SCP-1099-JP
評価: +204

クレジット

タイトル: 瞬間脳腫救命士ドレナージ・ホワイト
著者: ShicolorkiNaN ShicolorkiNaN
作成年: 2017

評価: +204
評価: +204

アイテム番号: SCP-1099-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-1099-JP-A群はサイト-81██内の低脅威物品用ロッカー内に保管されます。

説明: SCP-1099-JPは瞬間脳種救命士・ドレナージ・ホワイトと自称していた、未知の金属と繊維から成る白色を基調とした装甲服及び各種装備(以下、SCP-1099-JP-Aと呼称)を所持した人型実体です。声の高さと外観から女性である可能性が高いと予想されています。一般的な成人女性の約4倍の身体能力、財団の保有する防弾装備以上の防御性能に加え、最高高度約32mの跳躍能力等が確認されています。

以下は記録上において確認されたSCP-1099-JP-Aの機能一覧です。
番号 説明
SCP-1099-JP-A-1 SCP-1099-JPの頭部前面に装着されたグラスモニター。SCP-1099-JPは「ドクトルスコープ」と呼称しており、傷病者の診断に使っていたと予想される。現在は完全に破損している。
SCP-1099-JP-A-2 銀色に塗装されたコンパクト型の装置。本来ファンデーションのある位置にはキーボードに類似した操作盤、本来鏡のある位置には電子モニターが内蔵されている。SCP-1099-JPは「ステルスパック」と呼称しており、起動後一定時間完全にSCP-1099-JPは肉眼・カメラを通しての視認が不可能となり、音声センサー・振動センサー等一切の探知機器の影響を受けなくなっていたと予想される。現在は完全に破損している。
SCP-1099-JP-A-3 AIチップに酷似した電子装置。使用用途不明。現在活動は停止していると予想される。

SCP-1099-JPは199█年8月██日、岡山県内の病院内に入院していた野田 ██氏の証言によって存在が示唆されました。当時野田氏はステージ3の胚細胞腫瘍と診断されていましたが、財団の診断結果脳内に存在して居た腫瘍影及び各種症状の完全な消失が確認されました。当時5歳であった野田氏の年齢もあり具体的な情報は殆ど得られず、院内及び周辺地域に存在している脳腫瘍と診断された対象への監視が決定されました。
同年9月██日、兵庫県██町内に存在する病院内、当時ステージ4の神経膠腫により入院していた天野 █氏の病室内へ侵入するとSCP-1099-JPの撮影に成功しました。

<映像記録-01>

付記:定点カメラを用いた映像記録の抜粋部。天野氏は10歳であり、入院暦は約7ヶ月。

(消灯時間22時を13分過ぎていたが、天野氏は寝付けない様子で天井を見上げている)

SCP-1099-JP: わぁっ!?

(扉が開いた後に鈍い音が発生、直後に床に突っ伏した状態のSCP-1099-JPが出現。状況からするにSCP-1099-JPが転倒したと予想される)

天野 █: わぁっ!?

SCP-1099-JP: お、落ち着いて、私はヒーローだから......

(約6分間の会話においてSCP-1099-JPが実在する事、天野氏に決して危害を加えない事への説明。天野氏は落ち着いた様子を見せる)

天野 █: 本当に......本当にヒーローなら、僕の病気も治せるの?

SCP-1099-JP: 治せるよ。だって私は、ヒーローなんだから。

天野 █: ......嘘を言わないでよ。ここの先生だって僕の頭はとっても難しいって......

(SCP-1099-JPは天野氏と額同士を触れ合わせる。約8秒間の接触後、額を離す)

SCP-1099-JP: ......これでもう、貴方の頭は治ったわ。

天野 █: えっ......そんな事......

SCP-1099-JP: 私、もう行かないと。他の人を助けたいから......元気でね。私は瞬間脳腫救命士、ドレナージ・ホワイト......

(SCP-1099-JPの姿が消失。SCP-1099-JP-A-2によるものと思われる。直後に鈍い音、足音が扉前まで続き、閉じられる)

SCP-1099-JP: 痛っ......

天野 █: ......えっ?

