SCP-1205-JP
評価: +131

観測地点: 第2空間層 (スポット- B11)
接続状態: 良好

[フレーム]

アイテム番号: SCP-1205-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1205-JPは財団フロント企業の所有する工場に偽装されており、敷地内への一般人の立ち入りを禁止しています。探査及び実験時以外は、制御盤を通じて第1空間層に固定した上で内部への侵入口を施錠して下さい。SCP-1205-JPの探査及び実験を行う際は、サイト管理者による許可が必要です。

説明: SCP-1205-JPは██県███市に存在する異常な性質を持つ施設です。SCP-1205-JPはかつて小規模遊園地である█████ランドにおいてアトラクション施設として運営されており、2005年に財団によって収容されるまで通常のアトラクションと同じく利用されていました。

SCP-1205-JPの内部には5層からなる重複した異常空間が存在しており、これらの空間はSCP-1205-JP外部に隣接している管理室からの制御盤を通じたコマンド入力によって切り替えることが可能です。SCP-1205-JP内部は迷路のような構造をしており、様々な仕掛けや設備が設定されています。SCP-1205-JPに侵入した際、入場口は異常な再生機能を有する金属壁によって即座に塞がれますが、退場口に到達することで脱出が可能です。内部に人員が侵入している状態で空間の切り替えが行われた場合であっても退場口に到達することで帰還が可能です。

第2から第5空間層には異常な性質を持つ機器や設備、霊的又は生物的な実体が存在しており、設備の一部として機能しています。これら5層の空間は性質によって以下の通りに分類されています。
分類 概要
第1空間層 主に親子連れなどの来場者を対象として利用されていた空間層です。内部には複数の自動化された非異常性の仕掛けが存在しており、管理室からの電力供給によって機能します。
第2空間層 主に一般の来場者向けに利用されていた空間層です。内部にはレベルII霊的実体15体、有機的オートマトン5体が配置されています。全ての実体は内部に侵入した人員を追跡する素振りを見せますが、配置された地点から5m以上移動した例は確認されていません。
第3空間層 使用用途不明の空間層です。現在までにレベルIII霊的実体、外科的改造が加えられた異常な生命体の存在が確認されていますが明確な総数は不明です。
第4空間層 レベルIV霊的実体、明確な敵意を示す分類不能な生命体、[編集済]と同様の生物的特徴を有する実体が数多く存在する空間層です。これらは明確な敵意を持って侵入者を積極的に襲撃する傾向にあり、現在に至るまで詳細な調査は行われていません。
第5空間層 [編集済]が確認されている異常空間です。物理法則の改変事象が発生しており、調査は難航しています。

内部に存在する実体が退場口から半径6m圏内に接近した際、退場口は入場口と同様に閉鎖されます。退場口の閉鎖は実体が6m圏内から脱するまで続くことが確認されています。この性質上、SCP-1205-JP内部の異常存在を外部へと持ち出すことは不可能です。

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差し替えられたSCP-1205-JP内部の調査映像

SCP-1205-JP内での映像の撮影及び送信は、未知の手段によって生じる自動的な映像の差し替えによって妨害されます。その為、SCP-1205-JP内では59地点で画像送信による定点観測が実施されています。

補遺1: SCP-1205-JP内部の構造と異常存在に関する詳細な調査を目的とし、有人探査が実施されました。前述の映像の差し替えによって映像通信が妨害されてしまうため、全ての探査は音声通信と画像送信によって報告されました。

探査記録-2006年4月16日

探査人員: D-16356

装備: 画像送信端末、トランシーバー、懐中電灯。

目的: 第1空間層内部の調査

結果: 第1空間層内部では異常な物品は発見されませんでした。自動化された仕掛けが多く見受けられ、その殆どが幽霊や怪物を模したパネルや人形でした。D-16356の報告内容に通常の遊園地の設備との大きな差はありませんでした。D-16356に対して設備の一部を持ち出すことが指示されましたが、退場口の閉鎖によって回収は失敗しました。


探査記録-2006年4月19日

探査人員: D-16356

装備: 画像送信端末、トランシーバー、懐中電灯。

目的: 第2空間層内部の調査

結果: 内部で複数のレベルII霊的実体と有機的オートマトンと考えられる実体を捕捉しました。これらは物陰や死角から出現しD-16356を追跡、又は襲撃する素振りを見せましたがこれらの行動は実行に移される寸前で停止した事が報告されました。この行動について、実体群がアトラクションの設備の一部として何らかの方法によって設定されているという仮説が立てられています。


探査記録-2006年4月25日

探査人員: D-16356

装備: 画像送信端末、トランシーバー、懐中電灯。

目的: 第3空間層内部の調査

結果: 内部ではレベルIII霊的実体の他に明確な外科的改造の痕跡が認められる異常な生命体が捕捉されました。また、内部の構造が第1空間層、第2空間層よりも複雑化している事が認められました。第2空間層とは異なって存在する実体群は非常に能動的であり、個体によっては明確な敵意を持つ事が報告されました。D-16356は何らかの実体による襲撃を受けたと考えられ、侵入から2時間11分が経過した時点で通信が途絶しました。


探査記録-2006年4月26日

探査人員: 機動部隊 へ-9("鋼の祓魔師")

装備: 各種銃火器、試験型超小型スラント霊素固着波生成器、画像送信端末、トランシーバー、LEDライト。

目的: 第3空間層内部の調査、及びD-16356の回収

結果: 突入時D-16356は意識を失った状態で発見されましたが、機動部隊によって装備と共に無事に回収されました。途中、試験型超小型スラント霊素固着波生成器の致命的な故障により攻撃的なレベルIII霊的実体への対抗手段が失われる事になりましたが、最終的な被害は軽症者2名のみに抑えられました。


