アイテム番号: SCP-1139
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: O5-█の許可により、オブジェクトは研究エリア██に保管されます。インシデント1139-1を受け、オブジェクトは研究エリア██に移送されました。実験で使用するとき以外は2分割した75c×ばつ20c×ばつ20cmのゴム製ブロックにオブジェクトを収め、ブロック全体をファラデーケージで囲み、さらに静電防止処理台に静置してください。オブジェクトの収容室は無筋コンクリ-ト(壁の厚さ3m以上)で作られ、照明はガス燈を常時灯します。湿度は70〜80%に保たれなければなりません。
SCP-1139収容室へのドアは絶縁性の耐衝撃セラミック製である必要があります。インシデント1139-1を受け、SCP-1139収容室は3枚のドアを設置し、一番外側のドアは金属を主材料とするとともに金属性の敷居を接地させておくこととします。これは放電時の対策としてです。内側のドア2枚は絶縁性の耐衝撃セラミック製とします。
実験に必要でない限り、収容室にはいかなる電気機器も持ち込むことはできません。これにはペースメーカー、腕時計、録音録画機器などが含まれます。1000W以上の電力を生じうる電気機器はO5職員2名の文書による許可がない限り実験であっても使用できません。交流電流を発しうる電気機器はO5職員2名の許可がない限り収容室に持ち込めません。
研究エリア██には常に避雷針を2本配備し、いずれもSCP-1139から200m以上離れた場所で接地させます。
実験SCP-1139lの結果およびO5-█の指令より、各財団サイトの職員の中には以前にSCP-1206の影響を受けたことのあるレベル3職員を1名含まなければなりません。
説明: SCP-1139はおよそ高さ20cm底面5cm四方の金属製の直方体ブロックです。材質は鉄であるように見えますが密度は通常の鉄の2倍ほどであり、オブジェクトの上部ほど密度が高まっています。オブジェクトはこれまでに破壊や損傷を受けないことが証明されており、オブジェクトの年代測定は不可能です。オブジェクトの側面には正方形の突起が未知のパターンで敷き詰められており、触ることで確かめることができます。そのパターンを直接、あるいは写真で目視すると自分が慣れ親しんでいる言語の文字がブロック体で浮き彫られているように見えますが、これは単なる幻覚にすぎません。どの被験者も文字列が変化することはないと報告しています。オブジェクト底面には4つの1mm✕5mmの割れ目が存在し、いずれも銅色の物質でコーティングされています。金属製の割れ目に操作を加える、電流を直接流すなどの試みでは新たな作用は発見されませんでした。
オブジェクトに電流直流電流が流されると、未知の手段を通じて周囲一定半径内の人物が影響を受けます。影響範囲内にいた人間は新たな言語を話したり書いたりするようになりますが、本人は自分にとってネイティブな言語を話しているつもりであるように見受けられます。被験者は既存の言語すべてについて発話したり理解したりする能力を失います。「新たな言語」は言語学的には言語として完全に成り立っていることが示されていますが、これを訳す試みはまったく成功していません。翻訳の試みは進行中です。SCP-1139に曝露した被験者は既存の言語を習得あるいは再習得する能力を失っていることが判明しています。クラスAAの記憶処理はこの影響を取り除くのに唯一有効な手段ですが、それにより被験者は財団にとってほとんど役に立たなくなってしまうため、今後の実験ではクラスAA記憶措置は推奨されません。実験記録1139-1を参照してください。
影響範囲は流れた電気のワット数に応じて指数関数的に拡大し、"静電気"では0.8mになり、雷の直撃を受けた場合は[データ削除済]を超え、[データ削除済]シナリオを起こしうると見積もられています。この影響を封じ込め、制御、または反転させる手段を探す実験は現在も進行中でありχ-レベルの優先度が与えられています。「最悪のシナリオ」が発生した際に惑星規模の防衛手段として使用する有効性については審議中です。
SCP-1139はインシデント98564/kの際に発見されました。イリノイ州ノーマル市にある壊れた神の教会の前哨基地を、機動部隊デルタ-5("フロントランナー")が襲撃しました。地下室には痴呆を発症しているらしき老人がおり、襲いかかってきたため速やかに終了したところ、所持品の中にSCP-1139が発見されました。この部屋には███████を超える数の手書き文書が、2000年以上前の石盤からごく新しく摩耗が最小限な近代の書類までありました。最も古い文書は壊れた神の教会設立の████年前以上のものであることに注意してください。いずれの文書も既知の言語では書かれておらず、███種類の異なる言語が確認されました。
