SCP-1229(記録用:Thirty-Seven Films Starring Lana Neal / ラナ・ニール主演フィルム三十七本)
元記事削除ページです
記録用に残されたページです。
このページの運用についてはカテゴリ運用ポリシーを参照して下さい。
評価: +8

アイテム番号: SCP-1229

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1229の現物はサイト28の保安サーバに保管し研究ファイルにカタログ化してください。SCP-1229であるファイルへのアクセスは財団標準電子情報保安プロトコル(standard Foundation electronic information security protocols)に従い執り行ってください。

研究スタッフはSCP-1229がないかどうか、インターネット・トラフィックを監視してください。SCP-1229の現物を発見したなら、スタッフはそのファイルを財団による記録収容のためにコピーし、そのアップロードと関わりのあるIPアドレスを記録追跡し、速やかにその現物を消去するための行動をとってください。詳細については秘密電子データ干渉ガイド(Clandestine Electronic Data Interference Guide)を見てください。

SCP-1229の現物がインターネット上に出現するのを予見するのはその性質上できないことであるのを踏まえ、また、それらの特異な性質について公に知られるところを最小限にするためにも、ラナ・ニール女史と関連する情報と記録はすべて抹消されました。この人物に関する何かしらの記録が残存していないか定期的なチェックを行なうようにし、間違いなく何如な情報も一般大衆がアクセスできるままにはなっていないようにしてください。ニール女史が出演した四本の映画のオリジナル・ネガ・フィルムは財団が差し押さえており、現在はサイト28の研究アーカイブに保管されています。これらの映画は比較的知られてもいなければ質も低いものであるのでコピーが広く配給されたことはなく、そして僅かにあった入手可能な複製は財団が入手済です。この情報についての隠蔽は第3級公衆認知普及シナリオ(Grade 3 Widespread Public Awareness Scenario)を達成しました。映画マニアの間ではニール女史の存在についての知識が低水準でくすぶっているものの、概してそれらのサークル内での『都市伝説』であると見做されています。

説明: SCP-1229は(現時点で)37本の電子動画ファイルであり、2002年に初めて記録されてから現前し続けているもので、今のところ.avi、.mkv、.mpeg、.wmvなどのフォーマットのものがあります。どの動画ファイルもラナ・ニール、1970年代初期に活動していた無名の英国人女優が、テレビ放送向けの多種多様な番組と覚しきものに出演している姿を映し出しています。生体データ分析、音声認識ソフトウェア、視聴覚的処理検査などをして判明したのは、SCP-1229の現物それぞれは間違いなく正確にニール女史を記録したものであるということです。

これらの記録がどのようにして作られたものかは現時点ではわかりません。ニール女史は03/18/1974に亡くなっています。そのことは、ニール女史の遺骸を発掘して採取した組織サンプルをDNA分析にかけることで確認されています。財団が公的記録を抹消する以前に行なわれていた検死をみると、死因として挙げられているのは転落と関係した頭蓋への激しい外傷であり、そうであることは財団の研究スタッフもニール女史の遺骸を発掘した際に確認しています。現時点ではなにかしらの犯罪行為がニール女史の死と関連して発生していた疑いはありません。

SCP-1229の現物それぞれが見掛けの上で主題としている素材は多岐に渡ります。動画映像にあるのは自然ドキュメンタリー、シットコム、ゲームショー、連続ドラマなどのフォーマットをとった番組や、その他おおよそテレビで放送されるような番組類です。どの放送もニール女史が主演するものです。今のところ、他の誰かが出演したものはありません。台詞は、それが存在する、そして/あるいは聞き取れるものであるなら、ニール女史が画面外の台本あるいは字幕を読み上げていると覚しきものから成っており、そしてほぼ常に流れている番組の見掛けとはそぐわないものです。記録された台詞が近年の特筆すべき事件について言及しているところを鑑みれば、これらの放送は継続的に単独あるいは複数の未知の団体により製作され配布されているものと考えられます。

SCP-1229の現物が発見されるのは概してtorrentのウェブサイトやその他インターネット上のファイル共有が行われている場所です。研究スタッフはSCP-1229のアップロードに関与しているIPアドレスを識別できてはいるのですが、それらのアドレスに対応するアドレスを割り当てられた実在するユーザーがいるのが観察されたことはありません。どのSCP-1229の既知の現物も如何なる種類のテレビ信号でも発信されているのを観測されたことはありません。

