SCP-133-JP
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樹上で獲物を待ち伏せるSCP-133-JP

アイテム番号: SCP-133-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-133-JPは現在11体確保されており、それらはすべてサイト8182に収容されています。SCP-133-JPは厚さ3センチメートルの鉄板で内壁を補強した1辺7.5メートルの立方体形の部屋に収容されます。部屋には耐爆・耐衝撃性のドアが設けられており、窓や照明は一切設置されません。

1日1回、餌として牛や豚の脳が生存に最低限必要と確認されている量(手順133-F参照)だけ与えられます。光合成による必要以上の栄養の蓄積や、危険な化学物質の合成を防ぐため、日光への暴露は実験時以外は固く禁止されています。また、火気への暴露も同様に禁止されます。

万が一SCP-133-JPが卵塊を生産した場合、手順133-Hに基づいて人工孵化が行われます。この際、収容状況に応じて、関係職員とサイト8182管理者との話し合いによってSCP-133-JPの個体数の調整計画が立てられます。

野生のSCP-133-JPおよびその卵塊は発見次第、報告された後、殺処分されます。

説明: SCP-133-JPはムラサキウニ (Anthocidaris crassispina) によく似た形をした、陸棲の棘皮動物です。外見は緑色で統一されており、トゲに覆われた球形をしています。トゲや殻は独特な、カルシウムと炭素と鉛を主成分とした頑丈な化合物でできています。この独特な物質は平均的な人間の硬骨をはるかに上回るじん性を持つことが確認されています。トゲの緑色の色素は葉緑体を含んでおり、植物同様に光合成が行えるものと思われます。

SCP-133-JPの異常な特性の1つは、通常みられるウニに比べてはるかに強い管足と口吻を持つ点です。これらの力をもってアスファルト製の地面を0.9メートル毎秒で移動する、樹木を登るなどといった性質を持っています。

もう1つの特性は、2液混合式の燃料を用いてロケット推進する能力を持つことです。SCP-133-JPは体内で2種類の燃料を化学合成して別々に蓄えます。使用するときは2種類の燃料を混合させて反応させ、燃焼ガスを殻頂部の肛門から噴出して爆発的な推進力を得ます。燃料の一方はアニリンであることが判明していますが、もう一方の燃料は他では見られない未知の有機化合物でした。これらの物質をどのようにして合成しているのかは不明です。現在、燃料の合成には少なくとも日光を触媒とする必要があることが確認されています。

SCP-133-JPは肉食性を持ち、特に哺乳類を標的として狩猟を行います。樹上に群れをなし、下側を通る標的に向けてロケット推進を利用した突撃を仕掛けます。頭部に狙いを定める傾向が強いことが確認されています。突撃により標的を昏倒させた後、SCP-133-JPは強力な口吻で頭蓋骨を穿孔・切開し、脳を取り出します。SCP-133-JPはこの脳を養分として消費し、他の部位はほとんど消費しません。

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SCP-133-JPが生み出した卵塊のサンプル。白い部分が卵、赤橙色の部分は牛の脳のペーストである。

SCP-133-JPはアオガエルに少し似た方法で産卵します。メスのSCP-133-JPが白い卵塊を作り出し、オスのSCP-133-JPが精子を噴きかけます。卵塊には養分としてSCP-133-JPからペースト状に加工された獲物の脳が与えられます。

20██年、大分県██████市のミカン農園にてSCP-133-JPは発見されました。ミカンの木から栗の実が発生し、さらに番犬を襲っているという事で騒ぎになっているところを財団エージェントが発見しました。SCP-133-JPが確保された後、関係者には記憶処理が与えられました。野生のSCP-133-JPが多数生息していると見られたため、周辺地域にて機動部隊た-12("栗拾い")による大規模な捜索と駆除が行われました。

実験記録-133-05
目的:SCP-133-JPの突撃に対する、現在の財団の標準的ボディアーマーおよびヘルメットの有効性の検証。
手順:クラスD職員に財団が持つ標準的な防弾ボディアーマーとフリッツヘルメットを装着させ、地上7メートルの位置で待ち伏せる4体のSCP-133-JPの下へ接近させる。
結果:SCP-133-JPは頭部へ突撃。クラスD職員は昏倒する。ヘルメットに修繕不能なレベルのひびとへこみが確認された。顔面の一部が陥没した上、頚椎を激しく損傷しており、すぐに死亡した。
考察:不十分。首を守るプロテクターも必要になると思われる。

実験記録-133-06
目的:SCP-133-JPの突撃に対する、現在の財団の装備の有効性の検証。
手順:標準的なボムブラストスーツと強化フルフェイスヘルメット、ネックプロテクターとジュラルミン製ライオットシールドを装備したクラスD職員を地上7メートルの位置で待ち伏せる4体のSCP-133-JPの下へ接近させる。
結果:クラスD職員がライオットシールドを構えながら前進。シールドがSCP-133-JPの側を向いているうちは反応しなかったが、下を通過して背を向けた地点でSCP-133-JPが頭部へ突撃。クラスD職員は衝撃を受けてバランスを崩し倒れる。ヘルメットは軽度のひびを生じた。クラスD職員は生存し、数日間首の筋肉の痛みを訴えた。
考察:頭部が確認できないと突撃を行わない模様。財団の現在の装備でも生命だけは最低限守れる可能性があることが確認された。

実験記録-133-██
目的:通常のムラサキウニとSCP-133-JPが交配可能か確かめる。
手順:SCP-133-JPの収容室に水槽入りのムラサキウニを配置し、観察する。
結果:サイト管理者権限によって実験は却下

実験記録-133-13
目的:SCP-133-JPの甲殻に対する小火器の有効性の検証。
手順:7.62x51ミリメートルNATO弾を使用するライフルを用いて、40メートルの距離からSCP-133-JPを狙撃する。
結果:弾丸は甲殻を破壊し、内部に留まった。標的の無力化を確認。
考察:ライフルによる狙撃は有効。

実験記録-133-15
目的:SCP-133-JPに対する火炎放射器の有効性の検証。
手順:ゲル化油式火炎放射器を用いて、30メートルの距離からSCP-133-JPを攻撃する。
結果:標的に着火した3秒後、[編集済]。実験に立ち会った職員のうち█人がSCP-133-JPの殻の破片を体に受け、死亡した。
考察:火炎放射による非常時の一斉駆除は森林火災以外にもリスクを伴うことが判明した。

実験記録-133-██
目的:SCP-133-JPの卵塊を食用として転用できないか確かめる。
手順:SCP-133-JPの卵塊をクラスD職員に摂食させ、味覚にどのような反応が得られたかインタビューを行い、後に人体への影響について精密検査を行う。
結果:サイト管理者権限によって実験は却下

ページリビジョン: 33, 最終更新: 12 Jan 2025 03:04
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