SCP-092-FR
評価: +7
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SCP-092-FR。

アイテム番号: SCP-092-FR

脅威レベル:くろまる

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-092-FRはサイト-Alephの金庫に保管され、50本の蝋燭と消費に応じて交換できるマッチの箱が1パック入っています。SCP-092-FR-Xと名付けられた実体との「インタビュー」は、インタビュー対象ではなくインタビュアーを監視するため、監視カメラを備えた標準的な尋問室で行われなければなりません。SCP-092-FRへのインタビューは安全であり、Dクラス職員を伴って█████博士が簡単に行うことができます。 SCP-092-FRは厳密に言えば、拘束または管理するのが難しいわけではありませんが、使用中に現れるSCP-092-FR-X実体の不規則な動作により、Euclidに再分類されました(事案092-01参照)。以来、すべての実験は潜在的に危険な不規則性のため、O5評議会の指令によって中止されました。ジェミニ博士はSCP-092-FR-Xの潜在的利益を挙げ、実験の継続について議論しています。

説明: SCP-092-FRは標準的なサイズの18世紀後半に作られた黄銅製の燭台であり、蝋燭を立てるための一本の枝で構成されています。SCP-092-FRは燭台に蝋燭を差し込み、閉鎖されて暗闇に包まれた部屋で明かりを付けることで活性化します。その後、火の付いた蝋燭は正確に1分39秒(99秒)燃焼して自発的に消えます。これは広さ、室温、室内湿度、芯または蝋の種類に関係しません。さらに、人間の介入によってこの時間を長くしたり短くしたりすることはできないようです。この間、SCP-092-FR-Xが現れます。

SCP-092-FR-X実体は、人間のアイデアや概念を擬人化表現した寓意です。SCP-092-FR-Xの外観は音声や映像媒体に記録することはできませんが、想像上の物ではないようです。事実的に、数人の観察者が存在する状況下での実験により同じ体格、同じ場所でSCP-092-FR-Xが同じ行動をして同じ声で話していたことが証明されました。SCP-092-FR-Xは常に人間の知性を持ち、それに応じて行動することができます。
SCP-092-FR-Xの外観は完全に無作為な形で指定されているように見え、蝋燭の種類や思考によってあらかじめ決められた寓意を呼び出すことはできません。いくつかの外的要因がSCP-092-FR-Xの外観に影響を及ぼすと考えられていますが、これは様々な起源を前提とした仮説です。

SCP-092-FR-X実体は集合的な想像力によって決定されますが、識別することは困難であり、様々な理由(会話の拒否、コミュニケーションの難しさ、時間の短さなど)により情報を得ることも困難です。以下に、興味深く簡単に識別できる事例をいくつか記述します。

SCP-092-FR-03、20██/01/23の研究記録

説明: 真っ白なチュニックを着た、身長1m90cm以上の地中海人種の女性。左手に天秤、右手に剣を持っている。目隠しされて盲目なのにも関わらず、█████博士とD-6388が完全に見えているようだ。

観察結果: SCP-092-FR-03は█████博士が対話を開始しようとした時、「判決を下す」ように沈黙させるよう促した。対話の順序は不明であり、█████博士とD-6388はSCP-092-FR-03が調査の機密性を主張していると説明した。しかし、二人ともSCP-092-FR-03が権威を持ち、公平な人物であることに同意し、█████は「私はそれにふさわしい」と呟いた。その日の終わりに、D-6388は判決の間違いが認められ、告発された行為は無罪となった。さらに、大統領命令による処罰から解放され、クラスA記憶処理を受けて社会復帰した。
20██/01/28に█████博士は死亡し、解剖により最終段階の肺癌を患っていたことが判明した。しかし、20██/01/18の医療検査にて病気の兆候は検出されておらず、█████は喫煙者でなかった。さらに、癌を患ってから6ヶ月で死亡していた。SCP-092-FR-03との関係性を調査する必要がある。