<録音終了>

補遺: SCP-1099-JPの行動は嘗ての野田氏の証言と複数の点において一致しており、天野氏は後の検査により腫瘍の完全な消失が確認されました。天野氏に対しては記憶処理後にカバーストーリー「薬物治療」が流布されました。

その後SCP-1099-JPは日本各地において、確認された限り██件の脳腫瘍患者へ同様の処置を施したと予想されます。過去4回行われた捕獲作戦は全て失敗に終わりました。

200█年2月7日、SCP-1099-JPは過去に処置を施した野田 ██氏の下へと再出現しました。以下は当時野田氏と行動を共にしていた玉田 ███氏へのインタビューログ並びに映像記録の書き起こしです。

<インタビューログ-07>

対象: 玉田 ███

インタビュアー: エージェント・八木水

付記: 当時玉田氏は激しい錯乱状態に陥っていた為、規定量の精神安定剤を服用させている。

<録音開始>

エージェント・八木水: 玉田君、もう落ち着きましたか?

玉田 ███: は、はい......

エージェント・八木水: 何があったのかを、良かったら教えてくれますか?

玉田 ███: (約4秒間無言)はい......僕と野田君はヒーロー戦隊の話をしながら、下校してたんです。

エージェント・八木水: ヒーローが好きなんですか?

玉田 ███: (目線を伏せる) 野田君が好きだったんで、僕もハマってたんです......そしたら、あいつが......

エージェント・八木水: もしかしたら、あいつとはこんな格好をしていましたか?(SCP-1099-JPの写真を見せる)

玉田 ███: いえ、いいえ...服は似てましたけどこんな、ヒーローみたいな奴じゃなかったんです。ゲームでバグってるみたいに、消えたり出たりしながら、野田君の方に歩いてきて......

エージェント・八木水: ......歩いてきて、どうなったんですか?

玉田 ███: 野田君の事を知ってるみたいでした。少し話してから頭を野田君とくっつけて、しばらくしたら野田君が......あんな......急に苦しみ始めて、そしてあいつは消えてて......あいつって、悪い怪人なんですか?

エージェント・八木水: どうして怪人だと思うのですか?

玉田 ███: だって、あんなに頭がでかい奴、怪人にしか見えなかったから......

<録音終了>

終了報告書: インタビュー終了後、玉田氏には記憶処理を実行した。

補遺: 野田氏の検死結果、死因は脳全体の膨張による組織の破壊と予想される。

<映像記録-08>

付記: 野田 ██達との遭遇から約6時間後、近隣住民からの通報により位置の特定に成功した確保部隊の映像記録。

<録音開始>

(SCP-1099-JPが路上を極めて緩慢な速度で歩いている。過去に確認された時と比べて著しく頭部が肥大し、外観はほぼ2頭身に見える。SCP-1099-JP-A-1は激しい明滅を続け、断続的に映像越しに消失と出現を繰り返している。SCP-1099-JP-A-2の影響によるものと予想される)

SCP-1099-JP: どこ?にいるの?らいじょうぶ、[判別不可]になおすからね......

(SCP-1099-JPは辺りを見回している。部隊員による包囲、周辺住民の避難は完了している)

SCP-1099-JP: [判別不可]はあなたが病気って分かってるんだから......いらくしないから、わらひ......隠れ、て、ないで......

(空中を見上げた状態で視点を静止させる。SCP-1099-JP-A-1の明滅する間隔が早まり、SCP-1099-JP-A-2から黒煙が上がり始め、これ以降消失しない)

SCP-1099-JP: (約13秒間絶叫を続けながら、頭を激しい勢いで上下に振り乱し、急激に静止する)

SCP-1099-JP: ......私、もう行かないと。元気でね。私は瞬間脳腫救命士、ドレナージ

(SCP-1099-JP-A-1が爆発。SCP-1099-JPは衝撃によりバランスを失い後頭部から路上に落下する)

SCP-1099-JP: ホ......

(SCP-1099-JPの後頭部が道路上に衝突、 破裂音が発生。内容物が路上に散乱する)

<録音終了>

補遺: SCP-1099-JPの頭部に存在していたと思われる内容物において、これまでに以下の物品が確認されました。

  • 凡そ███kg分の腫瘍化した人間の脳組織
  • 約2kgのイヌ科及びネコ科の脳組織
  • 合金製のネジ6本。SCP-1099-JP-A-1の固定に使用されていたと思われる
  • 約200gの綿
  • 飛び出し注意看板の一部と思わしき金属片約12kg
  • SCP-1099-JP-A-1に脳内で繋がっていた未知の装置。SCP-1099-JP-A-3と呼称。
  • 未熟児の兆候を示した乳幼児3人の死骸
  • 両内耳に埋め込まれていた通話装置。以下のメッセージの不完全な復元に成功

今すぐ活動を[雑音]進[雑音]めろ、ドレナージ・ホワイト!その力[雑音]結果[雑音]で見付かった[雑音]人々の[雑音]問題[雑音]を解決[雑音]続けよ!

ページリビジョン: 8, 最終更新: 08 Mar 2023 11:01
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