地区が財団による収容下である事実を住民が察知することを防ぐため、収容チームには適宜適切な収容計画の立案と実行が求められます。特例的な収容計画においても、職員と住民のコミュニケーションは可能な限り避けるよう立案します。
SCP-1617-JP研究チーム、及びサイト-████職員のCRANKYさくさくピーナッツ味の購入、喫食は禁止されています。
説明: SCP-1617-JPは青森県██村██地区における、「CRANKYさくさくピーナッツ味」に関連する一連の異常現象です。CRANKYさくさくピーナッツ味は日本の菓子メーカー株式会社███が国内で製造、販売しているスナック菓子です。
報告書執筆時点で異常現象とCRANKYさくさくピーナッツ味の間の作用機序の同定は完了していません。これはSCP-1617-JPとして記録されている一連の異常現象に関してCRANKYさくさくピーナッツ味が関連していること以外の特徴が希薄であることが原因です。
SCP-1617-JPは、主に二種類に分類されます。
一つ目は、CRANKYさくさくピーナッツ味(以下、当該菓子)が██地区内で示す異常な性質です。当該菓子は、食用に限らず、"所有者の意図する用途"に伴いいかなる性質も取得、消失することが出来ると推測されています。当該菓子は、報告書執筆時点で、質量保存則の無視、エネルギー保存則の無視、エントロピー増大の法則の無視、因果律の無視、慣性の無視、理想的な剛性の獲得、理想気体の性質の獲得、任意の化学変化の操作、任意のミーム性の獲得、任意の反ミーム性の獲得、神性の獲得、第六生命エネルギーの獲得、ヒューム値の操作、認識の操作、記憶の操作が可能であると考えられています。
二つ目は、██地区の住民の当該菓子に対する異常な認識及び評価です。██地区の住民は当該菓子の万能性について自覚的であり、当該菓子を利便性の高い日用品として評価します。そのため、██地区の住民は日常的に当該菓子を携帯しています。この認識異常は██地区に滞在する人間であれば出自を問わず全員が獲得します。ただし、この認識異常は軽度なものであれば記憶処理および隔離措置によって消失します。認識異常の進行は滞在のみによっても進行しますが、地区内での住民との交流、当該菓子の視認、接触によってより急速に進むとみられています。
当該菓子の██地区への供給遮断による異常性抑制の試みは、菓子の自己複製性の獲得によって失敗しています。
当該菓子の現実改変の影響は██地区外でも持続します。
発見記録: SCP-1617-JPは、異常発見部門の探索チームによって発見されました。探索チームによるSCP-1617-JP発見時の映像記録は、本アノマリーの研究において重要な分析対象であると考えられます。
以下に、映像記録の抜粋を示します。映像記録内に存在する未知の異常性曝露を防ぐため、記録は状況描写と会話の書き起こしによって表現されています。
発見記録1
撮影者: 川田研究員
チームメンバー: 下田博士 川田研究員
撮影日時: 20██/██/██ ██:██
撮影場所: 青森県██村██地区消防ポンプ小屋前
備考: 探索チームは、SNS上で「CRANKYさくさくピーナッツ味が大好きな集落が存在する」という書き込みから、異常性関与の可能性を判断するため当該地区を訪れた。映像は探索チームが地区内の住民(氏名不明、以下住民Aと記述する)と初めて接触した際の記録。住民Aの発言には方言が多分に含まれており、可読性のため改変を加えている。
<記録開始>
下田博士: すみません。すみませーん。
住民A: はーい。私ですかねー?
(住民Aが下田博士の呼びかけに応じ接近する。)
下田博士: ああ、畑仕事中に申し訳ないです。
住民A: 見ない顔ですね。何の用事でお越しになったのですか?
