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邦題: 記憶処理剤の分類について
翻訳責任者: Gipolibidemia Gipolibidemia
翻訳年: 2024
著作権者: Osobist Osobist
原題: Классификация амнезиаков
翻訳元作成年: 2012
初訳時参照リビジョン: 6 (2021)
元記事リンク:
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記憶処理剤とは記憶の消去または改竄に使用される薬品の総称である。財団において記憶改竄は広く適用され、機密保持原則を適切な状態に保つ礎石となっている。記憶処理剤は一部のSCPから発生した物質に特殊な調整を施して製造されているが、一方でより効果的に作用し、のみならず安価かつ容易に製造できる合成記憶処理剤の開発が進められている。
記憶処理剤の基本的な作用機序は、それがヒトの脳神経に及ぼす特殊な効果に立脚している。記憶処理剤が適用されるとその有効成分が化学反応を起こし、この際生成された物質が脳神経を一部機能不全に陥らせるか、あるいはその全体を破壊する。曝露する脳神経の範囲は、記憶処理剤が強力になるほど拡大する。処理剤の効果を強化する際には、薬品を投与することで体内における特定のホルモンの分泌を促す措置が取られている。プログラム系記憶処理剤は、ノウアトロピクス (向知性薬) と同様、新たな脳神経の形成を促すものである。
記憶処理材はその性質、用途、効果の大きさ、および適用方法に基づき、詳細にクラス分類されている。
- A型記憶処理剤: プログラム系記憶処理剤。最近の記憶を消去することを用途とする。消去される記憶の期間は30分〜2日の範囲で調整できる。投与には筋肉注射を用いる。
- B型記憶処理剤: プログラム系記憶処理剤。最近の記憶を一定程度改竄することを用途とする。B型記憶処理剤は最も適用頻度が高く、セキュリティクリアランスレベル1以上の職員であれば自職場のメディカルセンターにて書面申請して取得できる。水溶性タブレットおよびアンプル型のものが使用できる。
- オメガ型記憶処理剤: 特殊仕様のB型記憶処理剤。SCP財団職員が機密保持原則を何らかの形で違反した際、当該職員に適用される。この型の記憶処理剤はSCP財団そのものの存在および、財団が有する特定の要素にまつわる記憶全体を完全消去する。またこの型の記憶処理剤は、財団にリクルートされた職員候補のうち、契約書に同意しなかった者、あるいは試用期間後のテストに合格できなかった者の処理にも用いられている。使用形式はB型記憶処理剤と同様。
- C型記憶処理剤: 非プログラム系記憶処理剤。記憶改竄が不可能と見なされたか、長期にわたる記憶消却が必要とされた場合に、記憶を抹消することを用途とする。またC型記憶処理剤はミームへの曝露を中和する際に用いられることもあるものの、当該ミーマチックハザード終了が成功する確率は45〜55%となっている。C型記憶処理剤の使用形式は注射器。また広域に適用しなければならない事例においては、スプレーで用いられ、大気中に散布されることもある。
- D型記憶処理剤: 非プログラム系強作用型記憶処理剤。記憶のみならず人格をも完全消却することを用途とする。不可逆的な影響を残してしまうことから、使用されることはほとんどない。使用形式は注射器およびスプレー。
記憶処理剤を中和したい、あるいはその効果を変更したい場合、特定薬品████-████████が有効なことがある。ただしこれは記憶処理剤の適用から35〜37時間経過する前でなければ効果を発揮しない。またこれはAまたはB型記憶処理剤を使用した場合にのみ可能なプロトコルである。
以上のベースクラスの他にも、数多くのサブクラス記憶処理剤が存在する。これらは、例えば「何らかのミーム影響ないし精神影響の被害を受けた人物に適用する」等、種々のニーズに特化して作られたものである。加えて、広域への曝露に特化した記憶処理剤も存在する。こちらは人々の大多数、あるいは地球の全人口の記憶を消却/改変しなければならない事例において、地球大気に散布されるものである。この手順は「████ (██████)」と称され、SCP財団の歴史上██回にわたって使用されてきた。