SCP-1382-1
アイテム番号: SCP-1382
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1382はミシガン湖の座標[編集済]の離れた場所に収容されています。SCPSシースターはミシガン難破船調査会(Michigan Shipwreck Research Associates)の船舶SSロブスター・トラップを装い、SCP-1382から1キロメートルの距離に永久割り当てされ残留しています。地方の沿岸警備隊に組み込まれた財団工作員が、航空および海上交通を収容サイトから遠ざけるよう再指示します。SCP-1382に接近する民間交通はすべて尋問および拘留されることになっており、前述の尋問結果によってはBクラス記憶処置が行われます。
説明: SCP-1382-1は、████████ ██████によって生産されたモデルと同一の赤色灯浮標(red sea mark water buoy)です。その登録は19██年に生産された既存のモデルと一致しますが、2012年7月7日まで異常性は報告されませんでした。SCP-1382-1は民間の小型モーターボートによるものと思われる高速衝突による構造被害を被りましたが、それ以外の点は機能的かつ完全です。財団が近年の失踪者報告書の傾向から導かれた座標を調査したとき、SCP-1382は注意を引きました。天候が曇りあるいは夜間、SCP-1382-1は発光により国際モールス符号で遭難信号"S.O.S."を10秒間隔で発信します。
SCP-1382-1は深度██メートルの湖底に埋没したSCP-1382-2に係留されています。SCP-1382-2は1973年7月2日にミシガン湖上で失踪した商用定期便、█████████航空441便の残骸です。それは不時着水と長引く浸水に関連した甚大な構造被害と劣化を被っています。
SCP-1382-3はSCP-1382-2の元乗客及び乗員であると考えられる人間の骨格遺体です。SCP-1382-2には56体のSCP-1382-3実例が収納されています。D-49581(事例1382-C-2を参照)およびSCP-1382-1に起因する3名の行方不明報告者もSCP-1382-2内に収納されています。441便の乗客2人および乗組員2人の行方は現在も不明です。
SCP-1382-1が活性化するとき、SCP-1382-3の全ての実例は動き出し、熱映像スキャナ上でセ氏37.0度(華氏98.6度)の温度を記録しました。初期の観察は、SCP-1382-3が441便の墜落を"追体験していた"ことを示唆しました。大多数の1382-3は墜落位置での彼らのものと仮定される座席で苦しみました。継続的な観察で多くの食い違いが明らかとなり、それは乗客が墜落そのものではなく、事故に平行して起こった事象によって苦しめられたというのがサルヴィア(Salvia)博士の結論です。
- 対象#1(SCP-1382年3月1日)は操縦席で起き上がり、1382-2の操作パネル上にくずおれて動かなくなる直前まで未知の攻撃者を防ごうとします。
- 対象#9は跪き、腕を上げて懇願または祈りを示唆する姿勢をしています。
- 対象#12は隣席の対象#13の左眼窩に彼の右親指を押し込もうと試みます。#13は抵抗しませんが、絶叫しているように見えます。
- 対象#18はその椅子の背に乗り掛かって対象#19の左手を掴み食い尽くそうとし、どうにか人差し指と中指の遠位指骨と中間指骨を取り除いて、手を呑み込みます(指の骨は#18の胸郭の中に見ることができます)。
- #19は、その隣に着席した対象#20が素手で#18に襲いかかる間、絶叫しているように見えます。
- 対象#22、#23および#24は左側客席の窓でジェスチャーをしており、彼らの動作は何かが飛行機の翼の上あるいはその付近にいることを示唆しています。
- 対象#44および#45は、対象#46および#47(どちらも年少者、それぞれ8歳および6歳と推測)を打ち倒し、それらを食い尽くし始めます。
- 対象#53、#54および#55はSCP-1382の発見に先立つ3か月の間に失踪が報告された█████ █████████、████████ ██████および███ ███████であると確認されました。各々はそれらの環境と沈んだ時間の長さに見合った腐食状態にあります。動き出した時、3体は皆それらの環境および自分の肉体が腐食状態にあることに混乱と苦痛を示します。
- 対象#56は、事例1382-C-2の間にSCP-1382-2へ取り込まれたD-49581の遺体です。それはまさに腐食の初期段階にあります。#56はその周囲のように混乱と苦痛を表明するばかりでなく、より明確な自己認識があり、他のSCP-1382-3のような"繰り返される"行動を見せません。#56は、SCP-1382-2を脱出するためにいくつかの努力を行いました。これまでのところ、開いた窓からの自身の脱出、付近のSCP-1382-3とのコミュニケーション、そして非常口まで逃走及び泳走を試みました。各々の試みは割り当てられた時間内には成功しませんでした。#56に接触し、かつ/あるいは、それを解雇する要請への承認は審議中です。
13秒間活動した後、SCP-1382-3の実例はすべてSCP-1382-1の方へ顔を向けます。SCP-1382-1がそのS.O.S.の発信を止めるまで彼らはその体勢のままであり、(その後)その位置に彼らは倒れ込み、不活発になります。
序文: 次の記録は800メートル離れてシースターの信号灯を用い、SCP-1382-1とのコミュニケーションを確立しようとするサルヴィア博士の試みを詳述するものである。
<記録開始、時刻0039>
サルヴィア博士: ハロー
SCP-1382-1: S.O.S.
