こちらの「翻訳案3 SCP-4175」タブからお願いします。拙い点もあるかと思いますが査読よろしくお願いいたします。なお、本家では通常とは異なるCSSテーマが使われています。
翻訳お疲れ様です。
The following procedures have been archived
以下の手順はアーカイブされており、
Containment.Proceduresのprocedureの訳と同じく、「以下のプロトコルは〜」がすっきりするのかなと。
the spectral remains
スペクトル的残骸
spectralを音訳して置く場合は「"幽霊"的」の幽霊に対応する語を持ってこなければいけなくなるのかなと思います。なのでspecter、「スペクター的残骸」が適切なのかと。あるいはそのまま霊的残骸など(霊的、もしかすると他の単語の定訳なのかもしれないのですが未確認)
Activating and extinguishing the mirror's vanity lights.
鏡の化粧用ライトの点灯及び消灯。
・'sを日本語にそのまま起こすとやや苦しいので、「鏡に付いている」ぐらいのニュアンスで訳すと自然に見えるかなと思います。
訳案:鏡に備わっている化粧用ライトの点灯及び消灯。
簡単な単語を綴る床タイル上の血痕の顕現。
・綴るの修飾位置を明確にしたいです。
・タイル上の、に若干違和感があります。元々あった血痕が一時的に消えていて、それが再び出現する印象を持ちます。
訳案:床タイル上への簡単な単語を綴る血痕の顕現。
intake interview
インテイクインタビュー
受理面接、インテーク面接のいずれかの表記が一般的で、次いでインテーク・インタビュー、かと思います。2箇所存在。
for the purpose of alleviating gender dysphoria.
性同一性障害を理由に
・性別違和(Gender Dysphoria)と性同一性障害(Gender Identity Disorder)とが指すものは同じではありますが、違和の方が良いのかなあと。少なくも記載日(申請日ではなく)は2014年8月30日以後で、診断名がGIDからGDに変わった後なので、その点は矛盾出ないかなと。
・alleviatingが訳抜け。無くても通じるのですが、強いて落とすこともないかなと。SCP-113自体は触れた者の性別を恒久的に変更するので、「軽減」辺りが無難な訳かなと。
After the recitation, an apparition resembling SCP-4175 manifests in the room next to ψ-8 Hayes.
朗読後、SCP-4175に類似した霊的実体がψ-8 ヘイズの隣室に出現する。
・Hayesの部屋がこの家にあればそうですが、今回は浴室内のヘイズの隣、になるのかなと思います。in the roomとつくのは実体の姿が鏡の向こう側でしか観測出来なかったことからなのかなあと。浴室の隣っぽくは見えなかったです。
I pulled you out of the mirror for a bit. I need to ask you a few questions, and then I'll be on my way.
あなたを鏡からちょっと引きずり出してあげたの。あなたにいくつか質問してからやることをやるわ。
・for a bit/ちょっと、が「軽く」の意味に見えます。実際は「短い時間」を意味するものかと思います。「ちょっとの間」など。
この後の「鏡から出す方法を探してくれない?」に対して読者が「いやこのカムの儀式使う方法でいいじゃん?」と思うことにもなるので、そういう意味でも。
・then I'll be on my way、「そうしたらすぐ出ていくわ」ぐらいのあまり面倒をかけるつもりはない、のニュアンスの発言なのかなと。
It's fine, though!
でも、あなたは元気よ。
文末though、定訳は「〜だけれどね」みたいな感じなんですが、短ければこれはこれで入るんですね...。直した方がいいとは違うんですが、面白かったのでメモ。
– I mean, when I woke up in the mirror I thought I might be dead, but if I'm actually gone...
え、えーと、鏡の中で目が覚めたとき死んだのかなとは思ったんだけどもし本当に行っちゃってたら...。
gone、死んだの婉曲かなあと。ifは感嘆文のニュアンスかなと。
「鏡の中で目覚めた時にはもしかしたら死んだのかもとは思ったけれども、本当に死んでいるなんて...」みたいな感じかなと。
No, we haven't alerted them.
いや、私たちは何も注意してないわ。
この文をパッと読んだ時に、「自分たちは気を付けていない」と「相手に何も言い聞かせていない」、自動詞他動詞の用法両方がどうも見えます。文脈で考えると確かに前半は成り立たないのですが、パッと見前者に見えてしまいました。「何も知らせていない」など。
spectral phenomena
スペクトル現象
前述のthe spectral remainsにも関わりますが、スペクトル現象と書くと物理におけるスペクトルの意味に変わってしまいます(少ないながら物理学的な用例を発見しました)。霊的が一番無難に思います。
and it's rotting.
