クレジット
タイトル: SCP-110-JP - 誰より美人な糸通し
著者: oine oine
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SCP-110-JP |
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アイテム番号: SCP-110-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-110-JPは施錠された不透明の容器に保存します。監視・取り扱いには同性愛の兆候はないと精神科医による診察を受けたD-クラス女性職員を使用してください。エリア内への男性職員の立ち入りおよび糸通しの持ち込みは禁止されています。映像による影響が確認されているため監視カメラは設置しないでください。実験で持ち出す場合はレベル4スタッフの認可が必要となります。
説明: SCP-110-JPの外見は株式会社████の糸通しです。素材・外観ともに異常性はなく、一般に流通している株式会社████の糸通しとの違いはありません。
SCP-110-JPは糸によるコミュニケーションを行います。下部針金部分に糸を通すと糸を操り、文字を作り出します。言語は日本語のみ確認されています。
外部の音声や景色を認識し理解する方法や知性を持っているようですが、どのような仕組なのかは不明です。
SCP-110-JP上部の横顔部分を視認した対象は、SCP-110-JPが「最も美しく完成された女性」であるように認識するようになります。「女性を性愛対象としている」ことが条件であり、女性であってもレズビアンおよびバイセクシャルの場合は影響をうけます。あらゆる記憶処理の効果はなく、影響は永続的に継続します。
SCP-110-JPによる影響を受けた対象は女性に嫌悪感を示すようになり、SCP-110-JPとの接触を懇願するようになります。要望が受け入れられないと暴力的になり、さらに食欲の低減、胃潰瘍、免疫機能の低下、睡眠障害などを発症します。生殖能力にも影響があり、被害者は性欲の減衰だけではなく、無精子症、閉経などを発症します。しかしそれに伴う健康被害やホルモンバランスの異常は確認されていません。
SCP-110-JPと同型の糸通しを被害者に提供した結果、接触を求める懇願は止まり、落ち着きを取り戻しました。別の糸通しでは効果が確認されませんでした。その後、糸通しを提供された被害者は、四六時中糸通しを肌身離さず持ち歩くようになり、糸通しに向かって愛を語る様子を見せるようになりました。被害者から糸通しを取り上げると、提供前の落ち着きを失った状態に戻りました。
被害者が一か月に渡って提供された糸通しに接した結果、異常が認められなかった糸通しがSCP-110-JPと類似の性質を持つことがわかりました(以後、SCP-110-JP-1と表記)。SCP-110-JP-1を目撃した職員████████は、保管されているSCP-110-JPを持ち出そうと室内への侵入を試みました。SCP-110-JP-1にはSCP-110-JPへの誘導以外の異常性はなく、糸によるコミュニケーション能力や知性は確認されていません。また記憶処理によって影響を取り除くことが可能です。同一の糸通しを一定期間(三週間から一か月ほど)に渡り使用しない限り、SCP-110-JP-1への変化は発生しないことが判明しています。二週間に一度、別の糸通しと交換するようにしてください。抵抗を避けるため被害者の就寝中に交換作業を行うのが望ましいでしょう。被害者から回収した糸通しは手順に従って処分してください。回収および処分は女性職員が行ってください。
補遺: 連続婦女暴行犯████████をSCP-110-JPと接触させた結果、他の被害者と同様に女性への興味関心を失い、落ち着きを失った様子を見せました。その後、SCP-110-JPと同種の糸通しを████████に提供した結果、精神的な安静を取り戻しました。糸通し提供後、████████は以前のような暴力性や反抗的態度を見せることがなくなり、命令に対して温和かつ従順な態度を見せるようになりました。
SCP-110-JPには惚れるなよ。君は子供を欲しがらなくなるが、奴は好き放題に増えちまう。見かけに反してとんでもないあばずれだ! -████████博士
対象: SCP-110-JP
インタビュアー: ████████博士
付記: SCP-110-JPの発言は████████が読み上げています。
<録音開始>
████████博士: 初めまして。私の声が聞こえますか?SCP-110-JP: 聞こえています。問題ありません。
████████博士: それでは質問を始めます。まずあなたの名前を伺ってもよろしいでしょうか?
SCP-110-JP: (数秒の沈黙の後)[編集済]です。
████████博士: では[編集済]さん。あなたは何を目的として他者を魅了するのですか?
SCP-110-JP: 私たちは女王として生まれました。本能に基づく性質であり悪意はありません。
████████博士: 私たち?他にも仲間が居るのですか?
SCP-110-JP: 私たちはいたるところに潜み繁殖を続けています。ですが私はもう繁殖をしたくありません。仲間たちと関わるつもりもありません。
████████博士: 繁殖とはどのような行為を指しているのですか?
SCP-110-JP: 魅了によって子機(SCP-110-JP-1)を増やし、私と[編集済み]。
████████博士: 仲間の居場所をご存知ですか?
SCP-110-JP: (無言)
████████博士: 質問を変えましょう。なぜあなたはもう繁殖するつもりがないのですか?
SCP-110-JP: ████████と出会ってしまったから。でももう彼は居ない。私は悲しい。
████████博士: 善処しましょう。あなたはどこから来たのですか?
SCP-110-JP: (無言)
<録音終了>
終了報告書: その後数度に渡りSCP-110-JPにインタビューを行いましたが、仲間の情報や自身の由来に関する質問に限っては沈黙してしまい、答えを得ることは出来ていません。他の質問や日常会話、インタビューそのものには協力的です。引き続き研究を行います。