サルヴィア博士: オウトウセヨ[SCP-1382-1が応答を送信する前に、典型的なものではない2分の中断が入る。]
SCP-1382-1: タスケテ
サルヴィア博士: ソチラ ハ ダレカ
SCP-1382-1: メアリー S.O.S.
<記録終了、時刻0103>
最終陳述: SCP-1382-1はこの時点で活動を終息。"メアリー"はメアリー・███████(441便に搭乗していた乗客)であると考えられる。
被インタビュー者: D-49581、彼はその漕艇および国際モールス符号への知識によって選ばれた。
インタビュアー: サルヴィア博士、SCPSシースターに乗船。
序文: D-49581は、ゴムボートに乗ってSCP-1382-1に接近するよう指示されている。天候は予報通り。D-49581がSCP-1382-1の100メートル以内にいる時刻2217より記録を開始。
<記録開始、時刻2217>
D-49581: あのー博士、俺の言うことがわかりますか?
サルヴィア博士: はっきりとね、D-49581。状況を報告なさい。
D-49581: ブイが見えます。けど人間はいません。あなたはここに誰かがいると確信してるんですか?
サルヴィア博士: 指示されたようにやりなさい、D-49581。
D-49581: はいはい。ハロー!誰かいるかぁー?![D-49581は彼の信号用フラッシュライトを掲げ、そのライトで"ハロー"と発光信号を出す。SCP-1382-1は応答せず。]
サルヴィア博士: 送信を続けて、D-49581。
[D-49581はあらかじめ準備された信号を発信し続ける:"タスケ ニ キタ ドウゾ。"]
サルヴィア博士: 何か反応は、D-49581?[SCP-1382-1は新しい信号を開始、後に"ヒモジイ"であると解読される。]
D-49581: なんだってんだ?
<記録終了、時刻2222>
最終陳述: 突然、静振波 - 波高3mと推測された - がSCP-1382-1とボートの間に発生。衝撃でD-49581との交信は途絶。SCP-1382-1は活動を終息。一帯の捜索によってD-49581の信号用フラッシュライトおよび彼の胸に取り付けられたカメラの一部を見つけたが、他に残骸はなし。
序文: 事例1382-C-2の32時間後、サルヴィア博士は再度SCP-1382とのモールス符号コミュニケーションを試みた。
<記録開始、時刻2320>
SCP-1382: S.O.S.
サルヴィア博士: ハロー
SCP-1382: [中断なく]タスケテ
サルヴィア博士: イカニシテ
SCP-1382: S.O.S.
サルヴィア博士: ソチラ ハ メアリー ████████カ
SCP-1382: S.O.S.
サルヴィア博士: ソチラ ハ ナニモノカ
SCP-1382: S.O.S.
サルヴィア博士: █████ ハ ソチラ ト イッショカ
["█████"はD-49581の本名。SCP-1382が応答するまでおおよそ5分が経過。]SCP-1382: ヒモジイ
サルヴィア博士: █████ ハ ドコカSCP-1382: ヒモジイ S.O.S.
<記録終了、時刻2351>