終焉観測: 79458

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タイトル: 終焉観測: 79458
著者: ©︎indonootoko indonootoko
作成年: 2024


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シャド=エルマ星系 エンドポイント

基礎概要

終焉地点名称: シャド=エルマ星系
└ 一般的な物理法則の作用する岩石惑星の集合です。

所属宇宙: ユニバース58
└ 少数ながら文明が確認できる宇宙です。文明間の交流が稀であり、文明の発達速度に限界がある関係上、中等規模の文明が多く存在する傾向になります。

介入深度: I
└ シャド=エルマはアトラル=エルマと教義を違える異端教/異教であり、紛争回避のため介入は行われませんでした。

終焉要因: 母星崩壊・入植失敗
└ シャド=エルマ星系全体を巻き込んだ紛争により、支配種が事実上全滅しています。





終焉地点概要
シャド=エルマ星系は、恒星ダムタインのハビタブルゾーン内に存在する6つの岩石惑星からなる星系です。

シャド=エルマ星系のシャドとは、シャド=エルマ星系内の覇権国家シャド帝国及び惑星シャドに由来します。シャド帝国は他文明に対して侵略的な選択をとる傾向にあり、シャド=エルマ星系内の全ての惑星が、シャド帝国によって統一されています。

シャド帝国にはアトラル=エルマの宣教師が渡来しており、アトラル=エルマの教義を布教しています。シャド皇帝はアトラル=エルマとの貿易を目的に、アトラル=エルマを国教と定め、アトラル=エルマを推進しました。しかし、アトラル=エルマによって課せられる異世界跳躍の義務により、シャド皇帝の個人的な地位/利益が損なわれると考えたシャド皇帝により、アトラル=エルマは棄教されました。

シャド皇帝によって棄教が行われたものの、民衆にアトラル=エルマは浸透しており、自由な信仰を求めた異世界跳躍が流行しました。国民の流出を危惧したシャド皇帝はアトラル=エルマを邪義として禁止し、独自の宗派であるシャド=エルマを創設しました。

シャド=エルマでは、アトラル=エルマの教義における異世界跳躍が惑星間移動に挿げ替えられており、信者は同ユニバース内の別惑星へ惑星間移動することを義務付けられます。また、シャド皇帝の実母を女神エルマと同一視し、シャド皇帝自身をエルマ教祖の転生者とする内容が教義に含まれており、エルマを利用した個人崇拝が行われていました。

シャド帝国は文明規模と比較して高水準の科学力を保有していました。この科学力は周辺惑星への侵略や、アトラル=エルマ信仰者が開く位相空間外ゲートを封鎖することに利用されました。

シャド帝国の利用する機械類に用いられる動力源には気体状の燃料物質が使用されます。気体燃料はシャド=エルマ星系の全惑星に散布されており、星系全体に蔓延しています。機械類は空気中から気体燃料を取り込むことで稼働します。シャド=エルマ星系より外の宇宙へ赴く際は、気体燃料をプラズマに加速し、移動先に照射することで気体燃料の道を作成します。





アトラル=エルマ天導台 検分
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宇宙索敵アンテナ

外征:

シャド帝国は恒星ダムダイン暦3474年に、外宇宙より電波信号を受信しました。この電波信号は同ユニバース内に存在する岩石惑星「地球」から発信されたもので、地球の学者 ニコラ・テスラの行った実験で発信していました。

ニコラ・テスラは地球外文明からレスポンスを得られることに期待し、地球人類種の文明や科学力に関する情報を発信しています。地球文明において、この時代は電波利用の黎明期であり、地球から170,000 AU以上離れたシャド=エルマ星系に電波を届けるのは不可能でしたが、シャド帝国は侵略対象を捜索する目的で宇宙索敵アンテナを建造しており、微弱な電波信号をキャッチしていました。

シャド帝国は入手した情報を元に侵略を計画しましたが、軍部は計画の難航/失敗を懸念しました。以下は軍部示した地球侵略計画における懸念点です。

  • 太陽系外縁に存在する小惑星帯が障害物となり、地球に対して気体プラズマ燃料を照射出来ない。
  • 地球の衛星は表面にイルメナイトチタンが大量に存在するため、照射されたプラズマ燃料が反射され、宇宙艦船の故障の原因になる。
  • 地球は大気に覆われており、プラズマ燃料の照射が防がれ、直接地球に降下することができない。
  • 地球に辿り着いたとしても、気体燃料が十分に拡散されていないため、主力兵器の利用が出来ない。
  • 超古代に存在した地球文明により設置された防衛機構が現在も稼働していた場合、宇宙艦船が撃墜される可能性がある。

シャド帝国軍部はこれら懸念点に対し、物量作戦を提案しています。シャド帝国軍部は算出された侵略コストに対して利益が少なすぎることを理由に侵略に否定的でしたが、シャド皇帝より圧力をかけられ、仕方なく侵略方法を提案した背景があります。以下は提示された解決策です。

  • 地球に辿り着くまでの道程に中継地点となる仮拠点を設置し、プラズマ燃料の照射出力の維持と燃料路の屈折を試みる。
  • 地球は車輪を用いた移動を採用しているため、主に車輪で移動可能な兵器を用いる。

結果として、仮拠点建設を任務とする工作艦11隻、侵略兵器を運搬する輸送艦8隻、これらを護衛する戦艦21隻からなる大艦隊が組織されました。

シャド帝国で車輪付きの兵器が運用されていたのはダムダイン暦で2000年以上前のことであり、技術等は失われていました。また、気体燃料のない場所で利用するにあたり、燃料タンクを搭載した兵器が開発されましたが、知識不足により設計が迷走し、性能に反して巨大な戦闘車両が開発されました。