██/██/██の午後4:30、統率されていない民間人の車██台以上が研究エリア██の2つの連絡道路からばらばらに進入してきました。研究エリア██にはブルー・アラートが発せられ、手順ゼータ-タウが実行されました。4名のレベル0財団職員が侵入者に応対し、身分の偽装を維持し、研究エリア██の緯度経度が子供向けの「ジャンボリーの場所として広められていることを聞き出しました。手順ゼータ-タウに従い、研究エリア██は狩猟小屋であり侵入者たちは間違った場所に来てしまったのだと伝えました。侵入者が次々とやって来たため、彼らの退去は滞りがちでした。最終的に███名の大人と████名の子供が侵入していました。
4:52ちょうど、およそ██名の大人と█名の子供がキャンプ道具の中から武器を取り出し、連携の取れた攻撃でもって研究エリア██へ侵入のために攻撃を開始しました。壊れた神の教会が用いる祭文を喊声として上げ、『舌』及び『ことば』について言及していました。境界区域が破られたため、封鎖が実行されました。機動部隊ロー-5("ハチの一刺し(Bee Sting)")が研究エリア██に召集され襲撃を鎮圧し、逃走した民間人および民間人の犠牲者を可能な限り収容しました。生き残った市民の供述によると、キャンプイベントの一週間前に場所の変更がメールで知らされ、研究エリア██に来ることになったとのことでした。ただしそのような情報源を事実上確かめることは出来ませんでした。生存者にはクラスC記憶処理が施され、判明していた壊れた神の教会の「秘密暗号」を用いて再度質問されました。3名の教団員が新たに発見され、その場で終了されました。エリア指揮官によりカバーストーリーベータ-ゼータが適用され、残りの民間人にはカウンセリングが行われました。研究エリア██は破棄されました。
C████、これはあってはならないことだ。教会の狂信者どもに先制攻撃を許したことがではない。財団の施設がこれほどまでに注目を集めてしまったことがだ。ボーイスカウトによる銃乱射事件というメディア偽装およびリポーターによる研究エリア██発見を阻止するように。 O5-█
Keterへの再分類を申請します。 エリア監督官 C████
却下。 O5-█
補遺[SCP-1139c]:
被験者: D-02638
言語学担当者: A████博士
電力: 交流200W
被験者はSCP-1139の影響範囲に晒された。被験者は頭を掴んで叫びだした。このノイズで財団スタッフ█名を含む[編集済]、そしてA████博士は手首の骨折と慢性的な頭痛を負った。残りのスタッフはミーム汚染の恐れありとして隔離された。汚染が見られないことから隔離は解除され、スタッフは元の任務に戻った。収容及び実験に関するプロトコルを更新。
補遺[SCP-1139e]:
被験者: D-18394
言語学担当者: A████博士
電力: 直流200W
実験前、被験者は読み書きができなかった。曝露を確認するため、SCP-1139活性化に際してアルファベットの歌を歌い続けるよう被験者に命じた。SCP-1139への曝露後は言語によるコミュニケーションを行わず、絵と写真でのみ意思疎通を試みた。被験者は苦痛の兆候を示さなかったが、研究員の沈黙に対して不満を示した。基礎的な非言語コミュニケーションがおおむね成功したのを確認後、A████博士はオフィスからその中で絵本に一番近い本、ヴォイニッチ写本のコピーを持ってきて被験者に渡した。被験者は絵を無視して読もうとし、単語を一つ一つ声に出していった。注目すべきことに、被験者は本を後ろのページから読み始め、各ページの中央から外側に向けて読み進めていた。観察結果からは被験者が本の内容を理解し、それが物悲しい終わりであったと考えていることが示された。
よし、今回はアルファベットとテキストが手に入った。どうやってそれを話すのかを学ぶことは簡単なはずだ。 A████博士
実験から2ヵ月後、A████博士はストレス治療のため休暇を取った。被験者D-18394は終了され、すべての文書は長期保存庫に送られた。
補遺[SCP-1139f]:
被験者: D-18328
言語学担当者: A████博士
電力: 直流200W