下田博士: ええ、私、弘前で大学教授をしている者なんですけども、民俗学の研究をしておりまして。フィールドワークの一環でこちらに来ました。
住民A: なるほど、私はあまりここの歴史などには詳しくありませんが、分かる範囲で教えましょう。あまり答えられることは多くないかもしれませんがね。
下田博士: いえいえ、普段の生活の様子について教えていただくだけでも、十分貴重な資料になります。ありがとうございます。
(重要性の無い描写を省略)
下田博士: ところで。
住民A: はい。
下田博士: つかぬことを伺いますが、そちらの腰に付けられているものは何でしょうか?
住民A: ああ、これは携帯用の蚊取り線香と、CRANKYさくさくピーナッツ味です。
下田博士: 農作業中に蚊取り線香は分かりますが、CRANKYさくさくピーナッツ味、ですか。休憩中に食べられるんですか?
住民A: そうですね。大好物なので。
下田博士: なるほど。
住民A: まあ、食べるだけじゃないですよ。雑草を取ったり、あとは春には畑を鋤くのにも使いますね。
下田博士: えーと? そのCRANKYさくさくピーナッツ味に除草剤としての作用があるということですか?
住民A: 何か変ですか?
下田博士: いやあ、まあ。菓子が除草というのは、常識的にあまり。
住民A: (笑い)そう思ってる人もまだいるんですね。
下田博士: (笑い)すみません。肥料ならまだわかるんですが。
住民A: もちろん肥料にも使えますよ。
下田博士: えっ。
住民A: CRANKYさくさくピーナッツ味を使ってから、大根の育ちがいいんですよ。
下田博士: 肥料にも、除草剤にも使えるということですか?
住民A: そんなに変ですか? 肥料、除草剤、耕運機のエンジンオイル、大根の煮物、なんでも使えますよ。CRANKYさくさくピーナッツ味ですから。
下田博士: CRANKYさくさくピーナッツ味ですから?
住民A: なんなら見せてあげましょうか? ただのCRANKYさくさくピーナッツ味ですが。
下田博士: ええぜひ。
(下田博士は住民Aに更に接近しようとするが、地面の石に躓き転ぶ。)
下田博士: いたっ。
住民A: 大丈夫ですか?
下田博士: いえ、大丈夫です。ちょっと躓いただけで。
住民A: すみません。私しかいつもは畑に入らないものですから、大きい石もそのままにしてたんです。ああ、すりむいてますよ。
下田博士: いえ、大したことはありません。それよりCRANKYの方を。
住民A: こけて出来た擦り傷?そんな時はこのCRANKYさくさくピーナッツ味!
(住民Aは大声を出し始める。)
下田博士: うおっ。
住民A: CRANKYさくさくピーナッツ味は███の作る万能菓子!医者いらず、薬いらずのスーパースナック!
下田博士: え、おじいさん、どうかしましたか。
川田研究員: え、ちょっと。
(住民Aは当該菓子を開封し、一片を割る。
住民A: 袋から取り出したら、適量を傷口に当てればあら不思議!
(住民Aは下田博士の肘の擦り傷に、粉砕した当該菓子を擦り付ける。)
下田博士: うわあ! 何やってるんですか。ちょっと、やめてください。
住民A: さくさくクリスピー! まろやかピーナッツ!
下田博士: 痛い痛い痛い!
住民A: 全国のコンビニスーパーで絶賛販売中!
川田研究員: 下田さん、傷口が!
下田博士: 痛い痛い。(数秒沈黙) え?
(傷口が消失し、皮膚が再生している。)
住民A: ███!(会社名)
(探索チームはその後インタビューを切り上げ、撤収する。)
<記録終了>
発見記録2
撮影者: 川田研究員
チームメンバー: 下田博士 川田研究員
撮影日時: 20██/██/██ ██:██
撮影場所: 青森県██村██地区公民館
備考: 撤収後、探索チームはSNS上に書き込みを行ったとされる人物(倉木██氏)を偶然発見した。本記録は倉木氏との接触時の記録である。接触時、倉木氏はSCP-1617-JPの影響下にあり精神的に不安定であったと推測されている。
<記録開始>
(重要性の低い部分を省略)
下田博士: ええと、あなたがこちらの「クラッキー@秘境巡り」さんでよろしいですか。
倉木氏: はい。アカウント見れば分かると思いますが、全国各地の、こう、田舎とか、自然豊かなところを旅してみるのが趣味です。
下田博士: ちなみに、なぜこの██地区に?