解釈: 正義

考えられる影響因子: 不当に有罪判決を受けた人物の存在。

注記: SCP-092-FR-Xは遠隔的に、超自然的に、そして人間に対して敵対的に作用すると推測される。

SCP-092-FR-04、20██/01/24の研究記録

説明: 白いエプロン、赤いスカーフ、緑色のズボンとコック帽を身に付けた身長約1m70cmの白人男性。肥満型で、太い口ひげがある。目撃者は、伝統的なイタリア料理の匂いがしたと主張した。

観察結果: SCP-092-FR-04は非常に社交的であり、会話のほとんどは実体の一方的な会話だった。フランス語で流暢に話したが、強烈なイタリア語のアクセントを持っていた。さらに、非常に興奮した口調になり、█████とD-8052に対して何を食べたいかを絶えず尋ねていた。█████は寿司、ハンバーガー、ケバブを依頼したが、SCP-092-FR-04はこれらの料理をどのようにして調理するのか知らないと訴えた。そして、二人はラザニアを要求した。すると、50秒時点でSCP-092-FR-04は部屋の南東の壁を横切って消失し、1分1秒時点で同じ壁を横切ってラザニアをテーブルの上に置いた。D-8052は「非常に良いラザニア」、また良い香りで美味しいと評価した。SCP-092-FR-04は食物に加えて、家族、天気、世界中のイタリア移住者の問題に関する話題を話していた。
ラザニアは1分39秒時点で姿を消した。

解釈: イタリア料理

考えられる影響因子: █████博士が夕食時に食堂でピザを食べたこと。

注記: これにより、SCP-092-FR-Xが壁などの物理的な障害によって妨げられないことを確認した。ラザニアとの接触は有形であることが証明されているが、試験の終了時に消失したという点は実体と類似している。SCP-092-FR-Xと物質との相互作用は、寓意の一部として扱われるようだ。

SCP-092-FR-06、20██/01/24の研究記録

説明: 身長約1m80cmの白人女性。トガ、古いヘルメット、トライデント、イギリス国旗を刻印した円形の盾を身に付けている。実体の足元にはライオンが存在し、█████博士に対して特に脅威を示していた。実験終了後のインタビューにより、D-8052はイギリス出身だったことが分かった。また、目撃者は遠くどこかから波の音や鐘の音が聞こえたと報告している。

観察結果: SCP-092-FR-05はエリザベス朝時代の古い英語で発言しているが、現在の英語も使用している。実体は最初に、█████博士に対して率直な軽蔑を表わして「不愉快な蛙」との協力を拒否すると宣言した。█████はSCP-092-FR-05が好意的にコミュニケーションし始める前、第二次世界大戦中にフランスとイギリスが歴史的同盟を結んだことを思い出し、実体を説得することができた。SCP-092-FR-05は10世紀から現在までのイギリスの歴史を深く正確に把握し、特定の国際政治行為、特に[データ削除済]に対して新しい洞察を齎した。実体は消失する前、博士とD-8052に紅茶を提供した。

解釈: ブリタニア、イギリスの寓話。

考えられる影響因子: D-8052がイギリス生まれだったこと。

注記: SCP-092-FR-Xは歴史書や公式文書に限らず、確実な情報にアクセスできるようだ。

SCP-092-FR-08、20██/01/26の研究記録

説明: 質素な衣服を着用した「おそらくコーカソイド」の男性。特別な特徴はない。実体はテーブルに直接座って現れた。特別な兆候はないが、D-8052は「手をテーブルの上に載せていた」と主張している。

観察結果: SCP-092-FR-09はインタビューを通じて静かで礼儀正しく、協力的であるようだ。SCP-092-FR-09は█████が実体の本質について尋ねると、█████とD-8052が集中しようとしているにも関わらず、長く単調なモノローグを開始した。実験は何の結果も齎さなかった。

解釈: 退屈

考えられる影響因子: 不明。

注記: SCP-092-FR-Xは精神制御能力を持っていると思われる。

SCP-092-FR-11、20██/01/26

説明: 緑色の肌を持つ汚れた服を身に付け、禿げて衰弱した男性。部屋の東側にある隅で胎児のように頭を抱えていた。微かに理解できる低い言葉を呟きながら前後に揺れている。

観察結果: █████博士とD-8052は混乱しているように見えるが、█████博士はSCP-092-FR-11に話しかけるまでに76秒かかった。D-8052は座って実体の手の上に手を置く。

D-8052(█████は協力を拒否した)によって報告されたインタビューの転写:

█████博士: 私は█████博士です。聞こえますか?