探査記録-2006年4月30日

探査人員: 機動部隊 へ-9("鋼の祓魔師")

装備: 各種銃火器、画像送信端末、トランシーバー、LEDライト。

目的: 第4空間層内部の調査

結果: 機動部隊は多数のレベルIV霊的実体、殺傷を目的とした身体改造が認められる生命体、及び[編集済]と見られる生物群に襲撃されました。内部構造はさらに複雑化しており、最終的に機動部隊は退場口の発見を断念しました。また侵入した10名の隊員のうち7名は実体群による攻撃を受け死亡、3名は[編集済]による侵食を受け、自己終了しました。


探査記録-2006年5月4日

探査人員: D-16356、D-23741、D-66514

装備: 携行銃器、画像送信端末、トランシーバー、LEDライト。

目的: 第5空間層内部の調査

結果: [編集済]。第5空間層内部の実体群は空間的な変形に伴って完全に機能を停止しています。第5空間層内部の物理法則は複数の異常な設備による相互作用によって極度の改変を受けている事が確認されました。内部に侵入したDクラス職員3名は現在も[編集済]であると推測されていますが、内部空間の変化が激しく予測する事ができないため回収計画は見送られています。



補遺2: SCP-1205-JPの調査のため、█████ランドの従業員に対して聴取が実施されました。以下はSCP-1205-JP運営時の管理スタッフであった██氏に対して行われたインタビューの記録です。

インタビュー記録-1205-JP-2005年9月2日

対象: ██氏(以下対象)

インタビュアー: 泥濘研究員(以下インタビュアー)

備考: █████ランド閉園の話題を利用し、地元新聞社の記者を装った研究員によってインタビューは行われました。


<記録開始>

インタビュアー: あなたの担当していたアトラクションについてお尋ねしてもよろしいでしょうか。

対象: はい。私は10年ほど「叫びの館」という、所謂お化け屋敷の管理の仕事をしていました。

インタビュアー: 10年ですか。では、██さんはお化け屋敷運営の大ベテランですね。

対象: いえいえ、10年とは言っても今の設備になったのは4年前なんで...熟練度で言えば若いスタッフとそう大差はありませんでしたね。

インタビュアー: 4年前というと?

対象: 様々なアトラクションを改築したんですよ。園の売り上げが低迷していた時だったんで、経営側が大金を投じて賭けたんです。

インタビュアー: なるほど。ではその改築は効果がありましたか?

対象: ジェットコースターとかはあまり変わらなかったみたいでしたね。でも、「叫びの館」の来場者は一気に増えましたね。

インタビュアー: それはどうしてでしょうか?

対象: 私は末端の従業員なので経営の方は分からないんですが、噂では「叫びの館」の改築にあたって協力を持ちかけてきたグループがあったみたいです。

インタビュアー: その団体について詳しくお聞かせ願えますか?

対象: 私も小耳に挟んだ程度なのでよく分からないです。というか、こんな信憑性のない話は記事には載せられないですかね。

[対象の笑い声]

インタビュアー: いえ、どんな些細な事でも情報には変わりないですから。

対象: あ、そういえば改築の時に従業員に配られた資料の中に建築系では無いグループのパンフレットみたいなのが混ざってたんですよ。若しかすると、あれがその協力を持ちかけてきたグループかもしれないですね。

インタビュアー: その資料って今も残ってたりしますか?

対象: 管理室を片付ければ出てくるかもしれないです。

インタビュアー: 後の取材のためにも持っておきたいのですが、譲って頂くことはできますか?

対象: えぇ、大丈夫ですよ。どうせもう閉園は決まってますし、あったとしてもゴミみたいな物ですから。

インタビュアー: お手数おかけしてすみません。ありがとうございます。

[以下は重要度が低いため割愛]

<記録終了>

インタビューの終了後、██氏から資料(アーカイブ-1205-JP-1に指定)が提供されました。資料は日本生類創研と東弊重工の間に発足した共同開発計画であると考えられる「生弊プロジェクト」によって作成されており、SCP-1205-JPは生弊プロジェクトによって█████ランドに売却されていた事が判明しました。この文書内では、SCP-1205-JPは第1空間層と第2空間層のみの利用が想定されており、それ以外の空間層に関しての記述はありませんでした。閉園以前の█████ランドでは、この資料に基づいて作成されたマニュアルが職員に配布され、運用されていました。

補遺3: 日本生類創研関連施設跡地から回収されたコンピュータから、SCP-1205-JPと思われる異常存在について言及されているデータが復元されました。データはプレゼンテーション用に作成されたスライド形式のファイルであり、内容は以下の通りでした。

  • 生弊プロジェクトで生じた研究副産物の再利用の提案。
  • 東弊重工から提供された空間の拡張及び編集技術の応用について。
  • 霊素理論的生命体の作製失敗個体の運用について。

これらの情報からSCP-1205-JPは日本生類創研と東弊重工の両団体の活動で生じた予期せぬ副産物を処分する目的で作成されたものと考えられています。

Footnotes
. 財団による工作の結果、█████ランドはごく自然な形で閉園へと至りました。
. SCP-1205-JP内の設備の影響であると考えられていますが、どのような方法でこの差し替えが行われているのかは不明です。
. シュタイナー/レヴィ非実体化抑制装置の理論をベースに開発された装置で、実体化した霊体の霊素を固化させることでその物理的活動をも制限することを意図して設計されました。突入時には試験運用段階の物が実験的に導入されました。 この探査以降は機器の不調が発覚したため装備されませんでした。
. █████ランド内でのSCP-1205-JPの呼称です。
ページリビジョン: 27, 最終更新: 21 Feb 2024 12:32
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