インタビュー記録2274-1
評価: +8

インタビュー対象: D-1366

インタビュアー: ███博士

前記: D-1366とのインタビュー。D-1366は他のDクラス職員がSCP-2274を収容下から取り出そうとしているところを目撃しました。D-1366はSCP-2274の効果を知らず、このDクラスへと対話を試みました。D-1366は動揺した状態にあり、概して反応が鈍かったため数日間報告をすることができませんでした。

<記録開始>

███博士: あなたが見たものを教えてください。

D-1366: ああ、クソッ。ああ、████のこと? あの男からは、すごく後ろの方の部屋のロッカーから何かを持ってくるように言われたわ。それでこの、あー、この掴むためのピンクの手袋を渡してきたのよ。

███博士: D-████に気がついたのはいつですか?

D-1366: うーん、そうね。部屋に入るときに入口の警備員の人が私にニヤついてきて、それが気になってぼーっとしていたのよ。それで前を見てなかったせいで彼にぶつかりそうになったの。彼は......2列目に立ってたわ。私の行き先から数えて3つ目のロッカー。彼は開いたロッカーの前でずっと立ってた。

███博士: ロッカーの中のものは見えましたか?

D-1366: 段ボールだったと思う。彼は箱の中をじっと見てたわ。箱が高かったから中は見えなかったかな。それと、彼はロッカーの真ん前にいたんだけど、おでこがロッカーの縁に当たりそうだった。彼の周りはほとんど何も見えなかったから、あれが本当に箱だったかもよく分からないわね。ほら、ここには変なものとかもあるでしょ? ひょっとしたら箱みたいに見えただけで、もっと別のものだったのかも。

███博士: 保証しますが、あれは確かに箱でしたよ。ロッカーの中のものを見なければならないと強く感じることはありましたか?

D-1366: いいえ、でもあなたが聞いたのは私の見たものでしょう? ベストは尽くしたわ。

███博士: その後何がありましたか?

D-1366: 何も。彼は振り向いたり動いたりはしてなかったし、まるで私がいないみたいにしてたわね。

███博士: それであなたはどう反応しましたか?

D-1366: 私はちょっと怖くなったの。ひょっとしたら発作か何かで動けないんじゃないかと思って、それで彼が大丈夫か確認する時間はあるなって考えたの。何というか、私がやらないと、みたいに思ったのよ。それでこんな風に聞いたの。「ねえ、何をしているの?」って。

███博士: 彼は何と返したのですか?

D-1366: 彼は、あー、[咳払いをする] 彼は「彼が立つように立つ」と言ってたわ。すごく棒読みで、感情がないみたいな感じで。

███博士: それに対してあなたはどう答えましたか?

D-1366: それで、ちょっとゾッとしたのよ。彼の行動はただただ不気味だった。何がしたいのかよく分からなかったし、変なことされるんじゃないかと思ったの。だから彼を振り向かせようとして、それで......

███博士: それで、何ですか?

D-1366: それで彼に殴られた。

███博士: 詳しく教えてください。

D-1366: まず肩を掴んで彼の顔をこっちに向けさせたわ。彼はほんとに、ほんとに目がぼんやりとしていて、何かぶつぶつ言ってたわ。彼はただつっ立って私を見ていたの。ええと大体1秒くらい。その後彼が唸りだしたの。

███博士: 唸った?

D-1366: ええ、唸ってた。叫び声とか悲鳴とかじゃなくて唸り声だった。ほんとに大声だった。野生っぽいというか、本能で出した声のように聞こえたのよ。建物全体が震えたみたいだったわ。ほんとに恐ろしくて気味が悪くて。あの声はまるで......

[D-1366が話を止める]

███博士: まるで?

D-1366: まるで人間じゃないみたいだった。

███博士: その後どうなりましたか?

D-1366: 喉を握られて、首を絞められたの。目の前がぼやけ出して......私、「もうダメ。死んじゃうんだ」って思ったわよ。怖かった。人間死ぬ時は冷静になるものだってよく言うけど、私はほんとに気が狂いそうだった。

███博士: それでどうなりましたか?

D-1366: 部屋の前にいた警備員の人が入口の方にいるのが見えたわ。たぶん唸り声を調べに来ていたんでしょうね。彼が私を目の前の男から引き剥がしてくれたわ。

███博士: その後は?

D-1366: 警備員が彼を撃ち殺した。

[D-1366は沈黙する]

███博士: その後について何か覚えていることはありますか?

D-1366: いえ。気を失ってしまったから、その後のことは何も分からないわ。何か重要なことを忘れていたらごめんなさい。とにかく色んなことがありすぎて。

███博士: 分かりました。

D-1366: まだ頭の中で彼の姿が浮かぶのよ。何度も何度も。彼が死んだとき、頭はほとんど吹き飛んでいたわ。何が彼をあそこまで突き動かしたっていうのよ?

<記録終了>

終了報告: D-1366はインタビュー直後にクラス-C記憶処理を施されました。精神への長期的影響は確認されていません。

ページリビジョン: 4, 最終更新: 10 Jan 2021 16:38
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