SCP-092-FR-11: ごめんなさい。本当に、本当にごめんなさい!

█████博士: 私はあなたのことについて聞きたいのです。

SCP-092-FR-11: 私を見ないでください、私は見るに値するものではありません!

█████博士: 私の言っていることが分かりますか?

SCP-092-FR-11: どうしてマリアに言わなかったのですか?

炎が消え、転写が終わる。

同じ日に█████博士は内容を明かさず、「個人的な理由」で辞任した。辞任が拒否された。 █████は業務を変更するよう頼んだ。申請が却下された。
D-8052は翌日に自殺した。

解釈: 後悔(?)、罪悪感(?)

考えられる影響因子: 過去に二人が経験した出来事に関する罪悪感。

注記: SCP-092-FR-Xは人間の心を制御、影響を与える能力が存在するようだ。

20██/01/22から事案092-01が起きた20██/01/28まで合計19回の実験が行われた。その後、O5の命令により関連実験は禁止され、SCP-092-FRはアクセスが制限された金庫に置かれた。

20██/01/28、█████博士の最新録音記録

█████博士: 既に8秒が経過しており、寓意の徴候はない。

D-4119 *後ろの方で*: ええと…先生?奴はそこに、影の中にいるぞ。

█████博士: え?ああ!確かに、西側の隅に暗い人物が見えます。蝋燭でぼんやり照らされています。実体は長くて黒い服を着てフードを被っているように見えます。すみません。私の声が聞こえますか?SCP-092-FR-19が移動してテーブルに近づいて来る。私たちの前に来た。何てことだ...

D-4119 *後ろの方で*: ああ、クソが。

█████博士: 構造は骨格であり、腱がないにもかかわらず骨が動く。寓意は明らかだ。素晴らしい。*大声で*お会いできて嬉しいです!人類の歴史の中で初めての出来事だ!これは大きな一歩だ…*録音機に向かって* SCP-092-FR-19は蝋燭に向かって、実体は…4119、止めろ!奴は...

[記録終了]

ビデオ録画によると、蝋燭は未知の力で25秒間点火された後に吹き飛ばされたようだ。 █████博士とD-4119は部屋の開放時に死亡していた。死因は不明である。

SCP-092-FR-19の発現に関係する可能性のある外部要因は不明である。

SCP-092-FRを使用した実験は、通知があるまで禁止される。

From: オクタビオ・ジェミニ博士
To: O5評議会

議員様。
できるだけ早くSCP-092-FRの実験を再開するようお願致します。また、危険性を考慮しても、この研究を再開するように指示することを提案します。

SCP-092-FR-Xの種類は毎年生まれた人間を考えれば、潜在的に無限です。この不幸な事件による時間の喪失は、想像を絶する宝物を失うことになります。真実を解明し、この真実を科学、宗教、歴史に広げれば...?

私の要請を受け入れて頂けることを願っています。
O.ジェミニ

From: O5評議会
To: オクタビオ・ジェミニ博士

我々は現在、この問題について議論しています。SCP-092-FRの可能性は無視できないものであり、我々もそれを理解しています。
事案092-01のような事が再び起こる可能性についても正しいです。
しかし、ジェミニ博士。死よりも悪い事があるのです。
SCP-092-FRがKeterに分類されていないことを喜ばしく思います。

Footnotes
. 訳注:古代ローマで使用されていた一枚布の上着。
ページリビジョン: 10, 最終更新: 21 Feb 2024 12:28
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