アイテム番号: SCP-1215-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1215-JPはサイト-8104内のG-a低脅威物収容セル内に収容されています。SCP-1215-JPを用いた生物実験は、実験記録1215-JP-5を最後に禁止されています。
実験により発生したSCP-1215-JP-2は一定期間収容した後、保管を続行または無力化してください。判断はレベル3以上のセキュリティクリアランスを持つ職員が行ってください。ただし、SCP-1215-JP-2が一定以上の危険性を有する場合、また特定の職員に異常性が見られた場合に限り、判断権は各時実験主任に委ねられます。
収容違反を防ぐため、収容セル内での作業は遠隔操作されたロボットアームで行われます。直接の接触が必要とされた場合は、セキュリティクリアランスレベル4の職員2名の許可が必要です。
説明: SCP-1215-JPは、SCP-1215-JP-A、SCP-1215-JP-Bの二脚からなるオーク(Quercus)製の丸椅子の総称です。外見に異常性は見られませんが、耐久度は一般的な木製の丸椅子と比べ非常に高いことが判明しています。
SCP-1215-JPの特異性は、SCP-1215-JP-Aの座面に50.██g~1██kgの生物、または物質(SCP-1215-JP-1)を設置した場合にのみ発揮されます。SCP-1215-JP-1をSCP-1215-JP-Aに設置すると、SCP-1215-JP-Bの座面から対象の複製(SCP-1215-JP-2)が出現します。基本的にSCP-1215-JP-2は対象より身体能力が優れている、機能が増えるなど、SCP-1215-JP-1と比べ良質になる傾向が見られます。この「良質」は触れ幅があり、基準は判明していません。
SCP-1215-JP-2が出現すると、SCP-1215-JP-1は周囲から「劣化版」または「贋作」などと認識され、SCP-1215-JP-2がSCP-1215-JP-1と周囲に認識されます。これはSCP-1215-JP-2が破壊または無力化されるまで継続します。SCP-1215-JP-2の複製元となったSCP-1215-JP-1が生物の場合、SCP-1215-JP-2はSCP-1215-JP-1に対する激しい攻撃性を有します。過去の実験でSCP-1215-JP-2がSCP-1215-JP-1を終了させたため発覚しました。
SCP-1215-JP実験記録
実験記録1215-JP-1 - 日付20██/6/21
SCP-1215-JP-1:██研究員が所持する腕時計。
SCP-1215-JP-2-1詳細:オメガ社製の腕時計。
結果:調査により、SCP-1215-JP-2-1に刻印された型番は実在するものではなかった。実験後、SCP-1215-JP-1は██研究員に返却されたが、その後██研究員の自室のごみ箱からSCP-1215-JP-1が回収された。
備考:SCP-1215-JP-2は、SCP-1215-JP-1に比べ良質な物品になるようである。また、SCP-1215-JP-2が発生した後は、SCP-1215-JP-1に対し何らかの認識災害を有すると考えられる。-溝渕博士
実験記録1215-JP-2 - 日付20██/6/27
SCP-1215-JP-1:エージェント██が所持するベスト
SCP-1215-JP-2-2詳細:██████社の防弾ベスト
結果:実験終了後、エージェント██は対象の無力化を試みるも、取り押さえられ、クラスA記憶処理を施された。その後SCP-1215-JP-2-2は無力化され、SCP-1215-JP-1はエージェント██に返却された。
備考:SCP-1215-JP-2を無力化すれば1215-JP-1に対する認識災害は解けるようである。-溝渕博士
実験記録1215-JP-3 - 日付20██/7/17
SCP-1215-JP-1:雄のモルモット一匹。
SCP-1215-JP-2-3詳細:対象に比べ、異常に筋力が発達した雄のモルモット。
