クレジット
タイトル: SCP-1568-JP - ふっかふかのソファ
著者: eringiumexe eringiumexe
作成年: 2024
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発見時のSCP-1568-JP。
アイテム番号: SCP-1568-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 実験を除いてSCP-1568-JPの座面に乗ることは禁止されています。SCP-1568-JPは座面を下に向けた状態でSafeクラスオブジェクト収容チャンバーに保管されます。SCP-1568-JPの異常性に関連して回収不可能となった人物はその時点で死亡したものと扱われます。
説明: SCP-1568-JPは座面高55cmの2人掛けソファです。ヒト(Homo sapiens)がその上に着席した場合、その外観に比してはるかに深く沈み込みます。沈み込む深さは最大で2m8cmまで確認されていますが、後述の実験からその深さに上限はないものと考えられています。
SCP-1568-JPの座り心地は非常に快適であると報告されるほか、約8割の被験者は着席中の体感時間の延長を訴えます。延長される体感時間の定量化には成功していませんが、「深く座るほど1秒が長く感じる」という傾向があるとされています。一方で当該オブジェクトに異常な強制力などは認められず、被験者は自分の意思でソファを降りることが可能です。
SCP-1568-JP に通常の姿勢で座った場合、着席直後の10秒間で被験者の体積の約3分の1が沈み込み、およそ30分から1時間が経過した段階で約2分の1が沈み込みます。これ以降も沈降速度は時間によって一定の割合で減衰し続けるため、時間あたりの沈降速度を概算することが可能です。この速度は被験者の体格や姿勢などによって変動します。
おおむね18時間から24時間連続して座った場合、被験者の全身がSCP-1568-JPの内部に沈み込み、埋没します。被験者及び身につけている物品が全てSCP-1568-JP内に埋没した場合、その被験者は事実上回収が不可能となります。
このことからSCP-1568-JPが何らかの異常空間に接続している可能性が指摘されSCP-1568-JP内部の探索実験が行われました。
実験記録-1568-JP
目的: SCP-1568-JP内部空間の探索
方法: 被験者(D-5307)に被験者に映像記録機器及び回収用コードを装着し、コードを除く全身が埋没するまで着席させる。埋没後被験者をSCP-1568-JP内部へと降下させ、映像記録の回収を試みる。SCP-1568-JP内部の探索時間は30分を限度とし、危険を感じた場合は直ちにコード巻き取りによる回収を行う。
結果・考察: 実験時は着席後20時間で被験者の全身がSCP-1568-JP内部に埋没し、それとほぼ同時に被験者に取り付けられていたコードが地球上の重力加速度に近い、9.8m/s^2の加速度でSCP-1568-JP内部に引き込まれた。このことからSCP-1568-JPは開けた空間に接続しているものと推測され、直ちにコードの巻き取りによる被験者及び映像機器の回収が試みられた。
回収された被験者はすでにミイラ化した遺体となっており、映像機器は著しい経年劣化を認めた。放射性炭素年代測定の結果、回収された遺体は死後5800年が経過していることが明らかになった。
映像機器のメモリからは被験者が完全に埋没するまでの20時間の記録と連続した28時間でSCP-1568-JPの表面の生地に近接した映像が回収され、ごく低速で沈降していく様を記録したものと推測された。
以上から被験者が完全に埋没した時点からSCP-1568-JP内部における被験者及び周辺物品の時間経過が著しく加速しているものと考えられる。
本実験で引き込まれたコードは12.7mであった。実験記録から概算された沈降速度で12.7m沈降するのに掛かる時間はおよそ5600年から6000年であり、これは回収された遺体の年代測定の結果と合致している。
SCP-1568-JPは実際には"開けた空間"には繋がっておらず、内部における沈降速度が外界から見て自由落下に近い速度で沈降して見えるように時間経過の加速が調整されているものと推察できる。
補遺: 非破壊的観察試験においてSCP-1568-JPの天板に文字の彫刻が確認されました。内容を以下に付記します。
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