クレジット
タイトル: SCP-2427-JP - 「因果の蝶」 (The Causal Butterfly)
著者: loserloser loserloser
作成年: 2025
アイテム番号: SCP-2427-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-2427-JPは、サイト-19の電磁シールドが施されたファラデーケージ内の真空コンテナに収容されます。O5評議会の直接承認なしにコンテナを開封したり、オブジェクトを取り扱ったりすることは固く禁じられています。巻き鍵(SCP-2427-JP-1)は、サイト-01の高セキュリティ保管庫に個別に移送され保管されます。
職員が自身の環境、記憶、または歴史的記録に自然発生的な変化を認識した場合、直ちにサイト管理者に報告しなければなりません。これは、SCP-2427-JPの封じ込め外での活性化イベント、または類似の時間的異常存在の発生を示唆している可能性があります。
説明: SCP-2427-JPは、オオカバマダラ(Danaus plexippus)に似せて作られた自動人形(オートマタ)です。主に真鍮、銅線、そして翼を覆う未知の虹色の金属で構成されています。SCP-2427-JP-1は、SCP-2427-JPの胸部機構に適合する小さな真鍮製の巻き鍵です。
SCP-2427-JP-1を使用してSCP-2427を巻き上げると、オブジェクトは活性化します。活性化段階では、30秒から5分間不規則に飛行した後、不活性状態に戻ります。
活性化段階において、SCP-2427-JPは局所的な時間改変イベント(小規模なCKクラス再構築シナリオに分類される)を引き起こします。SCP-2427-JPの活性化地点の周辺(半径約1km以内)で、過去24時間以内に発生した単一の、一見取るに足らない出来事(以下、前駆事象)が変化します。
この改変は因果連鎖を生み出し、時間の流れに沿って伝播し、現在の現実に変化をもたらします。この変化は、人事配置や在庫の微細な変更(Euclid級改変)から、壊滅的な封じ込め違反や重要人物の存在抹消(Keter級改変)にまで及びます。発生する変化の規模は、活性化段階の持続時間とは相関がありません。
SCP-2427-JPは、前駆事象を選択する際に初歩的な認識または意図を持っているように見受けられ、しばしば結果として生じる混乱や、財団の活動に対する妨害を最大化するような事象を選択します。
SCP-2427-JPは、複雑なオートマタの製作で知られる隠遁した時計技師、アルフレッド・████████(POI-2427-JP-A)の工房から回収されました。工房周辺の町で矛盾した現実シフト(例:町役場が歴史的建造物であると同時に新築のスーパーマーケットでもある、住民が互いに矛盾した記憶を主張する)が複数報告されたことを受け、財団エージェントが調査を行いました。
時計技師は工房内で死亡しており、工房には食料が十分に備蓄されていたにもかかわらず、検死の結果、死因は重度の栄養失調および餓死とみられました。遺体の近くの作業台には次のようなメモが残されていました。
食べさせてくれない。試すたびにリンゴは塵になり、食料庫は建てられなかったことになる。庭は荒れ果て、井戸は枯れた。時は弄ぶべき機構ではない。この蝶を壊さねばならないが、巻き鍵を隠すのが精一杯だった。
SCP-2427-JP-1は、工房の床板の下に隠された金庫から発見されました。
実験はゲーブル博士の監督下で行われた。タイムラインの変更は、隔離された観測室に配置されたスクラントン現実錨(SRA)の記録と、外部の観測員の証言の比較によって特定された。
実験2427-JP-01:
日付: 20██/██/██
活性化持続時間: 45秒。
前駆事象(遡及的に特定): D-1138は実験室に入る前に立ち止まって靴紐を結び直した。改変されたタイムラインでは、靴紐は解けなかった。
結果: D-1138は3秒早く実験室に到着した。他に有意な変化は認められなかった。(Euclid級改変)
実験2427-JP-03:
日付: 20██/██/██
[データ削除済] - O5の指示による。この実験結果は、財団の主要な歴史的事件に関わる機密情報を含んでいた。アクセスはレベル5セキュリティクリアランスに制限される。
実験2427-JP-04:
日付: 20██/██/██
活性化持続時間: 1分12秒。
前駆事象: H.ゲーブル博士は午前8時15分に机にコーヒーをこぼした。改変されたタイムラインでは、こぼさなかった。
結果: ゲーブル博士はスーツを洗うために洗面所へ行かなかった。その結果、午前8時22分にSCP-███が封じ込め違反を起こした際、彼はラボCに居合わせた。元のタイムラインでは、SCP-███は速やかに収容された。改変されたタイムラインでは、ゲーブル博士はSCP-███に同化され、結果として14名の死傷者を出す長期の封じ込め違反につながった。(Keter級改変)
結論: 実験は無期限に停止された。オブジェクトクラスのKeterへの引き上げが申請された。
発: O5-7
宛: サイト-19管理者、SCP-2427-JP研究チーム
SCP-2427-JPの危険性は、単に過去を変える能力にあるのではなく、その変化が現在にどのように現れるかを予測することが不可能である点にある。実験記録04は、ほんの些細な出来事の変更が、いかに容易く壊滅的な結果につながるかを示している。たった一杯のコーヒーが、サイト全体の危機につながるのだ。
さらに懸念されるのは、このオブジェクトが意図的に混乱を引き起こそうとしているように見える事実だ。これは単なる機械ではない。財団の安定性を脅かす、知性を持った脅威として扱わなければならない。
我々はこれを活性化するリスクを冒すことはできない。逆行分析や兵器化の提案は全て却下する。Keter分類を承認する。