倉木氏: 自然豊かなところとはいっても、どこでもいいというわけではないんです。観光地化されてない場所や、整備がしっかりされてないような林道とか、そういったところを巡るのが結構好きなんです。██地区は、そういう趣味をもつ人にとっては、ぴったりなところなんですよ。
下田博士: なるほど。同じ趣味を持つ人達から、この地区の事は聞いたんですか?
倉木氏: いえ、私達の界隈にとっては、まだ話題になっていない、未発見の場所を見つける方がいいんですよ。秘境巡りには、冒険というか、そういったわくわくを求める側面もあるので。あ、まあ、人が住んでいるわけですから厳密に未発見ではないですけどね。(笑い)
下田博士: ほお、そういう経緯なんですね。その、倉木さんに聞いてみたいんですけども、ここのCRANKYさくさくピーナッツ味への異常な愛着っていうのは、いつ頃気づかれましたか。
倉木氏: 教授先生もさすがに気付きましたか。ここの、CRANKYへの信仰。
下田博士: ええ。少しだけですが。
倉木氏: 私がここに来たのは1週間前なんですが、そのころからここの住民はみんなCRANKYさくさくピーナッツ味を持っていました。老若男女問わず。
下田博士: さくさくピーナッツ味だけですか。
倉木氏: ええ。ピーチスカッシュ味でも抹茶味でもなく、みんなさくさくピーナッツ味でした。
下田博士: その時はおかしいと感じなかったのですか?
倉木氏: まあ、思いましたけど、その時は「流行ってるのかな」って思って終わりです。でも。
下田博士: でも?
倉木氏: 滞在3日目くらいの時の事でした。私は、まあこの集落には宿なんて無いですから、住民の御厚意で
公民館に泊まらせて頂いていたんですが、そこに1人おばあさんが来まして。そのおばあさん、(両腕で円を描く)こんなかごにいっぱいのCRANKYさくさくピーナッツ味を持ってたんです。それを私に向かって「差し入れどうぞ」って。
下田博士: 差し入れですか。
倉木氏: これまでもいろんなところに行ったものですから、そこに住んでる農家の方と仲良くなって野菜を貰うなんてことは時々あったんですが、CRANKYさくさくピーナッツ味ですよ? 明らかにおかしいじゃないですか。
下田博士: 確かにそうですね。
倉木氏: それでもう怖くなっちゃって。断ろうとしたんです。「食べきれないから遠慮します」って。
下田博士: 断れたんですか?
倉木氏: (首を横に振る)無理でした。断ろうとした瞬間、その瞬間です、おばあさんが人が変わったかのようになって「そんな時はCRANKYさくさくピーナッツ味!」って歌い始めて。あのCMの歌です。「さくさくクリスピー、まろやかピーナッツ!」ってやつ。
下田博士: 存じております。
倉木氏: それで歌い終わったら帰っていきました。
下田博士: ん、帰ったんですか?
倉木氏: それで終わりじゃないんです。変な人だなと思ってその時は丁重に見送ったんですけど、その後が大変でした。
下田博士: 聞かせてください。
倉木氏: 見送って、一息ついて振り返るとですね。私が持ってきた寝袋とリュックにびっしりと、CRANKYさくさくピーナッツ味が入っていたんです。
下田博士: そんなばかな。
倉木氏: 本当なんです!ああ、思い返すだけでも不気味だ。
下田博士: 歌っている間に他の人が入れたということは?