溶けてるんだ。
rot、腐るが第一義かなあと。肉が腐ると確かに液状にはなるので間違ってはいないのですが...。
ψ-8 Hayes motions towards the floor and both move to sit next to the vanity cabinets.
ψ-8 ヘイズは床に向かって動き、両者は化粧キャビネットの横に座るように動く。
motion、「身振りをして」ぐらいかなあと。どうもmoveっぽく見えます。
which is why I help them get to the next life when I can.
私ができるときに次の人生に向かうのを手伝う。
which is whyのニュアンスが抜け。「だから」辺り。whichは"ほとんどの幽霊は捕まえられる"のようなニュアンスに思いました。
I get to choose if I want to neutralize them or not, but I don't think I have that power for contained anomalies.
現場だと彼らを無力化するかどうかを選べるけど、収容されたアノマリーにそんな力があるとは思えないわね。
・that power、choose if i want to neutralize them or notの言い換えなので、アノマリーが力を持っているというより、収容されているアノマリーを無力化出来るような力は無い、の意味かと思います。
I think the worst part about being stuck in that mirror is that I know everyone outside is living their lives like everything is normal.
鏡に閉じ込められるのの最悪なことは、全部の人が普通に暮らしてるのがわかることだと思う。
outsideが抜け、everything is normalがもう少し強く出ても良いように思います。後者は個人的な好みです。
訳案:鏡に閉じ込められていて最悪なことは、外の誰もが、何事もないかのように暮らしているのがわかることだと思う。
But you're trapped with yourself
でもあなたは自分を捕まえてる
受け身で訳す方がそれっぽい気がします。
案:でもあなたは自分自身に捕まってる。
Well, I know a few tricks to stave off the existential dread.
えっと、私怖いことを食い止めるためのトリックを何個か知ってるの。
・existentialがバッサリ落ちているのがやはり気になります...。実存的恐怖と起こすことに躊躇うのは分かるのですが...。「居ることの恐怖」とか、ちょっとやんわりするとこうなるんでしょうか。自信薄。
SCP-4175 has offered little of value to the Department of Spectral Phenomena in terms of research and has expressed discontentment with its condition as an apparition.
SCP-4175は学術的観点からスペクトル的現象学の研究にほとんど価値を提供しておらず、霊的実体としての状態に不満を表明している。
・ the Department of が訳抜け(もしかして学でしょうか)。財団では部門として訳されることが多いですね。(参考)
・as an apparition、「出現の際」ではないでしょうか。
allowing SCP-4175 to remain in containment has been deemed unethical by the Ethics Subcommittee for Humanoid Entities.
SCP-4175の収容を許可することは人型実体副倫理委員会により非倫理的であると見なされた。
・allow smb to do: 人にさせておく。remainのニュアンスが見えないです。
現状既に収容しており、「SCP-4175を収容状態のままにすること」が非倫理的なのかと。
人型異常実体に関する過去の不正
リンクの範囲が狭いです。この引用部全てにかかるはずです。
The anomaly was personally dispersed by ψ-8 Hayes, who has neglected to archive the audio log of the procedure.
アノマリーは手順の音声ログのアーカイブを怠ったψ-8 ヘイズにより個人的に分散されました。
・personally、ここでは「自ら」辺りの訳語が適切かと思います。
・the procedureはdisperseする行動そのもののはずなので、ここの関係代名詞節whoは後から訳さないと繋がりがおかしくなります。一度文を切っても良いと思います。
who is seen to gradually fade from the mirror over the course of fifteen minutes.
15分間に渡り鏡から徐々に消滅していく。
over、15分「かけて」辺りの語がより自然に思いました。
SCP-4175 and ψ-8 Hayes cease their conversation as SCP-4175 becomes barely visible.
SCP-4175とψ-8 ヘイズはSCP-4175が辛うじて見える状態になると会話をやめる。
姿が薄れていって、閾値を超えた結果会話を止めたと思われるので、ここではbecomes barely visibleは「ほとんど見えなくなる」の表現になるのかなと。
査読ありがとうございます。intake interviewについては「面接」ではインタビューという感じが出なかったのであえてこうしたのですが、ご意見を聞き苦渋の決断で「面接」にしました。
あと「性同一性障害を理由に」は日本でより一般的なものにするべきかと思ったためです。結果、原文に忠実にということで性別違和にしました。
ご意見ありがとうございました。