オブジェクトクラス:Keter
【概要】
・所謂ディノサウロイド(恐竜が進化して生まれた人類)に酷似した人型実体
・恐竜の骨格標本を操り、博物館からそれを持ち出して街中で百鬼夜行のように練り歩かせていた
・出現は1982年、カナダアルバータ州某所にて。当時デイル・ラッセルが唱えた「ディノサウロイド論」をトリガーにして生まれた。
・二転三転する恐竜への解釈の違いをただしたく、恐竜の正しい生き様を世間に示そうとしていた。
【特別収容プロトコル】
・一般的な人型実体の収容プロトコルに準ずる
・遠隔による骨格操作を防ぐため、半径10キロ以内に自然史系博物館が存在しないサイトに収容し、監視する。
【発見経緯】
・発見は福井県にて。10体以上の標本を連れて福井駅前で練り歩いているところを近隣サイトの財団職員が発見し、機動部隊の出動により鎮圧、収容。目撃者にはカバーストーリーを適用。
・「そもそも日本にいなかった恐竜が日本で展示されているのは自然の摂理に反する。この国の博物館文化は全く恐竜たちの生きざまを汚している」と主張する。
【インシデント】
・当初はSafeだったが、遠隔操作によって近隣の博物館の骨格標本を操り、恐竜を街に繰り出す。しかし、その時恐竜が突如獰猛になり人を襲いだす。ディノサウロイドには人を傷つける意思はなかった。(ディノサウロイドがありのままの姿を追い求めていった結果、恐竜たちは自然界で生きていたのと同じように捕食を始めるというイメージ)
・暴走の危険性を加味し、オブジェクトクラスが変更され、現在の収容プロトコルが制定される。
以上のアイデアについて批評、添削お願いします。
「この国の博物館文化は全く恐竜たちの生きざまを汚している」
⇒予算などの理由はあると思いますが、「更新されない復元骨格」・「古い学説の解説パネル」・「AIを用いた低品質なイラスト」などが該当しするでしょうか。またテレビ番組、ネット掲示板、ネットニュース、YouTube、書籍に散見される「根本的に誤った内容」・「誇張された解説」・「オカルト方面への脱線」なども、ディノサウロイドたちの怒りの矛先となるでしょう。
「恐竜像の解釈を正す」
⇒ディノサウロイドたちが対話可能(話が通じる)であれば、「読者への共感」を報告書の主軸にしても良いかもしれません。例えばディノサウロイドに「貴方がたの先祖(ex: アウストラロピテクス)が、図鑑のなかで数年おきに火を吐かせられたり、逆立ち復元されたり、半魚人のように復元されることに耐えられますか?」と発言させたら、読者も共感できると思います。
「いい加減な恐竜ネタの鉄板ネタを拾う」
・巨大恐竜はノロマで水中に暮らしていた
・2脚歩行の恐竜はゴジラのような姿勢で、尻尾を地面に引きづっていた
・恐竜は人を見つけたら、まず吠えて、地の果てまで追いかけて、絶対に殺そうとするほど凶暴だった
・ティラノサウルスは鳥のように羽毛でモッフモフだった(俗に言う「ティラノサウルス弱体化論」)
上記などの定番ネタを拾い、記事の中で現状の妥当な仮説を軽く(あくまで軽く。ガチ解説だと脱線してしまうので)触れる。図書館などで「残念な恐竜図鑑」的な本からネタを集める手もあるでしょう。
「インシデント」
⇒「遠隔操作によって近隣の博物館の骨格標本を操り」とのことですが、前半で「この国の博物館文化は......」と述べているので、いっそ「日本全国の博物館で同時多発的に骨格が暴走する」とか「幕張メッセなどの大規模な恐竜展でインシデントが発生する」とかも盛り込むと、読み応えが増すかもしれません。
「10体以上の標本を連れて福井駅前で練り歩いている」
近年、「ティラノサウルスの着ぐるみレース」などが開催されていますから、それを混ぜると話題性が上がるかもしれません。
※(注記): 例えば「ディノサウロイドたちが上記の着ぐるみを着て抗議デモを行った」など
「博物館の骨格標本が人を襲う」
⇒映画「ナイトミュージアム」が参考になるでしょう。また例えば「ティラノサウルスが人を丸呑みにしたが、骨だけだったので、空っぽの喉から人が抜け落ちる」などは鉄板ネタとして使えるかもしれません。
感想: アイデアと展開に関しては既にUV級です! 私も古生物ファンですが、このネタは思いつきませんでした。先にTutu-sh氏が提案し、自分も上記で触れた「異種族間の交流・読者への共感」を武器としつつ、博物館や化石のワクワク感を活かせれば、とても良い記事に仕上がると思います。
・SCP-317(堅頭竜類のディノサウロイド)
・SCP-4131("ガンヘッドアノマロカリス")
・SCP-1438-JP(知的文明を発達させたアンモナイト・ハードSF)
・SCP-2945-JP(知的種族の興亡&獣脚類のディノサウロイド・ハードSF)(拙著)
余談ですが、上記4つの作品は、古生物系の知的種族を扱っています。今作はそれと本筋で被ることはないと思われますが、参考までに読み直すと、何か良いアイデアが生まれるかもしれません。
返信ありがとうございます。
いろいろと使えそうなネタを教えていただき、ありがとうございました。私の中でディノサウロイドは一人だけの実体だと思っていたのですが、複数体存在するという設定も面白そうでぜひ使いたいと思いました。うまく盛り込みつつ、記事のリアリティを上げていきたいと思います。感謝です!
現状の書き方であると危険性がオチ/ネックであるように見えますが、「ディノサウロイドには人を傷つける意思はなかった」のような情緒的な部分を記事のメインウェポンにしておくと読者の感情をより動かしやすいかなというふうに思います。
失われた太古の事物への興味なり嗜好なりというものはかなり普遍的な感覚ですので、それを利用しつつ、読者から共感あるいは好感を得られる人物としてオブジェクトを描写していくのが丸そうかなという所感です。手前味噌ですがSCP-3024-JPの真桑氏のように自然史(今回はとりわけ恐竜)への熱意なり傾倒なりを押し出していくのがアプローチとして思いついたりでしょうか。
返信ありがとうございます。
自分で書いていてオチの弱さに悩んでいたところだったので、とても参考になりました。感情に訴えかける方向で加筆、修正していこうと思います。本当に感謝です!