倉木氏: ありえません。
下田博士: それは、異常ですね。
倉木氏: しかも、その日から毎日、持ってくるんです。山盛りのCRANKYを。
(倉木氏は立ち上がり、公民館の押し入れを開ける。中には推定約30kg分の当該菓子が詰め込まれている。)
下田博士: うおっ。これはひどい。1週間足らずでこの量ですか。
倉木氏: もう頭がおかしくなりそうなんです。毎日毎日、誰と話してもCRANKYさくさくピーナッツ味、CRANKYさくさくピーナッツ味。台所の蛇口からCRANKYが落ちてきたときは目を疑いました。
下田博士: なるほど。(数秒沈黙)分かりました。あなたを助けましょう。
倉木氏: 助ける? どうやって?
下田博士: 自己紹介では民俗学の教授を名乗りましたが、実は私達
川田研究員: (下田を遮る)ちょっと待ってください。倉木さん。
倉木氏: どうされました?
川田研究員: 4日前からこのCRANKYにまつわる異常現象については、目にしていたんですよね。
倉木氏: ええ。そうですが。
川田研究員: それで、倉木さんは趣味でここに訪問されている。ではなぜ、この見るからに異常な集落に居続けるんです?別に出るのを妨害されるというわけではないんでしょう?
倉木氏: いや、それは。その、混乱していて。
下田博士: 川田、倉木さんは多分精神的に参っていただけだ。
川田研究員: しかし。
倉木氏: そうなんです! ああ、もう不安で不安で。
下田博士: ええ、お気持ち分かります。この場所は異常だ。私達と一緒に脱出しましょう。
倉木氏: そんな不安には、このCRANKYさくさくピーナッツ味!
下田博士: うわぁ! 倉木さん落ち着いて!
倉木氏: あなたのお悩み、不安に一直線!カウンセラーいらずのスーパースナック!
(倉木氏は押し入れの方向に振り向く。)
下田博士: まずい! こいつもだ!
倉木氏: お菓子の山に突っ込めばあら不思議!
(倉木氏は押し入れ内の当該菓子の山に身体を埋める。)
川田研究員: 逃げましょう!
下田博士: もちろんだ!
倉木氏: さくさくクリスピー! まろやかピーナッツ!
下田博士: この村にずっといるとまずい! 早く逃げるぞ。
(下田博士は公民館の扉を開ける。映像が倉木氏から玄関へと向く。)
川田研究員: (叫び声)
(扉を開けた正面に、老齢の女性が立っている。女性の隣には当該菓子を積載した三輪車がある。)
女性: 全国のコンビニスーパーで絶賛販売中!
下田博士: (叫び声)
女性: ███!(会社名)
(映像が暗転する。)
<記録終了>
補遺: 倉木氏は報告書執筆時点まで、██地区に滞在中である。
発見記録3
撮影者: 川田研究員
チームメンバー: 下田博士 川田研究員
撮影日時: 20██/██/██ ██:██、発見記録2の数分後
撮影場所: 青森県██村██地区の境界、国道103号線との接続区域
備考: 探索チームは地区外への脱出を試みている。
<記録開始>
(探索チームは帰還のため、車に向かって走っている。)
川田研究員: (息切れ)疲れた。
下田博士: (息切れ)くそ。菓子につられて調査してみたらとんだ厄ネタだ。やってられるか!
川田研究員: これ、何ですかね? 現実改変? にしては広範囲すぎる、幻覚?
下田博士: 知らん! 脱出が最優先だ。
(研究チームは駐車場所に到達。乗車する。)
川田研究員: 少なくとも、ここに長くいるとやばそうですね。
下田博士: 全くだ! ひどい目に合うところだった。あの傷口からなにか入ってやしねえだろうな。
(数秒沈黙)
川田研究員: どうしたんですか?
下田博士: ガス欠だ。
川田研究員: は?
下田博士: 燃料が足りない。
川田研究員: なんで燃料確認してないんですか?