結果:SCP-1215-JP-2-3は出現後、SCP-1215-JP-Aに飛び乗りSCP-1215-JP-1に攻撃を開始。警備員が麻酔銃を打ち込み静止を試みるも失敗。SCP-1215-JP-1が完全に沈黙するまでSCP-1215-JP-2-3は活動を続行した。その後、警備員が実弾を使用し終了させた。
備考:SCP-1215-JP-1が生物の場合、SCP-1215-JP-2はSCP-1215-JP-1に対して攻撃性を有することが発覚した。次の実験までに、SCP-1215-JP-2に対して対策を考えておこう。-溝渕博士
実験記録1215-JP-4 - 日付20██/7/27
SCP-1215-JP-1:D-121501
SCP-1215-JP-2-4詳細:対象に比べ、歯並びが良い。知能、筋力等に異常性は見られず。
補足:SCP-1215-JP-AとSCP-1215-JP-Bを予め強化ガラスで区切り、D-121501の無力化を防ぐ。
結果:SCP-1215-JP-2-4は出現後、D-121501に向かい攻撃を開始するも強化ガラスに阻まれ失敗。その後警備員により拘束された。
備考:無事に確保できたようだ。SCP-1215-JP-2-4へのインタビューを行おう。-溝渕博士
実験記録1215-JP-5 - 日付20██/8/3
設置対象:D-121502
SCP-1215-JP-2-5詳細:外見に異常は見られず。対象と比較しても、目立った異常性は見られなかった。
結果:[編集済]
備考:今実験以降、SCP-1215-JPによる生物実験は永久に凍結します。-サイト8104管理者██
対象: SCP-1215-JP-2-4
インタビュアー: 溝渕博士
付記: 事前に溝渕博士は対認識修正措置をとり、SCP-1215-JP-2-4がSCP-1215-JP-1ではないことを理解しています。
<録音開始>
溝渕博士: こんにちは、SCP-1215-JP-2-4。
SCP-1215-JP-2-4: ん?...よう博士。まだあいつを[罵倒]させてくれないのか。
溝渕博士: それは出来ない。君は何故、D-121501を[罵倒]したいと思うんだ?SCP-1215-JP-2-4: なんでっつわれてもよ、目の前に俺がもう一人現れたとたん、ガーッて[罵倒]したくなっちまったとしか言いようがねえよ。で、まだだめなのかよ。
溝渕博士: だから出来ないと言ってるだろ。まず、君が何なのかを、しっかり調べないといけない。
SCP-1215-JP-2-4: なんなのかって...俺はお前らの言うD-121501だぞ。これ以上何処をどう調べるっていうんだよ。いっつも[編集済]まで見てんだろが
溝渕博士: 記憶も複製元と同じか。椅子から出てきた存在がよく言うな。
SCP-1215-JP-2-4: まてよ、俺が椅子から出てきた?何言ってんだよ冗談も程々にしろよ。
溝渕博士: 冗談じゃない、事実だ。現に君は出現した時、椅子に座っていただろ。
SCP-1215-JP-2-4: 待て待て待て、さっきから何言ってるかわかんねえよ。俺は椅子からなんか生まれてねえ。ちゃんと母ちゃんの腹から出てきたんだぞ。それに出現?俺はお前達から命令されてあれに座ったんだぞ。
溝渕博士: 何を言っている。君はD-121501の複製、SCP-1215-JP-2-4だ。
SCP-1215-JP-2-4: さっきも言ってたけどよ、その1215なんとかってなんだよ。俺はD-121501なんだろ?
溝渕博士: [5秒沈黙]一つ質問をしよう。君には椅子から出現する前の記憶はあるか?
SCP-1215-JP-2-4: だからよ、出現なんか俺はしてねえ。お前らに言われてあの椅子に座っただけだっつの。
溝渕博士: 君がいた場所に椅子は何個あった?
SCP-1215-JP-2-4: 何個か?確か、俺が座った奴しかなかったな。一つだ、一つ。
溝渕博士: ガラスの向こうにもう一つ椅子はなかったか?
SCP-1215-JP-2-4: 無かったし、ガラスなんてものも無かったぜ。...なあ、一つだけいいか?
溝渕博士: 何だ?
SCP-1215-JP-2-4: いやよ、あんた、ちょっとブサイクになったなって思ってよ。気のせいかな。
溝渕博士: [沈黙]インタビューを終了する。
<録音終了>
終了報告書: インタビューより12時間後にSCP-1215-JP-2-4の終了を実施。特に問題はなく行われた。