Dクラス職員を使った拡張実験をしましたが、SCP-1229の視聴と関連づけられるような特異な作用は何も観察されませんでした。

研究記録-1229: 以下はSCP-1229の番組の一部を列挙したものです。すべての場合で、カメラ技術、撮影技法、体裁は1974年頃に作られたテレビ番組らしいものです。しかしながら、これらの番組は過去十年に渡って製作され、生み出され続けているものであることを示唆する証拠があります。書き起こされた台詞はすべて、別途注記されていない限りはニール女史によるものです。

実体 日付 概要 書き起こしからの抜粋
SCP-1229-02 2002年10月5日 番組を構成するのは合衆国ピッツバーグ州スリー・リバー・スタジアムの放送席に立つニール女史である。彼女の背後には空っぽのスタジアムが映し出されている。画面上のテロップは『1974NLCS――ロサンゼルス・ドジャーズvs.ピッツバーグ・パイレーツ』と読める。ニール女史は手持ちマイクに向かって話し、カメラの方を向いている。 『動揺してるの? なんて馬鹿げたことかしら、こんなときに。曇り。曇りの日って予想できないものね。いいえ、私はここにいない。いたこともない。とりあえず、それが今の有様。なのに、笑える、そうじゃない?』
SCP-1229-05 2004年04月23日 断片は『壁の中の鼠(Rats in the Walls)』とのタイトルがあるカードで開始し、後続する短いテーマソングは1970年代のシチュエーション・コメディによくある手合のものである。クレジットが表示されるが、しかし『ラナ・ニール』の名の後に表示されるのは、責任者の名前が空白のプロダクション・タイトルである。場面は郊外の中流階級の家と覚しき場所で始まる。ニール女史は一枚の紙を読み上げるが、目は場面にある電灯を向いている。 『ノリス・ロバーツ。11歳。2002年4月23日に失踪の報告。最終目撃場所:████████小学校、████████町、ミシガン州。最終観察場所:██████山州立公園。フローラ・ハジェンス。13歳。2000年4月23日に失踪の報告。最終目撃場所:██ ████レーン、キースバーグ、イリノイ州。最終観察場所:████ ███████通り、ゲイリー、インディアナ州。』
SCP-1229-06 2004年12月13日 この番組は全体がドキュメンタリー形式のHaliphron atlanticus(カンテンダコ)の記録映像から成っており、ニール女史のボイスオーバーがそれに随伴する。録画のほとんどを構成しているのはその棲み家を動き回る蛸の姿であり、例外として最後のところで海藻を食べる姿が映し出されるが、その振舞いはH. atlanticusでは観察されたことのないものである。 『前に訊いてきたわね、私たちはどれほどあれこれやりたがってるのかなって。前は何も言えなかった私だけど、でも近頃は違うの。冗談よもちろん、何も違わない。でもあなたは。私はあなたが好き。私たち、話せるわ。あなたがどうやってドアに近付くか、それがすべて。たまに開く。どんな風にしてだか知らないけど。他のときは鍵がかかってる。それはほとんど誰でも傷つく瞬間、鍵がかかっていたらね』
SCP-1229-12 2005年08月9日 映像は荒廃が進んだ状態の空の家を映し出す。家具など居住の徴候はなにも存在していない。ニール女史が前方に微動だにせず横たわり、呼吸している様子もないまま、18分間に及ぶ。 直接識別可能な台詞はない。4:34に至ったところで、歪んだ、低く唸るような音が聞こえ、これがおよそ二分間にわたり続く。オーディオ・トラックをおよそ250%早回ししたところ、聞き取れたのは誰だかわからない男性の声が言う『中に踏み入れ』という言葉である。
SCP-1229-15 2007年05月30日 番組が映し出すのはよく磨かれた木製の会議テーブルにいくつかの椅子である。背面のバナーには『トゥナイト:ジェームズ・サットンと世界(Tonight: The World with James Sutton)』とあるのが読める。画面下部の合成画像には『投資:世界金融市場での好機』とあるのが読める。ニール女史は椅子のひとつに座り、カメラの方を見ている。 研究員注記: 本来の対話はインドネシア語によるものであり、スタッフが翻訳した。 『〈なにがあったんだ? 自動操縦がどこかおかしかったのか?〉』(休止) 『〈バンク角警報! 5000メートルから降下中! MDC、聞こえるか?〉』 (休止) 『〈バラバラになる! アッラーよ、我らを守りたまえ! アッラーよ、我らを守りたまえ!〉』