下田博士: いや、おかしい。来たときは少なくともメーターの半分は残ってた。
川田研究員: どういうことですか。
(防災無線が放送を開始する。なお、映像記録に残されている放送音声は██村の放送記録に存在していないことが判明している。)
放送音声: お客様に逃げられる? そんな心配には、このCRANKYさくさくピーナッツ味!
下田博士: なんだ!
川田研究員: 防災無線です!
(サイレン)
下田博士: どういうことだ。何が起きてる。
放送音声: 新しい仲間に、熱烈歓迎! パーティのお供のスーパースナック!
川田研究員: あれ、見てください。
(川田研究員はルームミラー方向にカメラを移動する。ルームミラーには、車の後方から10人程の人物が映っている。)
下田博士: なんだこいつら。って、倉木!
川田研究員: あの農家のおじいさんもいますよ!
下田博士: 逃がさねえってか。
放送音声: お土産一杯CRANKYあげれば、あら不思議!
下田博士: 動けよおんぼろが!
(下田博士がエンジン起動ボタンを強く押す。不明な原因により車内のカーナビゲーション端末が起動する。)
川田研究員: 今度は何?
端末音声: CRANKYを受け入れられない? そんなときには、CRANKYさくさくピーナッツ味!
下田博士: カーナビが狂った!
端末音声: 小さなお子様から大人まで病みつき! おいしさ満点のスーパースナック!
川田研究員: もう嫌!
下田博士: 畜生。もうそこまで迫ってきてる。(放送音声: さくさくクリスピー! まろやかピーナッツ!)
(川田研究員はカメラを車両の窓から出し、後方に向ける。倉木氏ら十数名はさらに接近している。)
端末音声: 食わず嫌いでも一口食べれば、あら不思議!
下田博士: もうこの車も異常の影響下だ。打つ手がない。
川田研究員: なんとかならないんですか!(端末音声: さくさくクリスピー! まろやかピーナッツ!)
下田博士: サイトに救難信号だ。もはや打つ手がない。
川田研究員: 打つ手がない? そんな局面には、CRANKYさくさくピーナッツ味!
下田博士: 車の不調にも一袋! 用途無限、完全無欠のスーパースナック!
(倉木氏ら十数名はさらに接近している。彼ら全員が当該菓子の袋を所持していることが視認できる。)
川田研究員: 袋そのままタンクに放れば、あら不思議!(放送音声: 全国のコンビニスーパーで絶賛販売中!)
(川田研究員は不明な方法により当該菓子を取り出す。当該菓子は川田研究員の手から離れて浮遊しながら移動し、車両後方の燃料口に入る。)
下田博士: さくさくクリスピー! まろやかピーナッツ!(端末音声: 全国のコンビニスーパーで絶賛販売中!)
川田研究員: 全国のコンビニスーパーで絶賛販売中!
下田博士: 全国のコンビニスーパーで絶賛販売中!
(エンジンの起動音)
放送音声: ███!(会社名)
(車が発進する。)
端末音声: ███!(会社名)
川田研究員、下田博士: ███!(会社名)
(再生時、不明な原因により、記録映像が███のロゴに切り替わる。)
(後方より、十数名の「███(会社名)」の叫び声)
<記録終了>
補遺: 下田博士、川田研究員はSCP-1617-JPの異常影響下にあると判断され、クラスL記憶処理及び半年間の隔離が行われた。脱出に用いられた車両は██地区から付近のサイト-████まで正常に走行したものの、分解時燃料タンク内には当該菓子の粉末化した残骸のみが残留していたため、SCP-1617-JPの異常影響下にあるとしてアノマリー廃棄プロトコルに則り廃棄処理された。
本発見記録を閲覧したSCP-1617-JP研究チームにも認識異常が現れたため、同様の記憶処理、隔離措置を行っている。
本映像記録内で複数回登場する、CRANKYさくさくピーナッツ味の宣伝的な語調と文章は、類似するものも含めて、全メディア媒体において存在しないものであることが判明している。