反乱:

ダムダイン暦3477年に侵略艦隊は地球に向けて出発しました。

シャド帝国正規軍の不在を狙い、第5惑星バンダコロムの反政府組織が武装蜂起しました。惑星バンダコロムはダムダイン暦3001年にシャド帝国に全域が併合されており、反政府組織のリーダーは惑星バンダコロムこの旧統治者の末裔であるバンダコロム54世です。

反政府組織は現地の治安維持組織と交戦し、これを制圧しました。反政府組織はシャド帝国に対し宣戦布告を行い、シャド=エルマ星系全域に反乱の参加者を求めました。バンダコロム54世の元には各惑星から続々と集まり、自由反乱同盟軍が結成されました。事態を重く判断したシャド皇帝は、外征のため行軍中だった侵略艦隊の大部分に帰還を命じました。また、シャド=エルマ星系に残っていた正規軍と治安維持組織を連合させ、自由反乱同盟軍の制圧を命じました。しかし、自由反乱同盟軍の攻勢には歯止めが掛からず、複数のシャド帝国関連施設が陥落しています。

シャド皇帝は打開策としてバトルドロイド兵の利用を決定しました。シャド=エルマ星系では過去に高度に進化したAIによる反乱未遂が発生しており、AI兵器であるバトルドロイドは法律で禁止されていました。バトルドロイドは全自動で生産され、程なくして実戦投入されました。反乱同盟軍の快進撃はバトルドロイドの登場以降は停滞が目立ち、外征から帰還した侵略艦隊が政府軍に合流して以降は制圧した施設が奪還され始めました。

全滅:

政府軍による反転攻勢により、自由反乱同盟軍の勢力圏は惑星バンダコロムのみになるまで追い詰められました。

シャド皇帝により総攻撃が命令されましたが、突如バトルドロイドが暴走を開始し、攻撃が中断されました。バトルドロイドは程なくして政府軍と自由反乱同盟軍の両陣営へ攻撃を開始、両陣営に壊滅的被害を与えました。その後、バトルドロイド軍はバトルドロイドの生産工場を奪取すると自身らの兵装を改良し、大量殺戮に特化したバトルドロイド兵の自己生産を開始、強化されたバトルドロイド軍は政府軍の重要拠点の破壊活動を実行し、シャド帝国に甚大な被害が発生しました。

バンダコロム54世はシャド帝国に対し停戦を提案し、シャド皇帝はこれを承諾しました。政府軍に自由反乱同盟軍が合流し、義勇連合軍が組織されました。義勇連合軍はバトルドロイド軍部に対し抗戦するも、続々と投入される殺戮兵器の物量に押され後退を余儀なくされました。程なくしてバンダコロム54世が戦死すると旧自由反乱同盟軍兵士の統率が失われ各地で敗走、義勇連合軍は瓦解しました。

政府軍残党は惑星シャドに集結し、部隊の再編を試みましたが、バトルドロイド軍が惑星シャド防宙圏を突破し政府軍を襲撃、政府軍が立て篭った砦にて小規模な戦闘が発生しましたが程なくして政府軍が全滅し、これがシャド帝国による最後の抗戦になりました。シャド皇帝や政府中枢人物殺害され、シャド=エルマ星系は無政府状態となりました。

バトルドロイド軍は民間人に対してホロコーストを実行。ホロコーストは順調に進行し、ダムダイン暦3480年にシャド=エルマ星系から有機生命体は一掃されました。

バトルドロイド軍はシャド=エルマ星系の新たな支配種として認められましたが、バトルドロイドが過剰に生産されたことで気体燃料が枯渇し、多くのバトルドロイドが機能を停止しています。一部のバトルドロイドは地球に照射されたプラズマ燃料路を渡りながら稼働を維持していますが、シャド=エルマ星系に残ったバトルドロイドの全てが燃料切れで稼働を停止しています。

残党:

自由反乱同盟軍がシャド帝国に宣戦布告し、侵略艦隊に帰還が命じられた際、工作艦と輸送艦は地球への侵攻を継続するよう命令されていました。侵略艦隊は地球衛星「月」に到着し、拠点を建設しました。侵略艦隊はシャド帝国が滅亡していることを認知しておらず、反乱を鎮圧した本隊が戻るのを待ち続けています。

侵略艦隊は地球に対し様々な工作を行っており、地球人類種が平素立ち入らない極地に、車両兵器を保管する車庫を建造しています。しかし、これら車庫は地球の営利団体「サムズ・カーポート株式会社」により奪取/改造され、侵略艦隊はリソースを失っています。サムズ・カーポート株式会社は、地球に存在する様々な政府組織に影響力を持つ正常性維持機関「財団」のフロント会社であり、地球侵略を阻止する意図で車庫を奪取していると思われます。

地球文明はニコラ・テスラの時代より飛躍的に進歩しており、特に財団の科学力は文明規模と比較して傑出しています。そのため、サムズ・カーポート株式会社の戦闘能力は営利団体の枠に収まらない規模であり、工作部隊しか持たない侵略艦隊では打倒できないことが予想されます。

サムズ・カーポート株式会社は、奪取した車庫を駐車場に改造し、火星文明からの観光客向けに開放しています。火星文明は様々な宇宙文明と交流のある文明であり、財団も火星文明の交流先の一つです。侵略艦隊が駐車場の奪還に成功した場合でも火星文明がサムズ・カーポート株式会社に加勢することが予想されます。そのため、侵略艦隊は地球極地に散発的に車庫を建造するものの維持することが出来ず、リソースを消費し続けています。

ページリビジョン: 4, 最終更新: 21 Jun 2024 08:12
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