被験者は収容室に入ってテーブルにつき、暗記した長い文章およびアルファベットと0から50までの数字を紙に書き込んだのち、それらを声に出して読むよう命じられた。テーブルに向かっている間に被験者をSCP-1139に曝露させた。被験者は未知の言語で文章を書き、同じく未知の言語で読み上げた。言語の変化に対して気付いた様子は見られなかった。被験者は英語を喋れなくなり、英語を学び直させようという試みは失敗した。SCP-1139fで得られた言語はSCP-1139eのそれとは異なるという点に注意。
今回はロゼッタ・ストーンが手に入った。これで解読が楽になるか、あるいは彼らの言語が完全な出鱈目なのがわかるかするだろう。 A████博士
実験から4ヵ月後、A████博士はストレス治療のため休暇を取るよう命じられた。被験者D-18328は終了され、すべての文書は長期保存庫に送られた。
補遺[SCP-1139k]:
被験者: A████博士
言語学担当者: A████博士、L████博士
電力: 直流200W
許可も監督も受けないまま、A████博士は自身をSCP-1139に曝露させた。実験以前のA████博士は8つの言語を流暢に話せたことに注意。実験SCP-1139kとしてL████博士が言語学担当を引き継ぐ。
A████博士にはこれ以前の被験者と同様の症状が現れたが、自身の発する声に対して困惑し、財団スタッフによる言語及び文章コミュニケーションに対してショックを受けていた。A████博士は8つの新たな言語を習得しているようであり、世界地図上の異なる点をそれぞれ指し示すことで、彼が話そうとしている言語と新たな各言語との対応を示そうとしているように見えた。A████博士は非言語でのジェスチャーによってしか意思の疎通が取れなくなり、無気力と鬱状態に陥った。A████博士は長期治療施設に移送され、自殺防止のため監視されている。
補遺[SCP-1139l]:
被験者:D-17618、D-14568
言語学担当者:L████博士
電力:直流200W
D-17618はSCP-1139に標準的に曝される前、SCP-1206に曝された。SCP-1139は被験者に全く影響を与えなかった。
D-14568はSCP-1139に標準的に曝された後、SCP-1206に曝された。SCP-1206は被験者に全く言語的影響を与えなかった。
補遺[SCP-1139m]:
被験者:D-18818
言語学担当者:L████博士(ミーム汚染を避けるため、F███博士の協力のもと遠隔的に作動させた)
電力:直流200W
SCP-1139に標準的に曝された後、被験者はSCP-444に感染させられた。SCP-444の感染は通常のように進行し、被験者は他のSCP-444感染者と会話することが可能となった。L████博士とF███博士にはミーム汚染の影響がなく、今後もSCP-1139に任命される。実験でさらにSCP-444を使用することが承認された。
補遺[SCP-1139n]:
被験者:D-18818
言語学担当者:L████博士(ミーム汚染を避けるため、F███博士の協力のもと遠隔的に作動させた)
電力:直流200W
被験者は█日前にSCP-444に感染している。曝露後、被験者はすぐには明白な異常性が見受けられない新たな言語を話した。継続観察により[編集済]が明らかになった。死者には█名の財団職員が含まれ、汚染のためさらに█名の財団職員を終了する必要があった。L████博士にはミーム汚染の影響がなく、今後もSCP-1139に任命される。実験でのSCP-444の使用はO5-█の指令により中止された。
補遺[SCP-1139q]:
被験者:D-29374、D-93847、D-20375、D-20384、D-29384
言語学担当者:L████博士
電力:直流400W
SCP-1139が起動され、被験者5人のうち4人のみに影響を与えるよう注意深く調整された。被験者は即座にお互いの言うことを誰も理解できなくなっていることに気づいた。影響されていない被験者は依然として英語を話すものの、実質的には他の被験者と同様の振る舞いを始めた。
遠隔による長期観察が開始された。外部からの言語的刺激がないため、被験者たちは独房への長期監禁による症状と似た典型的な反応を示し、粗悪な階級社会を発展させた。[編集済]。実験後D-20375は終了させられ、死体は焼却された。
Keterへの再分類を申請します。 L████博士
却下、この茶番劇をすぐ終わらせること。長期的実験の被験者が必要ならばA████博士の使用を申請しなさい。 O5-█