SCP-1229-21 2010年11月10日 映像は回答者席いくつかと雛壇一つから成るゲームショーのセットを映し出すが、それは表面上はマッチ・ゲーム(Match Game)のセットと似たものである。映っている回答者席三つの得点表示はどれも見たところ『2.4544 29.5684』と読める。ニール女史は中央の回答者席に座り、カメラからは外れている彼女の右側の未知の人物あるいは物体を見ている。 『誰が彼女を殺したの?』 (尾を引く哄笑) 『誰が彼女を殺したの? 本気じゃないわよね』 (尾を引く哄笑) 『全人民の。それのせいであなたは穴に這い入って眠りたくなったんじゃない? 誰が彼女を殺したの?』 (尾を引く哄笑)
SCP-1229-29 2011年03月19日 録画を構成するのはガスコンロのある台所であり、そこには揃いの皿、調理器具に材料がある。ニール女史は白いエプロンをまとい、ラズベリータルトと覚しきものの調理をしながら話す。 『みんな行ってしまった。何物でもないものの小さな欠片すべて、最後のときまであたりを漂うものたちは。よくないわ、そんな風に漂っているのは。私の乙女心はそのせいでこんなにもひどく痛んでる。私たちにはお互いがある。私たちにはなにもない。星明かりは冷たくないわ。あの人たちはそこのところを勘違いしてる。それは何物でもないの。一緒に空を見ましょう。そこに真実はなにもないわ。みんな埋められちゃった。井戸を降りましょう。知り合いの誰にも言わないでね、そこの水は丁度いい具合なのよ』
SCP-1229-37 2013年12月16日 番組はニール女史がフランス語で歌っているところを映し出したもので、ピアノの伴奏がある。最初に入手したものでは長さは5分38秒であった。しかし、さらに10秒の映像が末尾に、ファイル共有システム██████より12/22/2013に回収された別バージョンでは存在している。現時点では、これは複数のバージョンの存在が観察されている唯一のものである。追加文書がサイト28研究アーカイブより入手できる。 研究員注記: ニール女史の本来の歌唱はフランス語によるものであり、研究スタッフが翻訳した。 『〈構わないでしょう何が待とうと/廃滅が定めなのならば/そしてすっかり水は引く/窓を叩く雨の向こうへ/誰もが誰をも見やしない/夜がこちらに来るまでは/だけどわたしは覚えているわ/そうねあなたを覚えているわ〉』
Footnotes
. この台詞は同じ様式で24分間に渡り続く。それぞれの場合で、失踪者への言及は正確なものである。しかし、財団スタッフが『最終観察場所』を調査したところ明らかになったのは、言及された事件と対応するような証拠は何もない、ということであった。それぞれの事例について、失踪事件はいまだ未解決である。
. この台詞は2007年1月1日にスラヴェシ沿岸であったアダム航空574便墜落事故と関係するものと思われる。しかし、その飛行機の操縦席ボイスレコーダーが回収された後に公開された公式の書き起こしとは一致していない。
ページリビジョン: 8, 最終更新: 12 Jun 2025 11:04
特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。
ページを編集するにはこのボタンをクリックしてください。
セクションごとの編集を切り替えるにはこのボタンをクリックしてください(ページにセクションが設定されている必要があります)。有効になった場合はセクションに"編集"ボタンが設置されます。
ページのソース全体を編集せずに、コンテンツを追加します。
このページが過去にどのように変化したかを調べることができます。
このページについて話をしたいときは、これを使うのが一番簡単な方法です。
このページに添付されたファイルの閲覧や管理を行うことができます。
サイトの管理についての便利なツール。
このページの名前(それに伴いURLやページのカテゴリも)を変更します。
編集せずにこのページのソースコードを閲覧します。
親ページを設定/閲覧できます(パンくずリストの作成やサイトの構造化に用いられます)
管理者にページの違反を通知する。
何か思い通りにいかないことがありますか? 何ができるか調べましょう。
Wikidot.comのシステム概要とヘルプセクションです。
Wikidot 利用規約 ― 何ができるか、何をすべきでないか etc.
Wikidot.com プライバシーポリシー

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /