Okaka_Onigiriの提言
評価: +62

クレジット

タイトル: SCP-001-JP - PLANeT
著者: ©︎Okaka_Onigiri Okaka_Onigiri
作成年: 2017

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SCP-001-JP

アイテム番号: SCP-001-JP

オブジェクトクラス: Malkuth

特別収容プロトコル: SCP-001-JPの収容はその存在の隠匿に焦点が当てられており、機動部隊アルファ-1 ("レッド・ライト・ハンド")が任務に従事しています。地中、海底および宇宙の観測記録は重点的に調査され、SCP-001-JPを示唆する情報は隠蔽の後O5評議会に通達されます。本報告書を含めたSCP-001-JPに関する情報は、O5評議会と機動部隊アルファ-0 ("ベアラー・オブ・ストーク")のみで共有されます。

異常存在の研究により得られた技術は財団設立者の構想であるSCP計画へと優先的に還元されます。有人地中探査機の開発状況を確認する場合、O5-13に問い合わせてください。MTF α-0の隊員はO5評議会の満場一致を条件に選定され、財団内ではペレグリン遠征隊員と偽装されます。

説明: SCP-001-JPは地球型惑星に類似した形態をとる生物です。形は球状であり、表面は酸素46%、ケイ素27%、アルミニウム8%、鉄5%、カルシウム4%、ナトリウム3%、カリウム2%、マグネシウム2%、チタン1%を主成分とした外殻に覆われています。この外殻はSCP-001-JPに衝突した小惑星などの集塊であり、年代測定によって約44億年前には大部分が形成されていた事が判明しています。このことから、約44億年前にSCP-001-JPは太陽系軌道周期上に位置することになったと推定されています。

SCP-001-JPは階層構造を持っており、地球の場合地表から順に以下のような構造になっています。

  1. 厚さ約50kmの外殻
  2. 内部組織から海底付近まで伸びている、直径約0.1mのひも状組織
  3. 厚さ約600kmの第一層
  4. 厚さ約2200kmの第二層
  5. 厚さ約2200kmの第三層
  6. 半径約1300kmの中心部分

SCP-001-JPはセルロースやリグニンを主成分としていますが、岩石や金属により構成されていたと仮定した時に推定される質量とほぼ一致する質量を有します。その質量にも拘らず、一部を除いて内部の温度は約320K、圧力は大気圧と同程度となっています。

第一層の表面には、外殻の一部を取り込む器官が無数に存在します。取り込まれた物質はSCP-001-JPの内部を通過したのち再び第一層の表面から排出されます。取り込まれる前と排出された後では鉄やマンガンイオンの存在比に偏りが見られるため、このプロセスはSCP-001-JPによる嫌気呼吸であると考えられています。しかし、外部からエネルギーを摂取している様子が観察されないことから、外殻を形成した時点で蓄えているエネルギーを消費した時に寿命を迎えるという仮説が立てられています。

第二層は生殖の際に遺伝子の識別を行います。SCP-001-JPの精細胞と99.999999995%以上一致する遺伝子を保有する雄性配偶子は近縁であると判断され、SCP-001-JPに進入した場合でも第二層で進行を停止します。

第三層は最もエネルギーの貯蔵物質が存在している部分です。SCP-001-JPは地球上の生物と同様に蛋白質やデンプンなどを貯蔵していますが、観測不能な未知の物質も貯蔵物質として利用していることが判明しています。

中心部分はSCP-001-JPの雌性配偶体となっています。

以上の構造を持っていることから、現在のSCP-001-JPは性的に熟した植物に類似しており、授受粉を待っている状態である考えられています。

発見経緯: 1915年2月16日、超常現象の確保収容に関する王立財団が、イギリス海峡にある熱水噴出孔から噴出した熱水にバクテリアが含まれていることを発見しました。これを受けて地中探査チームが編成され、地震の観測やレーダーによる測定で地球が上記の構造をしていること、噴出物はひも状組織の先端から放出されたものであることを突き止めました。その後、初の有人探査が1920年1月23日に行われました。探査開始地点はイギリス海溝に面した緯度50.757、経度0.163のポイントであり、いくつかのアノマリーを使用した地中探査機で境界に向けて掘進しました。以下はその記録です。

作戦参加者

アルファ:サイラス・ルーサー

ベータ:カーティス・オーブリー

コマンド:ヨランダ・メイシー

<記録開始>

アルファ: こちらアルファ。準備完了。

コマンド: 了解。通信も安定しています。探査を始めて下さい。

ベータ: エンジン起動。潜航開始します。

<途中省略>

ベータ: 深度50kmを突破しました。…間もなく第一層に到達します。

コマンド: 念のため少し速度を落としてください。

ベータ: わかりました。

アルファ: もう少しだ…[衝突音]おっと。ぶつかった。着いたみたいだな。

ベータ: 空間を確保します。

アルファ: 何だこれ、白いな。土や鉱物には見えない。もしかして生き物か?

コマンド: こちらでも確認できています。アルファ、サンプルの採取と近距離での撮影をお願いします。

アルファ: ああ、行ってくる。

ベータ: お気をつけて。

[アルファが探査機外に出る]

アルファ: ちょっと弾力があるな。今からサンプルの…

[アルファが突然に動きを止める]

コマンド: どうしました、アルファ。

アルファ: 足に痒みが…うわっ!

コマンド: アルファ?状況を報告してください。

アルファ: あ、足から何か…!

ベータ: アルファの足から細い物が伸びています!防護服を突き破って、ものすごい速さで潜っています!

コマンド: アルファ!今すぐ探査機に戻ってください!

アルファ: あ、ああ、いや、大丈夫だ…

コマンド: アルファ!指示に従ってください!

アルファ: 防護服の穴は小さい。それに、もうすぐ終わると思う。

コマンド: アルファ!

アルファ: …止まったみたいだ。…そうか…母星か…

コマンド: …アルファ、自身に異常が見られたら報告してください。

アルファ: 少しふらつくが、特にない、と思う。足から出ていたものも切れた。

コマンド: 作戦は延期します。念のため、アルファは気密室に入ったままで帰還してください。次回探査で掘削跡は利用するため、そのままにしておいてください。

アルファ: わかった。

ベータ: わかりました。

<記録終了>

付記: 探査の後アルファの検査が行われたが、体重が1.2kg減少している事以外に異常性は見られなかった。また、回収されたアルファの分離物の一部は、アルファのDNA情報と一致することが確認された。分離物は直径0.09mmの管状であり、第二層まで到達していたことが判明している。本調査で確認された存在には地球を表すMalkuthのコードネームが与えられ、引き続き調査が行われた。


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ー Malkuthの調査記録は私に大きな驚きをもたらした。そして、私は気付いたのだ。人類が、あらゆる地球上の生物がどこから来たのか。そして、我々がその遺伝子を運ぶ乗り物であるということに。これは1つの国に収まる問題ではない。
サイラス・ルーサーを引き入れ、私は行動を起こした。
―超常現象の確保収容に関する王立財団理事

財団とSCP計画の歴史

  • 超常現象の確保収容に関する王立財団
  • 全米確保収容イニシアチブ
  • 独逸帝國異常事例調査局
  • ツァーリの賢人団
  • 怪異なる事物についての聖帝評議会

超常現象の確保収容に関する王立財団理事の働きかけにより、以上5つの組織が合意のもと合併し1935年7月9日に財団が設立しました。かつて各々が掲げていた主義は『確保、収容、保護』へと統一され、異常存在の破壊を禁じその原理の解明と技術の抽出を行います。MalkuthはSCP-001-JPとして再分類され、特殊なオブジェクトクラスとしてその名称が引き継がれました。また、合併に関して大きな働きをした13名はO5評議会として財団の最高権力者集団となりました。同日付でMTF α-0が組織され、SCP-001-JPの同種の発見及び人員の派遣を行う、『Species are Carriages of Pollen』を理念としたSCP計画が始動しました。この計画は財団の最優先事項に指定されています。

SCP計画における有人探査記録

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サンプルの回収を行うニール・アームストロング隊員

対象:

作戦日時: 1969年7月16日

作戦参加者: MTF α-0隊員3名(ニール・アームストロング船長、バズ・オルドリン司令船操縦士、マイケル・コリンズ月着陸船操縦士)

作戦概要: 有人探査による月内部組織のサンプル回収。ニール・アームストロング隊員が月面に降り、星条旗に偽装したサンプル回収装置を使用する。事前の調査によりSCP-001-JPの同種である可能性は極めて低いと判断されているが、アポロ計画によりカバーストーリーの必要性が存在しないため計画が立案された。現在唯一の有人探査が行われた例である。

結果: サンプルには岩石のみが含まれており、通常の衛星と差異はないと判明。以降の財団による調査は必要ないと判断された。

地球型惑星の無人探査記録

対象 探査結果
金星 通常惑星であると判明。
水星 同上。
火星 同上。
グリーゼ876d 同上。
グリーゼ581c 同上。
グリーゼ581d 同上。
OGLE-2005-BLG-390Lb 補遺を参照。

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補遺: 2005年8月10日、チリのラ・シヤ天文台が天の川銀河の中心付近においてOGLE-2005-BLG-390Lbの存在を示す兆候を観測しました。財団の追加調査によりその存在が確定し、2006年1月25日に無人探査機が打ち上げられました。探査の結果SCP-001-JPの同種であり、かつ遺伝子の一致率が99.9999999988%の遠縁であることが判明しました。これによりMTF α-0隊員の派遣が一時的最優先事項に指定されました。搭乗員はO5評議会による投票で決定されます。有人地中探査機を搭載したシャトルの打ち上げ予定時刻は以下になります。

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  • 001提言
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  • 地下
  • 惑星
  • 擬態
  • 植物
  • 生命
  • 生殖
  • 遺伝子

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今日、この日を迎えられたのは大変喜ばしいことである。
40億年の時を経て、我々は初めてその役目を果たすことができる。
君は誇り高きコウノトリの担い手ベアラー・オブ・ストークだ。

さあ、シャトルに乗り込んでくれ。

成功を祈っている。 —O5評議会

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こちら地上管制塔より

少佐へ

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プロテインを飲み、ヘルメットを装着してください

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カウントダウン開始

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"10"

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"9"

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"8"

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エンジン始動

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"7"

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"6"

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"5"

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点火装置チェック

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"4"

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"3"

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"2"

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母の愛は君と共にある

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"1"

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Footnotes
. 外殻とSCP-001-JPの境界は、1909年にクロアチアの地震学者であるアンドリア・モホロビチッチによって発見されました。
. 現在39本が確認されています。
. ×ばつ10^24kg。この原因は後述する未知の物質によってもたらされているものと考えられています。
. この時排出される物質は熔解しており、排出口付近でマグマ溜まりを形成します。
. 地球の質量が5万t/年で減少している事実がこの仮説を支持しています。この減少量は水素やヘリウムの放出を考慮しても異常なものです。
. 暗黒物質として存在が示唆されている物質と同様の物質ではないかという仮説が提唱されていますが、現在結論は出ていません。
. 1976年、スクリップス海洋研究所のPeter Lonsdale博士により発見されるまで熱水噴出孔の存在は伏せられていました。1977年には同博士により論文が発表されましたが、SCP-001-JPに関する情報はMTF α-1により隠匿されました
. この探査機はSCP計画における探査機の雛型になっています。
. 1961年から1972年にかけて実施された、アメリカ航空宇宙局による月への有人宇宙飛行計画。
. 赤色矮星グリーゼ876の惑星。
. 赤色矮星グリーゼ581の惑星。グリーゼ581cも同様。
ページリビジョン: 26, 最終更新: 29 Jan 2022 14:21
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